Huffpostを読んでいたら、「新しい時代の人事」という印象を持った、記事があった。
Huffpost:ニューロダイバーシティで誰もが働きやすくなる職場を。発達障害を含む「脳の多様性」を尊重する職場づくりプロジェクトが発足
この記事そのものは、企業のPR記事なので一般的な社会記事として読む必要はない、と思う。
ただ、企業の中にはこのような「脳の多様性」に注目している企業がある、ということは知る必要があるのでは?と、考えている。
というのも、いわゆる「生きづらさ」を抱えている人たちが、年々増え続けているからだ。
このような「生きづらさ」を抱えている人たちの多くは、国の社会保障費の中から生活費を提供されることが、多い。
というのも社会人になってから、いわゆる「大人の発達障害」が判明するようになった方が増える傾向にあり、社会的に問題となりつつあるからだ。
子どもの頃から「支援学級」等で学ぶことができれば、社会的支援も得やすい(と言っても自立できるだけの経済力を得る事は難しい)が、大人になってから判明すると、職を失い一気に「生活保護」を受けなくては生活が成り立たない、という状況になってしまう。
また、「発達障害」と言っても、その障害は様々で一人ひとりの問題となる障害と周囲が向き合う必要がある。
それを職場に導入する、ということは人員の問題があるだけではなく、職場全体の理解が十分でなければ、難しいはずだ。
重要な点の一つが「理解が十分」という点ではないか?と、考えている。
「頭でわかっている」という「理解」ではなく、「腑に落ちた」というところまで落とし込む必要があるからだ。
「腑に落ちる」という状況は、「脳の個性はあって当たり前」ということを受け入れ、自然にふるまうことができる、という状態のことだ。
まして、今の日本はOECD諸国の中でもジェンダーギャップが100番台と、低迷をしている状況にある。
その内容を見てみると、「女性の様々な地位での職場進出の遅れ」と「政界での女性の人数の少なさ」という、いわば「大人の社会」の中にある問題だ。
学生の頃までは、ジェンダーによる様々な問題を感じない女性が、社会に出たとたん「性差」という問題の壁に当たる、というのが現実である、ということでもある。
同様に、社会人になってから「発達障害」がある、ということが判明したら、上述したような「社会的弱者」へとなってしまうだけではなく、社会から受け入れられていない、と実感することで起きる精神的な問題もあるのでは?と、想像する。
このPR記事を出しているのが、製薬企業ということを考えれば、他業種に比べ理解があるのだろう。
ただ、このような「脳の個性」を認め合う社会となることで、今ある社会的問題の一部が解決する可能性は高く、それが社会的企業価値を上げる事に結び付くようになるのだろう。