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テイラー・スウィフトと社会的影響力

2024-02-05 20:19:54 | アラカルト

今日、米国最大の音楽賞である「グラミー賞」の授賞式があった。
今年の話題は、史上最多ノミネート回数のテイラー・スウィフトが、どの部門で受賞をするのか?ということだった。
そして予想通り、最優秀アルバム賞を受賞している。
他にも、主要部門のノミネートが女性で多く、主要部門での受賞者も女性が多かった。
その意味では、昨年の米国音楽シーンをけん引したのは、女性ミュージシャンたちだった、ということになるのだろう。
とはいえ、米国の音楽賞に興味のあるのは洋楽ファン位で、日本国内の話題としての「グラミー賞」の扱いは、決して大きなものではない。
ところが今回、テイラー・スウィフトが受賞したことと連動するかのように、米国のIT企業を動かす騒動が起きている、と日本でも報じられている。
産経新聞:IT大手にも米政権にも広がる波紋 偽画像が拡散が示したテイラー・スウィフトさんの存在感 

これまで日本でも、女性アイドルや女優さんの顔とヌードモデルの写真を合成させ、あたかも顔写真を使われた女性アイドルや女優さんのヌードのように見せる、という輩はいた。
その度ごとに、顔写真を使われた女性アイドルや女優さんが、相手を訴える等の手段で対抗していたような気がするのだが、今回のテイラー・スウィフトの場合、生成AIが創り出したものであったため、IT企業を巻き込む騒動となったようだ。
生成AIが悪いのではなく、このようなプログラムを仕組んだ人が問題なのだが、上述した通り「合成写真をつくる」ということをある種の趣味(というのだろうか?)としている人は、以前からいたし、これからもいるだろう。

とすれば、生成AIでそのようなことができなくなるようにする、というのがIT企業側の防衛策ということになる。
その為に、使われた生成AIのソフトを提供しているIT企業が、一時使用を停止。
拡散させないようにSNSの規制をかける等の方法がとられた、という訳だ。

それだけにとどまらないのは、テイラー・スウィフト自身が、これまでに積極的な政治的発言をしてきたことで、政治への影響力も強くある。
現在次の大統領選挙に向け、共和党、民主党の候補者選び真っただ中ということもあり、その発言が注目されている、という訳だ。
勿論、これまで米国のミュージシャンは、政治的発言をすることに積極的であった。
有名なところでは、ブルース・スプリングスティーンは自作「Born In The U.S.A」の使用について、故レーガン大統領が選挙キャンペーンに使用したことに対して、抗議を行ったということがあった。

それに対して、政治的発言はあるモノのテイラー・スウィフトの場合、ブルース・スプリングスティーンのように表立ったメッセージ性のある楽曲は、無かった気がする。
にもかかわらず、何故テイラー・スウィフトが政治的影響力があるのか?と言えば、それは彼女の音楽以外での話題だろう。

例えば、以前契約をしていたレーベルとの「原盤権」や「盗作疑惑」等で訴えられるものの、裁判の取り下げ等を含めほぼテイラー・スウィフト側が勝っている。
その意味で、テイラー・スウィフトは「戦う女性」でありミュージシャンとしても自分の主張をはっきりできる、という女性という社会的認識が一般的になっているのでは?と、想像することができる。
だからこそ、社会的影響力が大きいと判断したIT企業や政治的影響力がある、という認識が持たれているのだろう。





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