数日前から、一部の音楽ファンの間で話題になっていたことが、今日のYahoo!トピックスに取り上げられていた。
共同通信: 「ヘルプマーク」に酷似と困惑 椎名林檎さん新作グッズ
上述したように、この問題というのは数日前から一部の音楽ファンの間で、話題になっていた。
その時も「ヘルプマーク」を本当に必要としている人に対して、失礼なのでは?という、ヤフコメ等があった。
因みに、記事中では「東京都が作っている」とあるため、東京だけでしか配布されていないと、思われる方もいらっしゃるかもしれないのだが、全国の自治体で無料で配布されているものだ。
ただ、「ヘルプマーク」をもらうための基準となるものが、はっきりとしていない、という問題も以前から指摘されていたような記憶がある。
まずこの「ヘルプマーク」というものについてだが、「内臓疾患や精神疾患等のように、外見ではわからない支援を必要としている人が、助けを必要としている時には、支援をお願いします」という、意思表示を示すタグだ。
本来であれば、医師の診断を基に医療機関経由で、自治体が交付するようなカタチが良いとは思うのだが、システム的にはまだまだ難しい点が多いのかもしれない。
まして「コロナ禍」で、医療機関そのものがパンク状態の為、現実的には無理なのだろうという、想像はできる。
さて、この椎名林檎さんのグッズの酷似というのは数日前から、一部の音楽ファンの間で話題になっており、その時の所属レーベルの対応は「協議中」というような内容だったと思う。
あくまでも公的機関が、障害を持っている人たちの為のタグと酷似している、という指摘があった時点で、何等かの対応をする必要があったはずだのだが、「協議中」というような言葉で濁し時間を空けてしまったため、このような一般メディアにまで報道されることとなってしまったような感じだ。
一部の音楽ファンだけの話題であれば問題がなかったのか?という訳ではないのだが、ボヤは早いうちに消火すれば大火災にはならない、という意味だ。
まして、問題が指摘されて時点で赤十字からも「グッズの取りやめ、デザイン変更」などの申し入れがあったと、記憶している。
それを野放しにしてしまったがために、大火災になりつつある、という状況なのだ。
それにしても、なぜこのようなデザインを起用してしまったのか、不思議でならない。
グッズには椎名林檎さんの名前にかけ、リンゴに陰陽のマーク「タオ」がデザインされていることから、アルバムタイトルのイメージからこのようなグッズを思いついたのだと思う。
とすれば、このデザインを起こした時点で、「似たようなデザインの有無の確認」をする必要があったはずなのだ。
何故なら、場合によっては版権を含めた、様々な権利侵害する可能性があるからだ。
「赤十字のマーク」だからとか、「タオのデザインは一般的に出回っている」から、権利侵害は起きないと考えたのかもしれない。
さらに残念だったのは、椎名林檎さんが所属しているレーベルが、「ユニバーサルレーベル」という、世界最大の多国籍レーベルであった、という点だ。
多国籍レーベルとなれば、レーベル展開をしている様々な国の事情を把握する必要がある。
日本ではOKなデザインであっても、欧州や東アジアでは✕という場合があるからだ。
このような点で考えた時、グッズのデザインチェックが甘かった、というだけではなく打合せ時点で問題視されなかった、という点でも問題を大きくしている。
問題を指摘された後の対応の遅れも、問題だがこのような制作段階ので一つひとつのチェックの甘さが、今回のようなことを招いたという気がしている。
ただこのようなことは、椎名林檎さんのグッズに限ったことではない。
一般企業の販促グッズでも起きる問題でもあると認識する必要がある。