北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十年度五月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報

2008-04-30 14:46:44 | 北大路機関 広報

■自衛隊関連行事

 いよいよはじまったゴールデンウィーク、桜花の季節から新緑の季節に移り変わった初夏の日差しの下で、今月はどういった自衛隊関連行事が行われるかを掲載したい。

Img_9470_1 2008年度五月期は、最初に米軍関連行事から。アメリカ海兵隊岩国航空基地での日米フレンドシップデーが五月最初の行事となる。空母航空団の厚木航空基地よりの移転を前に行われる行事ということもあり、マスコミからも注目の行事といえるだろう。横田基地(きくところでは普天間基地も)のような地上展示中心の一般公開とは異なり、飛行展示と機動飛行が展示されるエアショーだ。

Img_2159  陸上自衛隊の駐屯地祭関係では、第3師団の千僧駐屯地祭、第4師団の福岡駐屯地祭、第7師団の東千歳駐屯地祭、第14旅団の善通寺駐屯地祭などが注目。着上陸阻止、市街戦、対機甲戦、機動支援など、師団や旅団ごとに装備の相違がみてとれる、こういった点も注目というべきか。

Img_9015  陸上自衛隊航空部隊の行事として注目したいのは18日に実施される北宇都宮駐屯地祭と霞ヶ浦駐屯地祭だ。霞ヶ浦駐屯地祭では昨年AH-64Dが公式行事に初めて飛行を展示したことで知られる。栃木県と茨城県、同日開催ということで、今年も航空学校霞ヶ浦分校に配備されているAH-64Dの動向が気になったりするところ。

Img_0484  普通科連隊などが参加する駐屯地祭も本格スタート。

 更に西部方面隊と中部方面隊では施設団の創設記念行事が、大久保と小郡で実施される。施設団というと、昔で言う戦闘工兵、建設工兵、築城工兵をひとつにした部隊で、なかなかの迫力だ。

Img_6053  海上自衛隊関連では、厚木基地のちびっこヤング大会と、鹿屋基地の航空基地祭。鹿屋航空基地祭は、エアーメモリアルという名称で知られ、P-3Cの機動飛行やSH-60J、練習ヘリとして運用されるOH-6D/DAの飛行展示で知られる。非常に興味そそられる内容だけに行ってみたいのだが、自家用車で鹿児島まで行くか、鹿児島駅からフェリー、バスを乗り継ぐ必要がある、というのが難点。

Img_9567_1  厚木基地ちびっこヤング大会は、航空集団司令部が展開している基地だけに、P-3C哨戒機の大編隊や、最新鋭のMCH-101掃海輸送ヘリコプターの機動飛行、基地警備隊による近接戦闘訓練展示、という期待とともに行くと肩透かしをくうことも。理由は簡単で、米海軍機による陸上空母発着訓練による騒音が周辺住民に迷惑をかける、ということで行事での飛行は控えめ。昨年は厚木救難隊のUH-60J一機による飛行展示のみ。今年はP-3Cの飛行展示を期待したい。

Img_4404  航空祭では、静浜基地、美保基地の航空祭が挙げられる。美保基地航空祭はC-1輸送機の部隊というだけあって、輸送機の機動飛行を楽しむことが出来る。C-1輸送機の部隊といえば、11月の入間基地航空祭が挙げられるが、毎年非常に混雑し、入間基地というより人間基地、というほどなので、美保はゆったりと(そうでもない?)輸送機を堪能できる航空祭、といえるかもしれない。

Img_5198  静浜基地航空祭は、T-7練習機の部隊ということで、地味な印象を持つかたも居るかもしれないが、浜松基地からのリモートで戦闘機が飛行展示を実施する。

 このほか、幹部候補生学校の置かれるなら基地や第1教育群が置かれる防府南基地でも開庁記念行事が行われる。詳細については、リンク先の部隊公式HPなどを参照されたい。ではでは、今月も週末は良いお天気に恵まれますよう。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

  1. 五月五日(米海兵隊):米海兵隊岩国航空基地フレンドシップデー(山口県岩国市)・・・空母航空団が移転する岩国航空基地の記念行事、F/A-18などによる飛行展示のほか、B-52爆撃機も航過展示を予定
  2. 五月十一日(海上自衛隊):厚木航空基地ちびっこヤング大会(神奈川県)・・・航空集団司令部、第4航空群が展開する厚木基地の一般公開行事、昨年はUH-60Jが飛行展示
  3. 五月十一日(陸上自衛隊):大津駐屯地創設49周年記念行事(滋賀県大津市)・・・第2教育団が駐屯、大規模な徒歩行進や琵琶湖を活かしての装備品展示などが注目
  4. 五月十八日(陸上自衛隊):北宇都宮駐屯地創設35周年記念行事(栃木県宇都宮市)・・・航空学校宇都宮分校、第12ヘリコプター隊(一部)が駐屯、AH-64Dを期待
  5. 五月十八日(陸上自衛隊):霞ヶ浦駐屯地創設55周年記念行事(茨城県土浦市)・・・航空学校霞ヶ浦分校、関東補給処が駐屯、AH-64Dを期待
  6. 五月十八日(陸上自衛隊):新発田駐屯地創設55周年記念行事(新潟県新発田市)・・・第30普通科連隊が駐屯
  7. 五月十八日(航空自衛隊):静浜基地航空祭(静岡県大井町)・・・T-7練習機を運用する第11飛行教育団が展開、航空祭ではF-2,F-15,RF-4による飛行展示に加えてブルーインパルス飛行展示も予定
  8. 五月十八日(陸上自衛隊):第3師団創立47周年・千僧駐屯地創設57周年記念行事(兵庫県伊丹市)・・・師団創立祭。京阪神、若狭、近江、紀伊西地区の防衛警備及び災害派遣を担当する第3師団の創設記念行事
  9. 五月十八日(陸上自衛隊):第4師団創立54周年・福岡駐屯地創設58周年記念行事(福岡県福岡市)・・・師団創立祭。九州北部及び壱岐対馬地区、長崎県島嶼部の防衛警備及び災害派遣を担当する第4師団の創設記念行事
  10. 五月十八日(陸上自衛隊):えびの駐屯地創設27周年記念行事(宮崎県えびの市)・・・第24普通科連隊が駐屯
  11. 五月十八日(海上自衛隊):鹿屋航空基地祭・エアーメモリアルinかのや(鹿児島県鹿屋市)・・・P-3C哨戒機を運用する第1航空群や第211教育航空隊などが展開、P-3Cの機動飛行の迫力には定評があるようだ
  12. 五月二十四日(航空自衛隊):奈良基地開庁記念行事(奈良県奈良市)・・・航空自衛隊幹部候補生学校が置かれており、戦闘機や支援戦闘機、練習機などが祝賀飛行を実施
  13. 五月二十五日(陸上自衛隊):第7師団創立53周年・東千歳駐屯地創設54周年記念行事(北海道千歳市)・・・師団創立祭、陸上自衛隊唯一の機甲師団として知られる第7師団の記念行事。東千歳駐屯地祭は多数の90式戦車、89式装甲戦闘車、99式自走榴弾砲、87式自走高射機関砲が参加する日本最大の機械化部隊観閲行進が注目
  14. 五月二十五日(陸上自衛隊):大宮駐屯地創設51周年記念行事(埼玉県大宮市)・・・中央即応集団中央特殊武器防護隊、化学学校、第32普通科連隊などが駐屯
  15. 五月二十五日(海上自衛隊):館山航空基地祭・S-61さよならイベント(千葉県館山市)・・・第21航空群が展開、ちびっこヤング大会とともに砕氷艦しらせ艦載機として最後に残ったS-61ヘリコプター引退に併せてのさよならイベントを実施
  16. 五月二十五日(陸上自衛隊):北富士駐屯地創設48周年記念行事(山梨県南都留郡)・・・第1特科隊が駐屯
  17. 五月二十五日(陸上自衛隊):第4施設団創立47周年・大久保駐屯地創設51周年記念行事(京都府宇治市)・・・中部方面隊直轄施設団である第4施設団の創立記念行事、さまざまな施設器材などが観閲行進や訓練展示にて活躍する
  18. 五月二十五日(陸上自衛隊):青野原駐屯地創設32周年記念行事(兵庫県小野市)・・・ホークミサイルを運用する第8高射特科群が駐屯
  19. 五月二十五日(陸上自衛隊):第14旅団創立2周年・善通寺駐屯地創設58周年記念行事(香川県善通寺市)・・・旅団創立祭。四国の防衛警備及び災害派遣を担当する第14旅団の記念行事。混成団から旅団になり二周年を迎えた14旅団は、飛行隊の新編や新駐屯地の計画など、注目点の多い行事である
  20. 五月二十五日(航空自衛隊):美保基地開庁50周年記念航空祭(鳥取県境港市)・・・C-1輸送機を運用する第3輸送航空隊や第7移動警戒隊が展開、ブルーインパルス飛行展示も予定されている
  21. 五月二十五日(航空自衛隊):防府南基地開庁記念行事(山口県防府市)・・・航空教育隊司令部、第1教育群が展開、19年度行事では観閲行進、訓練展示などを実施
  22. 五月二十五日(陸上自衛隊):第5施設団創立記念・小郡駐屯地創設55周年記念行事(福岡県小郡市)・・・西部方面隊直轄の第5施設団が駐屯。施設団創設記念行事ということで各種施設科装備が登場する

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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検証:海上自衛隊再編 3.26改編後の護衛隊群

2008-04-29 18:46:22 | 防衛・安全保障

■海上自衛隊再編2008

 2008年3月26日の海上自衛隊組織改編は、19年度予算概算要求時に提示されていた一個護衛隊群の二個作戦単位化するという改編以上に、所属艦の脱地域化という点が特筆される。今回は、四個護衛隊群の新しい編成を紹介したい。

第1護衛隊群

 横須賀基地に司令部を置く第1護衛隊群は、第61護衛隊を廃止、4隻から成る二個護衛隊に再編された。

Img_1558改編の概要を俯瞰すると、第1護衛隊は『あけぼの』以外が横須賀母港であるのに対して、第5護衛隊隷下の護衛艦の所属が横須賀以外に佐世保、舞鶴となっている。

世界の艦船通巻691号などを参照した限りでは、改編後も所属護衛艦の母港の変更は行われていないようだ。第1護衛隊は訓練時に呉と横須賀の中間にある小笠原方面で合流すればよいが、第5護衛隊は、集合にもかなりの距離を移動しなければならない。

第1護衛隊群の所属艦は以下の通り。

  • 第1護衛隊:ヘリコプター護衛艦『しらね』(横須賀母港)
  • 第1護衛隊:ミサイル護衛艦『しまかぜ』(横須賀母港)
  • 第1護衛隊:護衛艦『むらさめ』(横須賀母港)
  • 第1護衛隊:護衛艦『あけぼの』(呉母港)
  • 第5護衛隊:ミサイル護衛艦『こんごう』(佐世保母港)
  • 第5護衛隊:護衛艦『いかづち』(横須賀母港)
  • 第5護衛隊:護衛艦『すずなみ』(舞鶴母港)
  • 第5護衛隊:護衛艦『さわぎり』(佐世保母港)

第2護衛隊群

 佐世保に司令部を置く第2護衛隊群は、新しく就役したイージス艦『あしがら』を第64護衛隊から編入し、イージス艦2隻体制に移行した。

Img_1177

佐世保基地はイージス艦の整備設備を有しているということもあり、呉基地の第4護衛隊群隷下にあったミサイル護衛艦2隻からなる第64護衛隊も佐世保基地に所属していた経緯がある。

第2護衛隊の所属艦母港は、佐世保以外に、舞鶴、大湊となっているが、第6護衛隊隷下の汎用護衛艦は三隻揃って横須賀母港という編成になっている。

第2護衛隊群の所属艦は以下の通り。

  • 第2護衛隊:ヘリコプター護衛艦『くらま』(佐世保母港)
  • 第2護衛隊:ミサイル護衛艦『あしがら』(佐世保母港)
  • 第2護衛隊:護衛艦『ゆうぎり』(大湊母港)
  • 第2護衛隊:護衛艦『あまぎり』(舞鶴母港)
  • 第6護衛隊:ミサイル護衛艦『ちょうかい』(佐世保母港)
  • 第6護衛隊:護衛艦『はるさめ』(横須賀母港)
  • 第6護衛隊:護衛艦『たかなみ』(横須賀母港)
  • 第6護衛隊:護衛艦『おおなみ』(横須賀母港)

第3護衛隊群

 舞鶴基地に司令部を置く第3護衛隊群は、イージス艦2隻体制を維持している。また、旧編成では直轄艦として旗艦に当たった『はるな』は、今年度中に退役するとされている。

Img_8487 『はるな』に代えて『しらね』が配属になるとも、『くらま』が配備されるとも、『ひゅうが』が配備されれば、という情報と希望が飛びかっていたが、詳細は不明である。

さて、第3護衛隊群は隷下のイージス艦2隻が舞鶴母港であり、第3護衛隊の編成は母港がやはり変則的であるが、第7護衛隊は、汎用護衛艦の母港が三隻とも佐世保基地となっている。

第3護衛隊群の所属艦は以下の通り。

  • 第3護衛隊:ヘリコプター護衛艦『はるな』(舞鶴母港)
  • 第3護衛隊:ミサイル護衛艦『あたご』(舞鶴母港)
  • 第3護衛隊:護衛艦『まきなみ』(佐世保母港)
  • 第3護衛隊:護衛艦『せとぎり』(大湊母港)
  • 第7護衛隊:ミサイル護衛艦『みょうこう』(舞鶴母港)
  • 第7護衛隊:護衛艦『ゆうだち』(佐世保母港)
  • 第7護衛隊:護衛艦『きりさめ』(佐世保母港)
  • 第7護衛隊:護衛艦『ありあけ』(佐世保母港)

第4護衛隊群

 呉基地に司令部を置く第4護衛隊群の改編も基本的にヘリコプター護衛艦を中心とした護衛隊、イージス艦を中心とした護衛隊に再編された。

Img_7588_2 第4護衛隊群の編成も、第4護衛隊は所属艦の母港が呉、横須賀、大湊と変則的な編成を採用しているが、第8護衛隊は汎用護衛艦が三隻とも呉母港となっている。どの護衛隊群もひとつの護衛隊の汎用護衛艦の母港は一つに集中しているようだ。

これら編成は護衛隊単位での訓練に影響がないのか、将来的には母港の変更が行われるかなどについて興味が持たれる。

第4護衛隊群所属の護衛艦は以下の通り。

  • 第4護衛隊:ヘリコプター護衛艦『ひえい』(呉母港)
  • 第4護衛隊:ミサイル護衛艦『はたかぜ』(横須賀母港)
  • 第4護衛隊:護衛艦『はまぎり』(大湊母港)
  • 第4護衛隊:護衛艦『うみぎり』(呉母港)
  • 第8護衛隊:ミサイル護衛艦『きりしま』(横須賀母港)
  • 第8護衛隊:護衛艦『いなづま』(呉母港)
  • 第8護衛隊:護衛艦『さみだれ』(呉母港)
  • 第8護衛隊:護衛艦『さざなみ』(呉母港)

HARUNA

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陸上自衛隊久居駐屯地創設100周年記念行事 速報

2008-04-28 18:41:15 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■久居駐屯地祭2008 速報

 日曜日に行われた陸上自衛隊久居駐屯地祭は、旧軍駐屯地の歴史を重ね合わせれば創立100周年という節目の年にあたることから、土曜日の津市内における市街パレードとあわせ、盛大に執り行われた。

Img_9079  三重県津市に所在する陸上自衛隊久居駐屯地には、第10師団隷下の第33普通科連隊が駐屯している。33連隊は2002年に14両の軽装甲機動車を中部方面隊の部隊として初めて受領した部隊として知られ、100年の歴史と伝統に育まれつつも、最新鋭装備の運用や戦術研究には余念が無い精強な普通科連隊である。

Img_1016  式典開始とともに駐屯地に隣接する演習場(グラウンド)に部隊が入場する。

 道路を横断しての部隊移動には三重県警が協力、式典開始に先んじて会場後方に集結した各種車両に続き、普通科隊員が堂々の行進で会場に進んでくる。

Img_1028  待機車両の前を行進し、定位置に向かう隊員。手前には87式中距離対戦車誘導弾(中MAT)を搭載したジープ(73式小型トラック)が待機している。連隊は、本部管理中隊、四個普通科中隊、対戦車中隊、重迫撃砲中隊により編成されている。中MATは普通科中隊対戦車小隊に装備されている装備だ。列国の歩兵中隊は100名程度の編成であるが、陸上自衛隊では連隊隷下に大隊を置かず戦闘基幹部隊として中隊を配置している関係から、200名以上の比較的大型の普通科中隊を置いている。

Img_1036  120ミリ重迫撃砲RTと牽引する高機動車の前を隊列が進む。120ミリ重迫撃砲は、フランス製で豊和工業においてライセンス生産されている。通常弾で射程8100㍍、射程延伸弾を用いれば射程は13000㍍にも達し、簡便にして強力な直掩火力として重迫撃砲中隊に12門が配備されている。牽引する重迫牽引車には高機動車が転用されており、迅速な陣地転換により高い生存性を有する。

Img_1066  国旗入場に際して、起立して国旗を迎える指揮官と来賓。式典には甲斐芳樹連隊長の他、野呂昭彦三重県知事、坂口力衆議院議員ら地元の有力者が出席した。甲斐連隊長、坂口議員は昨年の駐屯地祭でも訓示、祝辞を述べられた。指揮官巡閲、訓示、祝辞、祝電披露と行事は進められてゆく。

Img_9111  観閲行進準備の号令とともに、車両待機位置に隊員が駆け寄る。写真は81ミリ中迫撃砲を搭載した高機動車。普通科中隊の迫撃砲小隊に装備されており、前述の対戦車小隊と併せ、一個中隊の普通科部隊はなかなか侮れない能力を有する。掲げられているのは第33普通科連隊が防衛・警備・災害派遣を担当する三重県の市町村旗。

Img_1173  観閲行進は、徒歩行進、車両行進という流れで進められる。

 写真は第10音楽隊のマーチとともに徒歩行進の最後を務めた四月に入隊したばかりの新隊員教育隊の新隊員。旧式の66式鉄帽を装備し、64式小銃を担ぎ観閲行進に参加している。

Img_1198  昨年よりもスタンド席が増加しており、訓練展示を順光にて撮影しようという計算から、観閲行進を正面や側面から撮影することは出来なかったが、一周して待機位置に向かう車列を撮ることができた。写真は第4中隊の軽装甲機動車。33連隊では第4中隊に軽装甲機動車が装備されている。

Img_1227  対戦車中隊の79式対舟艇対戦車誘導弾。対戦車中隊は、第10師団の他、旭川の第2師団、南九州の第8師団隷下の普通科連隊に装備されている虎の子装備で、かつては師団直轄装備であったが師団改編に伴い、各連隊に装備された。

Img_1360  観閲行進に続き、野外音楽演奏、喇叭演奏、ライフルドリル、格闘展示が行われ、式典は訓練展示模擬戦に進んだ。

 超低空で仮設敵が占拠した地域を偵察するOH-6Dの見事な飛行とともに幕を上げた状況は、続いて偵察隊による威力偵察や特科火砲による射撃、と進んでゆく。

Img_1466  軽装甲機動車とともに、前進する隊員。中部方面隊で最初に軽装甲機動車を受領した部隊というだけあり、降車後の相互支援などは興味深いものがあった。軽装甲機動車は受領部隊により装備密度に差があることから、運用が模索されている装備であるが、例えば高機動車と軽装甲機動車を同一小隊に配備して、相互支援運用の研究、というのはあるのかな、と。

Img_1487  火炎放射や対戦車戦とともに仮設敵は徐々に押されてゆき、最後に戦車が鉄条網を踏み潰し障害を突破、それに続いて普通科部隊が突撃、仮設敵が拠点を築いた建造物に突入、近接戦闘によりこれを無力化し、状況は終了した。泥飛沫を巻き上げながら機銃を撃ちまくり障害を踏み潰す戦車というのは、文章では表せないほどの迫力があり、空気を圧搾して響く空包の砲声はその場に居たものにしか分からない貴重な体験と強烈な印象を与える。

Img_9195  状況終了後、ヘリコプターがグラウンドに着陸し、装備品展示に加わった。駐屯地では装備品展示が行われており、普通科部隊の有する各種装備の他にもホークミサイルやペトリオット、特科火砲、戦車などが公開、100周年を祝うほどの晴天下、見学者は満足ゆく一日を過ごせたことだろう。

HARUNA

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100周年祭を迎えた久居駐屯地祭へ行ってきました

2008-04-27 22:26:18 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■今回は速報ということで

 本日、久居駐屯地祭に展開しました。近鉄特急を利用しての展開です。ただ、写真の整理が全く終わっていないので、一応、第一報ということになります。

Img_9006  最初に、AH-64Dは来ませんでした。CH-47は祝賀飛行に参加したのですけどね。土曜日の市街パレードと併せて、100周年ということでしょう。市街パレード、京都は福知山で毎年おこなっているので、と思ったのですが、東海三県(愛知・岐阜・三重)では40年ぶり(40年前に津市で実施)ということで、これは疲労に鞭を打ってでも、行くべきだったかな、と少し。

Img_9268  式典の規模は、駐屯地祭としては通常の普通科連隊駐屯地祭と同規模。観閲行進も33連隊の参加は例年並。ただし、戦車の参加は3輌とやや多く参加しており、ペトリオットミサイルも観閲行進に参加。更に、一般スタンド席が昨年の規模よりも大幅に増強されており、ゆったりと観覧することが出来た。

Img_9214  訓練展示は模擬戦を展示、FH-70榴弾砲が2発、74式戦車が1発(2発?)発砲。火炎放射器の展示が目新しかった印象。訓練展示全般を俯瞰した場合、幾つか、目新しい点もあったのだけどそちらは詳報をお楽しみに。

 詳細な速報については、明日くらいに写真を整理した後に掲載したいと考えています。

HARUNA

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『防衛大綱』抜本改訂へ 対潜・対弾道弾能力の強化

2008-04-26 17:32:20 | 国際・政治

■政府、防衛大綱改訂へ

 今月20日付読売新聞によれば、政府は、2004年に改訂された防衛大綱を再度改訂する方向で検討が進められているとのこと。1976年、1995年、2004年と改訂までの間隔が短縮されている印象だ。それだけ世界は動いているということか。

Img_1263  今回の防衛大綱改訂検討開始の背景には2004年の防衛大綱改訂以後、予想以上の中国軍の近代化が背景にあり、今後の中国軍の増強や近代化に対して、現行防衛大綱の水準では、日本の安全保障に重大な影響を及ぼしかねないという背景があり、記事は“10年後までを視野にいれた新大綱で、中国軍の軍拡に対応した防衛力整備を明記する必要があると判断した”と記している。

Img_6259  政府は、現行防衛大綱の部分修正を検討してきたが、抜本改訂を行う方向となったようで、新防衛大綱では自衛隊の対潜能力やミサイル防衛の強化などが課題になるとみられるとのこと。基本的には哨戒機や護衛艦の増強や島嶼部防衛などが視野に含まれるのだろう。有識者会議は今年中にも集められるとのこと。

Img_9973  なお、防衛省改革なども同時に進められる見通しとのこと。

 対潜能力やミサイル防衛能力の強化という反面、陸上自衛隊の基幹のひとつを構成する機甲科や特科の今後について興味が持たれる。戦車定数が現大綱の600から旧大綱の900に戻されなければ、量産効果の関係もあり、防衛産業の根幹に関わることにもなりかねないわけで、興味はもたれる。

Img_2392  少数多年度契約、少数分散により非効率が指摘される防衛産業について、政府主導の再編などを行い、効率化と国際競争力の付与、評価試験や調達方式の見直しを行うか、もしくは財政に負荷をかけつつも、数的増強を行うか、という選択肢が迫られることとなる。

Img_0977  自衛隊の装備体系であるが、ややズレている印象がある。例えば、艦艇について近年、汎用艦の多機能化・建造費高騰を受けて、欧州や米海軍では大型水上戦闘艦と小型艦や航洋哨戒艦とのハイローミックスが検討されている。また装備そのものについても、車体寿命や艦船の船体寿命を長く採るための技術開発が進められている。この部分の再検討を行うことで、いわゆる防衛大綱に明記される定義そのものも見直し、再検討する時期がきているのかな、とも。

HARUNA

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創設100周年を迎える 陸上自衛隊久居駐屯地 今週末に記念行事

2008-04-25 11:30:54 | 北大路機関 広報

■陸上自衛隊行事で『100周年』!?

 多忙につき、本日は新幹線から掲載。ちょうど今、左側を貨物列車が通過中で、右側で500系に追い越されたところだ。さて、今週末日曜日に予定されている陸上自衛隊久居駐屯地祭、なんと今年度で創立100周年を迎えるという。

Img_3636  陸上自衛隊の行事で100周年とは、陸上自衛隊が創設されたのが1954年、2008年から100を引くと1908年で、日露戦争の記憶も鮮やかな時代。計算が合わない。100周年記念とは、どういう意味かというと、旧帝国陸軍が久居に部隊を駐屯させてより100周年ということだ。ちなみに、旧軍時代は歩兵33連隊が駐屯し、現在は第33普通科連隊が駐屯している、第10混成団時代に、ここに33連隊を置いてほしいという要望が周辺住民から多数よせられたほど、地域住民に親しまれた地元密着の部隊。

Img_9017  100周年となると、気になるのはその行事が毎年行われるものとは一風かわったものになるのではないか、という期待。岩国日米親善航空祭参加予定のB-52爆撃機が一足先にフライパス、ということは絶対無いが、近傍には陸上自衛隊久居駐屯地があり、これは、もしや、アノ機体が参加してくれるのでは!?!?、という淡い期待。

Img_9216  というのも、久居駐屯地の第33普通科連隊は、毎年、明野駐屯地の航空学校記念行事では、訓練展示の部隊を派遣しており、旧知の仲。写真は明野駐屯地祭の訓練展示に参加するCH-47輸送ヘリコプターと、33連隊の軽装甲機動車。ということは、100周年なんだし、という期待。

Img_3697_1  毎年久居駐屯地祭にはOH-1が参加していたりするので、これは期待してもいいのかな?と。久居駐屯地へは、近鉄久居駅より徒歩ですぐ(駅から駐屯地の建物が見える)。参加航空機の期待はともかくとして、陸上自衛隊の記念行事で『100周年』と銘打ったものも非常に貴重もしくは稀有であるとおもうし、興味が湧くことだけは確かだ。

HARUNA

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国鉄201系電車 東日本旅客鉄道京葉線にて現役

2008-04-24 18:49:07 | コラム

■まだまだ現役 201系

 明日まで多忙につき、コネタ記事。超絶多忙につき、造り置記事を順次掲載しているのだけど、造り置のものがだんだん払底してきたので、しかし、もう少しでひと段落。

Img_0033  201系の東京行き。

 先日、強襲揚陸艦ミストラル撮影の際に利用したJR京葉線にて現役の201系を撮影することができた。友人のHakase氏に見せてみると青い201系ということで『阪和線?』という問いが帰ってきたほどで、実は小生、も、もう201系を首都圏にて見ることはないだろうと考えていただけに、嬉しい誤算である。

Img_9803  高尾駅にて発車を待つ201系。

 昨年の8月に撮影した写真。中央快速線での象徴として活躍した201系であるが、3月期のダイヤ改正に際して大量導入されたE233系電車により一気に更新され、予備車両として拝島車庫に少数が残置されているだけとなった。

Img_7961_1  201系は、関西地区ではかなりの数が運行されており、体質改善車として大半が近代化改修を受けている。

 奈良線には更に古い103系も多数が現役であることから、当分活躍しそうである。ウグイス色の車体に加えて、オレンジ色の中央快速線を髣髴とさせる201系も大阪環状線では活躍中だ。

Img_0034  国鉄の系譜は、各地で失われつつあり、ブルートレイン、0系新幹線、客車運行など絶滅の危機に晒されているものの他、113系など、淘汰の先に終点がみえてきた車両も少なくない。こうした中で、201系は京葉線で、まだまだ頑張っているようだ、というのが本日の記事。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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関西私鉄特急 京阪電鉄8000系・3000系 阪急電鉄9300系・6300系

2008-04-23 12:00:15 | コラム

■京阪電鉄8000系&3000系

 関西私鉄、京都~大阪間は、JR、阪急、京阪が新快速、通勤特急、特急、快速急行を走らせる激戦区だ。また、関西私鉄は伝統的に特急料金不要の特急を運行しており、国鉄117系や民営化後の221系、223系に繋がるクロスシート車の誕生を促したともいわれる。

Img_7052_1  京都~大阪を結ぶ路線を中心とした京阪電鉄。京阪特急は、1989年より導入された8000系と1編成が残る3000系特急により、京都出町柳から大阪淀屋橋までを概ね54分で結んでいる。

 特急は、基本的に毎時六本、10分間隔で運行されており、運賃は460円。特急料金は不要である。(参考までにJR新快速は、京都~大阪間540円、所要時間28分で15分間隔、毎時4本を運行)

Img_7677  8000系の車内。転換式クロスシート車で、車内広告が無いのが特徴。各車ごとにシートのカラーリングをかえるという工夫が凝らされている。

Img_6999_1  京阪特急は、通称テレビカーとして親しまれているが、忘れてはならないのがダブルデッカー車。写真をみると、ダブルデッカー車が編成中央部分に配置されているのがわかる。

Img_7668  8000系特急ダブルデッカー車の内装。

 二階からの車窓に広がる眺望とともに、ノルウェー製の座席を採用し、快適性を高めている。

Img_6648  ダブルデッカー車は、1995年なら、この3000系の中間車として導入が始まり、続いて8000系の編成にも組み込まれた。JRのグリーン車を彷彿させる形状だが、京阪特急ではダブルデッカー車も特別料金は不要で、始発駅にて大半の座席が埋まるほどの人気だ。

Img_7667  階段部分。

 京阪線は、線形の関係上、20㍍型車両を導入することが出来ず、18㍍車を採用しているため、当初、ダブルデッカー車の構想が出された時には、賛否があったようだが、完成した車両の出来は、乗車率が何よりもその実力を示している。

Img_4461  京阪電鉄といえば、テレビカー。テレビカーもダブルデッカー車と同じく編成中央部分に組み込まれている。かつて、京成電鉄も成田山参詣電車にテレビカーを運行していたが、私鉄特急でテレビカーを銘打っているのは、いまや京阪電鉄だけとなった(液晶パネルを組み込んだ通勤車両は、JRなどにもあるが)。

Img_4460  テレビカーの内部。

 個室電話が設置されている。

 各座席ごとに内臓スピーカーが配置されており、スイッチを入れることで音声を楽しむことが出来る。

■阪急電鉄9300系・6300系

 阪急電鉄は、主として京都の河原町を大阪梅田、神戸三宮、宝塚を結ぶ路線網を展開。その本線にあたる京都線には、クロスシート特急として9300系、6300系を運行している。

Img_8287  梅田に向かう9300系特急。阪急電鉄は、京都の中心部河原町から、大阪梅田まで乗り入れる。JR京都駅が、中心部からやや離れていることを考えると、有利であるが、料金も390円とかなり安くなっている。所要時間は44分であるが、10分間隔、毎時6本の特急を運行。ラッシュ時には快速急行、通勤特急などを運行し、輸送需要に対応している。

Img_7521  9300系の車内。落ち着いた色彩にまとめられているのが特徴だ。

 片側3扉方式のセミクロスシート車で、転換式クロスシートを採用している。また、シート部分の手摺や通路に並ぶ吊革は、本車が通勤車両であることを示している。

Img_8093  9300系は、準急や普通電車にも用いられる。後述する6300系が片側二扉なのにたいして、9300系が片側三扉を採用した背景には、京都線の特急停車駅の増加がある。

Img_7507  セミクロスシート車のロングシート部分。

 シートはちょうど良い角度になっており、ソファーのような座り心地だ。神戸線のロングシート車にもいえることだが、ロングシート部分の仕切りやクッション、背もたれの角度には人間工学的配慮があり、長時間の乗車にも疲れないことに感心させられる。

Img_8266  阪急特急6300系。名鉄の7000形に次いで好きな車両である。片側二扉の採用と、車体前面のデザインが都市間高速鉄道にあって、最高の気品を備えており,1976年にブルーリボン賞を受賞している。クロスシート車としたが、厳密には運転席の後部(1編成に四箇所)のみ、二人掛ロングシートが採用されている。

Img_7679  6300系の内装。転換式クロスシートを採用しており、扉を車体の両端に置いたことで広い車内空間を確保している。クロスシートは梅田駅での車内作業時に、運転台からの操作で一斉に転換が可能だ。写真の車両には吊革が設置されていないが、近年、6300系への吊革設置がはじまっている。

Img_7678  関西私鉄は、特急料金不要でクロスシート車を運行する阪急、京阪とロングシート特急を運行する阪神電鉄(阪神線にセミクロスシート車の山陽電鉄が乗り入れているが)、LCカー(東武鉄道ももうすぐTJライナーとして似た発想の50090系を導入するようだが)を運行する近鉄急行(近鉄特急は特急料金が必要)、ロングシートの一般車を組み込んだ南海本線特急(こうや、りんかん、ラピートは特急料金が必要、サザンも指定席車は特別料金)など、車両アコモに優れた特急が運行されており、名鉄の7000形や1200形、5700形とともに、一群の車両が、冒頭に記したように国鉄のクロスシート通勤車の出現を促した、といえる。首都圏では、京浜急行を例外として、スペーシア、ロマンスカー、レッドアロー、スカイライナーなど、クロスシート車特急は特急料金が必要となっており、東西をわける私鉄特急の個性が垣間見えるようで、興味深い。

HARUNA

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E231系(JR東日本) 東海道本線グリーン車の旅

2008-04-22 17:26:33 | コラム

■普通列車のグリーン車

 西日本旅客鉄道が誇る223系、東海旅客鉄道が誇る313系、ともに新快速や特別快速に用いられるクロスシート車である。しかし、東日本旅客鉄道管区内には、クロスシートの通勤車として、これだ!という車両は見当たらない。

Img_3922  東海道本線をゆくE231系電車。総武線や山手線でも活躍しており、JR東日本の代表的通勤車である。更に、近郊型のE217系電車や京浜東北線にて新型車に押されつつも頑張る209系、中央特快などで活躍し、登場から僅かな間に800両もの数を揃えたE233系など、首都圏を代表する通勤電車は数多く挙げられるが、どれも基本的にロングシート車(セミクロスシート車も連結されているが、転換式ではなく固定式向い合せ型)となっている。

Img_9918  ロングシート車が基本となっているのは、その乗車率にあると、一般に説明される(一応、よく利用する京都~大阪間の乗車率も凄いとは思うのだが・・・)。こうした背景から、首都圏では、基本的に通勤電車の中間部分に、グリーン車を連結することで、クロスシート車を運行している。

Img_9916  先日、習志野駐屯地祭の帰路、東京駅から熱海駅までの間、グリーン車を利用する機会に恵まれた。乗車したのはE231系で、青春18切符を利用して乗車できることから選択した(夜行利用の往路でモトは取ってるので、青春18切符は静岡まで。“ひかり”号が停車する静岡から新幹線を利用)。グリーン車はリクライニングシートを採用しており、名鉄特急の特別車を思い出した。

Img_9915  二階建てということもあり、車内には階段が。車体後部はグリーンアテンダントの乗務員室が配置されており、グリーン券の車内販売のほか、ジュースやビール、軽食の車内販売などを行っている(ホームライナーや名鉄特急の特別車をイメージしていたので、これには驚いた)。

Img_9913  車内の様子。天井部分にLEDランプが点灯しているが、これはグリーン車の利用状況を掲示するもので、車内でグリーン券を購入した場合、ランプが赤から緑にかわる。また、ホームでSuicaによりグリーン券を購入した場合、Suicaを近づけることで、ランプがかわる。なお、普通列車のグリーン車は座席指定券ではないので、満席の場合は、グリーン券を購入しても着席できない場合があるとのこと。

Img_9911  普通列車のグリーン料金は、平日料金、ホリデー料金(土曜。・日曜・祝日)と分かれており、事前料金(駅購入)と車内購入、50km未満と51km以上に区分。平日は、50km未満で車内1000円/駅750円。51km以上で車内1200円/駅950円。ホリデー料金で50km未満車内料金800円/駅550円。51km以上で車内1000円/駅750円、となっており、休日が割安に設定されているのを見ると、やはりこの列車は通勤電車なのか、という印象だ。

Img_9908  美しい車窓からの情景に心落ち着くひと時・・・、って、なんだあのフネは!?、シルエットからみて海洋調査船か!!、カメラ、ああ、300㍉ISじゃなくて18~200㍉しか、バックに望遠!?、出し、いや、間に合わない、ええいシャッター!!!。というところで撮影した学術研究船『淡青丸』。一瞬、海洋調査船『なつしま』かと思ったが、小さいので、帰宅後調べてみると東京大学海洋研究所の『淡青丸』(総トン数610㌧)と判った。近海調査にあたるフネで、駿河湾上の貴重な一枚。

Img_9910  列車は、間もなく熱海に。最長で、東京を発車したのち、熱海よりやや向こうの沼津や伊東まで、グリーン車連結の車両が運行されており、三浦半島に久里浜まで、房総半島の君津や成田空港まで、新宿や上野を基点として高崎や前橋。北関東の宇都宮、黒磯まで、運行されている。

Img_9919  二階席からの快適な座席に美しい眺望を満喫しつつ終点の熱海駅に到着。乗り換えにJR東海の313系が待っていた。313系も、クロスシート仕様ではなく、ロングシート仕様のものが停車している。ううむ、快適なのは確かだが、リクライニングしなくてもいいので、223系や2000番台以外の313系のような車両も、JR東日本の近郊車に導入されては、どうかな、とも思ったりする。

HARUNA

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判明!SL北びわこ号用客車・489系修学旅行団体列車

2008-04-21 19:26:30 | コラム

■その後の調査により・・・

 2008年3月12日記事()を掲載した後、その後の調査により、というか、偶然の産物ともいうえるのだが、詳細が判明したこともあり、掲載したい。

Img_6344  最初にひとつ。名古屋高裁のとある判決を契機として、某幕僚長が述べた『そんなの関係ねぇ』発言。司法軽視というか、不謹慎というかは置いておいて、もう少し、一国の防空を担う機構の責任者としての品格は無いのものか、と。お笑いタレントの言葉を引用したとしても、後世に残る発言記録としては、また、海外メディアや研究者の捉え方に好影響を及ぼすとは考えられない。品格をもった組織になるよう体質改善を期待したい(写真は無関係に113系体質改善車と223系新快速)。なお、判決については後日、検証したい。

Img_8392  上野駅に到着した急行『能登』。金沢駅と上野駅を結ぶ夜行急行で、いまでは貴重な存在となった489系ボンネット車にて運行されている。1月20日、この貴重な489系ボンネット車が、新大阪駅に停車していた旨は既報であるが、この団体列車について、詳細が判明した。

Img_0110  鉄道ピクトリアル誌803号によれば、10本のスキー修学旅行臨時列車が運行され、写真の車両と同型の489系の他に、『雷鳥』で親しまれる485系、『きたぐに』で知られる583系電車などが、神戸~直江津間で運行されたようだ。旧国鉄車両での修学旅行は列車ファンのみならず、様々な施設を有する489系や485系、583系による旅行は楽しめたのではないだろうか。

Img_6336  山崎駅にて寝台特急の撮影を終了した3月6日の0834時、客車を牽引したEF65電気機関車が京都方面から大阪方面に山崎駅を通過した。一応、その第一報記事では、SL『北びわこ』号の車両ではないか、と憶測を掲載したが、どうやらそれが正解のようだ。写真は米原機関区にて試運転を行うC-56型蒸気機関車。

Img_6341  そのすぐ隣に、EF65電気機関車と客車という、あの日、山崎駅で見た編成と同じ状態の車両が停車していた。SL『北びわこ』号は不定期運行の観光列車、米原~木之本駅間で運行され、乗車券と指定席券で乗車可能だ。滋賀県HP()によれば、この春も4月27日・29日・5月3日・5日に運行が予定されているとのこと。

HARUNA

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