北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十年度四月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報

2008-03-31 07:09:36 | 北大路機関 広報

■自衛隊関連行事

 いよいよ明日から2008年度である。2008年度4月期には主要行事として33の自衛隊関連行事が開催される予定である。詳細はリンク先の各部隊Webサイトをみていただくとして、ざっと注目の行事を紹介。

Img_0999  いよいよ自衛隊関連行事シーズン、燃えるぜ!。四月期の自衛隊関連行事は、サクラのシーズンということもあり、桜祭か駐屯地祭であるかについて注意が必要である。さて、桜祭であるが、基本的に駐屯地祭が非公開である東北方面総監部が所在する仙台駐屯地(方面隊記念行事は霞目飛行場で秋に実施)などが公開されるので要チェックである。また、規模は大きくなさそうだが東部方面総監部が所在する朝霞駐屯地でも駐屯地祭が行われる。

Img_3612_1  陸上自衛隊関係で注目の行事としては、6日の習志野駐屯地祭(第1空挺団創立記念行事)、13日の練馬駐屯地祭(第1師団創設記念行事)、相馬原駐屯地祭(第12旅団創設記念行事)、20日の神町駐屯地祭(第6師団創設記念行事)、27日の北熊本駐屯地祭(第8師団創設記念行事)など、師団・旅団記念行事が挙げられる。13日の船岡駐屯地祭(第2施設団)も注目だ。

Img_2606  圧倒的な機動力と火力、防御力を兼ね持ち、機動打撃の根幹を担うのが戦車部隊。戦車部隊関係の駐屯地祭では、6日の駒門駐屯地祭、13日の大和駐屯地祭が挙げられる。戦車では無いが完全機械化連隊として名高い普通科教導連隊が駐屯する滝ヶ原駐屯地祭。特科部隊関係では13日の郡山駐屯地祭などが挙げられる。次々と発射される榴弾砲の空包射撃は、特科部隊駐屯地祭ならではの複数砲により行われることで、迫力は俄然増す。高射特科部隊関連では、87式自走高射機関砲や03式中SAMが登場する下志津駐屯地高射学校祭が注目。

Img_8183  陸上自衛隊航空部隊関係の行事では、先ほど記載した第12旅団記念行事。空中機動旅団というだけあって、榛名山を背景にヘリコプターの編隊が頭上を通過する。また、西部方面航空隊のヘリコプター編隊が活躍する高遊原分屯地祭が13日、東北方面航空隊のヘリコプター編隊飛行を観ることが出来る20日の霞目駐屯地祭、27日の八戸駐屯地祭ではAH-1S対戦車ヘリコプターの編隊を見ることが出来る。

Img_7606  航空自衛隊関係では、今年もブルーインパルスのシーズンが始まる。6日の熊谷基地祭(熊谷基地さくら祭)が、今年最初のブルーインパルス飛行展示となる。また、12日と13日には瀬戸大橋開通20周年記念行事として香川県高松上空にて展示飛行を実施する。この他、6日には、アメリカ海軍厚木航空基地にて日米親善桜祭が予定されている。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

  1. 四月五日(陸上自衛隊):朝霞駐屯地創立48周年記念行事(東京都練馬区)・・・東部方面総監部・中央即応集団司令部が駐屯、ただし、HPの予定では音楽演奏・太鼓演奏と表記
  2. 四月五日・六日(陸上自衛隊):伊丹駐屯地 桜フェスタ2008(兵庫県伊丹市)・・・中部方面総監部が駐屯、5日夜間のみ、6日に本祭
  3. 四月五日(陸上自衛隊):守山駐屯地さくらまつり(愛知県名古屋市)・・・第10師団司令部が駐屯、一応駐屯地祭扱いと記載があるが、師団行事は十月
  4. 四月六日(航空自衛隊):熊谷基地開庁記念行事(埼玉県熊谷市)・・・航空教育隊第2教育群や第1移動通信隊などが展開、今年最初のブルーインパルス飛行展示
  5. 四月六日(陸上自衛隊):第1空挺団創立50周年・習志野駐屯地創立57周年記念行事(千葉県船橋市)・・・中央即応集団隷下の精鋭 日本唯一の空挺部隊である第1空挺団、そして特殊作戦群が駐屯
  6. 四月六日(陸上自衛隊):駒門駐屯地創立48周年記念行事(静岡県御殿場市)・・・第1戦車大隊が駐屯
  7. 四月六日(陸上自衛隊):新町駐屯地創立57周年記念行事(群馬県高崎市)・・・第12後方支援隊が駐屯
  8. 四月十二日(陸上自衛隊):船岡駐屯地桜まつり(宮城県柴田郡)
  9. 四月十三日(陸上自衛隊):仙台駐屯地さくらまつり(宮城県仙台市)・・・東北方面総監部
  10. 四月十三日(陸上自衛隊):大和駐屯地創立52周年記念行事(宮城県黒川郡)・・・第6戦車大隊、第6偵察隊
  11. 四月十三日(陸上自衛隊):第1師団創立46周年/練馬駐屯地創設57周年記念行事(東京都練馬区)・・・首都圏の防衛警備及び災害派遣を担当する政経中枢師団 第1師団が駐屯
  12. 四月十三日(陸上自衛隊):第12旅団創立7周年/相馬原駐屯地創設49周年記念行事(群馬県北群馬郡)・・・関東甲信越地方の防衛警備を担当する空中機動旅団 第12旅団が駐屯
  13. 四月十三日(陸上自衛隊):滝ヶ原駐屯地創立34周年記念行事(静岡県御殿場市)・・・機械化された教導普通科連隊が駐屯
  14. 四月十三日(陸上自衛隊):西部方面航空隊創立48周年/高遊原分屯地創立37周年記念行事(熊本県上益郡)・・・西部方面隊直轄のヘリボーン部隊、及び第8師団直轄のヘリコプター部隊
  15. 四月二十日(陸上自衛隊):第6師団創隊46周年/神町駐屯地創立52周年記念行事(山形県東根市)・・・東北地方南部の防衛警備及び災害派遣を担当する飛行場に隣接した即応近代化師団
  16. 四月二十日(陸上自衛隊):霞目駐屯地創設51周年記念行事(宮城県仙台市)・・・ヘリコプター多数を運用する東北方面航空隊、東北方面輸送隊が駐屯
  17. 四月二十日(陸上自衛隊):板妻駐屯地創立46周年記念行事(静岡県御殿場市)・・・第34普通科連隊、第3陸曹教育隊が駐屯
  18. 四月二十日(陸上自衛隊):高田駐屯地創設58周年記念行事(新潟県上越市)・・・第2普通科連隊、第5施設群が駐屯
  19. 四月二十日(陸上自衛隊):松本駐屯地創設58周年記念行事(長野県松本市)・・・山岳連隊として名高い第13普通科連隊が駐屯
  20. 四月二十日(海上自衛隊):日程変更 小松島航空基地開隊記念行事
  21. 四月二十日(航空自衛隊):白山分屯基地開庁36周年記念行事(三重県津市)・・・ペトリオットミサイルを運用する第14高射隊が展開
  22. 四月二十日(陸上自衛隊):信太山駐屯地創設51周年記念行事(大阪府和泉市)・・・第37普通科連隊が駐屯
  23. 四月二十日(陸上自衛隊):松山駐屯地創立53周年記念行事(愛媛県松山市)・・・第14高射特科中隊などが駐屯
  24. 四月二十日(陸上自衛隊):前川原駐屯地/陸上自衛隊幹部候補生学校創立記念行事(福岡県久留米市)・・・陸上自衛隊の幹部自衛官を養成する幹部候補生学校
  25. 四月二十六日(陸上自衛隊):多賀城駐屯地創立54周年記念行事(宮城県多賀城市)・・・第22普通科連隊、第1教育連隊(東北方面混成団)などが駐屯
  26. 四月二十六日(陸上自衛隊):大村駐屯地創立51周年記念行事(長崎県大村市)・・・第16普通科連隊、第4施設大隊が駐屯
  27. 四月二十六日・二十七日(陸上自衛隊):久居駐屯地創立56周年記念行事(三重県久居市)・・・第33普通科連隊が駐屯
  28. 四月二十七日(陸上自衛隊):弘前駐屯地創立40周年記念行事(青森県弘前市)・・・第39普通科連隊、第9偵察隊などが駐屯
  29. 四月二十七日(陸上自衛隊):八戸駐屯地創立52周年記念行事(青森県八戸市)・・・対艦ミサイル、ホークミサイル部隊、対戦車ヘリ部隊などが駐屯
  30. 四月二十七日(陸上自衛隊):高射学校祭/下志津駐屯地創設53周年記念行事(千葉県千葉市)・・・高射特科教育、戦術開発の中枢である高射学校つつじ祭
  31. 四月二十七日(陸上自衛隊):和歌山駐屯地創立46周年記念行事(和歌山県日高郡)・・・第304水際障害中隊が駐屯
  32. 四月二十七日(陸上自衛隊):第8師団創設45周年/北熊本駐屯地創立51周年記念行事(熊本県熊本市)・・・九州南部の防衛警備及び災害派遣を担当する第8師団が駐屯
  33. 四月二十七日(陸上自衛隊):高良台分屯基地開庁記念行事(福岡県久留米市)・・・ペトリオットミサイルを運用する第8高射隊が展開

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北東アジア安全保障の要衝 海上自衛隊横須賀基地の日常風景(3/28)

2008-03-30 12:18:22 | 海上自衛隊 催事

■護衛艦『いかづち』帰港

 海上自衛隊の一大根拠地横須賀基地。アメリカ海軍横須賀施設と隣接し、北東アジアの安全保障の根幹を支える基地のひとつといえる。今回は、昨日に引き続き、平日の横須賀基地の情景を掲載。

Img_2221  訓練を終えて横須賀基地に帰港する護衛艦『いかづち』。『むらさめ』型護衛艦の七番艦で、横須賀基地の第1護衛隊群第1護衛隊に所属する護衛艦(改編前)である。ちなみに、八番艦は『あけぼの』である。『あけぼの』は呉基地の護衛艦である、全然関係無いがこの日、上野~青森を結ぶ寝台特急『あけぼの』の撮影を行うことが出来た(まったく関係ないな)。

Img_2316  横須賀基地を撮影したのは、このウェルニー公園である。この基地を撮影することができるスポットとしては、横須賀基地を俯瞰する安針台公園、船越地区と横浜の高層ビル群を一望できる塚山公園などがある。また、ウェルニー公園から塚山公園への道筋には、驚かされるほどの眺望に出会うことが出来る場所が幾つかある。

Img_2235  横須賀基地の吉倉桟橋に向かう『いかづち』。入港を支援する横須賀地方隊港務隊のタグボートが近付いてゆく。また、画面の端には運貨船が近付いてゆく。『むらさめ』型は、満載排水量6200㌧、アメリカ海軍のイージス駆逐艦『アーレイバーク』級が8400㌧であるから、やや小さい、という印象を受けるやも知れないが、先進国でも大型フリゲイトは3000~4000㌧が標準、6200㌧というとかなり大きい部類にはいる。

Img_2346  『アーレイバーク』級二隻と、運貨船二隻。『アーレイバーク』級は、大量建造を行うことで建造コストの低減を目指した艦であるが、イージスシステムやステルス性など画期的な点を有するも、初期・中期建造艦(フライトⅠ・フライトⅡ)にはヘリの格納庫を有さないのが欠点とされる。この角度からは艦番号や艦名を確認することが出来ず、トリミングしても艦橋の艦エンブレムが確認できなかったので、名称は不明。この日は、米軍のイージス艦3隻が横須賀基地に停泊していた。

Img_2217  第7艦隊旗艦『ブルーリッジ』。安針台公園にいけば、もう少し船体を写しこむことができるのだが、なにしろ時間が無いので断念。なお、この日、空母『キティーホーク』は出港していたようで、その巨大な船体を見ることは出来なかった(まあ、ウェルニー公園からだと、艦橋くらいしか見えないんだけどね)。横須賀海軍施設を見渡すと『タイコンデロガ』級イージス巡洋艦も全て出港していたようだ。

Img_2249  海上自衛隊の潜水艦。手前の潜水艦は、艦首にインターセプト用ソーナーがみえるため、『はるしお』型潜水艦、『わかしお』だろうか。というのも『はるしお』型は横須賀には第2潜水隊群第6潜水隊の『わかしお』一隻のみだからだ。もう一隻は艦橋の形状から『おやしお』型潜水艦であることがわかる。

Img_2376  潜水艦の後ろあたりにある建物に第2潜水隊群司令部施設がある。ウェルニー公園から潜水艦をみてみると、こんな感じ。思いのほか近い。横須賀基地では、舞鶴基地など他の基地とおなじように電燈艦飾(夜間電飾)を年に何度か行う。観艦式やクリスマスイルミネーション、大晦日などの夜間電飾では、ここウェルニー公園が、艦船の夜景を眺める最高のスポットとなる。

Img_2299  タグボートに支援され、吉倉桟橋に向けて転回する『いかづち』。手前のタグボートはYT-79とあるので、海上自衛隊に十隻配備されている『75号型曳船』のようだ。海上自衛隊には約40隻のタグボート(曳船)が配備されている。タグボートは通常、船越に多数配置されており、先日『たちかぜ』を撮影した際に、曳船が長浦湾から吾妻島との間の人口水道を通り横須賀本港の吉倉桟橋に向かう様子を見ることが出来た。

Img_2357  『いかづち』の入港。横須賀入港は緊張の瞬間だ。世界の艦船誌462号によれば、東京湾沿岸の遊漁船は、佐世保や呉の遊漁船と比べて好奇心が高いようで、向こうから寄って来ることが多いのだとか。好奇心は全国屈指とのことで、避けるためにジグザグ航行をすることがあるのだと、艦長経験者のコメントがあった。

Img_2334 『いかづち』との反航。毎日700隻の船舶が往来する浦賀水道を横切ることが不可欠な横須賀入港は緊張を強いられるのだという。この船舶交通量の多さは東京湾の門番たる基地の宿命ではあるが、同時に問題点であり、加えて、横須賀基地は横須賀市の平野部が少ないことから基地関係者の住宅問題という点も抱えているようだ。

Img_2385  吉倉桟橋に接岸した護衛艦『いかづち』。3月3日に撮影したときは、火災事故ののち、修理を待つヘリコプター護衛艦『しらね』の姿があったが、コメント欄にてお教え戴いた情報では、この写真を撮影した前日にIHIへ修理のために回航されたとのこと。もしかして当初言われた来年除籍予定とされる『はるな』の部品流用ではなく、除籍された『あさかぜ』のCIC関連部品を流用するのだろうか。

Img_2392  『あたご』と『きりしま』。本来であれば、『あたご』と『みょうこう』が満開の桜を背景に舞鶴北吸にて佇んでいるはずなのだが。新艦長着任の旨は昨日記載したが、新艦長以下、一定の訓練を積まねば出港は出来ないわけで、舞鶴帰港はもう少し先の話になるのだろうか。この長期間の係留による乗員への負担は、繰り返すが、もう少し問題となっていいのでは、とおもう。

Img_2374  こういった情景が昼下がりの横須賀基地の一コマだ。で、今回いちばん間近い見ることが出来たのが、この運貨船。これは港務隊の船なのか、米軍の船なのだろうか。バース5と汐入近くの係留場を行き来していた。背景のイージス艦は85と艦番号が記されているので、ヘリコプター格納庫を備えた『アーレイバーク級フライトⅡA』の『マッキャンベル』である。潮風とともに、佇む艦艇は、港町横須賀の風景によく溶け込んでいる。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

横須賀のイージス艦『あたご』 漁船との衝突後未だ舞鶴への帰港許されず

2008-03-29 19:30:48 | 防衛・安全保障

■『あたご』『清徳丸』衝突事故 その後

 2008年2月19日0407時、千葉県沖でイージス艦『あたご』と漁船との間で衝突事故が生じたことは既報であるが、『あたご』は母港である舞鶴に帰港を許されず、いまだ横須賀に係留されている。

Img_2388  千葉県房総半島野島崎沖にて生じた事故は、一部のマスコミにおいて偏重報道が為されているが、事実関係は海難審判の結論を待ちたい。ただ、事故から一ヶ月以上を経た今も、母港である舞鶴基地に戻ることを許されず、昨年11月にハワイでの訓練へ向けて舞鶴を出港、今日に至る。所属していた第63護衛隊は3月26日の部隊改編により姿を消している。これだけの長期間、事故調査とはいえ、母港への帰港を許さないことについて、妥当か否か、当方は後者では、と考える。

Img_2181 写真を撮影した28日、初代艦長の舩渡健1佐が更迭され、新艦長に佐世保の第2護衛隊群司令部幕僚であった清水博文1佐が着任した。写真では、新艦長を迎える正装の乗員がみえる。艦長、当直幹部であった水雷長以下6名を護衛艦隊司令部に転属、防衛省によれば海上保安庁とともに事故捜査を続けるとの話だ。

Img_2270  3月25日には、事故当時の当直乗員の一人が自殺を図るという事案も生じており、事故と失われた漁船乗組員の人命は、決して無視できないが、事故直後のここまでの長期間にわたる係留措置、これは普通なのであろうか。この措置による海上自衛官全体への士気というかたちでの影響は検証されているのだろうか。この点、どうも納得がいかない。

Img_2188  NHKのクローズアップ現代など、一部の報道では、弾道ミサイル防衛、インド洋対テロ任務給油支援など長すぎる実任務の対応により、通常の訓練期間が冷戦時代と比較して明らかに圧縮されており、対して防衛大綱の上限である護衛艦数は削減される一方である。組織として活動する以上、事故の根絶は難しいにしても、そのほかに対処するべき事故予防策は、解決されていないようにも。乗員配置の流動化や任務対応能力の艦艇間配分、場合によっては、艦艇の増強を含め、検討されるべきではないだろうか。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (9)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

XP-1飛行試験は水曜日・木曜日に集中? 2008年度末撮影データより

2008-03-28 06:35:37 | 先端軍事テクノロジー

■次期固定翼哨戒機XP-1飛行試験

 XP-1飛行情報に関しては、現在離陸、というような目撃情報が北大路機関に寄せられた場合、速報性に優れたFC2ブログ、第二北大路機関(http://harunakurama.blog10.fc2.com/)に掲載できるようにしている。

Img_79_41  XP-1を撮りに行きたいのですが、いつ飛ぶんでしょうか?というような相談をよく受けるが、こちらが聞きたいほどだ。なにぶん当方、関係者でもなく、ただ航空の御利益があるという雷神を祀った上賀茂神社の御利益で撮影している身、飛んだという情報はあっても、飛ぶ、という情報は来ない。ただ、撮影データからの分析はできるので、集計してみた次第。

Img_7825  2008年最初の飛行試験は2月13日水曜日で離陸は0955時頃、着陸は1120時頃であった。初飛行の2007年9月28日が金曜日、第二回飛行試験が2007年10月17日の水曜日、第三回目の飛行試験は10月24日の、やはり水曜日に実施されている。ただし、後述するが木曜日に行われている場合もあり、週の真ん中、水曜日乃至木曜日、特に水曜日が多い、というところか。

Img_9652  2月21日に撮影したXP-1,岐阜基地に着陸する様子である。21日は木曜日であるが、実は前日の20日に遅れていたKC-767空中給油輸送機が岐阜基地に到着している。北米からそのままフライインしたため、KC-767の整備を行い、同時にXP-1の開発も実施している川崎重工の要員の関係、これがXP-1の飛行試験が水曜日に実施されなかったことと何か関係があるのかもしれない。なお、この日は六時間にも及ぶ長時間飛行試験を実施した。

Img_9644  随伴機として、海上自衛隊のP-3C哨戒機が飛行する。13日も同じであったが、21日に撮影したこのP-3Cには垂直尾翼に“51”という記載があったため、飛行試験を行う厚木基地の海上自衛隊第51航空隊の機体と思われる。第51航空隊は海上自衛隊の航空機評価試験部隊であり、MCH-101やSH-60Kなどの評価試験も実施、技術研究本部から海上自衛隊にXP-1が引き渡されれば最初に運用する部隊となるものとおもわれる。

Img_0026  2月28日の飛行試験の様子。飛行開発実験団のT-4練習機と思われる機体が随伴機の役割を果たしている。これが木曜日なのだが、空中給油輸送機の二号機到着が3月4日なので関係はなさそう、前日が悪天候というわけでもなく、これは航空自衛隊のT-4を利用するための諸事情が関係するのか、不明。T-4を随伴機としていることで、P-3Cでは追従できない程度の高速度飛行試験を実施した可能性がある。

Img_2028  3月26日の飛行試験。飛行時間は約四時間。26日は水曜日である。年度末ということで、新年度からこうした予定で飛行するかについて、保障できない。また、情報欲しい方なんかは既に航空専門誌やWeb掲示板なんかで飛行情報をこまめにチェックされている方もいるだろうし、蛇足な情報かもしれないが、一応掲載。手元の情報だけで作成したのでデータ漏れは気にしない方向でお願いいたします。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海上自衛隊舞鶴地方隊 19年度改編後の現状と能力

2008-03-27 18:29:17 | 防衛・安全保障

■JMSDF MAIZURU REGIONAL DISTRICT

 3月24日、舞鶴地方総監として加藤耕司海将にかわり、方支春亀海将が着任された。これを機会として昨日の記事では、海上自衛隊の部隊改編について紹介したが、本日は舞鶴地方隊の部隊編成を紹介したい。

Img_6193  海上自衛隊舞鶴基地といえば、北朝鮮を対岸とした日本海の防衛警備を担当し、第3護衛隊群旗艦であるヘリコプター護衛艦『はるな』、弾道ミサイルを探知したイージス艦『みょうこう』、護衛艦として10000㌧の満載排水量を初めて突破したイージス艦『あたご』、汎用護衛艦として最新最大の『すずなみ』などの大型護衛艦を思い浮かべる方も多いのではないだろうか。

Img_6403  舞鶴基地は第3護衛隊群旗艦『はるな』以下五隻の母港であるとともに舞鶴地方隊第24護衛隊の護衛艦三隻を有する舞鶴地方隊が管理する基地である。しかし、その第24護衛隊が第14護衛隊として舞鶴地方隊から護衛艦隊に移籍した、というのは昨日の記事に記した。その後の舞鶴地方隊について記載したい。

Img_7881  舞鶴地方隊の頭脳である舞鶴地方総監部は、舞鶴地方総監を頂点として、幕僚長を次席、その下に第1幕僚室(人事・監理)、第2幕僚室(情報・保全)、第3幕僚室(防衛警備・訓練・運用)、第4幕僚室(施設・造修・補給・輸送)、第5幕僚室(通信・気象)が置かれている。人員は約160名。舞鶴地方隊の任務は、基地機能保全、港湾機能保持、装備の整備、機雷処理に災害派遣任務、沿岸警備などを実施している。

Img_1471  基地施設は、舞鶴湾地区だけで地方総監部、警備隊本部、教育隊施設、造修補給所施設、補給所機雷倉庫地区、平燃料貯蔵所、大波燃料貯蔵所、白浜火薬庫、乙島貯蔵庫、岩子火薬庫、舞鶴水雷整備所、大波射撃場、空山通信中継所、第4術科学校、自衛隊舞鶴病院、舞鶴飛行場があり、この他に新潟基地分遣隊が隷下にある(参考文献:世界の艦船通巻478)。

Img_9748 舞鶴地方隊の直轄艦は、先頃舞鶴地方隊に転籍した多用途支援艦『ひうち』(満載排水量1400㌧)、輸送艦『のと』(満載排水量710㌧)がある。『ひうち』は訓練支援や軽輸送任務などをおこなう艦。『のと』はビーチング接岸方式の輸送艦で、50㌧の貨物を搭載可能、車輌であれば73式中型トラック四両を輸送可能、災害派遣任務などに対応している。

Img_5990  舞鶴地方隊隷下の第44掃海隊は掃海艇『ながしま』、『あわしま』、『とびしま』で、人員は135名。日本海沿岸における掃海任務を中心として、遺棄機雷などの危険物処理、災害派遣任務に対応している。かつては、哨戒艇を運用していた哨戒隊や、駆潜艇を運用していた駆潜隊などがこの任務にあたっていたが、掃海隊だけとなり、地方隊の実動部隊として重責を担っている。

Img_6343_1  舞鶴警備隊は、対艦ミサイルや76㍉砲を搭載したミサイル艇『はやぶさ』、『わかたか』、『うみたか』を運用する第3ミサイル艇隊を運用しているが、特に港湾と水路警備・安全確保、陸上施設警備を引き受けている。新潟基地分遣隊も舞鶴警備隊の隷下にあり、陸上人員は約230名、ミサイル艇の乗員定数が各21名であるから司令部要員を含め約70名。

Img_5638_1  舞鶴教育隊は、新隊員教育と初任海曹教育を行う。部隊人員は教育隊の生徒学生を除き約130名。社会規範を学ぶ『訓育』、体力練成を行う『体育』、小銃操作やカッター運用を学ぶ『訓練』、勤務基礎知識を学ぶ『隊務』、衛生や接岸作業に不可欠な結索に応急訓練などを学ぶ『共通要素』、そして専門を学ぶ『要員要素』、研修や実習などを学ぶ。

Img_9740  舞鶴造修補給所は、かつては意味に面していたが、埋め立てられてこういった情景。造修所・補給所を機能強化のために統合したもので、人員は約110名。需品、火器、弾薬、車輌、化学器材、通信器材の整備を行う。また、ガスタービン整備科、船体を電気関係、船体関係、機関関係の監督や整備を行う船体部、発射薬の安定度試験や器材検査を行う火工部、砲・レーダー・通信機の監理と整備を行う武器部、自隊で行うことが可能な補修を行う工作部があり、艦船検査官と武器検査官という技官が事務を取り仕切っている。

Img_8562  現在、整備補給関係は水雷整備所などを舞鶴弾薬整備補給所として統合されているようだ。人員は約140名と考えられる。写真は大波燃料補給所。1988年に3000klのNo,3燃料タンクが運用開始され、1992年にはNo,8燃料タンクまでの一連の貯油タンク群が完成し、貯蔵能力は倍加、舞鶴飛行場の開設された関係で、航空燃料貯蔵施設が新しく設置されているが、順次大波燃料補給所の機能は護衛艦の接岸している北吸地区に移転するとのはなしだ。

Img_5748  舞鶴飛行場は、舞鶴基地の新しい施設として2001年に完成したもので、6機のSH-60J哨戒ヘリコプターと整備要員など約150名が展開している。飛行場が完成する以前は、大村航空基地や館山航空基地よりヘリコプターを回送していたため、北吸桟橋から極めて近距離にあるこの飛行場完成により、訓練運用機能などは強化されたといえる。

Img_6242  舞鶴地方隊には、40名からなる舞鶴音楽隊や舞鶴情報保全隊(旧舞鶴調査隊)がある。調査隊時代は10名とされたが、現在では情報保全機能強化を目的として強化されているかもしれない。さらに、舞鶴システム通信隊、舞鶴地方警務隊が舞鶴基地に展開している。また、舞鶴衛生隊により自衛隊舞鶴病院が運用されている。どれも基地機能を果たす上で欠くべからざる部隊だ。

Img_5684_1  約100名の人員による舞鶴基地隊は多くの支援船を運用している。支援船は、水中処分隊母船が一隻、港務隊の曳船(写真にあるようなタグボート)、燃料を運搬する油船、廃油船、艦船に真水を補給する水船、乗員の運搬を行う交通船や貨物を運用する運貨船、起重機船など排水量(総トン数)で500~50㌧程度のものが20隻程度配備されている。また教育隊にもカッターなど10隻程度が配備されている。

Img_3961  舞鶴地方隊の編成は、ざっと以上の通りである。護衛隊が護衛艦隊に転籍した後も、基地機能の維持など重要な任務は残っている。かつて六隻のDE(小型護衛艦)や駆潜艇、哨戒艇などが運用されていたが、これらは姿を消した、一方で掃海隊やミサイル艇隊が維持されているということは、沿岸警備などの任務として求められるものは残っているわけで、大型の護衛艦では感知が困難なミゼットサブ(小型潜水艦)対策や工作員侵入阻止、災害派遣など、現行の地方隊の能力で賄いきれるのかについては疑問が残るような気がしてならないが、これについては、別稿にて掲載したい。

 なお、横須賀、佐世保、呉、大湊の各地方隊は、基本的に舞鶴地方隊と同じ編成であるが、差異もあることを特記しておきたい。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海上自衛隊 護衛艦隊を12個護衛隊から8個護衛隊に大規模改編

2008-03-26 16:56:22 | 防衛・安全保障

■2007年度護衛艦隊部隊改編

 海上自衛隊の基幹部隊として筆頭に挙げられる護衛艦部隊の改編が本日行われた。これは、護衛艦隊隷下の護衛隊を各護衛隊群三個体制から二個体制に移行することで機能の強化を意図したものである。

Img_9947  護衛艦隊には四個の護衛隊群があり、それぞれ、旗艦を“しらね”、“くらま”、“はるな”、“ひえい”の各ヘリコプター護衛艦として、隷下に汎用護衛艦を二隻、三隻から成る護衛隊を各一個、そしてミサイル護衛艦二隻から成る護衛隊を一個、護衛隊群隷下に配置し、護衛艦八隻、艦載哨戒ヘリコプター八機からなる八八艦隊編成を作戦単位として保持し、今日に至る。

Img_9045  しかしながら、海上自衛隊へ弾道ミサイル対処やインド洋海上訴す行動支援任務、PSI(拡散防止イニシアチヴ)参加、国際人道支援任務といった冷戦時代では想定していない実任務が、従来のシーレーン防衛、災害派遣任務に加えられたことで、作戦単位を増加させる必要が生じた。

Img_3872  これまでの編成は、第1護衛隊群“しらね”以下第1護衛隊(護衛艦三隻)、第5護衛隊(護衛艦二隻)、第61護衛隊(ミサイル護衛艦二隻)。

 第2護衛隊群“くらま”以下第2護衛隊(護衛艦三隻)、第6護衛隊(護衛艦二隻)、第62護衛隊(ミサイル護衛艦二隻)。

 第3護衛隊群“はるな”以下第3護衛隊(護衛艦三隻)、第7護衛隊(護衛艦二隻)、第63護衛隊(イージス艦二隻)。

 第4護衛隊群“ひえい”以下第4護衛隊(護衛艦三隻)、第8護衛隊(護衛艦二隻)、第64護衛隊(ミサイル護衛艦二隻)という編成が採られていた。

Img_7318  今年度末の改編により、これは各護衛隊群をヘリコプター護衛艦を中心としたDDHグループ、ミサイル護衛艦を中心としたDDGグループに再編され、各護衛隊は四隻編成へと強化。

 第1護衛隊群、第1護衛隊(DDHグループ)、第5護衛隊(DDGグループ)。第2護衛隊群、第2護衛隊(DDHグループ)、第6護衛隊(DDGグループ)。第3護衛隊群、第3護衛隊(DDHグループ)、第7護衛隊(DDGグループ)。第4護衛隊群、第4護衛隊(DDHグループ)、第8護衛隊(DDGグループ)となる。

Img_7582  ヘリコプター護衛艦を中心としたDDHグループの編成は、ヘリコプター護衛艦とミサイル護衛艦が各一隻、そして汎用護衛艦が二隻配備され四隻編成となる。主にヘリコプターを運用しての対潜任務にあたるとともに、将来的には新型ヘリコプター護衛艦の配備により、国際貢献任務などの、いわゆる戦力投射任務に対応することとなろう。

Img_5766_1  ミサイル護衛艦を中心としたDDGグループは、ミサイル護衛艦一隻を中心として、汎用護衛艦三隻を隷下に置く編成となる。主としてこの編成が採用された背景には弾道ミサイル防衛への対応が意図されたということで、イージス艦を中心とした編成となるようだ。

Img_9090  加えて、艦艇部隊の再編としては、地方隊の護衛隊六個を護衛艦隊に転属させ、沿岸防衛や通峡管理任務を護衛艦隊任務として一元化し、航空部隊についても、自衛艦隊隷下にある航空集団において改編が行われる。その内容は、固定翼哨戒機部隊を八個から四個隊に集約化することで航空隊を大型化させ、地方隊航空部隊の航空集団隷下への移転などが行われるようだ。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

護衛艦とサクラ 桜花開花の季節を迎える海上自衛隊舞鶴基地

2008-03-25 21:33:10 | 海上自衛隊 催事

■サクラにイカリ

 厳しい冬を乗り越えて、いよいよ春を迎える海上自衛隊舞鶴基地に関する話題。本日、多忙につき、ややコネタ的な記事ながらご容赦のほどを。

Img_8487  護衛艦“はるな”の雪景色。海上自衛隊舞鶴基地は、日本三景の一つ、天橋立に程近いこともあり、その舞鶴という優美な名前が示すとおり、四季折々、美しい情景と護衛艦という日本では貴重な光景を訪れる者にみせてくれる。日本海側ということで、冬には雪景色と護衛艦というある種独特な情景が美しい舞鶴であるが、その舞鶴にも間もなく春の足音が聞こえる時期となってきた。

Img_9582  土曜日に舞鶴基地に足を運んだ際、東舞鶴駅から基地への道程にて撮影した桜。桜花満開といっても早咲きの一本だけで、周りはまだまだ蕾ばかりの木々が並んでいたが、冬の色あせた空に春の兆しがみえている一枚である。写真は、旧鉄道線あとの遊歩道、北吸トンネルの入り口付近にて撮影。

Img_9658  海上自衛隊舞鶴基地は週末一般公開されているこという記事は、繰り返し本ブログにも掲載したが、北吸桟橋と国道を隔てる赤煉瓦(舞鶴市街づくりデザイン賞特別賞を受賞した赤煉瓦)に沿って、そして舞鶴地方総監部に至る坂道にも桜の木々が植えられており、満開の時期となれば、艦船ファンには護衛艦を眺めつつ桜並木を歩くことが出来るという、日本有数の桜のスポットとなるであろう。

Img_5632  基地周辺には、歩道橋などもあり、そこから基地に立ち入ることなく、停泊している艦艇と桜を一枚の情景に収めることも出来る(一般公開の日に北吸桟橋へ立ち入ると、基地と国道の境界に植えられている桜と海に停泊している護衛艦を一枚の写真に写すことはできなくなるので、歩道橋や国道から撮影したほうがいいやも)。

Img_1835  舞鶴基地に展開するに当たって、問題となるのは横須賀基地や呉基地、佐世保基地とくらべて、鉄道網の利便性が良くないというところ。一時間に綾部と東舞鶴を結ぶ路線では一時間に特急か普通電車が一本という時間帯も多いので特に時刻表での確認は重要だ。なお、26日は小浜線の保守工事の関係で東舞鶴駅始発の1103時、1335時、1434時の列車が運休となるため、敦賀方面からの展開には注意が必要である。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海上自衛隊舞鶴基地 多用途支援艦『ひうち』転籍と建造進む新砕氷艦『しらせ』

2008-03-24 21:17:30 | 海上自衛隊 催事

■舞鶴基地週末の一般公開

 海上自衛隊舞鶴基地では、毎週末と祝日、特別な訓練などが無い限り、基地の北吸桟橋や資料館などを一般に公開している。舞鶴基地と岐阜基地の基地祭以外については、第二北大路機関(http://harunakurama.blog10.fc2.com/) に掲載していたが、今回はネタがやや大きいのでこちらに掲載。

Img_1770  第3護衛隊群旗艦である、ヘリコプター護衛艦“はるな”の5インチ砲とイージス護衛艦“みょうこう”のSPY-1レーダー。当日は、“はるな”と“みょうこう”が並列で係留されていたため、撮影した。

 両艦が並んでみると、大きさの違いもさることながら、二隻の設計思想の相違や任務などが垣間見えるものであった。

Img_1777  当日、北吸桟橋に係留されていた護衛艦は“はるな”、“みょうこう”、“あぶくま”“すずなみ”の四隻で、更に“あまぎり”と“みねゆき(多分)”が対岸のユニバーサル造船にて整備中であった。掃海艇三隻のほか、補給艦“ましゅう”も停泊していた。

Img_9615  今回の注目すべき点は、多用途支援艦“ひうち”である。“ひうち”は、呉地方隊呉警備隊佐伯基地分遣隊所属であったが、同型艦の四番艦、五番艦就役に伴う配置換により、舞鶴地方隊に配属となった。本艦は、訓練支援、輸送、救難任務、消防任務などを行う艦で、曳航能力も大きい満載排水量は1400㌧、乗員は40名である。

Img_1817  曳航式、もしくは自走式の水上標的を運用し、艦艇の対水上戦訓練の支援を展開、魚雷発射や航空機魚雷投下訓練などを遂行する本艦は、後部甲板にクレーンと13㌧までの貨物搭載スペースを有しており、災害派遣任務などにも活躍する。なお、後方の巨大な艦影は満載排水量25000㌧の補給艦“ましゅう”。

Img_1812  舞鶴基地、注目のもう一点は、ユニバーサル造船において建造が進む新砕氷艦“しらせ”である。12500トン型砕氷艦として設計され、公募により二代目“しらせ”と命名された砕氷艦である。現行の“しらせ”が満載排水量19000㌧に対して、新“しらせ”は22000㌧とやや大型化している(基準排水量は12500㌧)。

Img_9606  “しらせ”の隣には整備として“はつゆき”型護衛艦が入渠している。“はつゆき”型護衛艦は満載排水量4000㌧クラスの、汎用フリゲイトとしては平均よりやや大型の艦であるが、その隣の“しらせ”と比較すると、進水式前ではあるものの、その大きさが歴然としている。

Img_1811  12500トン型砕氷艦、イメージ図として公開された画像には、マスト部分にある上部操舵室が、不要として省かれたものが描かれていたが、建造中の写真を拡大してみたところ、現行“しらせ”の上部操舵室とほぼ同じものが確認できる。現行の“しらせ”が四層構造の艦橋を採用していたのに対して、新“しらせ”は五層式構造の艦橋を採用するということで、不要と考えられていたのだが、結局は、古くからあるものはそのまま、ということなのだろうか。

Img_1805  文庫山学園から撮影した“しらせ”。ここ二ヶ月間で上部構造物の工事は大きく進捗している。昨年の大晦日に撮影した写真をみたところ、船体部分ができていただけであったのだが、一月下旬から上部構造物の工事が大きく進み、本艦は、輸送ヘリコプター二機と観測ヘリコプター二機の四機を搭載する設計であるが、その格納庫や煙突部分などの形状がはっきりとみてとれる。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

練習艦隊大阪入港と舞鶴基地一般公開 列島縦断!若狭湾→大阪湾

2008-03-23 15:16:49 | 海上自衛隊 催事

■日本海(若狭湾)から太平洋(大阪湾)へ

 練習艦隊が大阪港に昨日、入港した。入港したのは練習艦『かしま』『あさぎり』、護衛艦『うみぎり』で、本日23日、そして明日の24日も0900~1130時と1300~1600時までの間、停泊する天保山埠頭にて一般公開されている。

Img_9844  練習艦隊大阪港寄港の情報が各方面から寄せられたものの、同日は舞鶴基地展開を計画していた。普通ならば、どちらかを断念するのだが、そこはWeblog北大路機関(?)、期待通り同日展開。日本海側の舞鶴基地と太平洋側の大阪港に同日展開することで、期せずして“列島縦断海上自衛隊の旅”という一日となった。

Img_9664  海上自衛隊舞鶴基地北吸桟橋に停泊する『はるな』と『みょうこう』。昨年の今頃は『みょうこう』と『あたご』が並んで停泊していたのだが、『あたご』は房総沖漁船衝突事故の事故調査の関係で、3月28日の時点では、まだ母港舞鶴には帰港していなかった。

Img_9719  護衛艦『すずなみ』。『たかなみ』型護衛艦の最終艦で、汎用護衛艦としては最新の艦艇である。小春日和というか、東舞鶴駅から舞鶴基地への道中、日本海側の舞鶴でも早咲きの桜が春を告げていた。本日のメインテーマは、日本列島縦断と練習艦隊。舞鶴基地については、別途目的(大した事じゃないんだけどね)があり展開したものなのだが明日、改めて掲載したい。

Img_9864  東舞鶴駅から舞鶴線を綾部駅へ、山陰線を一路京都駅に進み、京都駅にて東海道線(京都線)新快速を利用し途中、車輌基地にてレガートシート車が二両連結された『なは・あかつき号』を傍目に大阪駅、大阪駅を大阪環状線にて弁天町へ、大阪市営中央線に乗り換えて大阪港駅に到着したのが1508時である。

Img_9853  天保山埠頭に向かうが、大阪港駅を出ると観覧車の向こうに艦艇のマストが望見できた。あれならば迷う心配も無い。簡単な手荷物検査を経て埠頭に入ると、『かしま』『あさぎり』『うみぎり』が一般公開されていた。『うみぎり』には艦載ヘリコプターが搭載、公開されていた。当日は、舞鶴基地も大阪港も快晴で、大阪港は飛行船が飛んでいるほど風もなくいい天気であった。

Img_9909  対岸から撮影した練習艦隊。標高4.53㍍天保山の麓には、大阪市建設局が運営する天保山渡船場があり、0630~2030時まで、無料の渡船が毎時二本(8時と16時には三本、7時と17時には四本)運行されており、対岸から撮影出来るということで天保山埠頭に停泊する艦船撮影の名所として知られている。

 当日は、現地でお世話になりました岡山県人様、WAPC様、ありがとうございました。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

京都 上賀茂神社 月光と常夜灯が照らす夜の境内

2008-03-22 00:08:42 | 写真

■古都の夜景

 雷神を祀ることから、航空関係者からも崇敬を集めるという京都上賀茂神社。今回は、上賀茂神社参拝の際に撮影した、夜の情景をお伝えしたい。

Img_8894  夜景や夜の撮影は、小生の場合写真撮影の少なく無い部分を占める。日中が多忙な際の帰路に撮る心の清涼剤として、また、暑い真夏の日々に直射日光を避け、夕涼みの散策の道程で、はたまた日照量少なく雪が降らない冬の古都撮影に、と思いのほか多い機会がある。当たり前なのだが、冬季では一日の半分、夏季でも三分の一が夜なのであり、日中の写真と並び一つの情景群を形成するのは当然といえる。

Img_8877  しかしながら小生、私事を挙げて恐縮だが、退職するお世話になった先生へ、京都百景なる写真をお贈りしたところ、われながら、これは外せない一枚だ、と選ぶ写真には多くの夜景が並んでいる。それは、夜の静寂とともに昼間の喧騒を掌る多くの観光客が写らないからか、日中の写真の撮影技量が稚拙であるからかは定かではないか、夜景には事の他惹かれるものも多い。

Img_8868  さてさて、参拝に赴いたのは1800時過ぎ。冬の足早な夕日は、瞬く間に情景を夜景へとかえてゆくが、ここ上賀茂神社では本殿以外の境内は常夜灯とともに夜も参拝者の立入を拒むことなく、小生一行も足を運ぶことが出来た次第。1820時頃から1835時にかけての十五分間は、群青の大空が濃い蒼空へと、そして濃紺の地平線を残し空は漆黒へと占められる。

Img_8880  この文字通り一瞬の情景変化は、毎日繰り返されているが、それゆえに見過ごされがちな日々の光景であり、天から降り注ぐ一点の陽光とはことなり、常夜灯の温もりある光が、真紅の社殿や歴史を包む境内を照らすとともに、かわることなき空の色を一つの情景として概括することができる瞬間である。いわば、光と影という日中の二元論から、情景が多元化する彩りの美しさがあるわけだ。

Img_8882  常夜灯には朝陽を思わせる白熱電球の温かみから、刺すように強調する水銀灯の灯火、そして白みが際立ち、さりとて目立つことの無い蛍光灯の無機質な光まで、様々である。照らすもの様々ならば照らされるものもまた然りで、それは必然として多くの影を生む。影が林立乱然とする様子の能殿は、神楽を舞うが如く錯覚させる写真を示してくれるわけだ。

Img_8884  お礼参りとして参拝を行うべくあしを運んだので、本殿との境界の向こうにある賽銭箱へと、懐を弄るが、御縁と縁起担ぎの五円玉、重縁と縁起を担ぐ十円玉も見当たらないので、御重縁と縁を担いで五十円を投じた。柏手を打つとシンと引き締まった境内の空気に跳ね返り、一礼してさがると、堀川通に足を進め、帰路についた次第。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする