北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

東日本大震災大規模災害派遣命令、本日8月31日を以て終了

2011-08-31 21:53:26 | 防災・災害派遣

◆東北地方太平洋沖地震災害派遣任務事実上の完了

東日本大震災に係る大規模震災災害派遣の終結について 平成23年8月31日防衛省

1 東日本大震災にかかる自衛隊の大規模震災災害派遣は、災害派遣の活動の現状及び現地ニーズ等を踏まえ、8月31日をもって終結いたします。

2 現在、福島県において実施している入浴支援については、東北方面総監が継続して実施いたします。また、福島県において実施している原子力災害に係る除染支援等についても東北方面総監等が継続して実施いたします

http://www.mod.go.jp/j/press/news/2011/08/31a.html

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 本日防衛省より上記のとおり発表がありました。戦後最大の地震津波災害ということもあり、最大時には10万6000名の派遣が実施された東日本大震災への災害派遣でしたが、これでようやく3月11日以来の大規模災害派遣が完了した、ということです。

Img_3639
 地震発生とともに自衛隊の派遣要請規模が幾度も政治主導により無理に上昇、そもそも首都直下型地震への災害派遣が5万名の派遣を想定していましたので、東京直下型地震の倍という規模の派遣が行われたのですが、結果論として間違ってはいなかったのだろうと思います。

Img_4467
 他方で、自衛隊では実任務として創設以来初めての予備自衛官召集が行われ、また非常に残念なことで張るのですが派遣隊員のなかには過労死という事態も発生しています。原子力災害派遣では被曝した隊員もかなりの数に上るわけで、得られた教訓は反映させなければなりません。

Img_3793
 削られる一方であった人員と予算と装備に関して、予備動員や後方支援体制の在り方、部隊の即応と集中を両立させるための基盤的防衛力と動的防衛力両立の必要性、戦略予備という概念の必要性、加えて施設や装備面、人員面だけではなくこれらの充実を考えてゆかなければなりません。

Img_6352
 また、被曝した隊員、すでに福島第一原発の作業員には急性白血病による死者が出ています。東京電力では死亡した当日に原発事故との因果関係は皆無、と主張していますが当日に皆無と主張できる妥当性はありませんし、同様に自衛官の後発性障害の可能性は残っており、国は一生涯に責任を持った支援を行う必要があるでしょう。

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 歴史上まれにみる無能な総理は原子力災害の拡大を放置し、被災地復旧を特措法も組むことなく平時の手続きで未曾有の規模の被災地へ遅滞した復旧を試み、最後まで権力の座に固執したことで新首相に予算概算要求への関与の機会を奪った歴史的な事態にあります。しかし、こうしたなかで自衛隊は求められた能力以上のものまでもを実現しました。特に第一線の創意工夫と上級指揮官の機転、自衛隊の教育訓練体系が間違っていなかったことを示しました。

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 さて、かつて安倍総理大臣は戦後レジームからの脱却を提示し、国家構造の革新を試み道半ばに退陣への道を歩みましたが、脱原発によるエネルギー政策の刷新と震災対応の失敗による周辺国への安全保障情勢への影響は予想しない形で戦後レジームからの脱却を強いることになりそうです。

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 この点課題は多く、財政再建を強いられている中でばらまき政策によりこの問題を拡大させた新与党に拡大阻止できなかった震災の復興費用という巨額の負担がのしかかっています。他方で上記のとおり安全保障環境の激変は自衛隊にさらなる期待を強いるものとなっており、国民的合意として今後の政策を考えてゆくことがあると考えます。

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 ともあれ、課題は山積しているものの災害派遣任務を達成した、ということは世界に誇れる事実です。派遣隊員には略章ではない防衛記念徽章を発行し名誉を担うとともに、次の大規模災害への備えも忘れずに精強な自衛隊を維持することができるよう、希望したいです。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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Tu-22超音速爆撃機、三陸沖・能登半島沖へ!一週間に四度日本防空識別圏に侵入!

2011-08-30 22:13:43 | 防衛・安全保障

◆民主党総裁選と重なる、航空自衛隊は緊急発進

 ロシア軍のTu-22超音速爆撃機が一週間に四度も日本の防空識別圏に侵入し、航空自衛隊の要撃を受けていたことがわかりました。

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 民主党総裁選により野田新総理の誕生が決まりましたが、本人も認識している通り期待はされていません一方、国家の指導者として当然の責務を果たしてほしい、という至極当然ながら二人の総理が連続して蔑ろにしてきた結果、思いました次第です。

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 状況は決して楽観できません。防衛省発表によれば8月24日、ロシアの超音速爆撃機Tu-22が二機編隊で沿海州から礼文島沖と奥尻島沖を経て能登半島沖の日本海を飛行する経路で接近、航空自衛隊は対領空侵犯措置を実施、戦闘機による要撃を受け能登半島沖で沿海州に引き返す経路を飛行しました。

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8月25日には同じくTu-22爆撃機二機編隊が宗谷海峡から北方領土上空を経て三陸沖に展開する経路により日本防空識別圏へ侵入、同じく航空自衛隊は緊急発進で対処しています。8月29日、再度24日とほぼ同じ経路で日本海上の防空識別圏に侵入しています。

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更には本日8月30日に太平洋上を飛行する25日と同じ経路を飛行しての防空識別圏への侵入を行っています。ともに超音速爆撃機Tu-22爆撃機が二機編隊により実施しており、領空侵犯には至りませんでしたが爆撃機二機によりこの頻度で接近が行われることは非常に稀有な状況です。

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 Tu-22は冷戦時代、米海軍の航空母艦に対する長射程対艦ミサイルを用いての攻撃を行うべく開発された可変翼を備えた超音速爆撃機です。戦略兵器削減条約との兼ね合いから空中給油装置を搭載せず戦闘行動半径は戦域程度を想定したものですが、その能力は今なお侮りがたい機体となっています。

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 今回の連続したTu-22による防空識別圏への侵入、決して民主党総裁選の時期と故意に重なったとは考えませんが、野田新総理は菅総理の無理な粘りによりまもなくの新年度予算概算要求の時期と重なり、予算面で主導権を発揮できるのは来年度以降になります。

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 そうした中、東日本大震災により国力が低下していると諸外国に認識を与えてしまっている現状、防衛費を諸外国との均衡を崩さない規模で維持させることによる抑止力の維持という危機管理、安全保障面の施策は最大限継続しなければ、その責務を果たすことはできないといえるでしょう。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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東日本大震災自衛隊災害派遣部隊、陸海空自衛隊より1600名が派遣中

2011-08-29 22:11:16 | 防災・災害派遣

◆原子力災害除染支援と入浴支援

 本日の時点で自衛隊による災害派遣は1600名の規模で維持されているとのことです。

Img_0098  原子力災害派遣任務として除染作業の支援が行われている、この規模が150名の水準で維持されています。150名、というと師団のかつての化学防護小隊で三個分、現在は規模が拡大され特殊武器防護隊となっていますが、陸上自衛隊全体で考えた場合でも少なくない規模を占めることになります。

Img_8799  航空機派遣規模50機、艦艇派遣規模4隻ですが、こちらは維持されている模様で、もっとも先週の派遣規模が1650名でしたので1600名という今週の派遣規模は微減という範囲なのではあるのですけれども、任務範囲というのは自衛隊に求められる部分がどの程度残っているのか、という気もします。

Img_8757  現在災害派遣が継続されているのは福島県、原子力災害派遣を除けば陸上自衛隊による入浴支援のみが明記されており、防衛省発表では除染作業以外はこの一点、すると海上自衛隊、航空自衛隊の災害派遣任務はどのようにして継続されているのか、というところに少々関心がある次第です。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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東北地方太平洋沖地震/東日本大震災 防衛省災害派遣情報 定期掲載:2011年8月29日

2011-08-29 21:27:36 | 防災・災害派遣

◆防衛省発表

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年8月29日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 7月26日(火)09時30分
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 8月1日(月)10時00分
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人員: 約1,600名
(陸災部隊:約550名(原子力災派部隊約150名含む)、海災部隊:約550名、空災部隊:約500名)
航空機: 約50機
艦船: 4隻
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成
※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(8月28日)

第6師団等により、福島県内において入浴支援を実施。
○原子力災害派遣による活動

(8月28日)

化学防護隊等により、福島県内において除染支援を実施。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年8月28日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 7月26日(火)09時30分
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 8月1日(月)10時00分
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人員: 約1,750名
(陸災部隊:約700名(原子力災派部隊約150名含む)、海災部隊:約550名、空災部隊:約500名)
航空機: 約50機
艦船: 4隻
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成
※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(8月27日)

第6師団等により、福島県内において入浴支援を実施。
○原子力災害派遣による活動

(8月27日)

化学防護隊等により、福島県内において除染支援を実施。
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年8月27日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 7月26日(火)09時30分
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 8月1日(月)10時00分
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人員: 約1,750名
(陸災部隊:約700名(原子力災派部隊約150名含む)、海災部隊:約550名、空災部隊:約500名)
航空機: 約50機
艦船: 4隻
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成
※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(8月26日)

第6師団等により、福島県内において入浴支援を実施。
○原子力災害派遣による活動

(8月26日)

化学防護隊等により、福島県内において除染支援を実施

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年8月26日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 7月26日(火)09時30分
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 8月1日(月)10時00分
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人員: 約1,750名
(陸災部隊:約700名(原子力災派部隊約150名含む)、海災部隊:約550名、空災部隊:約500名)
航空機: 約50機
艦船: 4隻
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成
※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(8月25日)

第6師団等により、福島県内において入浴支援を実施。
○原子力災害派遣による活動

(8月25日)

化学防護隊等により、福島県内において除染支援を実施。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年8月25日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 7月26日(火)09時30分
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 8月1日(月)10時00分
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人員: 約1,700名
(陸災部隊:約650名(原子力災派部隊約150名含む)、海災部隊:約550名、空災部隊:約500名)
航空機: 約50機
艦船: 4隻
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成
※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(8月24日)

第6師団等により、福島県内において入浴支援を実施。
○原子力災害派遣による活動

(8月24日)

化学防護隊等により、福島県内において除染支援を実施。

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年8月24日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 7月26日(火)09時30分
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 8月1日(月)10時00分
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人員: 約1,750名
(陸災部隊:約700名(原子力災派部隊約150名含む)、海災部隊:約550名、空災部隊:約500名)
航空機: 約50機
艦船: 4隻
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成
※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(8月23日)

第6師団等により、福島県内において入浴支援を実施。
○原子力災害派遣による活動

(8月23日)

化学防護隊等により、福島県内において除染支援を実施

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年8月23日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請の概要等要請者 要請日時 撤収要請日時
岩手県知事 3月11日(金)14時52分 7月26日(火)09時30分
宮城県知事 3月11日(金)15時02分 8月1日(月)10時00分
茨城県知事 3月11日(金)16時20分 4月27日(水)16時30分
福島県知事 3月11日(金)16時47分 継続中
青森県知事 3月11日(金)16時54分 4月18日(月)17時00分
北海道知事 3月11日(金)18時50分 3月13日(日)15時00分
千葉県知事 3月12日(土)01時00分 4月5日(火)8時30分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人員: 約1,600名
(陸災部隊:約400名、海災部隊:約550名、空災部隊:約500名、原子力災派部隊:約150名)
航空機: 約50機
艦船: 4隻
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成
※7月 1日、統合任務部隊の編成を解除

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 7月 1日14時15分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(8月22日)

第6師団等により、福島県内において入浴支援を実施。
○原子力災害派遣による活動

(8月22日)

化学防護隊等により、福島県内において除染支援を実施。

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富士総合火力演習2011、東日本大震災を乗り越えて本日実施

2011-08-28 23:15:11 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆G-12の写真を取り急ぎ掲載

 先ほど、東富士演習場から戻りました。一眼レフの写真はまだ整理していませんがコンデジ写真のみ取り急ぎ掲載。

Img_1203  90式戦車、装備品展示に向かい途中の写真。やはり良い場面は一眼レフで撮影、如何に技術が進歩しようともコンデジと一眼カメラが一眼レフを置き換えるのは当面先の事のように思います。しかし、SDカードを使えるという事は便利でして速報性という観点からこちらの写真を採用しました。

Img_1223  74式戦車、90式戦車、10式戦車。富士総合火力演習ならではの三戦車揃い踏み。あと十年としないうちに74式戦車は現役から退くことになりますので、この情景は貴重です。ほんの十年前に61式戦車と74式戦車、90式戦車の並びがみれなくなった、というところですからね。

Img_1232  天候ですが、射撃予行の際には富士山が見えていたのですけれども、開始と同時国には雲が垂れこみ、しかしF-2支援戦闘機による航空支援から、なるほど技術は進んだものだなあ、という一幕を以て総合火力演習の蕪矢として状況開始となりました。空挺降下などは影響が出ましたが、迫力の展示。

Img_1251  AH-64D戦闘ヘリコプターは30㍉機関砲を射撃、AH-1Sと異なり機関砲弾の薬莢受けがないとなると、なるほど運用は難しいのか、というところもありました。そんな迫力の展示でしたが駐車場への誘導に何かあったのか、状況開始となっても見学者入場が完了しなかった、という一幕。

Img_1255  10式戦車、まだ戦車教導隊へ配備が開始されていないとのことですので、機動展示なども含め実弾射撃が富士総合火力演習で展示されるのはもう少し先の事になりそうですけれども、世界で最も進んだ新型戦車、という事もあり装備品展示に登場しただけではありましたが、多くの注目を集めていました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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沖縄防衛:島嶼部防衛に関する特殊性と課題についての一考察

2011-08-27 15:34:13 | 防衛・安全保障

◆与那国島陸上自衛隊配備とともに考える

ご存じの通り与那国島自衛隊配備の記事を掲載した一昨日に併せて沖縄の防衛に関する話題、陸上自衛隊の沿岸監視隊配置という話題で掲載したのですが、これが考えると難しい、ということです。

Img_5969 どう沖縄を護るのか、基本的な考えのほかコメント欄で寄せられた話とともに、文章作成中に考えたものを加えいろいろと案を出しましたが、第15旅団について、写真は12旅団と11旅団しかないのですが(那覇駐屯地遠いけどいつか行きたいね!)、さてまず沖縄県が先島諸島と本島、それ以外の地域と分けられることがこの防衛に関する考えを難しくしています。そういうのも、まず沖縄本島に旅団の中枢を駐屯させたとして一番脅威正面となっているのは先島諸島なのですから、この地域に駐屯する部隊を本島からいかに補給や火力面で支援するのか、という難題が出てきます。

File0201 火力支援と行っても沖縄県は広い事もあり距離があり過ぎますので、沖縄本島に配置した長距離火力により先島諸島の前線を直接火力支援する、という事は基本的に難しそうです。利食おう自衛隊が運用するいかなる火砲でも射程は不足しますし、MLRSに続き導入の計画が幾度か提示されているATACMS,本来は軍団直轄砲兵用の火力であっても不安が残ります。海兵隊のような戦闘攻撃機でも運用出来れば、また違うのかもしれませんが、ちょっとこれを陸上自衛隊が運用する、というのは非現実的でしょう。

Img_6218 如何にしようとも、海上輸送か航空輸送によらなければ維持することはできないのですが、そもそも遠隔地ですので航空機は機動飛行など燃費に影響が生じる方式をとったのちでは燃料面での補給も簡単な問題ではありません。いわば自己完結した戦闘団編成をとっていなければ支援を受けられなくなってしまうわけです。しかしながら、そうしますと結局は先島諸島に事実上の混成団を配置することになってしまい、それだけの部隊を収容し、加えて部隊の練度を一定以上の水準で維持するだけの演習環境があるか、ととわれれば現時点で駐屯地が無いという実状に鑑みればこれは難しいかもしれません。

Img_1410 同じ離島である対馬を防衛する対馬警備隊はレンジャー資格を有する隊員を多く集め、一個普通科中隊と必要に応じて増援部隊を指揮することができるような本部管理中隊を以て警備隊を編成していますが、この方式ならばどうか、とも考えました。しかし、石垣島、宮古島と島々の距離は離れており、これが事実上陸上交通により二つの島を行き来できる対馬と先島諸島との根本的な相違点になります。それだけではなく、対馬警備隊は有事の際に西部方面隊からの緊急支援を受けるという前提で部隊編成を行い、前述の通りそのための高度な指揮能力を付与されているのですけれどもね。

Img_20701 沖縄の場合は沖縄本島からの増援を受ける、というにしても空輸能力、そしてもともとの第15旅団の人員規模にも限界がありますから、この点を考えなければなりませんね。いっそ師団とする。これは、ちょっと難しいでしょう。師団のしたに連隊戦闘団を配置しても、連携がとれない、師団が支援できない、いわば遊兵化してしまいます。これでは師団、としての本来の能力は発揮できません。とにかく離島を防衛するのですから、自前の機動力で島々を移動することができなくては話になりませんから、この視点から考えることにしましょう。

Img_7605 海兵遠征群のような、空中機動を主体とした編成の部隊を那覇駐屯地、将来返還されるのであれば普天間に陸上自衛隊は海兵隊が想定するような数百機の航空機集中運用は想定していませんから規模を縮小した上で普天間駐屯地を創設して本島からの緊急展開部隊として考え、主要な島々に4~5個警備隊、10~15の沿岸監視隊を置いた上で運用する、という方式が考えられるでしょうか。従って、上記の通り運用を想定した場合の部隊編成は、海兵遠征群に準じる編成の空中機動混成団を那覇に置き、そのしたに警備隊を置いた上で司令部直轄運用を実施、それとは別に後方支援能力を旅団の後方支援群に配置する、という運用になるのでしょう、混成団を主体とした離島防衛型の旅団、という編成です。

Img_0106 難しいのは、ヘリコプターを十分に配置できるのか、ということ。重装備を輸送するCH47で12~15機、多用途ヘリコプターで20機、それに火力支援用の戦闘ヘリコプターが10~12機、海兵遠征群という、一種の緊急展開部隊としての能力を求めればこうしたかたちでしょうか、実質的に西部方面航空隊に匹敵する規模が必要になってきます。その創設のためにほかの方面隊からヘリコプターを抽出しては現在の陸上自衛隊全体で航空機が不足しているという現状をふまえた場合には余りに無意味ですから、新規取得が必要になるのですけれども、どうやって予算を捻出するか。多用途ヘリコプター一機は機種にもよりますが最新鋭戦車の2~5倍、戦車の縮減で浮いた予算を充当しても不足は明らかでしょう。なんとかならないものか。

Img_1391 考えるに、単一機種毎に年間20機程度の量産体制を整えて毎年、もちろん中期防衛力整備計画の程度の中期程度に渡り導入計画を明示すること合できれば、これはある程度の量産効果が出てくると考えます。徹底した合理化、海兵隊のUH-1YとAH-1Zは全く用とや運用が違うながらも60%の部品共通化を実現しているとのことですが、自衛隊においてもこうした施策を実施すれば、これはある程度変わってくることかもしれません。輸入は論外、稼働率に響きます。有事の際に技術支援要員が国外退去してしまった、という事例はサウジアラビアなどで実際にありましたし、輸出はあっても輸入はリスクがあります、しかしこれは別の話。

Img_1587 なお、そこまで部隊に関する移動で考えたのだけれども、航空優勢を一時的に喪失しているような状況下でヘリコプターによる空中機動を行ったらば戦闘機に駆逐されるんではないか、という疑問はあるかもしれません、当方もありました。しかし調べてみますと、空中機動部隊が戦闘機に阻止された、という事例は、そういう状況で運用された事例がないだけかもしれませんが、今のところありませんので、低空を飛行するヘリコプターは状況、航空優勢の状況に応じて対処すればある程度何とかなるのかもしれません。海上輸送が阻止された事例は多いのですが、ね。

Img_8552 沖縄防衛を考えると海上自衛隊の存在は極めて重要です。海上自衛隊が沖縄地方隊、最近沖縄防衛に関する話を出す度に沖縄地方隊の必要性を提示しているのですが、勝連基地の母港能力強化により部隊集中を容易とできる利点のほかに、警備隊として、ミサイル艇を配置し、ほかには小隊規模でもいいので輸送可能な高速装甲艇、というようなものを有していれば、これはスウェーデンが90H型として開発しているものが有名ですが、輸送ヘリコプターと同程度の輸送能力を発揮します。あまり安くはないでしょうが輸送ヘリコプターと同じ程度の輸送能力がある一方で、輸送ヘリコプターが50億円ですので、おそらく高速装甲艇のほうが取得費用、運用費用ともに安価に収まるでしょう。3~6隻配備し、勝連と宮古に一艇隊づつ配備すれば、輸送能力が大きく高まります。平時は特別警備隊が、特に港湾部の防衛などを念頭に運用し、有事には陸上自衛隊が運用すれば、一個中隊を一個艇隊で緊急展開させることができるでしょう。

Img_7020 また、直轄艦として輸送艇を1隻、可能ならば2隻有することができれが戦車こそ輸送できませんがそのほかの空輸できない装備を輸送することができるでしょう。たとえばFH70榴弾砲、そのものは輸送ヘリコプターによる空輸は可能なのですけれども、弾薬や中砲牽引車、対砲レーダーや支援機材を輸送することは、第1ヘリコプター団あたりが全力を発揮すれば多少は何とかなるのかもしれませんが、基本は海上輸送しか方法がないでしょう。C2輸送機で空輸すればなんとか、しかし十数機で往復させる必要があります。

Img_8663 フェリーの輸送能力は偉大ですが、これは前線輸送へは当てにできません。例えば北海道の部隊を沖縄本島の急速展開させるにはいいでしょうが、港湾設備が必要なフェリーは前線に輸送できない、第2師団などを輸送するにしても沖縄まではフェリーで、そこからは海上自衛隊の輸送艦で揚陸させなければなりません。まあ重装備は、おおすみ型になるのでしょうが、それ以外の装備、海兵遠征群的な装備であれば、・・・、戦車以外は、ゆら型のような小型艦でも多分輸送可能です。佐世保から第二護衛隊群が展開するまでの間の任務をはたす程度、という意味で考えるとなんとかなりそうですね。

Img_0496 航空優勢ですが、これは下地島に一個航空隊必要、とか宮古島空港を基地化して一個飛行中隊でもいいので前進配置を、と言う声があり当方も昔は考えたのですけれども、基本有事の際に嘉手納の一部を運用できる体制があれば、普天間にも降りることはできるようですし、平時は那覇基地だけでなんとかなるとかんがえます。那覇基地は防衛計画の大綱で現在の一個飛行隊基幹から二個飛行隊基幹に拡充される、ということです。それ以上前進させると時間的に対応できなくなります。冷戦時代も千歳基地以北は戦闘機を置きませんでした。しかし、有事の際に不足することは明らかですのでこの視点を少し、これは次回になるのかな、扱っておきます。

Img_2528 最大の問題は、前線に基地や部隊が居ない事ではなく、本土から増援に向かう機体がない、ということでしょう。即ち戦略予備が無い、新田原の飛行教導隊以外は全て戦闘機による飛行隊は要撃飛行隊として管区を持っていますから手薄にはできません。ここで、戦闘機定数を少し考え、防空に直接関与せず、有事の際に増援に展開できる戦略予備の航空団、例えば四個飛行隊程度を有するかなり大型の航空団を、例えば浜松基地のような防衛上余裕のある後方地域の基地に置いてみる、という発想は必要かもしれません。その場所にいるだけの防衛や、引き抜いた後を考えない防衛体系は少々ナンセンスですからね。すると、沖縄と自衛隊全体で二段重ねの統合運用、という模索が必要になると考える次第です。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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平成二十三年度八月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2011.08.28)

2011-08-26 23:47:18 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 今年も富士総合火力演習は陸上自衛隊HPにおいてネット中継が行われるとのこと。さて、本日ソフマップでWeb回線をもう少し早いものに替えてもらい、その分記事掲載が遅れました。

Img_1269  今週末の自衛隊関連行事ですが、海上自衛隊舞鶴基地、呉基地、佐世保基地の週末一般公開が行われるほかは富士総合火力演習が実施されるのみとなっています。富士総合火力演習、事前応募方式により一般に公開される日本最大の公開実弾演習で、予行を含めこの演習には一ヶ月間の準備期間を含め日曜日に本番が行われます。

Img_1625  夜間演習も実施され、山中湖等距離の離れた場所であってもその照明弾の様子は見えるようです。入場券が抽選で当たっていなければ見学する事は出来ず、年々その競争率、特に駐車場券付入場券の競争率があがっている、という実情ではあるのですがね。予行では雨が凄かった、という事もあったようで特に東海道本線の早朝での豪雨不通で御殿場線に乗り継げなかった、という話もあるようでして、当日、会場が一定以上の豪雨となると状況にも影響が出てきます、こればかりはお天道様にお祈りしたいですね。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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与那国島自衛隊配置計画、同時に沖縄本島の第15旅団増強も検討しなければ無意味

2011-08-25 22:55:51 | 防衛・安全保障

◆ポスト“冷戦終結後”、という新しい時代

陸上自衛隊の与那国島配備について北澤防衛大臣が2015年度末までに実現する、という発言がありました。

Img_3820 自衛隊は冷戦後、北方からの脅威が大幅に減退した、という指摘によりその部隊規模と人員規模、装備定数を大きく縮減してきました。しかし、南方での脅威が冷戦時代の水準に伍する程度、将来的にはそれ以上の水準まで想定される以上、やはり装備定数と人員規模、部隊規模は見直されるべきです。

Img_3428 与那国島分屯地、となるのでしょうか、この分屯地に駐屯する事となるのは数十人規模の沿岸監視隊で、沿岸監視隊という部隊は北海道北部の冷戦時代ソ連側の部隊集中や艦船情報を収集し警戒する部隊として配置されていました。自衛隊の駐留は政治的な意味が大きく、特に駐屯している以上近隣諸国が実力で侵攻した場合、確実に戦闘を強いられることになり、この事実自体が抑止力となります。

Img_2636 しかしながら、冷戦時代にソ連側の脅威を正面から受けていた北海道に対する四個師団の配置と基地防空の重視と掩体運用を実施した千歳基地・支援戦闘機部隊の拠点としての三沢基地・ソ連戦闘機行動圏外にある後方の松島基地という配置の防衛体制に比べると、どうしても近年の南西諸島周辺の脅威の高まっている状況に対し、政府は沖縄の防衛を最大限自衛隊による抑止力により対応し、有事の際には独力で排除する、という気構えが見えてこない事が気になるのです。

Img_9106_1  現実問題として沖縄近海への中国軍の動向は連続して増加していまして、中国海軍艦船に対する海上自衛隊の警戒監視は統幕HP等でよく報じられているところ、つい先日も中国の漁業監視船が尖閣諸島の日本領海内へ領海侵犯し退去させられています。軍事的脅威となるのはまだまだ先の事ですが中国海軍は航空母艦の運用に着手しており、この認識が現在の政府には薄いように思えてなりません。

Img_13611 沖縄に駐屯している陸上自衛隊は第15旅団。第一混成団より拡大改編された部隊で旅団編成は一個普通科連隊と一個高射特科群、施設中隊と偵察隊、通信隊と後方支援隊、そして飛行隊。高射特科群は白川、勝連、知念、南与座に改良ホークミサイルの高射中隊を置いていますがもともと方面隊が運用すべき装備で、強力ではあるのですが野戦防空を担う短距離・近距離の防空装備を旅団は有していません。

Img_4265 普通科連隊は元々二個普通科中隊と重迫撃砲中隊から成る第一混成群を増強する形で創設され、軽装甲機動車や対戦車ミサイル等を装備する事はするのですが、しかし沖縄全県という広大な離島を防衛するには本部管理中隊と三個の普通科中隊から成る一個普通科連隊では絶対的に不足です。唯一の装甲打撃力として偵察隊に87式偵察警戒車が配備されましたが、これを海上輸送する手段は沖縄の自衛隊には無いのが実情です。

Img_1381 飛行隊には、沖縄の離島地域における民間救急ヘリコプターの航続圏外における災害派遣を想定し、CH-47輸送ヘリコプターやUH-60JA多用途ヘリコプター等といった輸送能力と航続距離の大きな航空機が配備されており、急患輸送という災害派遣を想定していたことから十年ほど前までは沖縄塗装と呼ばれた救難機塗装が行われていましたが現代は迷彩塗装となり、その輸送能力は高いものがあります。しかし、機数が双方合わせ数機程度であり圧倒的に機数が不足しています。

Img_1714 東日本大震災における災害派遣を見た場合、ヘリコプターの数量不足はヘリコプター部隊の増強に対して機数全体が後継機の高性能化に伴う取得価格上昇により減少傾向にあり、結局部隊あたりの機数が削減されているという本末転倒無状況となっています。個人的には戦車を削減した分、陸上自衛隊のヘリコプター数を抜本的に向上させる、いわば最低数量の防衛大綱明示を行う必要もあると考えているのですが、たとえ新しく駐屯する沿岸監視隊が脅威兆候を把握したとしても部隊が展開できない、という実情です。

Img_4814 すると、やはり沖縄県の防衛を考えた場合、主力を本州の中央即応集団を空輸し九州や北海道から海上自衛隊の輸送艦で増強する、という運用を行ったとしても、どうしてもこれら部隊が到達するまで即応し対処する部隊というものを考えなければなりません、つまり第15旅団の増強無くしては沿岸監視隊の抑止力は全般的に微増でしかない、と考えるのです。

Img_1629 基本的には、三個普通科連隊基幹とし、一個普通科連隊を先島諸島に配置するほか、飛行隊をヘリコプター隊に拡充するとともに一部飛行隊を先島諸島に配置、周辺部離島に対する緊急展開能力を付与させる、という方式が必要になるでしょう。漂流という偽装手段などで、自衛隊の駐屯していない地域に展開し既成事実を構築しようとする可能性はありますから、それを阻止するためには緊急展開のみ、ということになります。

Img_1877 連隊の規模ですが、島嶼部防衛ですので、一個普通科中隊を基幹として例えば中距離多目的誘導弾や高機動車牽引の重迫撃砲、93式近距離地対空誘導弾や自衛隊の装備には現在ありませんが機関砲を搭載した高機動車により点目標対処が可能な装備を、例えば各1~2両づつでも少数配備し、中隊戦闘団、として島々に分散配置可能な小回りのきく運用が望ましいでしょう。

Img_8994  まあ、現実問題としてはそんな混成運用をどの職種の幹部が中隊長に当たるのかという問題、レーダー等と有機的複合的に運用される師団対空戦闘システムから外れた93式近SAMの能力は限られていますし、必要ならばもう少し規模を集め島嶼部毎に対空レーダーなどの装備が必要、これを欠いてはどうにもなりません。無理にに行おうとすると先島諸島だけで独立した混成団が必要になってしまいます。

Img_9176  重迫撃砲も少数運用では例えば海兵隊などでは火力支援用に単砲単位での海兵中隊との連携も行われているのですが施設作業能力等の面から難しく、それならば航空支援などを当てにできる海兵隊のような体制の方が妥当、妥協案としては91式携帯地対空誘導弾の小隊規模での分散配置や中隊の迫撃砲小隊が運用する81mm迫撃砲への依存、それに可能ならば火力支援用に大口径の対物狙撃銃があれば、という程度が実質的な限界になるのでしょうけれども。すると対馬警備隊のような普通科中隊一個を基幹とした警備隊を配置した方が良いのやも。

Img_5961 他方で、これは運用が必ずしも陸上自衛隊ではなくともよいのですが、無人航空機による情報優位の体制を構築できるようにせねばなりません。また、これと連動し、88式地対艦誘導弾のような着上陸に対して決定的な障害となるような装備を、方面隊直轄としてでも配置するべきと考えます。他には、やはり着上陸阻止を補完する意味で運用の柔軟性があり火力投射能力は極めて大きい戦闘ヘリコプターも沖縄に配備する必要も高いでしょう。

Img_6704 沿岸監視隊については、尖閣諸島、南大東島への配備が最終的に必要となるでしょう。実のところ数十人規模の駐留でも、例えばフォークランド紛争における分隊規模のサウスジョージア島守備隊が一定の抑止力となっていた事が挙げられるのですが、意味合いは大きいのです。同時にこれは、中国海軍の活動が活発化している小笠原諸島においても例えば沖ノ鳥島等に対しても、既に南鳥島で実施しているような部隊駐留を行う必要があるのではないでしょうか。

Img_6756 沖縄県は海上自衛隊の部隊運用から考えた場合も、佐世保基地から距離が大きく、例えばミサイル艇部隊や輸送艇部隊を沖縄の勝連基地に配備するか、佐世保地方隊の防衛管区を奄美大島を含めた鹿児島県島嶼部までとして、新しく沖縄地方隊を創設する必要があるのでは、と考えます。

Img_6773_2  昨年末に発表された防衛計画の大綱では潜水艦六隻と護衛艦一隻増強以外、対処措置は盛り込まれておらず、南西諸島に限っては沿岸監視隊の創設のみ明記されていました。この程度では次の中期防衛力整備計画が完了した時点でも抑止力を維持できるか、という不安が払しょくされているようには見えません、陸上自衛隊の人員と重装備はさらに削減され、他方機動力などの増強施策は一切講じられていないのですからね、このあたりが、逆に抑止力の均衡を破綻させ、この国に外患を誘致してしまうのではないかと不安なのです。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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全日空ボーイング747ポケモンジェット&復刻ボーイング767旧塗装

2011-08-24 23:19:13 | コラム

◆新千歳空港&神戸空港で撮影!

 千歳空港といえば政府専用機を見たい、と思うのですが千歳基地とは隣接しているのみにてなかなか叶わず。しかし、全日空の747が撮れましたので掲載。

Img_2771  全日空ボーイング747-200、ジャンボジェットとして航空輸送に大量輸送という概念を持ち込み、結果渡洋国際線の航空運賃を革新的に低下させ旅客機による海外旅行を一般化したボーイング747、今年で初飛行から41年を数えるのですが、常に改良が重ねられ最新の747-8の量産が開始される、という巨人機。

Img_2775  日本では大型機による少数便大量輸送という体系から中型多数便による適宜輸送へと国際航空路線需要が置き換わり、日本航空では既に運用終了、全日空でも運用の終了が数年後に迫り日本貨物航空のみが運行することとなります。しかし、この大型機に人気アニメーションポケモンを描いたポケモンジェットは子供を中心に根強い人気を誇っています。

Img_2784  ポケモンジェットは部分的にダブルデッカー構造を有する四発ワイドボディ機という大きなキャンバスにアニメーションを描いている、というところに意義があり、これは残念ながらボーイング777のような機体では置き換えられるものではないのかな、とも。エアバスA-380ならば別なのですが日本ではスカイマーク以外導入の計画はないようで。

Img_9431  神戸空港のボーイング767全日空旧塗装。ポケモンジェット以上に当方のような航空機愛好家に嬉しいのはこうした旧塗装でしょうか。当方の世代は全日空というとこの塗装ではなく現行の塗装で小さいころから主に北海道などに行っていたのですが、映画等でこの塗装を知っていますから、それを復刻というかたちでも実際に見ると嬉しくなってしまいます。

Img_9450  ボーイング767、日本がボーイングの生産分担として製造に一定以上参画した記念すべき機体でして、これがF-2等の開発における技術蓄積とともに評価され、最新鋭のボーイング787共同生産、いわゆる多国間国際分業への参画、というかたちで生きている訳ですね。そんな意味で好きな航空機なのですが、その航空機の当方には新鮮な塗装。

Img_0901  千歳空港の全日空ボーイング747。そういえば日本航空も鶴丸復刻塗装を始めましたが、日本航空と言えば一頃100機以上の747を運行し世界最大のジャンボジェットユーザーとなっていた会社、それを別の機体で実施されても、と思ったりもしたのは事実。世界的には四発長距離大量輸送旅客機という需要は充分残っており何故日本だけ、と思ったりもするのですけれども。

Img_0927  そして747を見つ旅に思い出すのは政府専用機の議論、VIP専用機に日本では747は大型すぎるのでは、という声があったのですがそれ以前に政府専用機は要人輸送にも用いられる、しかし兵員輸送から自国民救出にも用いられる単なる大型輸送機であり、政府専用機は総理府が導入する際の一つの方便でしか無かったのでは、とその必要性を再認識した事を思い出しました。

Img_0880  ボーイング767、政府専用機はこの機体で充分なのでは、という声ですがフランス空軍などはVIP専用機に双発中型機を充て、その航続距離で不充分な状況の場合は空軍の747輸送機を投入するとのこと。日本の政府専用機はまあVIP個人用には使えませんし、内装や機能として輸送機の域を出ていませんから747を維持しつつ別個にVIP専用機として767が2機程あっても、と思ったりも。

Img_0894  ボーイング737、最近御世話になる事が多い旅客機。結構小型に見えるのですが写真とは別の最新の737-800なんかはかなり大きく、737への認識というのは換えなければならないのかな、と更に向こうを往くDHC-400やエンブラエル170の事、三菱のMRJ等を思い出したりしました次第。随分話が脱線しましたが、そんなところで。

北大路機関:はるな

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東北新幹線E-5系はやぶさ号&京成電鉄AE形スカイライナー 首都圏鉄道撮影紀行

2011-08-23 23:11:24 | コラム

◆東京→横田→秋葉原→上野→品川→横須賀

 横田基地日米友好祭へ展開した二日間、その間に撮影した電車の数々を今回特集してみます。

Img_3571  Weblog北大路機関では東日本大震災発生以降、鉄道関係の記事掲載は停止している状態でしたが、一応鉄道関係に興味がある方も読まれているとのことですし、ここはひとつ、ということで震災後鉄道関連基地の第一段に首都圏鉄道紀行の掲載です。

Img_3646  しかし、いろいろと変わるものですね。今回初めて見る車両、というものが二つ、JR東日本E-5系新幹線と京成電鉄AE形特急電車。奇抜なデザインの新型車両とスピード感あふれる新鋭特急、東日本大震災の影響も垣間見える写真とともに、長めの記事にしてみます。

Img_2424  早朝の東京駅。1982年に開業した東北新幹線とともにデビューしたのがこの200系新幹線、0系新幹線を想わせる、実のところもう少しスマートなのですが外見に何か懐かしいものを感じます。設計最高速度は250km/h、活躍の場が山陽新幹線の短縮編成となっている100系と違い、更に古参の新幹線ながら今日も運行中です。

Img_24251 がんばろう日本!がんばろう東北!、東北新幹線は今回の東北地方太平洋沖地震に際しても気象庁緊急地震速報のモデルとなった国鉄技術陣の賜、地震早期検知警報システムUrEDASにより緊急停止に成功、マグニチュード9.0においてもしっかりと耐えた新幹線が、こうしたステッカーを掲げているのをみますと、なにか力が涌いてきそう。

Img_2442  SUNRISE,東京駅を発着する唯一の寝台特急を撮影するのが今回の最初の目的。急いで行っても横田基地のゲートが開く前ではね、という意味もありますが。1998年にそれまでの客車寝台車を機関車でけん引するブルートレインを置き換える目的で開発されたのがこの285系特急車。客車方式ではなく電車方式という事で営業運転における最高速度も130km/hと早いのが特色。

Img_2451  サンライズ瀬戸。この編成は二つの寝台特急が併結され運行されています。サンライズ瀬戸は、東京駅と四国の高松駅を結ぶ特急で、前に小松島航空基地一般公開の際には徳島から特急うずしお号で撮影に展開したのを思い出します。元々はブルートレイン寝台特急瀬戸だったのですが現在は寝台特急電車として運行中。

Img_2453  サンライズ出雲。東京駅と山陰地方の出雲市駅を結ぶ寝台特急で、かつての寝台特急出雲を受け継ぐ特急。出雲大社は一頃まで新婚旅行の一つの定番だった、という事で運行されていたブルートレインで、高松も出雲市も新幹線で行きにくく、旅客機の運航も限定的という事で需要のある特急。それぞれ7両編成が連結14両編成で到着するので迫力があります。

Img_2461  285系はダブルデッカー車で、B寝台個室やA寝台個室といった設備のほか、二段式のカーペット座席を指定席扱いで販売しており、これがブルートレインの開放B寝台に準じる快適さを指定席特急料金で堪能できるとあって人気があります。ううむ、旧式化進む583系で大阪と新潟を運行する夜行急行きたぐに号や、廃止された東京と大阪を結ぶ寝台急行銀河、それに廃止された京都と長崎を結ぶ寝台特急あかつき号、285系にすれば生き残れたのでは、とおもったり。

Img_24681  なんでも臨時列車サンライズゆめ号、として予備車を使った多客時の東京広島間の寝台特急も運行されているということですし、130km/h運行できるのならば他の通勤電車や特急電車の運行を妨げることはないはず、旅客需要に応じて簡易寝台車として使える指定席車の割合を調整すれば、価格面と利便性で夜行バスに対抗できると思うのですがね。

Img_2487  E-2新幹線、営業運転速度は275km/hですが設計最高速度は315km/hと韋駄天。昨年仙台市の霞目駐屯地から戻る際、新幹線やまびこ号で仙台駅から上野駅まで利用したのがこのE-2新幹線。JR東日本が復興振興策として少し前に新幹線特急を含めた一日フリーきっぷを販売していましたが、観光客を呼び戻すには、大阪から青森への臨時特急白鳥を583系とかで運行した方が、活性化に寄与するやもしれません。

Img_3483  E-233系、登場以来一瞬で1000両近くが生産され、中央線の201系を始め一挙に置き換えた怪物のような電車です。今回も東京駅から中央線特別快速、そして青梅線の牛浜までと、牛浜から立川駅まで、この電車の御世話になりました。京浜東北線で運行されてるのにも乗りましたね。

Img_3490  ホリデー快速河口湖号。横田基地からの帰路、偶然乗る事が出来ました。いやあ、偶然でも嬉しい!、新宿駅と富士急行線経由で河口湖を結ぶ臨時快速、土日に運行されているのですけれども183系特急車を使用していて、六号車の指定席車以外は普通乗車券やJR線内では青春18きっぷ、で利用できるという車両。混んでましたが立川駅から乗車、三鷹駅で座る事が出来新宿まで快適でした。

Img_3506  総武線E-231系、JR東日本の通勤電車として代表格となった車両。新宿駅で中央線特別快速に乗り換え神田神保町で古書店巡りをしようと思っていたのですが、それにしては時間が遅くなっていまして、それなら御茶ノ水あたりで総武線に乗り換えて秋葉原に行く事に。ちょっと少し古く京都や大阪では店頭に見かけなくなった、しかし欲しいCDもありましたし、ね。

Img_3522  そののち、スマートフォンで便利になりましたが安い宿をササッと予約して宿泊へ山手線鶯谷駅へ。この駅の近く、ささのや、っていう焼鳥屋、凄く旨いんですよ、跨線橋を東横インの方へ降りてすぐ。一串70円でドンドン焼いたホルモン串焼きやらがタレにぎっしり漬け込まれながらズラズラと並んでいて、これをレモンチューハイや生ビール片手にパクパク食べてゆく、味もさることながら雰囲気が楽しいお店なんですよ。

Img_3524  何故か前の話の次がE-3系。実は久々にあの店で一杯、とおもいきや鶯谷駅でポスター。“つなげよう日本。”JR東日本のポスターなのですが、快走するE-5新幹線が大きく描かれたポスターと上記ロゴの下に“7月9日(土)東北新幹線E-5系「はやぶさ」、東京‐新青森1日2往復、東京‐仙台1日1往復へ。”

Img_3527 ポスターで大事なのはその下、はやぶさ401号東京発0812、はやぶさ403号東京発1004、はやぶさ405号東京発2136.この2136ってのが重要。この時間なら鶯谷駅は上野駅の隣、山手線と京浜東北線で何本も運行されているし、せっかくだから新幹線はやぶさ号を、ということに。

Img_3530  写真は上の写真とともにE-2新幹線のポケモン新幹線。私、知らなかったんですがポケモンって北米では劇場版だと宮崎アニメとは比較にならないくらい観客動員数があるようなのですよね。新幹線の車体には“POKEMON With You - ポケモン は いつも キミ と いっしょ”、と。

Img_3533  これ震災前から運行されているのでしょうか、ポケモン電車やポケモンジェットはいろいろと見てきましたが、こういうロゴとともに走っていると、震災で落ち込んだ地域でもなにか元気づけられるのでは、と思ったり。そういう意味では新幹線は色々な意味で象徴で憧れ、という事でもありますし、ね。

Img_3552  E-1新幹線。実は新幹線はやぶさ号は、上野駅通過ということで、仙台駅まで乗車の方は一本前の新幹線にて大宮駅に向かい、そこで仙台行はやぶさ号に乗り換えてください、とアナウンスしていました。停まらない、となると撮れるかな、と思いつつも手にするEOS-7Dなら何とかなるはず、とも。

Img_3562  来た、これだ!。はやぶさ405号、やってきました。いやあ、新鮮な塗装!。実はE-5系はもっと多く、二時間に一本くらい東京から青森とを結んでいると思ったのですが、まだ本数は少なかったようです。現在の最高速度は300km/hですが、2013年からは320km/h運転が開始されるとのこと。

Img_3566  E-5新幹線、この新幹線が東京から新青森駅の間を最短三時間半で結ぶ最新鋭。正面から撮影するとカメラが強力な前照燈の光を拾ってしまうので一段補正を掛けて明るい状態で撮ったのですが三段くらい掛ければよかったでしょうか、闇を切り裂いて走ってきます。

Img_3573  はやぶさ号E-5新幹線。最高速度360km/h営業運転を目指したE-954形の技術に依拠して開発された新幹線です。個人的には500系新幹線とE-2新幹線の流線形を受け継いだE-954ストリームラインを実用化してほしかったのですが、まあ、N-700系以降、新幹線形状は流線形よりも低騒音に向かっているから仕方ないのかもしれません。

Img_3574  E-5,長いノーズ。実のところ、鉄道車両を500km/hで運行する事は日本では非常に簡単であるとのことですが、地震国日本では緊急停止能力が求められ、火山国日本の厳しい地形では勾配など線形への適合が求められ、人口密集地域の多いわが国ですから低騒音が求められ、加えて快適で加速力が高く振動が少なく故障しにくい車両、というものが求められている、これが新幹線。

Img_3579  新幹線はやぶさ号通過、別に鉄道愛好家ではなくとも視線が集まっている新幹線です。余り見かけない、それこそ新青森との往復本数では上野駅のブルートレイン運行本数とほぼ同じ、北斗星、あけぼの号の本数と同じ、いわば珍しい列車なのですからね。しかし当方のような一眼レフを構えているのは居なくて、まあ、上野近辺の鉄道愛好家には見慣れた新幹線なのでしょうかね。

Img_3581  はやぶさ。はやぶさ号というと、どうしても九州ブルートレインの印象が強かったのですが、しかし思い起こせば寝台特急富士はやぶさ号と東北新幹線の東京駅におけるホームは隣同士、ブルートレインのブルーはライトブルーに置き換わり北へ向かって羽ばたいて行った、そういうところでしょうか。

Img_3583  仙台に向かうE-5新幹線の雄姿。JR東日本では最上級座席グランクラスの運賃から一座席当たり5000円をそのまま東北復興への義援金として寄付しているとのこと。東北新幹線はそのまま北海道新幹線への乗り入れとなります。はやぶさは北へ、そんなことを考えつつ、鶯谷の焼鳥屋に向かいました。上野駅を後にしました、と書くべきだったか。

Img_3632  鶯谷の焼鳥、一本70円で串数からの明瞭会計、20本食べても1400円、50本食べても3500円、チューハイは350円、今回も2000円でお釣りが来ました。横浜のおでん屋台、横須賀の駅前焼鳥、これら出来るだけ行くようにしていますがお勧めできる飲み屋さん。

Img_3653  京成電鉄スカイライナー。翌日の撮影です。160km/hという私鉄特急としては破格の高速度運転で上野駅と成田空港を結ぶ2010年運行開始の注目特急です。さて、鶯谷で一杯やってBSで人間の条件第六部を見まして、その翌朝なのですが、上野に来たのならば新型スカイライナーを見てゆこう、という気分でした。

Img_3684  AE形電車。これが新型スカイライナーの型式呼称です。160km/hという速度を最大限生かすべく、京成本線とは別の形成成田空港線を快走し、上野駅から成田空港まで36分間で結ぶという一種の怪物、それまで成田空港と言えば都心からの特急電車で約一時間という距離が指摘され、羽田空港拡張工事により位置づけが揺らぐ、とされていたのですが新型スカイライナーがこれを一新する事になるやもしれません。

Img_3710  スカイライナー、その特色は同じ空港連絡特急であるJR東日本が運行する成田エクスプレスや名鉄のミュースカイと異なり流線形、というところでしょうか、青色の市松模様と間接照明を多用した内装や175kw三相交流誘導電機採用とIGTB素子インバータ制御とベクトル制御方式トルク方式による高加減速性能など技術面も特筆すべきでしょうが、見た目の秀逸さは強いインパクト。

Img_3722  京成成田空港線は北総鉄道北総線、あの都市整備公団線を延長して2010年7月11日から京成電鉄が路線そのものを借り受ける方式で運用を開始した路線。路線は51km、より線形が良く早い路線という意味ではかつての成田新幹線構想の発想を受け継いだ高速路線、ということが出来るかもしれません。

Img_3724  成田スカイアクセス線、とも呼ばれる成田空港線はその分距離が変わっており、運賃は1200円、スカイライナーですのでライナー料金として1200円の合計2400円が必要です。それ以前の京成本線を運行したAE-100形によるスカイライナーはシティーライナーとして維持されているのですが、これは運賃1000円にライナー料金920円を加算した1920円、やや高くなっています。

Img_3732  しかし、スカイライナー所要時間36分、シティーライナー所要時間61分と物凄い開きが出ていますから、このあたりがスカイライナーの需要、というところになるのでしょうね。一方で京成本線の船橋や成田から成田空港や上野までの旅客需要を考えるとシティーライナーの位置づけもそれなりに高いのでしょう。

Img_3734  3000系普通津田沼行き。こうした通勤電車を用いた特急成田空港行きもそれなりの数が運行されています。青砥駅から京浜急行への乗り入れも行っていますので、空港連絡はかなり重要視されているようです。この点、伊丹空港や名古屋空港の実情を考えると羨ましい。

Img_3748  京浜急行1000系快特。最高速度ではなく停車駅や運転の加速減速でスピード感、と言ったらば京浜急行が日本の私鉄では頂点に立つのかもしれません。京浜急行で横須賀へ向かったのですが、京浜急行はロングシート王国の首都圏においてクロスシートによる特別料金不要の特急を数多く運行している会社です。

Img_3749  近年は羽田空港へのアクセスを確保した事で空港連絡体制を重視してきただけではなく、なんと地方空港に券売機を設置する、つまり羽田空港から国内線での行き先空港に、京浜急行の切符を買える体制を構築する事でより高い利用者確保を目指しています。長崎空港でホントに見た時は驚いた。

Img_3750  横須賀へ首都圏から向かう際には、品川から京浜急行へ乗り換えるか、横浜で乗り換えた方がJR横須賀線を利用した場合、大船から横須賀線に入り鎌倉と逗子を経て横須賀に入るので少々時間が掛かり、鎌倉観光を考えている等の理由が無ければ速度面からは絶対に京浜急行がお勧めです。

Img_3751  京成電鉄3700系の青砥行き、エアポート特快の表示が出ているので、羽田空港へ向かった車両かもしれませんね。スカイライナーが羽田空港乗り入れを実現して成田空港とを連絡したら、どういう事になるのか、近鉄が相互乗り入れを行う阪神線経由で山陽に乗り入れ名古屋発姫路行きが出たら、と同じくらい考えると興味深いかもしれません。

Img_3755  1500系。実はこの日、もっと時間を掛けて京浜急行を撮影するつもりだったのですが、ちょっと上野と秋葉原で時間を食ってしまい、その分中途半端になった時間を京成電鉄撮影に充てましたので、そんなに写真が撮れませんでした。今度はじっくり久々に東武鉄道も撮りたい、と思いつつ、いつになることやら。

Img_3758  特急は横須賀基地に最も近い汐入駅に停車しませんので、金沢文庫駅あたりで普通電車に乗り換えなければなりません。駅数が多いので横須賀中央駅まで出て戻る、というのも手なのですが二重乗車になり違法なので一階改札を出る手間を考えると、ううむ。2000系普通電車、かつては2扉クロスシート特急車でしたが現在はロングシートに。阪急2800系のような車両ですね。

Img_3834  JR横須賀線E-217系電車。横須賀駅から東海道本線方面まで戻る事に。トンネルの多い横須賀市らしい写真なのですが、この写真のE-217系、なにか貫通扉付近が凹んでいるようにみえましたので思わず撮影。電車のこんなところが凹んでしまうような衝突、というと、・・・、いや考えるのはやめましょう。

Img_3883  東海道本線E-231近郊型。E-217系と同じく中間部分にダブルデッカー方式のグリーン車を連結している編成です。なかには湘南新宿ラインで高崎駅などかなり遠くまで乗り入れる車両もあり、奥が深い車両。この列車は伊東行きとのことです。こんなかんじで二日間、横田基地と横須賀基地、それに上野と秋葉原を結んだ鉄道関係の写真としてまとめてみました。E-5はやぶさ号、新型スカイライナーが撮れましたし、こっちがメインでも、という嬉しい成果です。

北大路機関:はるな

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