日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

AIでも、大きく外れることもある

2020-09-24 22:53:24 | ビジネス

Yahoo!のトピックスに、チョッと変わった「性格診断」があった。
ねとらぼ:あなたは東大タイプ?それとも京大タイプ?大学擬人化キャラで例える性格診断サイトがオープン

この「性格診断」サイトを作ったのは、国立産業技術総合技術研究所という、大真面目な研究機関で、AIに対する理解促進の為に開発されたものだ。
面白そうなので現在アクセスができる「簡易版」をやってみたのだが、どうやら大きく外れたような気がしている。
外れた気がしているのは、私本人で客観的に見れば「案外当たっている!」と、思う友人知人はいるかもしれない。

ただこのようなデータを集め、パターン化して様々な分野で活用しよう、という機運は高まりつつある。
その一例となるのが、AmazonなどのECサイトで見かける「あなたにおすすめ」で表示される商品だ。
最近ではInstagramなどでも、「〇〇さんをフォローしているあなたにおすすめ」という案内まで、送信されるようになった。
ただ残念なことに、これらの「おすすめ」を見て「欲しい」とか「フォローしたい」という、気になったことがまずない。

何故なら、ECサイトで商品を購入する目的の中には「自分が欲しい」のではなく、「人から頼まれた」場合があったり、「フォロー」している相手に対して、何等かの目的例えば「知人だから(あるいはファンだから)フォローしているだけで、それ以外の人には興味がない」といった場合などは、いくら「おすすめ」されても「違うんだよな~」で終わってしまう。

AIはデータを集め、分析をし、その傾向を知ることは、得意だ。
だから表示される「おすすめ」は、あくまでも一個人の気持ちや思い、動機などを想像しているわけではない。
もちろん今回の「性格診断」の回答が5問ではなく、もっと増えればより「私に近い性格診断」ができるだろう。
だが、人には「気分」というモノがある。
その時々で「回答する内容が、変わる」という可能性があるのだ。

AIに限界があるとすれば、この「人の気分」というモノを、推し量ることができない、という点だろう。
違う言い方をするなら「AIのデータは、客観性に富む」が「人の主観を推し量ることはできない」ということになるかもしれない。
これまで「AI社会を生き抜く為に・・・」というタイトルの書籍などが、数多く出版され「これからAIに取って代わられる仕事・職業」等が話題となり、戦々恐々している方も少なくないだろう。
特にAIにとって代わられる仕事・職業の中には、社会的地位の高いあるいは高収入と言われる職種などが、数多く含まれているからだ。
とすれば、「データの蓄積できない仕事」は、AI時代になっても取って代わられることが無い、ということになる。

ただ、今回の「性格診断テスト」の最後にあったネットワーク図は、様々な考えをまとめるのに、とても参考になると思う。
実際、私が事業や商品について考える時は、このような「関連図」を作っているからだ。
思考の広がりとその関連性を整理する為には、参考になると思う。