朝日新聞のWebサイトで、連載掲載されている「Re:Ron」というシリーズがある。
拙ブログでも、時折取り上げさせていただいている連載記事だ。
最新公開された内容を読んでみて、改めて「広告とことば」ということを、考えさせられた。
朝日新聞:メディアはメッセージ 古びぬマルクハーンの言葉、AI時代への警告
この「メディアはメッセージ」という言葉は、マルクハーン自署の中で使われたことばのようだ。
そしてこの言葉を使った本は、60年ほど前に刊行されている。
当時の主なメディアと言えば、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌だろう。
その中でも、日本ではテレビそのものが普及し始めた頃で、1964年の東京オリンピックを契機に、白黒テレビの所有世帯が急激に増える、という「媒体」としては、新しい媒体だった。
「白黒テレビ」と聞いて、違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれないのだが、「カラーテレビ」が普及するのは1970年代に入ってからのことだ。
そう考えると、1964年に発刊されたということに、大きな意味があるのでは?と、感じられる方もいらっしゃるのではないだろうか?
日本における1964年頃のテレビCMは短くて5秒、長くて1分と言われていた。
その為CMにお金を掛けたくない企業は、5分のテレビCを数多く流すようになった。
それが「商品連呼型」と言われるCMだ。
商品を覚えてもらいたいがために、短いCM時間に商品名を連呼する、というCMが数多くあった。
結果として、視聴者から放送局に「うるさくて困っている」というクレームが度々送られてくるようになり、5秒のテレビCMは無くなってしまった。
ここで改めて考えたいのは、マルクハーンの「メディアはメッセージ」という言葉だ。
わずか5秒のテレビCMでは、「メッセージ」を伝えることはまず無理だろう。
それが15秒となると、一番伝えたい内容のCMはつくることはある程度できるはずだ。
しかし今現在のテレビCMを見て「企業や商品・サービス」についての、メッセージが伝わっているのか?というと、疑問に感じることが多い。
特に、Web広告と呼ばれるモノの中には、「眉唾モノだな~」という印象を与えかねないモノも少なくない。
利己的な広告が増えているのでは?と、感じている。
Webだから、テレビだから使う媒体が違っていても、「何を伝えるのか?」という考えは、変わることはないはずだ。
何故なら、広告は何かしらの媒体を使い、商品やサービスの存在を伝えることだからだ。
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