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「色」の持つ力

2022-11-15 22:03:55 | アラカルト

先日、東洋経済のWebサイトを読んでいたら、とても興味深い記事があった。
東洋経済on-line:「世界から”色”が消えている」衝撃事実の驚きの訳

記事を読んで面白いと感じた理由は、情報過多になればなるほど「情報を伝える為」に色や個性あるロゴよりも、単純でシンプルなモノの方が、メッセージが伝わりやすい、という点だ。
確かに、ここ数年でファッション関連の企業のロゴなどは、「わかりやすい」ロゴへと変わってきたように思う。
ただ「わかりやすい」と、認知されやすいと同じではない、と思うのだ。

今から30数年前、日本の企業は「CI」にとても熱心だった。
「CI」とは「コーポレーションアイデンティティ」の略で、多くの上場企業がロゴを変え、コーポレートカラーをつくり、それらを基にCMなどの広報活動に使っていた。
一目見ただけで、企業名と企業らしさが伝わる為の「企業イメージ戦略」だった。
その結果として、テレビCMなどは様々な企業の「色」にあふれていたように思う。

それが今のような「シンプル」な色やロゴがあふれるようになると、「企業の個性=らしさ」というものが、逆に伝わりにくいのでは?という、気がしてくるのだ。
それは企業だけだろうか?と考えると、社会全体が、「シンプル」な思考になっているようにも思えてくる。
「シンプル」と言えば、聞こえは良いが「単純化」あるいは「考えない」ということにも、繋がっているような気がするのだ。
もっと突き詰めて言うなら「短絡的」ということになるのかもしれない。

と同時に「同調性の強い社会」ということにもなるのでは?という気もしている。
掛け声は無いけれど、暗黙の了解のように「右向け右」のような、個人の考えや思考よりも集団の声の大きさあるいは「家父長制」のような権力者に従うような社会になるのでは?という、ことなのだ。
そのような社会が、豊かな社会なのだろうか?という気がするのだ。

逆にカラフルな色で思い浮かべるのは、「LGBTQフラッグ」だ。
別名「レインボーフラッグ」と呼ばれているモノだが、様々なカラフルな色は「多様性」をあらわしている、と言われている。
「多様性を認める」象徴として、カラフルな色の旗を掲げているのだ。

何より「色」には、様々なメッセージが込められている、と言われている。
先日行われた米国中間選挙を見ればわかるように、共和党の党カラーは「赤」だ。
「赤」という色には、勝利や情熱などを感じさせると、言われている。
一方民主党の党カラーである「青」は、冷静さや誠実などをイメージする色と言われている。
とすれば、「色のない社会」は、情報過多の中でのメッセージを伝える為ではなく、「個性もメッセージもない社会」ということになってしまうように思えるのだ。



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