北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ハリコフ戦線,ロシア軍がT-80戦車等を含む30両以上の機械化車輛による攻撃

2025-01-30 07:01:11 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 機械化装備の計画的な備蓄を行わなければという一例か。

 ロシア軍はT-80戦車等を含む30両以上の機械化車輛による攻撃をハリコフ州において実施した、ISWアメリカ戦争研究所う1月24日付ウクライナ戦況報告によれば、ハリコフ州のウクライナ軍旅団報道官の発言として紹介、ウクライナ軍はこの攻撃を撃破したとのこと。ロシア軍は攻撃準備に一ヶ月以上を要したようですが、この規模の攻撃は珍しい。

 T-62など旧式戦車ではなくこの攻撃には近代化改修を受けたT-80戦車も含まれていたという。一方、ロシア軍はライマン方面においては歩兵突撃を多用しており、4名程度の歩兵を多方向から絶え間なく突入させる運用を採っており、一方でその結果、ロシア軍の歩兵被害は多大な規模になっているともISW報告は付け加えています。

 シヴェルスク方面においては、ロシア軍は23日、民間車両やオートバイ40両以上による攻撃を実施したとしています。ポクロフスク戦線について、ロシア軍は包囲機動をとっていたポクロフスクを、このところ北方と南方から迂回しようとしているとのこと。ただ、迂回するいっぽうで、市街地に対する火砲やミサイルによる攻撃も実施しているという。

 戦域全般の状況として、ロシア軍はスジャ北西地域と南方地域で前進、チャシブヤール南方地域で前進、クラホヴェ南西地域で前進、ヴェリカノヴォシルカ東部と中央部で前進、トレツク西方において前進、多大な死傷者を出していますが、そして距離ではわずかではあっても後退していないという点は重要なのかもしれません。

 ウクライナ軍は23日から24日にかけ、大規模な無人機攻撃を実施、攻撃目標は石油精製施設と軍需工場であり、ブリャンスク市内の電子工場、リャザン市内の石油精製視閲、リャザン市内の石油パイプ関連施設等を攻撃したとのこと。一方で、ロシア軍はこの日、121機のウクライナ軍無人機を撃墜したと発表しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
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ウクライナ情勢-イギリス政府海底戦争へ本腰,ロシア工作船海底ケーブル破壊交戦規定を変更

2025-01-29 07:01:17 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 日本も海底ケーブル防衛など平時における海軍艦艇による破壊工作へのグレーゾーン事態対処の法整備を急がねばなりません。

 イギリス政府はロシア工作船による海底ケーブル破壊へ交戦規定を変更した、ロイター通信が1月22日に報じたところによれば、バルト海などで相次ぐ海底ケーブル切断を受け、特に切断された時間帯に当該海域を航行しているロシア海軍の工作船ヤンタルに対して、イギリス海軍が必要な措置を取れるよう議会を通じて交戦規定を変更したとのこと。

 イギリス海軍は情報収集艦プロメテウスとロシア海軍工作艦ヤンタルが対峙している写真を公開しています。従来の交戦規定では外国艦艇への平時における接近行動には厳しい制約がありましたが、海底ケーブルの破壊工作を受け、こうした破壊工作を事前に阻止できるよう、接近や監視活動に対する艦艇任務遂行の冗長性を確保したかたち。

 NATO全体でも、海底ケーブル防衛に案する措置は強化されており、フランス海軍とポーランド海軍、オランダ海軍など同時にこれは公海上において平時から実施される海軍艦艇に対する破壊工作に対して、その阻止を試みるという、日本でいうところのグレーゾーン事態に対するNATOの難しい取り組みというものを示したかたちとなっている。

 グレーゾーン事態、日本が緊張感を以て対応策を考えなければならない分野です、特に島国である日本には、海底ケーブル寸断という状況となれば、残念ながら衛星通信では日本国内と世界を結ぶ情報通信を維持する事はできず、この分野でのグレーゾーン事態発生の蓋然性が高まった場合への法整備、阻止や交戦規定を法整備しなければなりません。

 グレーゾーン事態への施策は既にある程度は整備されていますが、仮に海軍艦艇による平時における破壊工作が行われた場合、臨検を含む措置は取れるのか、自衛隊艦艇による破壊工作阻止活動は何処まで可能なのか、平時における海軍艦艇同士の戦闘の可能性を含め、平時の今、事態が起きる前であるからこそ、法整備しておかなければならないのです。

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ウクライナ情勢-ロシア軍ウクライナ投射無人機の53%が撃墜,12月発射自爆用無人機は1700機

2025-01-23 07:01:41 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 無人機という新しい脅威と装備についての日本の対応が今一つ遅すぎるようで気になるのです。

 ロシア軍が2024年12月に発射した自爆用無人機は1700機で減少傾向にある、1月13日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、2024年12月の一ヶ月間にウクライナへ撃ちこんだ無人機の数は1700機、対して2024年11月にウクライナへ撃ちこんだ自爆用無人機の数は2300機となっていて、数の上では減少傾向となったことがわかります。

 自爆用無人機の運用が低調となった背景には、12月の悪天候が自爆用無人機の運用を阻んだとみられており、事実、悪天候により無人機を発信できなかったた場合、天候回復を待って100機単位の無人機攻撃が行われている事から、天候の影響を裏付けていると見る事が出来るでしょう。一方、自爆用無人機の能力が限界となっている事が指摘されている。

 53%、ウクライナ空軍の発表として、ロシア軍はウクライナへ投射した無人機の内、53%が撃墜されていて、また撃墜を免れた無人機も電子妨害などにより飛行経路を逸脱する事が多くなり、当初運用を開始した当時ほど、自爆用無人機は脅威にならないようになっているとしています。一方、ロシア軍は同時に巡航ミサイル等も発射していますが。

 無人機製造能力について。ロシア政府はイラン製シャヘド自爆用無人機のライセンス生産基盤を構築していて、ロシアはこれまでに少なくとも月産1500機の無人機を製造する能力を維持しているとの事。一方、自爆用無人機にも都市攻撃に用いられる比較的大型のものから、歩兵に対して直接攻撃を加える小型無人機まで多種多様とはなっているのですが。

 イギリス国防省はこうした事実のみを伝えていますが所感として、無人航空機は平時に備蓄したものでは対応できないという事です、それは電子妨害など対抗手段が開発されやすく、寧ろ平時には民生用を中心に無人機整備基盤を国内に整備し、有事の際に泥縄式でもいいから改良する、こうした備蓄よりも製造基盤の方が、重要なのかもしれません。

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ウクライナ情勢-クルスク州の北朝鮮人民軍は20名から100名の大きな歩兵集団により歩兵突撃

2025-01-22 07:00:07 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 機械化装備の備蓄が無ければという実例の繰り返し。

 北朝鮮人民軍は20名から100名の大きな歩兵集団により歩兵突撃を繰り返している、ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告1月14日付発表によれば、クルスク州で任務を行うウクライナ軍小隊長の話を引用しています。北朝鮮軍呑ん要はこれによればクルスク州に限定されていることとなりますが、大きな損耗の背景はここにあるとみられる。

 歩兵突撃は開けた地形において日中も夜間も行われているとのことで、ロシア軍の歩兵突撃よりも固まって実施することから、ウクライナ軍火力に圧倒されていることとなります。一方でロシア軍はトレツク市内とポクロフスク近郊のズブロヴェ南西地域およびノヴォイエリザヴェチフカ西方において前進しているとのこと。ポクロフスクが焦点となっている。

 ポクロフスク方面のウクライナ軍報道官によれば、ロシア軍の攻撃はウクライナ軍FPV無人機の攻撃からみを守るために2名乃至3名と非常に少ない規模で攻撃していて、歩兵同士の感覚も15mから20mと散開しているという。ただ、これではウクライナ軍陣地攻撃には兵力が不充分である事から、時間を掛けて攻撃部隊複数が陣地前にあつまるという。

 ウクライナ軍は13日から14日にかけての夜間、ロシア国内の軍事施設及び軍需産業に対してミサイルと無人機を併用した大規模な航空攻撃を実施したとのこと。特筆すべきは、ブリャンスク州、サラトフ州、ツーラ州、タタールスタン自治共和国など、攻撃が遠隔地に為されている事で、もっとも遠い目標は1110km先であったという事です。

 国営コンビナートクリスタル石油貯蔵施設は戦略爆撃機部隊用燃料を供給し、このほかにブリャンスク化学工場、アレクシンスキー化学工場、カザノルグシンテス化学工場、またクレムニーエルマイクロエレクトロニクス工場が攻撃目標になったとされています、これは航空燃料及び爆弾と精密誘導兵器の生産に影響を及ぼす攻撃と見られています。

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ウクライナ情勢-ロシアハイブリッド戦争へ海底インフラ防衛任務“バルティックセントリー”開始

2025-01-21 07:00:57 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 海底インフラ防衛は島国である日本も真剣に考えねば海外にデータセンターの多くを置き利用する以上、衛星通信だけで大容量情報をやり取りする事はできません。

 フランス海軍とポーランド海軍は海底インフラ防衛任務“バルティックセントリー”を開始しました。この任務は、このところフィンランド湾において相次ぐ海底通信ケーブル破壊工作に対する警戒監視任務となっていて、ロシア関係船舶が投錨したまま航行を行うなどして、バルト海における海底通信ケーブルが切断される相次ぐ事態を受けてのもの。

 フランス海軍はアトランティックⅡ対潜哨戒機を派遣し、ポーランド海軍もアメリカから取得したオリヴァーハザードペリー級ミサイルフリゲイトのジェネラウカジミエムシュプレスキやジェネラウタウディシュコシチュシュコをバルト海に派遣し、ロシア関連船舶の航行状況を、特に不審な航行が行われていないかを警戒監視しているとのことです。

 不信な航行とは、AIS船舶位置表示装置を切ったまま航行している船舶、具体的には船舶が航行しているもののAIS表示が出ていない船舶を、海底ケーブルへの破壊工作に用いている容疑船として警戒追尾するという。AISは2001年同時多発テロ以降、改正ソーラス条約にもとづき一定以上の船舶に対してテロ対策の観点から搭載が義務付けられています。

 AISについて、しかし問題は、ロシアは現在密輸船などのAISを切ったまま航行する事例が多くなっている点です。具体的には、2022年ロシアウクライナ戦争開戦後、ロシアに対する経済制裁により半導体など、兵器製造に不可欠の部品が禁輸措置を取られている実情があり、この密輸の為にAISトランスポンダの電源を入れず貨物船を運航する事例がある。

 海底ケーブル攻撃は、北米大陸と欧州大陸などの通信維持に不可欠のものである通信インフラを破壊するもので、2022年ロシアウクライナ戦争開戦後、欧米を筆頭とした有志連合により経済制裁が行われる中、ロシアによる妨害行動として行われる、ハイブリッド戦争の手段として警戒されていましたが、2024年以降その懸念が現実のものととなっています。

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ウクライナ情勢-ロシア軍死傷者は79万人に達し12月19日の死傷者数は2200名,イギリス国防省ウクライナ戦況報告

2025-01-20 07:00:39 | 防衛・安全保障
■防衛情報:ウクライナ情勢
 ウクライナが此処まで粘り強く戦えている背景には各国装備体系の内部化と動員体制にあるといえるのですが、本邦の戦訓と出来る事とはさてさて。

 ロシア軍死傷者は79万人に達している、1月7日付イギリス国防省ウクライナ戦況報告によれば、2024年12月は48670名の死傷者を出しているとのこと。2024年全般では429660名の死傷者を出しており、これは2023年の死傷者数252940名と比較した場合でも著しく増加しているとしています。死傷者数は増加傾向にあるとしている。

 2024年12月の48670名とともに11月には45680名となっていて、死傷者数は6カ月連続で増加しているといい、いっぽう2024年12月の一日当たりの死傷者数は1570名、これも5カ月連続の増加となっているとともに12月19日の死傷者数は2200名、過去最高を記録しているという。ロシア軍は歩兵突撃を多用している事がその背景とのこと。

 ロシア軍はコスティヤンチニフカへの圧力を強めている、ISWアメリカ戦争研究所1月7日付ウクライナ戦況報告によれば、ロシア軍はスジャ北西地域とボロヴァ北東地域、ポクロフスク南東と南西地域において前進していますが、なかでもウクライナ運参謀本部発表としてロシア軍はクラホフ周辺へ攻撃軸を遷しており部隊の集中が観られるもよう。

 クラホフ防衛へはウクライナ軍参謀本部発表として、ウクライナ軍はクラヒフスカ火力発電所を防衛拠点としており、この地域を保持できているとしています。トレツク周辺での新しい焦点がコスティヤンチニフカで、ここはウクライナ軍が構築した高速道路05-16号線沿いの要塞地帯、その最南端であるともしています。ただロシア軍の進捗は厳しい。

 要塞線を攻略するにはロシア軍は多方面からの部隊集中が順調ではないとしています。ただ、この方面では従来5名規模の歩兵攻撃が多用されたのに対し、現在は20名規模の小隊攻撃が行われているということです。一方、クルスク戦線について、ウクライナ軍は7日にクルスク州ベラヤの黒海艦隊第810海軍歩兵旅団司令部を攻撃、打撃を与えたようです。

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ウクライナ情勢-ウクライナ軍はスジャ近郊からクルスク州方面へ再侵攻を開始

2025-01-10 07:01:22 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシアクルスク州において大きな動きが。

ウクライナ軍はスジャ近郊からクルスク州方面へ再侵攻を開始したもよう。クルスク州への攻撃は装甲車両を用いた攻撃であり、ボリショエソルダツコエ方面へ攻撃を実施、また今回の攻撃については電子戦装備を多用しており、ロシア軍無人機に対してこの電子戦装備が有効に機能しているとの情報がある。

クルスク州における攻撃軸はいまだ不明であるが、国境付近にあるベルディン村がすでにウクライナ軍により占領されている状況で、この方面について道路沿いに前進した場合、クルスク原発がウクライナ軍の進路上にあることから、ウクライナ軍による再侵攻については様々な憶測を生む根拠となている模様です。

北朝鮮軍がこのクルスク方面に投入される事で、ウクライナ軍は守勢にたたされ、これまで確保していた地域の少なくない地域が押し返される状況になっているという戦況報告がありましたが、北朝鮮軍は歩兵突撃を多用しており、機械化装備を充分保有していない事から、現状の事態となった場合の対処能力は未知数といえるでしょう。

クルスク州方面では現在、ロシア軍機械化装備が枯渇している状況で、ウクライナ軍機械化装備に対してどの程度の行動が可能であるかは不明、ウクライナ軍によるクルスク州再攻撃は一つの攻撃軸ではなく複数で展開しているとの未確認情報がある。

ウクライナ軍によるクルスク州再侵攻の背景には、間もなく行われるアメリカ製円後退によるトランプ政権誕生を前に、現状のまま戦況を固定させず、現状での停戦ラインがひかれる状況に際してロシア側に対して不確定要素を維持するために、国境の北方へ進出したと見る事も出来るでしょう。

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朝鮮半島情勢-北朝鮮1月6日発射ミサイルは"極超音速ミサイル"発射実験の可能性

2025-01-08 07:00:28 | 防衛・安全保障
■北朝鮮ミサイル
 北朝鮮が1月6日に発射したミサイルは極超音速ミサイルの可能性があるとのこと。

 韓国軍合同参謀本部が1月6日に発表したところによれば、平壌近郊より発射されたミサイルについて、飛行距離は1100km程度であり、中距離弾道弾以下の飛翔距離だったとしつつ、韓国軍関係者の話として音速の五倍以上という極超音速兵器実験であった可能性を示唆しているという。北朝鮮ミサイル実験は今年はじめてとなる。

 弾道ミサイルであればその名の通り放物線上に弾道を描いて飛翔する為に、いってい上の高度へ上昇する目標を捕捉するだけで警戒態勢を取る事が出来ますが、極超音速兵器の場合は低空を高速飛行するものが有り、従来のミサイル防衛システムで迎撃が困難となる一方、落ちてくる弾道弾よりも迎撃が容易となる場合もあるようです。

 一方で、固定式ミサイル防衛システム、例えばグアムイージスアショアのような防衛システムには、そのものが標的となる事で税悪政が生まれるとされていますが、北朝鮮の極超音速兵器がどの程度の射程を最終的に想定しているかは未知数で、日本の場合は着実にイージス艦によるミサイル防衛整備などが求められてゆくでしょう。

 韓国へはアメリカのブリンケン国務長官が任期中最後となる韓国訪問の最中であり、バイデン政権からトランプ政権へ移行する中においてアメリカ政府に対するけん制の意味を含めていたのではという分析も成り立つ模様です。トランプ第一次政権時代にもその就任前後に多数の弾道ミサイルが発射されていました。

 アメリカはバイデン政権からトランプ政権へ政権交代を迎えますが、バイデン政権時代には北朝鮮とアメリカの関係は進む事無く、核開発やミサイル開発についても手詰まり感がでていました。一方、ロシアウクライナ戦争参戦によりミサイル技術供与を受ける事は必至であり、今後の両国関係の展開が大きな関心事とも言えるでしょう。

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ウクライナ情勢-ロシア軍のクラホフ方面における進出状況と北朝鮮軍の投入状況,チャシブヤール戦線について

2025-01-07 07:00:27 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 今年も自衛隊の運用に資するウクライナ軍の戦訓をまた丹念に見てゆきたいと思うのです。

 ロシア軍のクラホフ方面における進出状況について、ISWアメリカ戦争研究所は1月2日付ウクライナ戦況報告においてH-15高速道路までの進出を目指すものの攻撃強度が低下しているというウクライナ軍旅団報道官の発言を紹介しました。この道路はクラホフとザポリツイアを結ぶ高速道路型の道路となっています。

 ロシア軍はこの方面において昨年10月から11月にかけてかなりの数の装甲車両を投入していますが、これらを撃破された事で補填の見通しがつかなくなり、機械化部隊による攻撃をいったん断念して新兵を中心とした補充兵を絶えず投入する事でウクライナ軍防衛線へ圧力を加えているとのこと。犠牲は大きいがこうかは多少、という。

 北朝鮮軍の投入状況について、ISWはウクライナ軍事情報総局の発表を引用し、北朝鮮兵はクルスク州での戦闘に投入され死傷者を出し続けているとしています。これを受けロシア軍は北朝鮮軍をスジャ南東のウラノクやファンタシエフカ、チェルカスカヤコノメルカに転進させているとも発表しています。死傷者の規模については確認が出来ない。

 チャシブヤール戦線について。ウクライナ軍当局者の発言をISWが引用したところによれば、この方面においてもロシア軍は機械化部隊による攻撃を避けており、歩兵突撃を繰り返しているとの事です。ただ、攻撃を秘匿する為に発煙手榴弾を多用するという、これまでにみられなかった地上戦闘を展開しているとも報告しています。

 ロシア軍はポクロフスクを東西から包囲するきどうを採りつつある、これはポクロフスク南西のウダチュネとポクロフスク東方のヴォズドヴィジェンカにおいてロシア軍が攻勢を強めている為であり、この地域におけるポクロフスクは違位置を結ぶ要塞線の要諦の一つとなっている事から、今後の展開の推移を見守る必要があります。

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ウクライナ情勢-ウクライナ空軍は2024年内だけで無人機1万4400機を撃墜

2025-01-06 07:00:34 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 2025年代一回のウクライナ情勢戦訓検証です。

 ウクライナ空軍は2024年内だけで無人機1万4400機を撃墜した、ISWアメリカ戦争研究所2024年12月31日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ空軍が2024年に撃墜した戦果を発表、ロシア軍の各種ミサイル1300発、攻撃用無人航空機1万1200機、偵察用無人航空機3200機、固定翼航空機40機、ヘリコプター6機を撃墜したとのこと。

 空軍の戦果として特筆されるべきは、やはり1万4400機もの無人航空機を撃墜したという点が特筆されるでしょう。この中には長距離を飛行するシャヘド型自爆用無人機も含まれますし、小型で近距離を偵察するクワッドドローンも含まれる、もちろん手榴弾をくくりつけた市販無人機も含まれますが、一年間だけでこうした数が投入された。

 日本が学ぶ視点としては、今後、日本に対して軍事攻撃が加えられる場合、こうした膨大な数が投入される懸念があるということともに、これを迎撃する防空システムの構築、ウクライナ軍は供与ミサイルに加え軽飛行機やヘリコプターからの機銃掃射、高射機関砲は勿論、小銃射撃まで含めて攻撃している柔軟性も注目すべきでしょう。

 航空機の撃墜数について。ウクライナ空軍は2024年より待望のF-16戦闘機受領を開始していますが、ロシア軍は最前線から極めて離れた空域より滑空爆弾を投下しており、固定翼航空機の損耗をかなり避けられているとみるべきか、もしくは40機という数字は一週間強に1機の割合で撃墜されているため、まだ余力があるとみるべきなのか。

 ヘリコプター6機の撃墜については、既にロシア軍は大規模なへリボーン攻撃を行う余地がなく、飛ばしていないために損耗を避けている、飛ばないものは落とせない、という状況を表している可能性が高い。なお、同じISW報告ではロシア軍がクラホフ方面において自家用車を歩兵機動に活用、車両不足が顕著であることをしめしています。

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