北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十三年度十月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2011.10.01-02)

2011-09-30 22:45:23 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 いよいよ十月です。十月、東日本大震災より半年以上を経た今日、漸く自衛隊関連行事は例年通りの実施となっているようですね。

Img_1702
 第10師団創設記念行事、先日の台風15号では司令部近くの堤防も越水し名古屋市に109万もの避難勧告が出たばかりではあるのですが水害の多い警備管区であり東海東南海地震の直撃に備える師団の創設記念行事、師団記念行事ということで注目が集まる行事といえるでしょう。

Img_9999
 航空関係で注目の行事は九州の築城基地航空祭でしょう。築城基地にはF-15飛行隊とF-2飛行隊の二個飛行隊編成による航空団が配置されており、特に九州唯一のF-15による要撃飛行隊、西日本唯一のF-2支援戦闘機飛行隊という編成ならではの飛行展示に期待が集まります。ブルーインパルスは、芦屋から移ってきていましたでしょうか。

Img_6986
 

 木更津航空祭。個人的に行けるかは別としていきたいと思うのは木更津です。編隊飛行の撮影位置を見誤って撮影に失敗した、思いである行意です。あれほどの失敗はあの一回だけですからリベンジと思うのですが。木更津には第一ヘリコプター団があり、駐車場地区は津波被害を受けた、という意味でも今年は注目された駐屯地の一つですね。

Img_7687
 下総航空基地開庁記念行事、土曜日に行われます。木更津と同じ千葉県、新鎌ヶ谷から近い基地で航空教育集団司令部、厚木移転前は航空集団司令部が置かれていました重要な航空基地。土曜日に下総に行って日曜日に木更津、という千葉県航空行事強化週間というところでしょうか。

Img_2071
 北海道での行事は冬が近づいている中ではありますが北恵庭駐屯地祭が行われます。第1戦車群、第72戦車連隊と戦車が多数配備されている駐屯地です。第1戦車群は数年内に廃止が予定されている部隊でして、しかし現状の西方の脅威増大を考えれば西部方面隊に移駐すればどうか、と思うのですけれども、そういった視点から見てみるのもいいやもしれません。

Img_4278
 京都の駐屯地祭、では京都市唯一の自衛隊駐屯地である桂駐屯地祭が行われます。中部方面後方支援隊や不発弾処理隊、中部方面輸送隊などが駐屯している駐屯地で派手さはありませんが後方支援があってこそ部隊は稼働するのですから足を運ぶのはどうでしょうか。1942年に建設された現在の建築基準法では建設不可能な大型倉庫が名物。

Img_4100
 出雲駐屯地、偵察隊が配置されている駐屯地ですが対岸が北朝鮮ですから沿岸監視装置などが強化されている部隊です。中部方面移動監視隊とともに、沿岸警備の重責を担うのですが、先日の能登半島脱北者亡命事件のように沿岸監視体制は平時にあって十分ではなく、今後の対応はどうなるのか、これは関心事ですね。

Img_4537
 春日基地開庁記念行事、西部航空方面隊の司令部が置かれている基地で、記念式典のほか航空機の航過飛行などが行われる予定とのことです。このほかには海栗島分屯基地開庁記念行事などが予定されています。一通り探してみたのですが、お気づきの行事や記載されていない行事などありましたらお教えいただけると幸い。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

護衛艦たかなみ、護衛艦おおなみ、ソマリア沖海賊対処任務へ横須賀より派遣

2011-09-29 22:45:50 | 海上自衛隊 催事

◆第六護衛隊司令以下二隻、10月11日出撃

 防衛省によれば10月11日、第十次海賊対処派遣部隊が横須賀基地を出港するとのことです。

Img_2725
 第十次海賊対処任務派遣水上艦部隊は、派遣部隊指揮官は第六護衛隊司令水間貴勝1佐と艦長米丸祥一2佐以下170名が乗艦する護衛艦たかなみ。艦長吉野敦2佐以下170名が乗艦する護衛艦おおなみ。司令部幕僚を含め370名と海上保安官8名が派遣されるとのこと。

Img_6688
 二隻は5隻が護衛艦隊に配備されている、たかなみ型護衛艦で原型となる9隻の、むらさめ型護衛艦とともに護衛艦隊の主力汎用護衛艦としての地位を担っています。各種兵装と統括する射撃指揮装置を有していますが海賊対処での重要な部分はその大きさです。

Img_8129
たかなみ型の満載排水量は6300㌧あり、外洋航行能力が高く、船団護衛の繰り返しという長期化する任務においては、この艦そのものの大きさ、というものが非常に重要な位置づけとなります。もっとも、設計段階ではアフリカ沖でのシーレーン防衛は念頭になかったため、厳しい任務であることは否めません。

Img_9254
 それあけではなく、海上自衛隊の護衛艦は南西諸島警備とともに訓練を遂行しつつ、東日本大震災での運用計画の大幅変更からの恢復を考えなければなりません。昨日はハイチ派遣任務の話題を提示しましたが遠くアフリカ沖で海上自衛隊の任務が継続されている、少なからぬ負担とともに長期の任務に向かっている、ということも忘れてはならない事柄といえるでしょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハイチ大震災PKOへ第五次陸上自衛隊国際救援隊が派遣

2011-09-28 23:22:05 | 国際・政治

◆忘れられていないか?ハイチで奮闘する自衛隊

 史上最大の東日本大震災自衛隊災害派遣に限度を超えた木のぼ派遣を政治が命じたことで関心が薄れていましたが、かれこれ一年半以上、自衛隊はハイチでの震災復興人道支援任務を継続中です。

Img_2022
9/15日付 ニュース トップ :ハイチPKO 救援隊5次隊2波が現地着・・・ ハイチ大地震の復興支援で国連PKOのハイチ安定化ミッション(MINUSTAH)に参加している陸自国際救援隊は8月27日、5次隊(隊長・9施設群長の橋本功一1陸佐以下、西方主力の約320人)第2波の約160人がチャーター機で福岡空港を出発、翌28日、現地に到着した。 一方、約半年間の任務を終えた4次隊(隊長・36普連長の足立寧達1陸佐以下、中方主力の約320人)は8月30日、第2波の約160人がチャーター機で関西国際空港に帰国した。 陸自国際救援隊は昨年2月に1次隊が派遣されて以来、これまで各隊が避難民キャンプの造成や補修作業やドミニカ共和国との国境へ通じる道路の補修のほか、ハイチ市内の道路や倒壊した行政庁舎の瓦礫の除去など復旧・復興活動を行っているhttp://www.asagumo-news.com/news/201109/110926/11092603.html

Img_0666 新しい部隊の派遣が行われる、しかしy数傑の見通しへの言及はなし、最初は一年程度、といわれていたのに。ハイチPKOは現在、東日本大震災災害派遣の約二倍の部隊が派遣されている、ということになります。20万もの人々が異性となったハイチ大震災ですが、日本政府は東夷の鳩山政権が緊急人道支援任務での自衛隊災害派遣の海外での実施を粉う機会を見誤り、人員規模で余裕のない自衛隊にあっては非常に不向き尾の長期間にわたる復興人道支援任務の需要が生じて漸く自衛隊の海外派遣へと踏み入りました。元々、発生から最初の一週間が重要とされる震災での生存者救命と被災者への生活支援こそが多くの災害により培われたノウハウが最大限発揮できる、いわば自衛隊の強みであり、全国の駐屯地で待機している災害即応部隊を筆頭に最初の初動でこそ、災害を優先順位での筆頭に近い分野に念頭に置いていない多くの国の軍事機構が不慣れである中で活躍の機会が多くあった部分でした。逆に復興分野では、この部分では東日本d内震災への政府の拙さとも重複するのですが現地ニーズとの合致による住民参画こそが重要であり、言語面をはじめ意思疎通に限界のある自衛隊では元々限界があったわけです。

Img_4749
 この点を踏まえ、まずハイチにおける復興というものの定義が不明確である一点を始め、自衛隊の国際人道支援任務への出口戦略が不明確である、何を持って任務完遂と見做すかが不明瞭であることから、この活動は長期化しやすく、加えて長期化すればするほど緊急と喫緊という需要から生活支援へと移ることから外国の軍事機構である自衛隊にとっては復興への関与の度合いが薄められ、これがちゅおうきかを改めて招くという悪循環に陥るのでは、という点は先に指摘していますが、出口戦略なき見通しのもとで開始され、現与党にとっては政権交代前に反対しつつも具体的代替案を出すことができなかったソマリア沖海賊派遣任務とも共通点がある、終わりなきPKOの様相を濃くしている現状があります。

Img_4531
 そもそも、ハイチ大地震が発生した時点での政権は鳩山政権、これが管制圏に移行した時点で派遣期限として提示されていた約一年、という期間が満了し、現在の野田政権となった構図。野田政権は自衛隊のハイチ派遣に関して具体的な言及はいまだに行っていないようですけれども、そもそもが全国の地域を駐屯地ごとの管区に分けて防衛警備任務とともに災害派遣に備えている海外派遣を想定していない自衛隊にあっては中米地域に長期間、連続して大隊規模の部隊を投入することは想定していません。海外派遣はゴラン高原や東ティモールでも展開中であり、海上自衛隊は貴重な護衛艦をソマリア沖海賊対処任務へ派遣、スーダンへの陸上自衛隊施設化部隊の派遣も現在議論が進められているところです。国土防衛だけで冷戦時代に人員18万が必要とされた時代から脅威の減退に伴い13万台まで削減された陸上自衛隊には冷戦時代と比較して新しい任務が課せられている状況があります。この実情について、政治は認識を必要な水準で行っているのか、そして今後の派遣規模と防衛警備災害派遣の両立をどう行うのか、もう少し議論があっていいように思うのですが国会はもちろん政治討論番組にもこの話題は上らない実情、国家としてどうなのか、という懸念は当方だけなのでしょうか。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

護衛艦夜間撮影、美しい艨艟が際立つ技巧への参考的備忘録

2011-09-27 23:43:48 | 海上自衛隊 催事

◆IS機能停止とライブビューア機能の活用

 護衛艦の夜景。現在写真整理中、ということでちょっと趣向を替えた記事を掲載します。

Img_1366本日は、多用途支援艦ひうちの一件や、巡洋艦的HNの方(帰路本当にお世話になりました)、AWSP的HNの方と現地で盛り上がることができたのですけれども、話題は夜景で。いやあ、如何に昨今のコンパクトデジカメの能力が向上しようとも、昨日の記事の写真はアレでしたね。佐世保基地に停泊する護衛艦。望遠の圧縮効果とともに海上自衛隊護衛艦の迫力がいつもに増して見えます。


Img_0157_1
 神戸港の護衛艦ひえい。懐かしい一枚。夜景撮影というものは、機材の性能とともに撮影者の能力が最も試されるものである、これは写真家の方が仰る言葉として一つ印象に残っているものです。一方で、ある程度納得のいく出来に仕上がった写真というものは上記のとおりの理由とともに、日中では見えにくい部分が際立ち、そして撮影する機会も比較的少ないだけにある種の感慨深さを持つのではないでしょうか。

Img_8308
 近年のカメラ性能のはったつは目覚ましいですがしかし、高ISO感度で撮影した場合、露光時間は委託射撃のような手持ち撮影でもなんとかなる範疇に収まるのですが、どうしても画面のざらつき感は残ってしまいますし、写真に奥行きが無くなってしまいます。

Img_6216この点、やはりISO400というのが一つの標準なのかな、と考える次第です。小型でもいいので三脚を携行するということとリモートシャッターかレリーズを使用するべき、ということは過去に掲載したのですがさらに今回は付け加える点があります。

Img_7465
 昨今、重要性を感じたのはISレンズ、OSレンズともいうのでしょうか手振れ防止レンズの使用は避け、そして可能な限りライブビューア撮影を行うべき、という二点です。ISレンズですが長時間露光に用いますとその間に停止してしまい、その揺らぎがブレとなってしまいます。またライブビューア方式外での撮影はシャッターの稼働時に一瞬の揺れが響いてしまうのですね。

Img_7973
写真のように動いている遊覧船から手持ちでしか撮影できない、という条件ならば致し方ないのですが、最大限三脚等の機材を準備し、具体的には、ライブビューアで焦点を合わせると逆に不明瞭となる場合もありますからファインダーにより焦点を合わせ、その後AFからMFに移行、そこでライブビューアを起動させ、振動が無くなった時点でレリーズかリモートシャッターにより撮影する、という手順になります。一枚目には揺れが残る場合がありますので、ここで二枚か三枚程度連続してシャッターを切る、というのが理想でした。

Img_7575
 もう一つ、これは一枚目の写真とも関係するのですが、必ずしも電燈艦飾の状況は夜景撮影には向いていない、電燈の光が強すぎるというのがあります。近距離でしたら、そういうことはないのですが埠頭に立ち入れない状況では、これは顕著です。もちろん、沖止めのときは別なのですが埠頭や桟橋には常夜灯がありますので、この光を利用したほうが自然な仕上がりになる、というのが気づいたてんでして、これは逆に電燈艦飾は毎年限られた時期にしか行われませんが、常夜灯でしたら毎晩行われますから、撮影の機会は実は多い、という意味になります、昨夜を含めて、ですね。これが一つ気づいたことなのですが、もう一つ不足していたという反省、夜間は水平がわかりにくいので、面倒でも傾斜センサーを携行するべきでした。次回への反省とともに。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア海軍ミサイル巡洋艦ヴァリヤーグ舞鶴入港、明日から日露捜索救難共同訓練

2011-09-26 23:53:43 | 世界の艦艇

■ロシア艦船三隻が舞鶴に入港中

 舞鶴は地元京都。先ほど舞鶴基地を撮影してきました。一眼レフの写真はまだCFカード内ですのでコンパクトデジカメ写真にて取り急ぎ掲載。

Img_2663  ミサイル巡洋艦ヴァリヤーグ、夕方から大急ぎで舞鶴に向かい撮影しました。一眼レフでは三脚とレリーズを用いた夜景撮影を行ったのですが、コンパクトデジカメの手持ち撮影ではこれが限界でした。しかし、満載排水量でイージス艦よりも大きな船体をもとに、強力な対艦ミサイルによる打撃力に特化したともいえるミサイル巡洋艦の力強さは多少なりとも伝わるでしょうか。

Img_2671  ロシア海軍太平洋艦隊艦艇団指揮官ジューガセルゲイユリエヴィッチ海軍大佐と第一護衛隊群司令糟井裕之海将補とのあいだで、明日から日露捜索救難共同訓練が行われ、明日は舞鶴湾で、29日には若狭湾で海上自衛隊からは護衛艦あけぼの、護衛艦ちくま、掃海艇ながしま。ロシア海軍からはミサイル巡洋艦ヴァリヤーグ、海洋曳船MB-61,給油艦イルクートが参加し実施されます。

Img_2673  先日、このヴァリヤーグ以下20隻が宗谷海峡を短時間で通行したことで何らかの意思があるのだろう、と外務副大臣が抗議したともしなかったともいわれる騒動がありましたが、これはさておき、日ロ間でのこうした指揮官同士の繋がりは不測の事態に際した場合の解決の糸口を見出す、一種の信頼受精措置としての意義があり、戦闘訓練のような派手さはありませんが重要性があるといえるでしょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東北方面隊創設51周年記念行事、本日霞目飛行場において実施!

2011-09-25 18:39:14 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■東日本大震災から約半年を迎えた東北方面隊

 本日、仙台で実施されました東北方面隊創設51周年記念行事へ展開しました。一眼レフのデータはまだ手つかずですので、コンパクトデジカメで撮影した写真のみ取り急ぎ掲載します。

Img_2556  東北方面隊は昨年の50周年記念行事とともに新しい新年を迎えた本年、近代史にもまれに見るマグニチュード9.0という巨大地震と最大39メートルともいわれる巨大津波により大きな被害を受け、自衛隊は創設以来最大の災害派遣任務を担うこととなり、東北方面隊は統合任務部隊司令部が設置、その矢面に立つこととなりました。

Img_2550  あの東日本大震災から半年と少し、本年は実施できないのではないかと言われた東北方面隊創設記念行事において、陸幕長へ昇進された君塚総監を引き継いだ渡辺新総監はどう訓示するのか、空前の災害に立ち向かった隊員たちの素顔は、などなど日本人としてどうしても見ておきたいものがあったため、足を運んだしだい。

Img_2560  東北方面隊創設記念行事へ展開するのは今回が三回目ですが、参加部隊が東日本大震災災害派遣で担った任務の一つ一つを部隊紹介で挙げられ、中には任務継続中の部隊もあり、改めて震災というものを考えさせられました。しかし、隊員20000、車両6500、航空機50の東北方面隊は地震を乗り越え、新しい一歩を進もうとしていること、案内、警備の隊員一人一人から感じることができたのもまた事実。

Img_2506  他方、これは蛇足ですが、大阪湾から仙台は少し遠かった・・・。大阪湾展示訓練は今年は競争倍率た非常に高い、ということを聞いていましたので、乗艦することはできないだろう、と金曜日の一般公開のみを考えていたのですけれども、御縁あって海上自衛隊の能力の一端を垣間見ることができたのは昨日の記事のとおり。

Img_2479  本年、大阪湾展示訓練は出港時刻が例年よりもかなり遅く、この時間ならばダイヤ改正で遅くなったと指摘される京阪で淀屋橋経由でも十分余裕を持っていける、ということはよかったのですが大阪港展示訓練ではなく大阪湾展示訓練、帰港時刻も例年より数時間遅くなっているわけでした。

Img_2463  大阪から仙台、かなり距離がありましてしかも大阪から夜行バスに乗ったのでは仙台到着が遅くなりすぎ、さりとて伊丹からの旅客機も適当な時間はありませんし、寝台特急も大阪と仙台を結ぶものはありません。そこで、かなりきわどい方法ですがなんとか1800の大阪港接岸から仙台へ間に合った、というお話もあったりします。

Img_2569  さて、今年度の東北方面隊創設記念行事ですが、観閲行進、訓練展示は行われませんでした。しかし、昨年作曲された方面隊50周年記念曲”七色の王国”が演奏され、音楽隊とともに74式戦車、FH-70榴弾砲、96式装輪装甲車が空包射撃を実施、UH-1が編隊飛行を行いました。戦車と大砲の射撃、これが復興の軌道へのる蕪矢となることを当方は心から願っています。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大阪湾展示訓練2011(海上自衛隊呉地方隊)本日実施!

2011-09-24 19:18:26 | 海上自衛隊 催事

■次の自衛隊行事に向かう途中の速報

 本日、大阪湾展示訓練が実施され、乗艦することができました。当方現在、次の行事に向かう途上にあり、拙い写真ですが取り急ぎご報告。

Img_2437  写真はヘリコプター搭載護衛艦いせ。今回は神戸港、阪神基地、大阪港、淡路津名港、和歌山港を拠点として大阪湾南方海域、和歌山と淡路島南部を望む海域が実施海域となりました。参加艦艇は護衛艦いせ、護衛艦きりしま、護衛艦はたかぜ、護衛艦いかづち、護衛艦せとゆき、護衛艦とね、輸送艦ゆら、試験艦あすか、訓練支援艦てんりゅう、多用途支援艦げんかい、掃海艇まきしま、掃海管制艇いえしま、潜水艦くろしお。そして警戒艦が数隻。

Img_2422  航空部隊にはSH-60J/K哨戒ヘリコプター、T-5練習機、TC-90練習機、US-2救難飛行艇、そして陸上自衛隊よりAH-1S対戦車ヘリコプター、OH-1観測ヘリコプター。東日本大震災で実施が危ぶまれた本年ですが、こういう時だからこそ、ということで実施、観閲式、掃海展示、編隊飛行、飛行艇離着水、護衛艦空包射撃、艦隊航行と機動飛行などを実施。開始時刻が例年よりも遅い時間帯ですが、海上自衛隊の訓練の一端を展示しました。事前応募の乗艦券が必要ですが展示訓練は明日も行われます。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

平成二十三年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2011.09.23-25)

2011-09-23 00:17:29 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

今週は本日金曜日にも行事がありますので零時を過ぎたばかりですが掲載です。今週末の日曜日、霞目駐屯地において東北方面隊創設51周年記念行事が行われます。

Img_0226
 君塚総監の陸幕長着任とともに東北方面総監に新しく元第一師団長の渡辺陸将を迎え実施されるこの行事は、東日本大震災へ統合任務部隊司令部として機能した方面隊にあって、東日本大震災以降初めての方面隊行事という意味でこれは足を運んでおきたいところです。

Img_8415
 行事案内には、記念式典実施、としか明記はなく観閲行進も行うかはわからないところなのですけれども、東北方面総監部が置かれ比較的大きなグランドを有する仙台駐屯地ではなく、霞目駐屯地で実施される、ということですから、観閲行進くらいは行われるのでしょうか。

Img_7507
 海上自衛隊関連でもっとも大規模な行事は、呉地方隊大阪湾展示訓練でしょう。金曜日み一般公開が行われ、大阪天保山埠頭に護衛艦せとゆき、とね、掃海艇つきしま。神戸港新港第四突堤に護衛艦いかづち、きりしま。阪神基地では多用途支援艦げんかい、試験艦あすか。

Img_7290
 やや離れ淡路島津名港に輸送艦ゆら、掃海艇まきしま、いえしま、さくしま。和歌山港中埠頭に護衛艦はたかぜ、訓練支援艦てんりゅう、が公開されます。土曜日と日曜日に行われる大阪湾展示訓練は事前応募制で乗艦券が必要ですが、出入港は撮影できると思います。

Img_5987
 八戸航空基地開庁記念行事、23日に実施さる行事で記念式典、航空機展示、飛行展示、体験搭乗などが実施されるようです。海上自衛隊の航空基地祭では記念式典が行われるのが航空自衛隊の航空祭との違うところで、海軍カレーの販売や地元有志による太鼓演奏なども行われるとのこと。

Img_0536
 金曜日は信太山駐屯地祭!、と意気込んでいらした方は多いかもしれませんが、信太山駐屯地HPによれば台風12号災害への災害派遣により、今年度の信太山駐屯地祭は残念ながら中止、とのことです。東日本大震災で延期されていた行事ではあるのですが、まずは任務へ向かう隊員の方々の無事と完遂を祈りましょう。

Img_4818
 陸上自衛隊駐屯地祭では小規模ですが岡山の三軒家駐屯地祭、航空自衛隊では長崎の福江島分屯基地祭、青森県の車力分屯基地祭が予定されています。航空自衛隊に関しては一部で祝賀飛行が予定されているとの情報もあります。規模は決して大きくありませんが、お近くの方は是非どうぞ。

Img_6521
 舞鶴基地ですが、週末一般公開は行われません。しかし、ロシア海軍のミサイル巡洋艦ワリャーグが来週の日露救難訓練へ参加するために入港するといわれていまして、日時などは不明ですがご近所の方は前島埠頭などからイージス艦よりも巨大なミサイル巡洋艦を見ることができるかもしれません。

Img_4893
 C-2輸送機美保基地発着。日曜日にC-2輸送機が美保に行くようです。目的は騒音程度の比較検討ということでして、1030から1130までC-1輸送機とともに最新鋭のC-2輸送機が日曜日の美保にやってきます。基地には入れないとのことですが、ご近所の方は頭上の新型航空機を見上げてみてはいかがでしょうか。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

F-2支援戦闘機生産終了へ、三菱重工より最後の二機が来週9月27日にロールアウト

2011-09-22 23:39:44 | 防衛・安全保障

◆日本の戦闘機生産技術は戦後初めて絶たれる

三菱重工小牧南工場において生産されている航空自衛隊のF-2支援戦闘機がいよいよ来週の二機の納入を以て完納となります。

Img_0948 日本では航空自衛隊最初の戦闘機であるF-86F以来、F-104,F-4EJ,F-15Jと継続的にライセンス生産を実施してきましたが、今回のF-2完全納入をもって次の発注がないことから戦闘機生産ラインが閉鎖となります。企業にとり稼働しないラインを維持する負担は言うまでもないほどに大きく、一時的に日本での戦闘機生産は絶たれることになりました。

Img_3118
しかし、戦闘機生産基盤が閉鎖となることは今後これまでのように維持部品を日本国内で調達できなくなることを意味していまして、日本はNATOのような多国間共通運用基盤も有していませんから、今後の運用に少なくない不安を持っている事案です。しかしこの重大な事案に対して政治家はあまり危機感をもって迎えられていないのではないか、という印象があります。これについての防衛大臣臨時記者会見の様子を引用してみましょう。

Img_4577Q:来週の27日に、F-2支援戦闘機、今国内で製造している唯一の戦闘機が製造終了、最後の2機がロールアウトし、それでしばらく戦闘機の製造というのが中断することになる中で、国内産業の衰退というのも懸念されていますけれども、今後、防衛省・自衛隊としてどのように対応されていくのでしょうか。

Img_6592A:こういう国内の武器の製造をしているいろいろな技術なり、民間の仕事というのは、それなりに需要がないと維持できないということが言えると思いますから、そういうことは当然念頭にはありますけれども、しかしこういう問題は我々も中・長期的計画の中でいろいろな装備品を整えていこうという計画ですから、あまりそういうことだけに拘る必要もないと思います。

Img_9435しっかりと外国と技術的にいろんな面で協力できるところとか、お互いにそういう面での協力をし合いながら、それぞれの国々は皆、今経済的にも厳しい背景を抱えておりますから、そういう中で軍事産業のそういう基盤ということも念頭におきながら、しっかりと取り組んでいくということだろうと思いますhttp://www.mod.go.jp/j/press/kisha/2011/09/22.html

Img_2749中長期的に装備を整えてゆく、ということを発言していますが、戦闘機を整備したとしても列機に並ぶ機体の稼働率が半分となってしまえば、必要定数をさらに上げるか、より効果で高性能な航空機を導入しなくては抑止力を維持することはできなくなります。与党議員数ではないのですから、数さえそろえば質は問わない、という発想はいかがなものでしょうか。

Img_4565
 外国といろいろな技術面での協力を行い、という発言を行っているのですが現時点で日本の参画できる次世代戦闘機計画はありません、F-35のJSF計画でも参画し協力できるという時期は十年ほど前に過ぎてしまっています。それならば、ライセンス生産できる機体をいち早く整備することのほうが現実的でしょう。

Img_3405 海外から長期運用支援契約とともに戦闘機を導入する、というのは安易な方策ですが有事の際にも支援契約が、例えば基地や拠点周辺への攻撃やテロ攻撃により停止しないか、ということを考えた場合、実際にそうした事例はサウジなどで発生しているのでどうしてもリスクが大きくなります。抑止力が破綻した場合、戦闘機は有事にもっとも使われるのですからね。

Img_6606経済的な問題を提示しているのですが、上記のとおり抑止力を維持する稼働数を確保するためには韓国や台湾またオーストラリアとの共通運用基盤と有事には部品供給は集団的自衛権の行使とみなされますので憲法解釈も含め整備するか、これが選択肢の一つ。

Img_9328選択肢のもう一つは一定数を国内でライセンス生産して防衛産業の維持と復元を図るか、稼働率の激減を見越して直接輸入により現状の二倍近い数を取得して防空能力を維持するか。戦後初めて日本の戦闘機生産が経たれることになりますから、しっかりと受け止めねばなりません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三菱重工サイバー攻撃被害事件、川崎重工・IHIにも第三者より攻撃

2011-09-21 23:38:26 | 防衛・安全保障

◆被害確認されず、しかし今回が最後ではない

 三菱重工サイバー攻撃事案ですが川崎重工やIHIという防衛産業の一角にも攻撃が試みられていたことが判明しました。

Img_0560
IHI・川崎重工にもサイバー攻撃・・・ IHIは20日、同社のサーバーやパソコンが2009年7月から、第三者からサイバー攻撃を受けていることを明らかにした。 現時点でコンピューターウイルスに感染したケースはなく、情報の流出もないという。関係者を装って大量に送られたメールの添付ファイルを開くと、ウイルスに感染し、情報が外部に流出する恐れのある「標的型攻撃」だった。同社は、警察庁に相談している。同社は、防衛省向けの戦闘機のエンジン部品や護衛艦のほか、原子力発電所の圧力容器などを製造している。

Img_9092
 防衛・原発関連産業では、三菱重工業がサイバー攻撃でウイルス感染したことが明らかになっており、業界全体が攻撃の対象となっている可能性がある。 哨戒機や潜水艦の生産などの防衛産業を手がける川崎重工業でも、標的型攻撃メールと思われる着信が確認されており、時期や規模については「情報管理上明らかにできない」(広報部)と説明している。これまでのところ適正な処理をしていることから、外部への情報流出はないという。(2011年9月20日22時13分  読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110920-OYT1T01008.htm

Img_3295
 三菱重工ですが、防衛関係の情報漏えいがあった場合には防衛省へ即座に報告するという義務を怠っていたとして、防衛大臣が不快感を表明しました。被害状況の確認に時間を要していた、というのが三菱重工の回答ですが、しかし報道が出た直後に防衛省に報告している、その大元となった報道では八月の時点でサイバー攻撃の可能性を見出し、専門業者に解析を依頼していた、とされていますので、確認のために遅れたというのは一日夜二日の話ではなく一週間や二週間以上という次元の話のようです。

Img_5421
 八月に判明した事案を防衛省に報告したのが九月下旬、これは企業の情報に関する立場としてどういうものなのか、という一点に尽きます。一方で、法的に、いわゆるスパイ防止法を制定したとしても日本国外からの攻撃に対しては管轄権がありませんし、まさか海外にあるクラッカーの自宅に特殊部隊を派遣するわけにもいきませんので、対処能力の強化を図る以外方法がないというのが実情でしょう。

Img_6592
 。三菱重工については、日本の防衛産業の中心となっている企業である点、10式戦車をはじめ自衛隊が我が国の防衛を行う上で必要な装備品を生産しているだけではなく、航空自衛隊の次期戦闘機選定に際して、特に現在の選定が難航している最大の要因、F-22の導入が実現しなかった背景に海上自衛隊イージス艦情報漏えい事件があり、情報管理は国の安全保障にかかわる問題でありながら防ぐことができなかったという点、先端技術実証機のような秘匿しなければならない情報についても不安要素が生じた、という意味で重大ですが、IHIや川崎重工についても、現在のところ被害は確認されていないながらも攻撃が行われていたという形跡の判明は大きな不安があることも間違いありません。

Img_4815 それだけではなく、東芝や日本電気といったほかの防衛産業や重要な技術を担う下請け企業などから情報漏えい、外堀から攻められているという可能性は大丈夫か、という不安が生じます、この点はどうにかならないものでしょうか。今回の情報漏えいに対してどの様な防御措置が取られていたかは全く想像に頼るほかないようですが、単純にパスワードの頻繁な変更やメールへの警戒だけでは防ぎきれないものがありまして、攻撃技術も進歩しますからネットワークに加入している以上完全という言葉だけはあり得ませんので、継続的な対策が必要です。

Img_7190
徹底した暗号化措置と端末利用の制限を行い且つ銀行のオンラインシステム並みの完全独立のスタンドアローン型ネットワークを構築すれば、ある程度被害は防げるのかもしれませんが、端末利用制限は設計作業の煩雑化を呼び開発の長期化と不具合点検の複雑化を招いてしまいますし、ネットワークに関しては内部からの侵入に対し脆弱性を有しているばかりではなく検査費用も大きく、万全といえるようなものは防衛関係の情報でも設計情報などは私企業の財産である以上、政府が私企業のために汎用性のある独自のネットワークの整備費を捻出することは難しく同時に点検もできない、他方で企業努力に頼るという方便で自己負担の強要を行うことも少々無理があります。

Img_7676
 一方で忘れてはならないのは、現時点で判明していおる被害というだけではなく、何らかの対策を講じない限り今回が終わり、ということも絶対にありえない、という現実です。この点で、隣国や同盟国では、いわゆるサイバースペースにおける軍事攻撃の意味合いを通常戦力による攻撃と同程度に比重を高めている趨勢があり、この種のサイバー攻撃は国際法が禁じている武力攻撃に分類されないことから法的対策ではなく純粋な技術的対策を、特に予算面や技術面での支援という私企業では限界のある分野については国家規模で推進する必要が出てきます。

Img_7404
 被害が私企業の私的データに対してのものですが、国としてソフト面での支援は実施してゆかなければなりません。ある程度行っているのかもしれませんが不十分でした。国が関与する意味について軍事力をハード面に限り解釈し、例えば武力攻撃という意味で自衛隊の活動を制約しながら武力行使と受け取られるような汎用品を輸出したり、テロと軍事攻撃の概念についての一貫した論理の施行を忌避した我が国ではサイバー攻撃と国家による対処というものは難しい話です、しかし理解しなければなりません。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする