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「マイナポイント」で、マイナンバーカードは普及するのか?

2020-09-01 19:19:20 | アラカルト

今日から「マイナポイント」の運用が、はじまった。
今朝の新聞にも、全面広告で「マイナポイント」についての説明やら登録の仕方、メリットなどが掲載されていたのだが、さほど興味がない為「あ~~、マイナポイントという名のマイナンバー普及策ね」という程度の認識で、見終わってしまった。
総務省:マイナポイント事業

この「マイナポイント」だが、今年の春まで実施されていた「キャッシュレス決済」普及の、第2弾のような印象を持っている方も多いと思う。
確かに「キャッシュレス決済」は、国が推進している政策の一つではあるが、この「マイナポイント」の場合、むしろ「マイナンバーカード」の普及を目的としているような気がしている。
ネーミングそのものも「マイナンバー」に引っ掛けたような、キャンペーン名だからだ。

この「マイナポイント」については、事前手続きが必要でその際必要となるのが「マイナンバーカード」ということになる。
「キャッシュレス決済」のように、店頭や通販でキャッシュレス決済をすれば、一定の割引があるというわけではない。
そのコトを考えると、「キャッシュレス決済」の推進・普及の時のような「生活者にとっての手軽さ」は、無いといって良いと思う。

「マイナンバーカード」を用意したからといって、マイナンバーとキャッシュレス決済を選べば、自動的に「マイナポイント」が付与される、というわけでもない。
上述した通り、事前登録が必要なのだ。
その事前登録期間が、「キャッシュレス決済」が終了した7月から始まり、今日から本格運用となっているのだ。
マイナポイント

ここまでの手順で、挫折してしまう方はいらっしゃるのではないだろうか?
こんなにも手間のかかる方法で得られる「マイナポイント」は利用金額の25%。ただし上限は5,000円まで。
「マイナポイントを上手に使えば、使うほどお得になります!」ということになると思うのだが、そこまでして「マイナポイント」を得たいのか?というと、意見が分かれるところかもしれない。
電子マネーなどでのキャッシュレス決済を普段からしている方にとっては、日々の買い物で得られる割引は大きいので積極的に使いたい、という気持ちになるだろう。

だがやはり気になるのは「事前登録」等の手続きが必要である、という点だ。
上述したように「マイナンバーカード」の普及を目的の一部としているので、とにかくマイナンバーを取得する必要があるからだ。
そのマイナンバーも役所で申請をして、すぐにもらえるわけではない。
これは「定額給付金」の時にも、話題になった通り「マイナンバーカード」が手元に届くまでに1ヵ月位の時間が、必要なのだ。

だったら早めに手配しておけ!という意見の方もいらっしゃると思うのだが、「マイナンバーカード」そのものが身近で必要なモノとして感じられていない人や、個人情報が流出するのでは?と、懸念している人にとっては「メリットそのものが、感じられない」ということになる。

「マイナポイント」そのものを政策として、どうなのかな~と感じる点は「手続きの煩雑さ」だ。
もっと簡便な登録方法ではないと、高齢者などは登録できないかもしれない。
何より、「マイナンバーカード」普及の為に、キャッシュレス決済を抱き合わせる、というのはどうなのだろうか?

まず「マイナンバーカード」が、何故普及しないのか?ということを、考えたほうが良いのでは?
この「マイナポイント」は、税金から予算が組まれている、ということには変わりないのだから。
日経新聞:マイナンバー、ポイント付与に2458億円 20年度予算案