Yahoo!のトピックスにも取り上げられていた、ドルチェ&ガッバーナの中国を揶揄したとされる動画。
元となったのは、CNNのニュースだ。
CNN:ドルガバの動画に「人種差別」の批判、中国のショーが中止に
このニュースの数時間後、事態はもっと深刻になっていたようだ。
Yahoo!ニュース:一晩で中国市場を全て失ってしまったドルガバ炎上事件の衝撃
ここ数年のドルチェ&ガッバーナはファッションとしてよりも、このようなゴシップというかブランドイメージを大きく傷つけるような話題ばかりが、先行しているような気がしている。
Huffpost:ドルチェ&ガッバーナに抗議。モデルはランウェイで突然、服を脱いだ
彼らを有名にしたのは「シシリアン・ドレス」と呼ばれる、いわゆる「スリップドレス(下着のスリップのような薄手で体にフィットし、バストを強調するようなデザイン)」で、マドンナが彼らの服をステージ衣装として着る様になったコトで、日本でも人気が出たように記憶している。
以来、それまでのミラノコレクションの中でも注目されるブランドに成長し、日本でもファッション好きを公言するようなタレントさんが、着ていたことから、日本でもある程度の市場を獲得したという覚えがある。
ファッションデザイナーとしての才はあると思う。
それは、彼らが登場する前のミラノコレクション全体が、良くも悪くもパリコレクションに比べ、落ち着きがありエレガントな雰囲気で、ベルサーチのような鮮やかな色を大胆を使ったデザイナーもいるが、どちらかといえば素材の良さや着易さが感じられるようなコレクションが多かった。その代表デザイナーはアルマーニかもしれない。
そのようなデザイナーが多い中で、若い彼らのデビューはセンセーショナルだったし、ミラノコレクションを活性化させた功労者かもしれない。
そして今回の件に関していうなら、ドルチェ&ガッバーナの二人だけではなく、欧州のブランドは中国という大市場への進出に積極的だが、進出する国のことを知らない、ということが露呈した、ということだろう。
既に削除された動画を見たが、ピッッア(=イタリア)と箸(アジア、あるいは中国)という意味で、このような企画となったのかもしれないが、企画そのものが安直だった感は否めない。
しかも、このモデルさんは箸使いが全くできていなかった(まぁ、菜箸のような箸でピッツアを食べること自体、至難の業ともいえるが)。
このような経験が数多くある(?)日本は、その程度のCMだと思って「またですか(苦笑)」程度で済まされたかもしれない。
その程度の企画を炎上させ市場を失わせたのは、InstagramやTwitterなどのSNSの影響力と、ドルチェ&ガッバーナ側の対応力の無さだろう。
上述した通り、ドルチェ&ガッバーナはここ2,3年「SNSの炎上」を使って、注目を集め成功したという「成功体験」があったのは、事実だ。
しかし今回はその「SNS炎上」によって失敗をしただけのことで、中国という巨大な市場を失ったことは痛手だろうが、彼らの主な市場欧州ではさほど影響はないと、ドルチェ&ガッバーナ側は思っているのでは?という気がしている。