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これからは、産地でチョコを選ぶ?

2022-11-17 15:08:26 | マーケティング

買い物に出かけたら、近所のコンビニの幟の文字に「おや?!」と、思った。
その幟には「ベトナムカカオ」と、書いてあったからだ。
Gourmet Watch:ミニストップ ベトナム産カカオを使ったチョコソフトなど「食べる観光 ベトナムフェア」発表 

「おや?!」と思ったのは、カカオの産地がベトナムだったからだ。
私の中では、カカオの産地としてベトナムというイメージが、無かったからだ。
しかし考えてみれば、ベトナムに近いインドネシアは、カカオの産地としてコートジボアールの次に多い国だ。
外務省:カカオ豆の生産量の多い国 

生産量だけを見た時、1位のコートジボアールの半分くらいではあるが、日本人の多くがカカオの生産地として思い浮かべるガーナよりもわずかだが、多い生産量を誇っている。
日本人が「カカオ=ガーナ」と思い浮かべるのは、製菓会社のチョコレートの商品名に使われているからだろう。
しかも、その商品そのものが、超が付くほどのロングセラー商品だからだ。

ただ、数年前から「チョコレート危機」ということが言われるようになった。
東洋経済on-line:2020年「チョコレート危機」は本当に来るのか 

理由は、地球温暖化やカカオの栽培の難しさ、新興国の消費増加などが挙げられていた。
カカオ豆の生産第2位のインドネシアなどは、カカオの栽培は多いものの「カカオ豆」という製品として市場に出す技術がなかった、と言われている。
その技術的援助を積極的に行い、日本ではほぼ独占的にインドネシア産のカカオ豆を使ってチョコレートを製造販売しているのが、京都のチョコレート専門店「Dari K(ダリケー)」だ。
拙ブログでも過去何度か、取り上げてきているのでご存じの方もいらっしゃるかもしれない。
品質の高いカカオ豆を製品化することで、インドネシアのカカオ農家の経済的基盤を整えるだけではなく、子どもたちの教育支援に結び付けようという考えを基にインドネシアでの事業を展開してきた企業でもある。

おそらくミニストップを傘下としているイオングループも、安定的なカカオ豆の供給ができる地域として、ベトナム産を扱うようになったのでは?という気がしている。
イオングループとしては、安定的で質の高いカカオ豆を手に入れる事ができれば、PVブランドそのに「新たな製品のものがたり」が創れるようになる。
「ものがたり」というと、イメージが付きにくいかもしれないが、「カカオ栽培からチョコレートになるまで」様々な人達が携わり、それが世界に結び付く貢献として、企業が役に立っている、という「ものがたり」だ。
もちろん、そのような商品をイオングループでしか購入できない、という付加価値も加わるし、購入する人もまた「世界と結びつく貢献をしている」という、ことになる。
当然のことながら、上述したような「チョコレート危機」を回避することもできる、という訳だ。

とすれば、生活者もまたそのような情報を基に「自分好みのカカオ産地」を見つける、という新たな嗜好が起きるかもしれない。
今の「チョコレート市場」を支えているのは、「お菓子」と「健康」の2つの側面がある。
そこに「産地」が加わることで、世界とつながる「日常生活の貢献」が、加わるかもしれない。



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