Yahoo!のトピックスに「ファストリが韓国での不買運動を受け謝罪」という、記事があった。
元となった記事は、WWDJapanに掲載されていたものだ。
WWDJapan:ファストリが韓国での不買運動を受け謝罪
今やユニクロとGUを世界規模で展開するファーストリテイリングとしては、韓国での不買運動についての感想としては、問題となった発言の通りのような気がする。
ファーストリテイリングとして、考えなくてはならないのは展開をしている事業全体のことだからだ。
欧州なのでの好調さを考えると、このコメントは決して的外れではないと思う。
確かに、韓国での不買運動による影響はあると思うのだが、韓国で起きている日本製品に対する不買運動の背景にあるモノは、「まさか、日本がこのような厳しい経済措置をするとは思ってもいなかった」というような、自分たちの思惑が外れたことに対する不満によるもののような印象がある。
それは1970代~1980年代に起きた日米貿易摩擦で象徴的に扱われた「日本製品」をハンマーでたたき壊す、というパフォーマンスに似ているような気がするからだ。
米国で起きた貿易摩擦でのパフォーマンスと大きく違うのは、経済問題に端を発した訳ではない、という点だろう。
ファーストリテイリング(正しくは「ユニクロ」)に対する、不買運動は感情的な要素が高いため、ビジネス的な問題解決をすることが難しい、という点にあるのでは?と、考えている。
今の韓国市民にとっては、「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い」というような、心理的状況なのだと思う。
そのために、重箱の隅をつつくような「言葉のニュアンス」を取り上げ、問題視し、謝罪を求めているように思えるのだ。
「謝罪をする」というのは、企業として市場の信頼を失うような行為をした時に行うべきものであって、感情的に動く群衆に向かって言うべきものではないと思うのだ。
「ビジネスとして韓国の市場が重要である」ということであれば、謝罪ではなく「ファーストリテイリングにおける、韓国市場の見解」というものを示しながら、「感情ではなく多くの人の感性にフィットする製品を提供する」という趣旨の言葉のほうが、良かったのではないだろうか?
ファーストリテイリングが謝罪したことで、一時期的には「溜飲を下げた」ように見える韓国市民だが、謝罪の対象がハッキリしていないため、同じようなことが次から次へと起き、そのたびに「謝罪をする」ということにもなりかねない。
その場の騒ぎを納めるための謝罪は、謝罪のスパイラルをつくるような気がするのだ。
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