先週行われた、米国の中間選挙。
ご存じの方も多い、「バイデン大統領の中間テスト結果」のような位置づけとも言われている。
以前、拙ブログでも書かせていただいたのだが、この2年間バイデン政権で世界的に話題となるような政治的な話題は、あまり聞かれなかったような印象を持っている。
その一つの理由は、ロシアのウクライナ侵攻などにより、注目の中心が米国ではなく欧州であった、ということも関係しているのかもしれない。
もちろん、バイデン政権はウクライナ支持をいち早く表明したが、実質的な介入は避けてきた。
そのため?「世界の警察・米国」というイメージは、無くなりつつあるような気がしている。
それは「強い米国」というイメージから、「先進諸国の一つ・米国」になった、という印象を与えたようにも思える。
それが良い・悪いというのは、今後の国際政治などの中で、判断されているのだろう。
もう一つは、バイデン大統領が高齢であるがために、認知力に問題があるのでは?という指摘がされていた、という点だろう。
実際、中間選挙前には既に亡くなられた方の名前を公的な場で呼ぶ、ということもあった。
この報道がされた時、懸念されたのがバイデン大統領の認知力の問題だった(と、記憶している)。
そのため、今回の中間選挙では「レッドウェーブ」が起きるのでは?という、見方が多かった。
「レッドウェーブ」というのは、「共和党圧勝・トランプ氏の復活」ということを指していた。
理由は、共和党のイメージカラーが赤だからだ。
トランプ氏が、常に赤いネクタイをしていたことを、記憶している方も多いだろう。
トランプ氏が、党カラーだからという理由だけではないと思う。
「赤」という色は、情熱などを示すだけではなく勝利をイメージさせる色でもあるからだ。
そのため、「レッドウェーブ=共和党の勝利」ということが、中間選挙前に言われていたのだ。
NHK News:アメリカ中間選挙2022【詳細】
しかし、上院での結果では「レッドウェーブ」が起きなかったようだ。
その理由として、今現在挙げられているのは、今年の夏連邦最高裁が「中絶に関する女性の権利」を覆したからだ。
JETRO:米最高裁、女性の人工中絶権を認めた1973年の判例を破棄
この時の連邦最高裁の判断は、全米の女性から、相当な批判が沸き起こった。
というのも、この最高裁の判断をした一人がトランプ政権下に選ばれた人物だったからだ。
元々米国中間選挙では、与党となっている政党支持者は中間選挙そのものへの関心は低く、実際の投票に行く支持者は多くない、と言われてきた。
ところが上述したように、トランプ政権下で選ばれた最高裁の判断を覆す為には、選挙に行き自分たちの意思を示すのが、一番効果的だからだ。
最高裁判事は、終身なので選挙に行ったからと言って、判事が罷免されるようなことにはならない。
ただ、9人いる判事のうちこの「中絶に関する判例を破棄した」保守派の判事には、良い意味での「圧力」を掛けることができる。
このようなことが、「レッドウェーブ」が「さざなみ」程度に終わってしまった、ということに繋がったとすれば、改めて「選挙に行く意味」の大切さを実感するのだ。
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