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【京都発幕間旅情】広島電鉄1000形電車,国産超低床車両投入の遅れと路面電車全般の路線網

2024-06-22 07:00:07 | コラム
■広電の国産超低床車
 広島駅前は広島駅ビル建て替えで大きな変容を進めている最中ですが。

 きんこう輸送、敢えて輸送能力をおさえた設計となっているのが今1000形です、こちらは三菱重工などが中心となって国産開発した低床車両で、ドイツ製など輸入低床車が5連接車体など長い車両であったこととは対照的に3連接車体を採用しています。

 長大すぎる編成は、輸送力のおおきさを意味するところですけれども、満員電車という活気とは縁が薄い地域もあるわけですから、この種の敢えて抑えた性能という着眼点は、今後は都市集約が進む中での近郊輸送の継続性を考えた場合は重要な視点といえる。

 超低床車両、考えさせられるのはこの1000形が国産開発されるまで、かなりの期間で日本のトラム構造の車両は輸入に依存していたということで、ロメンデンシャ、チンチンデンシャ、という車両を一顧だにせず新型車両開発を怠っていたということで。

 広島は別格という路線網を整備しているけれども、路面電車というのは不便という印象から日本では、二年前の宇都宮市の新線や札幌駅前までの延伸を例外として、取り外されてゆく過去の遺物という印象で、京都市なども市電をはずして僅かな地下鉄に代えて。

 しかし、路面電車が不便であるように思えたのは段差が大きすぎてかつ電停を必要とする旧態依然とした旧式車両から、設計を改めた新世代の車両に置き換えられなかったために、不便な市電が多すぎて、故に市電そのものが不便と誤解されたためではないのか、とも。

 路面電車の路線建設費用は地下鉄の15%から30%といい、言い換えれば地下鉄を5km掘削する費用で20km前後の路線を整備できることともなります。都市交通を考えれば、それは路線網こそ利便性を支えることとなるのですから、ちょっと考えさせられてしまいます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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