北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-ロシア軍はクラホフ周辺の要衝を制圧,冬季インフラ攻撃へ開戦以来最大規模のミサイル攻撃

2024-12-24 07:00:57 | 防衛・安全保障
■防衛情報ーウクライナ戦争
 今回も暗いニュースが多く日本の場合はこうした将来を見据えた戊エ有為計画の必要性をという毎回の出だしと共に。

 ロシア軍はクラホフ周辺の要衝を制圧したものとみられる、ISWアメリカ戦争研究所が12月13日に発表したウクライナ戦況報告によれば、クラホペ周辺のウスペニフカとハニフカ周辺においてウクライナ軍部隊を駆逐し、突出部を確保した可能性が高い、と分析しています。またこの際にウフレダール周辺においても進出した可能性が高いとのこと。

 クラホペ周辺のウスペニフカとハニフカ周辺はクラホフからロシア軍が前進する場合において地形障害の無い地域に進出した事を意味していて、ロシア軍がウクライナ軍防衛の要所を制圧した事で大きく前進する可能性がでてきましたことを示しています。この方面においてロシア軍は弾薬を潤沢に使用している、という情報も紹介しました。


 ロシア軍は12月12日から13日にかけ開戦以来最大規模のミサイル攻撃を実施したと、ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告12月13日付発表で分析しました。ウクライナ空軍によれば、この攻撃には弾道ミサイル7発、巡航ミサイル87発、無人機193発が発射され、ウクライナ空軍は大規模な迎撃戦を実施したという。

 ウクライナ空軍によれば弾道弾1発と巡航ミサイル80発及び無人機105機を撃墜したとしていますが、ウクライナのエネルギー企業DTEKによればこの攻撃により広範囲の電力供給網と火力発電所が破壊されたとしています。ロシア軍は開戦以来、冬季にエネルギー施設を攻撃し暖房施設などを破壊するインフラ攻撃を続けています。


 ロシア軍はライマン地区において大規模な歩兵攻撃の準備を行っている、これは12月13日付ISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告によるもので、この地域を防衛するウクライナ軍報道官の発言を紹介、これによればライマン方面での攻撃は今後数週間以内に本格化する可能性が高いとのこと。チャシブヤール近郊でも歩兵部隊浸透がみられるという。

 歩兵部隊による攻撃は、タヴリスク群報道官ヴォロシン大佐の発言でも小規模な歩兵部隊による絶え間ない攻撃により浸透を続けているとしています、こうした攻撃によりロシア軍歩兵部隊はかなりの損害を受けていると分析していますが、損害が大きくともヴェリカノヴォシルカを制圧する為の決意は変わっていない、と分析しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-MiG-29戦闘機・Su-27戦闘機を北朝鮮空軍,ウクライナ戦争派兵見返りにロシアから取得の可能性

2024-12-20 07:00:31 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 北東アジア情勢に影響が及ぶ可能性が出てきました。

 北朝鮮はウクライナ派兵の見返りにMiG-29戦闘機とSu-27戦闘機を受領する、ISWアメリカ戦争研究所12月10日付ウクライナ戦況報告によれば、アメリカインド太平洋軍のパパロ司令官が10日に発言した内容として、ロシアが北朝鮮へ行うウクライナ派兵への見返りとして、戦闘機を供与する方針であり、此処にMiG-29戦闘機などが含まれるという。

 MiG-29戦闘機は北朝鮮空軍に配備されている装備ですが、その数は限られると共に、もともとMiG-29戦闘機はソ連空軍向け戦闘機として開発され、ソ連空軍の戦闘機はソ連防空軍の機体と比較した場合、前線運用を想定し多少壊れていても飛行できるという最低稼働率の高さの一方、充分整備した場合でも最高稼働率の低さが特色となっていました。

 MiG-29戦闘機は一方面に200機から350機程度を配備した場合、最低稼働率の高さから長期間、空軍作戦能力を維持できるという設計思想のもと開発されているともいい、北朝鮮空軍が保有するMiG-29戦闘機は40機から45機程度、最低稼働率を維持した場合でも一方面の作戦を維持する事は難しく、保有機数の増強を求められていました。


 北朝鮮がウクライナ派兵の見返りにロシアから受け取るとされるSu-27戦闘機について。Su-27戦闘機は制空戦闘機であり、戦闘爆撃機であるSu-30戦闘機よりも防空性能に特化した設計です。北朝鮮は、韓国空軍がF-16戦闘機を導入する時代にMiG-29戦闘機を取得したとされていますが、韓国が続いてF-15K戦闘爆撃機を導入した際、対応出来ていない。

 韓国空軍はつづいてF-35戦闘機を導入し第五世代戦闘機の時代に入ると共に、韓国独自のKF-21ボラメ戦闘機という、一定程度のステルス性を有する第4.9世代戦闘機を開発している現状で、もっとも新しい戦闘機が少数のみ稼働するMiG-29戦闘機、と劣勢を強いられています。Su-27戦闘機も新しい戦闘機ではありませんが、多少は能力向上するでしょう。

 Su-27戦闘機もMiG-29戦闘機もともに第四世代戦闘機ではありますが、北朝鮮空軍にはMiG-23戦闘機やMiG-21戦闘機など第三世代戦闘機が数多く残り、特に中距離空対空ミサイル運用能力のない戦闘機も多数残っている事から、どの程度の数が供給されるかは未知数ですが、一定数以上配備されるならば防空体制を建て直す可能性があるかもしれません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ロシア軍冬季攻勢開始!シヴァスク方面・トレツク方面・クラホフ方面で大規模攻撃

2024-12-19 07:01:05 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 こういう状況を見ていますと自衛隊の機械化装備増強の必要性を何度でも改めて感じてしまうのです。

 ロシア軍は大隊規模の機械化部隊攻撃を再開したとのこと。これはISWアメリカ戦争研究所12月15日付ウクライナ戦況報告によりもので、クピャンスク方面においてロシア軍が兵力の集中運用を展開しウクライナ軍をオスキル川東岸から押し出す攻撃を加えているとのこと。また上記の機械化部隊攻撃はシヴァスク方面において行われたという。

 シヴァスク方面における機械化大隊攻撃は、ロシア軍の司令官交代とともに実施された。ウクライナの軍事評論家のブトソフ氏によればこの地域のシヴェルスクに対し14日、東南北、この三方向から兵員400名以上、装甲車30両、バギー13台、オートバイ60台を集中して攻撃を実施したとのこと。これによりウクライナ軍は四カ所の陣地を突破された。

 機械化大隊攻撃について、四カ所のウクライナ軍陣地が一時的に選挙されたものの、無人機と火砲および近接戦闘部隊による攻撃によりこれら陣地を奪還したとしています。ただ、ISWはこの際のロシア軍の進出状況について確認が出来ていないとのことで、ロシア側の映像公開によりどの程度前進しているかがあきらかになる、と静観の姿勢を示しました。

 トレツク方面において、ロシア軍は人命の損耗を度外視した攻撃を加えており、ISWはウクライナ軍将校の発言を引用し、1:15の割合でロシア軍は損耗を強いられているとのこと。一方、ロシア軍はトレツク市街地では軽歩兵による攻撃を多用しているが、一方で郊外については機械化部隊による重装備を用いているという情報もあるようです。

 クラホフ方面では、ロシア軍が冬季攻勢を開始したとのこと。これは路面が凍結した事で戦車等の行動が可能となり、一日当たり七度から八度の機械化部隊攻撃を加えてくるとの事、ロシア軍機械化部隊は3両から7両の規模で攻撃を加えてくるといい、戦車を先頭に装甲戦闘車、最後に装甲輸送車という編成で攻撃を加えているとのこと。

 全般状況として、十二月に入り路面が凍結した事でロシア軍は全面的な冬季攻勢を開始した状況となっています。今後の焦点となるのはポクロフスクが孤立化しようとしている懸念で、特に市街地西側の連絡線が途絶するような状況と成れば、ポクロフスク陥落という可能性も生じます。大量の人員損耗も北朝鮮兵参戦により補填見通しが立ったのでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ウクライナ海軍ケルチ海峡大橋再度攻撃とクピャンスク地区ハリコフ地区でのロシア軍攻撃兆候

2024-12-16 07:00:15 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 無人機と特科火砲に関する有用な戦訓です。

 ウクライナ海軍はケルチ海峡大橋を再度攻撃した、ISWアメリカ戦争研究所の12月9日付ウクライナ戦況報告によればウクライナ安全保障局が12月9日に発表した内容として、新しく開発されたシーベイビー無人機を使用し、ロシアが実施するケルチ海峡大橋の修理作業に対して攻撃を加え、修理機材を積んだ艀などを攻撃、損害を加えたという。

 シーベイビー無人機はウクライナ軍が独自開発した無人機であり、これまで無人機は自爆用無人機などの運用、つまりミサイル代わりの片道攻撃が多かったものの、シーベイビー無人機の最新型は武装が可能となっているという。詳細は開示されていないが、大口径機関砲と弾道照準装置を搭載していて、ロシア軍に対して精度の高い攻撃が可能という。

 ケルチ海峡大橋はロシア軍占領地への戦略輸送を行うための要衝であり、しかしウクライナ艦船の航行を妨害するためにわざと設定した低い橋げたがロシアウクライナ戦争開戦後はウクライナ軍の無人艇などによる攻撃を容易化しており、現在は損傷、復旧工事が進められている、その作業を妨害する無人機の新しい運用は小さいが大きな変化といえる。■

 クピャンスク地区においてロシア軍は悪天候を利用した攻撃を企図している、ISWアメリカ戦争研究所の12月9日付ウクライナ戦況報告によれば、クピャンスク地区を担当するウクライナ軍旅団大隊長の発言を引用して現状を示しています。ロシア軍はポクロフスク南西とヴェリカノヴォルシカ南西地域で前進を行っている最中での概況報告です。

 悪天候を利用してクピャンスク地区において攻撃を加えようとしているロシア軍の行動は、ウクライナ軍の長距離火砲と無人機攻撃が阻んでいる、というのが前述のウクライナ軍大隊長の発言です。ロシア軍は過去の事例から、この登記を迎え地面が氷結し始めた時期を利用して泥濘が無くなったことを受け、戦車などの機械化部隊攻撃を展開してきた。

 ハリコフ方面におけるロシア軍について、もう一つの焦点となっているハリコフではロシア軍がスヴァトベの西でオスキル川に橋頭堡を構築しようとしており、此処を起点に機械化部隊による攻撃を行うべく、冬季による地面の評決を待っている段階であると、ハリコフ州を防衛するウクライナ軍部隊の大隊長発言を紹介しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ウクライナ空軍用F-16戦闘機第二陣がデンマークより到着!求められる長い目の支援

2024-12-09 07:00:26 | 防衛・安全保障
■防衛情報ーウクライナ情勢
 装備の導入は簡単ですが使いこなす事はm図化市区戦術や運用体系に内部化させるのは更に難しい。

 ウクライナ空軍へ新しいF-16戦闘機が到着した、NHKなどが報道しました。これは今年夏のF-16戦闘機第一陣到着に続くものでデンマーク政府が供与を約束していたものです。デンマーク空軍はF-35戦闘機をF-16戦闘機後継機として導入しており、これにより余剰となったF-16戦闘機をそのままウクライナへ提供したものです。

 F-16戦闘機は基本設計こそ古いものですが、戦闘機業界のiphoneといわれるように、さまざまな装備を追加搭載する事により性能を大きく高める事ができるのが特色です。ただ、ウクライナ政府はくりかえしF-16戦闘機供与を求めてきましたが、ウクライナ空軍のMiG-29戦闘機とは基本的に飛ばし方、特に操縦士に求められる能力が異なります。

 MiG-29戦闘機からの機種転換に苦労した事例として過去にはポーランド空軍がF-16を導入した際の問題があり、MiG-29戦闘機は最低稼働率が高く最高稼働率が低い航空機ですが、飛行に関係ない分野での不具合が在った場合でも、例えばレーダーが故障している場合でも戦闘爆撃機として運用するべく離陸が可能ですが、F-16はそういった運用ができません。

 新しい装備を導入する事は大事業ですが、それ以上に内部化させ戦術として一体化するには一朝一夕にはできないものが有り使いこなせない場合があります。そのウクライナでの一例がM-1A2戦車で、世界最強戦車ということでアメリカへ強く要望して供与をかちとったものですが、アメリカ軍が有する強力な兵站支援が在って初めて動くものでした。

 M-1A2戦車は高い防御力と打撃力を誇りますが、もっとも重視されているのはガスタービンエンジンによる機動力で、これは戦闘機のジェットエンジンと同等のものを搭載し、エアランドバトルという、相手の攻撃に対して高速で大きく迂回して敵の連絡線や段列を叩くための装備なのですが、ウクライナ軍は機動力を要しない拠点防衛につかっています。

 F-16にしてもM-1A2にしても、装備というものは体系化されて初めて機能を発揮出来ます、もちろんウクライナはM-142-HIMARSやATACMSロケット等を適宜その戦術体系に食い込み成功していますので、多種多様な装備の内部化は、時間があれば可能であるのでしょうが、切れ目のない、長い視線でのウクライナ防衛支援が求められるといえるでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ヴェリカノヴォシルカ東方に迫るロシア軍脅威とウフレダール失陥の影響

2024-12-06 07:00:32 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ情勢
 東部戦線がかなり危険な事になっていましてなにか日本から送る事が出来ればとおもう程に。

 ドネツク州においてロシア軍がヴェリカノヴォシルカ東方へ急速に進出している、イギリス国防省ウクライナ戦況報告12月1日付版によれば、ロシア軍が戦線全体の要衝に進んでいる状況を示しました。ヴェリカノヴォシルカは2022年のロシアウクライナ戦争開戦以来最前線に位置しており、ウクライナの防衛線の要衝として機能してきた拠点です。

 ヴェリカノヴォシルカについて、2022年にロシア軍が圧迫を強化していましたが、ウクライナは2023年に実施された反攻作戦の一環として、ヴェリカノヴォシルカ南側の地域の奪還に成功しています。このヴェリカノヴォシルカを巡る状況は10月初旬のウフレダール陥落が大きく影響しています。ウフレダール陥落はロシア軍の侵攻を大きく強めた。

 ウフレダールは都市部を結ぶ防衛線の要衝であった。ヴェリカノヴォシルカとウフレダールは30㎞を隔てていますが、交通要衝であり、この失陥によりドネツク州西部の広い地域へロシア軍進出が顕著化していて、一連の情勢の結果、ロシア軍はウクライナ防衛線の背後から攻撃を仕掛け、ドネツクに繋がる主要兵站路に脅威を及ぼしている状況です。

 全般状況について、ISWアメリカ戦争研究所11月30日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍はハリコフ市の北に位置するフリボケ南東で陣地回復に成功、しかしロシア軍はポクロフスクの南にあたるフリホリフカ北東で前進に成功したほか、フリホリフカの南西にあるユリフカを占領しさらに南西に前進しているとのこと。

 更にクラホフの北西とヴフレダールの北西でわずかに前進との分析しています。加えてチャシフヤール近郊防衛を受け持つウクライナ旅団の指揮官の発言によれば、ロシア軍が町のウクライナ軍を迂回し、チャシフヤールを北と南から側面攻撃しようとしている兆候があると報告しました。ただ、チャシフヤールの戦況には流動的な要素もあるもよう。

 ロシア軍は現時点でチャシフヤール東部のドンバス運河西岸に恒久陣地を構築するには至っていないとのことですが、数名単位の小集団で防衛線に浸透している状況があるとのこと。またウクライナ国家警備隊旅団長の話としてロシア軍はザポリツィア州における大規模攻勢の準備を継続中で、この地域に兵力と装備を集積していると分析しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ロシア軍はH15号線を西進,ドニプロペトロウシク州最南東部への進出をはかる可能性

2024-12-03 07:00:25 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ウクライナ情勢について情勢が厳しくなりつつあります。

 ロシア軍はドニプロペトロウシク州最南東部への進出をきす可能性が高い、ISWアメリカ戦争研究所11月24日付ウクライナ戦況報告によれば、ロシア軍は9月以降、ウクライナ南東部のポクロフスクとクラホフとヴフレダール及びヴェリカノヴォシルカへの進出を強化、クラホフでは包囲機動を展開しており、1103平方kmの占領地を拡大している。

 ウクライナ南東部でのロシア軍行動はドネツク州全土を占領するという目的を達成する前段階としてドニプロペトロウシク州の占領を進めているとISWは分析していて、今後の行動は幾つかが推測できるという。一つはロシア軍がこのままヴェリカーノヴォシルカ南地域において迂回機動をとり集落を包囲する、兆候としてはこれが第一だ。

 今後の行動としては、ロシア軍が南からクラホフ西方のアンドリイフカへ進出しクラホフ近郊に展開するウクライナ軍部隊を包囲し前線を安定化させる。もう一つの可能性はロシア軍がセリドブからアンドリイフカ方面へ西に接近経路を確保することでクラホフ北側のウクライナ軍連絡路に圧力をかけ主導権を握る、というものです。■

 ロシア軍はクラホフ東部H15道路沿いに進出を強化している、ISWアメリカ戦争研究所11月25日付ウクライナ戦況報告によれば、ロシア軍はヴェリカーノヴォシルカを包囲するとともにドニプロペトロウシク州東部とザポリツィア州を結ぶ主要道路H15号線沿いの前進をつづけているとのこと。またその進出速度も高まっているという。

 H15号線はこのままロシア軍が西進した場合、ダチュネとアンドリブカに達する。ただ、ウクライナ軍の戦線崩壊を意味するものではなく、その根拠としてロシア軍は現在、戦場において機動戦を展開するだけの機械化装備を回復していない事が挙げられるとのこと。一方でロシア軍はクピャンスク北方においても前進を続けている報告がある。

 クピャンスク北方での浸透は、ロシア軍がオスキル川の渡河に成功したと発表したためです、ただ、ISWアメリカ戦争研究所はオスキル川渡河を確認していないとしていますが。この点について、ウクライナ軍部隊指揮官の話として、この地域ではロシア軍に対しウクライナ軍は1:5の割合で損耗を強いているとしつつ、後退を認めています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ウクライナ軍とロシア軍の戦況全般,ウクライナ軍旅団新編の遅れとロシア軍はなつ大量の囮無人機

2024-11-20 07:00:54 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 開戦1000日を超えたウクライナ情勢について。

 ウクライナ軍とロシア軍の戦況全般について、ISWアメリカ戦争研究所11月15日付ウクライナ戦況報告によれば、双方で動きが確認されていて、ウクライナ軍はクルスク州コレネヴォの南東にあたるノヴォイヴァノフカ付近、クラホフ南西のポビエダ付近、そしてクラホフ南のダルネにおいて前進している事が確認されています。

 ロシア軍の概況について、クピャンスク東部とトレツク北東部と南部、ポクロフスク南のユリブカ北部地域及びセリドフ南西にあるノヴオレクシフカ西方、クラホフ北方のノヴォセリディフカ北部地域において前進、そしてヴフレダールの北東にあるアントニフカを占領したとのこと。ロシア軍は1名から2名の少人数での浸透を強化している。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ロシア軍の分散浸透戦術以前の小規模駐屯地祭模擬戦仮設敵なみの分散運用が高価を示しているもよう。

 ロシア軍の最近の前進の背景にはウクライナ軍旅団新編の遅れが背景にある、ISWアメリカ戦争研究所の11月16日付ウクライナ戦況報告では、この最近の厳しい情勢についてのウクライナゼレンスキー大統領の発言を紹介しました。ウクライナ軍は西側諸国などの同志国より装備供給を受けるとともに暫時新たに旅団を編成しつづけています。

 ウクライナ軍の課題は、人的リソースの限界により新しい旅団を新編することが難しく、結果、前線に展開している旅団が損耗を受けた場合でも交代する事が出来ず戦闘能力を低下させたままの状況で戦闘を継続している事にロシア軍の前進を許している実情がある一方、ロシア軍の損耗についても触れ、漸進継続は出来ないとも言及しました。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 防空リソース不足は昨今の北朝鮮による日本本土を射程内とする自爆用無人機量産体制をみても対岸の火事ではない。

 ロシア軍はウクライナ防空網を突破すべく大量の囮用無人機を使用している、これはISWアメリカ戦争研究所の11月16日付ウクライナ戦況報告にてウクライナ空軍報道室長代理イナト大佐の発言を紹介しました。イナト大佐によれば現在、ロシア軍がウクライナに対して使用している無人機の半数は囮であるとも発言しています。

 無人機攻撃は非武装のシャヘド無人機と弾頭を備えたシャヘド無人機を併用しており、同時にサーモバリック弾頭などを搭載した無人機も仕様、これによりウクライナ軍防空網に混乱と弾薬枯渇を強いようとしているもよう。ウクライナ軍はレーダーなどでは囮を判別できず、電子戦や実弾射撃により囮も含めて対応を強いられているとのこと。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-セリダヴがポクロフスク周辺での激戦地!ロシア軍が構築するハリコフ占領地地下要塞

2024-10-31 07:00:56 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 機械化部隊の重要性というものは自衛隊が予算上棚上げしてきた問題です。

 ロシア軍は地下要塞の建設を開始している、これはISWアメリカ戦争研究所10月24日付ウクライナ戦況報告においてハリコフ方面のウクライナ軍旅団報道官の発言を紹介したもので、この背景としてロシア軍は長期間にわたり機械化部隊による攻撃を実施していないため、冬期においての陣地構築に苦慮した結果、地下陣地を構築している可能性がある、と。

 地下要塞、とは地下に数階分の陣地を構築する、この背景にはウクライナ軍旅団報道官の発言に、ハリコフ方面でロシア軍はほとんどの期間、機械化部隊を運用していないためで、厳しい冬期を地下にこもることで乗り切ろうとしている可能性があるとのこと。この日、ウクライナ軍はクルスク州のコレネヴォ南東で前進に成功したとしています。

 ウクライナ軍のクルスク州逆攻撃は、ロシア軍によるハリコフ州再侵攻をうけてロシア軍に兵力分散を強要するために第二前線を構築したと繰り返し強調されていることから、ロシア軍がハリコフ州において機械化部隊による攻撃を行えないことは、ウクライナ軍の戦略目標が達成されたともいってよいでしょう。■

 ポクロフスク周辺の戦況について、ISWアメリカ戦争研究所は10月24日に新しいウクライナ戦況報告を発表、これによればロシア軍は10月21日にポクロフスク南東のセリダヴへ大規模な攻撃を加えたとしています。攻撃はセリダヴの北方と東方と南方から攻撃を加えたが、ウクライナ軍は攻撃を阻止することに成功したとのこと。

 セリダヴがこの時点でのポクロフスク周辺での激戦地となっており、ウクライナ軍はセリダヴへの攻撃を阻止するとともにセリダヴ北東のヴォロディフカ鉱山に構築されたロシア軍陣地へ攻撃を加え、これを奪還したという。他方でこの日ロシア軍はクレミンナ北西のノボサドベやシヴェルスク南東のヴィムカ近郊で前進したとのことです。

 ポクロフスクへの攻撃について、ロシア軍は優先度を高く設定しているとされ、ウクライナ軍報道官の発表としてセリダヴ周辺にロシア軍は予備選力を集中、ただ、装甲車両を投入する頻度は少なく、基本的に歩兵部隊による攻撃を行い、発見した防御のうすい地域に第二次攻撃として歩兵部隊を更に集中する運用を行っているという。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ情勢-ウクライナでは秋の泥濘期が始まった,泥濘期を前にしたロシア軍機械化部隊動向

2024-10-30 07:00:12 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 不整地突破能力を考えると機械化部隊の重要性が。

 ウクライナでは秋の泥濘期が始まった、ISWSアメリカ戦争研究所は10月18日付ウクライナ戦況報告において、ロシア軍はウクライナ国内での秋の泥濘期が始まったとの報告を挙げていると戦況分析に記載しました。ウクライナでは冬はバケツ一杯の水がスプーン一杯の泥を生み、夏はスプーン一杯の水がバケツ一杯の泥を生むといいます。

 泥濘期は真夏の乾燥した期間ではなく、春と秋に訪れており、逆に冬には地面が凍結します。泥濘とは、戦車を含めた装軌車両さえ通行が困難と成程、運用に支障をきたし、機械化部隊の機動を阻害するとともに兵站線も麻痺させ、攻撃を行う側には非常に不利となります。また近年は気候変動により冬季にも泥濘期が続くことが確認されています。■

 泥濘期を前にしたロシア軍機械化部隊動向についてISWSアメリカ戦争研究所は10月18日付ウクライナ戦況報告において、コスティヤンチニフカ付近で大隊規模の、マクシミリャニフカ付近で大隊規模、セリドブ近郊で中隊規模、クラホフ方面で複数の中隊規模という攻撃を実施しているとのこと。これらの地域の多くはドネツク市近郊にある。

 ウクライナ国家警備隊のムジチュク報道官によれば秋の泥濘地を前にロシア軍は機械化部隊による攻撃を強化しているとのこと。具体的にはポクロフスク放免とクラホフ方面において歩兵突撃の支援に装甲車を投入する事例が増えているものの、ウクライナ軍は対戦車火力や無人機を集中しこれら装甲車両にこうか的な打撃を与えているとのこと。■

 10月16日0404時キエフ発共同通信電によればロシア軍は北朝鮮兵3000名規模の部隊を編成しているとのこと。ウクライナ情報機関筋として15日にこれら北朝鮮兵がウクライナ国境に接するロシア西部クルスク州およびブリャンスク州で確認されたとのこと、現時点で戦闘任務に就いているかどうかについては不明としています。

 ゼレンスキー大統領はこの北朝鮮軍に関する問題について14日の声明で触れており、ロシアによる侵攻に北朝鮮が実際に関与している、と発言しています。関与については従来、法案の供給が主なものとなっていましたが、此処に人員の派遣という踏み込んだ軍事行動が為されるようになった構図です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする