■昭和の遺産-平成の遺産
天皇陛下におかせられましては本日、宮中退位礼正殿ノ儀-天照大神退位礼当日賢所大前ノ儀を終えられまして、ご退位されました。
平成時代は昭和の遺産というものを上手く受継いで平和を達成する事が出来ました。それでは明日からの令和時代はどう考えるのか。難しい視点ですが、東西冷戦の始まりから今日まで我が国は平和を基調として国家を反映させる事が出来ました、これは昭和の遺産が在った為、と考えるのですよね。ただ平和憲法は大切だ、と応じられれば首肯はしない。
平和憲法、しかし平和憲法は結局として自主自発的に在ったものではなく、第二次世界大戦の敗戦が在った為といえます、反論もあるでしょうが、そういう方に問いたいのは、仮に日本が連合国の一員として大戦に参加した結果として、現在のような平和憲法に明治憲法が改正される事は有り得たのでしょうか。つまり、あの結果があり、この憲法がある。
昭和の遺産というのは、日本に対して軍事的挑戦を行う事の難易度の高さを周辺国へ誇示した事にあるのではないか、と。勿論反論は認めます、しかし、太平洋戦争と日中戦争、あの二つの戦争を戦い抜いた事で最後にはソ連も参戦、間違えてあそこで勝ってしまえば、世界征服、という冗談が成り立つような程の非現実的な戦争をやりきってしまったという。
太平洋戦争の敗戦と共に、戦後が或るのですが、太平洋戦争と日中戦争を通じて日本の軍事力というものを世界に誇示してしまった事での、変な形での平和、というよりも日本に対する軍事的挑戦を行う上での難易度の提示を第二次世界大戦を経て行った事が、戦後の平和、勿論我らが同胞の努力もありますが、平和、という果実を享受できたともいえます。
令和時代は明日から始まりますが、それではその昭和の遺産はまだ有るのか、ここまで読まれた方は素朴な疑問を持たれるでしょう。少なくとも日本には戦争を第一線で経験された方は少なくなっています、これは同時に、日本と戦争で戦った世代の方々も少なくなっている事を意味します。外交手段の延長として戦争という選択肢を安易に用いない実績だ。
平成と昭和の遺産としまして、例えば我が国の隣国は戦後日本以外周辺全ての国と戦争している、そんな国と比べるならば、余り摩擦を起こさない国、という印象は有り得ると思うのですよね。ここまでは昭和の遺産を受け継ぎつつ、平成の遺産というものを継承出来たようにも思う。平和という意味での遺産は、あまり硝煙に塗れない形で継承出来た、と。
しかし、平和の継承は、我が国が現在の施政を維持するだけでは、日本そのものの平和が周辺地域の平和と不可分であるという原則を維持する事については、難しくなるのかもしれません。東西冷戦の二極構造が冷戦後の単極多様化構造に転換した後に、アメリカの、軍事力意外に公正と自由に依拠した民主主義、という国際公序へ挑戦する動きが出始めた。
日本は超大国にはなれませんし、成るつもりもないでしょう。中国は超大国を目指しているようですが無理でしょう、超大国の要素とは太平洋と大西洋、つまり欧州アフリカ地域と環太平洋地域へ同時に関与出来る国のみです、アメリカはその適地にありますし、ロシアはシーパワーと経済力はさておき地政学的要件は備えています、が中国にそれは無い。
平成の遺産、変動が予見できる昨今、ここで考えてみたいのは昭和には直感を行政へ反映し印象で受け取るという、それは日本という国はそれ程豊かでは無かったからこそ醸成された世論というものがあるように思います。平成の遺産というものは、考えてみれば格差や差別という認識が社会というよりも広い分野で考えられるようになったのですけれども、それ程か、ということです。
平成の遺産は一例で、学位を持つ人々一つとっても膨大な規模を養成する事が出来まして、実際、人材の養成というものだけで視ても昭和時代以上の規模を養成出来ています、昭和時代は当時の国民生活基盤から、やろうと思っても簡単ではなかった。故に人材という意味での国力は現在非常に大きく、今後生じるであろう困難を克服する原動力ともなり得ましょう。
平成時代は昭和時代の遺産を取り崩し、そして平和を継承する事から、その平和に依拠した繁栄を謳歌する事は出来ました、では令和時代はどうか。超大国にはならずとも、地域大国である事に変わりなく、規範というものを醸成し国際公序を形作る地位を、上記の平和と繁栄から導き出しました。これには責任が伴う、平成時代からの宿題といえましょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
天皇陛下におかせられましては本日、宮中退位礼正殿ノ儀-天照大神退位礼当日賢所大前ノ儀を終えられまして、ご退位されました。
平成時代は昭和の遺産というものを上手く受継いで平和を達成する事が出来ました。それでは明日からの令和時代はどう考えるのか。難しい視点ですが、東西冷戦の始まりから今日まで我が国は平和を基調として国家を反映させる事が出来ました、これは昭和の遺産が在った為、と考えるのですよね。ただ平和憲法は大切だ、と応じられれば首肯はしない。
平和憲法、しかし平和憲法は結局として自主自発的に在ったものではなく、第二次世界大戦の敗戦が在った為といえます、反論もあるでしょうが、そういう方に問いたいのは、仮に日本が連合国の一員として大戦に参加した結果として、現在のような平和憲法に明治憲法が改正される事は有り得たのでしょうか。つまり、あの結果があり、この憲法がある。
昭和の遺産というのは、日本に対して軍事的挑戦を行う事の難易度の高さを周辺国へ誇示した事にあるのではないか、と。勿論反論は認めます、しかし、太平洋戦争と日中戦争、あの二つの戦争を戦い抜いた事で最後にはソ連も参戦、間違えてあそこで勝ってしまえば、世界征服、という冗談が成り立つような程の非現実的な戦争をやりきってしまったという。
太平洋戦争の敗戦と共に、戦後が或るのですが、太平洋戦争と日中戦争を通じて日本の軍事力というものを世界に誇示してしまった事での、変な形での平和、というよりも日本に対する軍事的挑戦を行う上での難易度の提示を第二次世界大戦を経て行った事が、戦後の平和、勿論我らが同胞の努力もありますが、平和、という果実を享受できたともいえます。
令和時代は明日から始まりますが、それではその昭和の遺産はまだ有るのか、ここまで読まれた方は素朴な疑問を持たれるでしょう。少なくとも日本には戦争を第一線で経験された方は少なくなっています、これは同時に、日本と戦争で戦った世代の方々も少なくなっている事を意味します。外交手段の延長として戦争という選択肢を安易に用いない実績だ。
平成と昭和の遺産としまして、例えば我が国の隣国は戦後日本以外周辺全ての国と戦争している、そんな国と比べるならば、余り摩擦を起こさない国、という印象は有り得ると思うのですよね。ここまでは昭和の遺産を受け継ぎつつ、平成の遺産というものを継承出来たようにも思う。平和という意味での遺産は、あまり硝煙に塗れない形で継承出来た、と。
しかし、平和の継承は、我が国が現在の施政を維持するだけでは、日本そのものの平和が周辺地域の平和と不可分であるという原則を維持する事については、難しくなるのかもしれません。東西冷戦の二極構造が冷戦後の単極多様化構造に転換した後に、アメリカの、軍事力意外に公正と自由に依拠した民主主義、という国際公序へ挑戦する動きが出始めた。
日本は超大国にはなれませんし、成るつもりもないでしょう。中国は超大国を目指しているようですが無理でしょう、超大国の要素とは太平洋と大西洋、つまり欧州アフリカ地域と環太平洋地域へ同時に関与出来る国のみです、アメリカはその適地にありますし、ロシアはシーパワーと経済力はさておき地政学的要件は備えています、が中国にそれは無い。
平成の遺産、変動が予見できる昨今、ここで考えてみたいのは昭和には直感を行政へ反映し印象で受け取るという、それは日本という国はそれ程豊かでは無かったからこそ醸成された世論というものがあるように思います。平成の遺産というものは、考えてみれば格差や差別という認識が社会というよりも広い分野で考えられるようになったのですけれども、それ程か、ということです。
平成の遺産は一例で、学位を持つ人々一つとっても膨大な規模を養成する事が出来まして、実際、人材の養成というものだけで視ても昭和時代以上の規模を養成出来ています、昭和時代は当時の国民生活基盤から、やろうと思っても簡単ではなかった。故に人材という意味での国力は現在非常に大きく、今後生じるであろう困難を克服する原動力ともなり得ましょう。
平成時代は昭和時代の遺産を取り崩し、そして平和を継承する事から、その平和に依拠した繁栄を謳歌する事は出来ました、では令和時代はどうか。超大国にはならずとも、地域大国である事に変わりなく、規範というものを醸成し国際公序を形作る地位を、上記の平和と繁栄から導き出しました。これには責任が伴う、平成時代からの宿題といえましょう。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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