北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

すがしま型掃海艇 すがしま・のとじま・つのしま名古屋寄港 一般公開

2009-04-30 19:08:30 | 海上自衛隊 催事

◆MSC-SUGASHIMA CLASS

 機雷とは、重量で500~1000kg、例えば潜水艦の魚雷一本に代えて二発搭載でき、場所によっては敷設も容易だ。他方で、一旦敷設されると、掃海が完了するまでの間、非常に危険な障害物となる。

Img_0350  機雷は、最も効率性が高い兵器の一つに数えられ、例えば、日本の主要港湾施設沖合に航空機や潜水艦により機雷が敷設されれば、掃海が完了しない限り日本経済は多大な被害を受けることとなり、国家機能そのものが麻痺してしまう。ペルシャ湾、ドーバー海峡、マラッカ海峡、北米東岸などに大規模な機雷敷設が行われれば、世界経済にも大打撃となる。このため海上自衛隊は継続的に掃海艇や掃海艦などを整備し、海上交通の維持に努めている。

Img_0342  今回、名古屋港に、すがしま型掃海艇3隻が揃って入港したとのことで、見学に足を運んだ。本日は、この一般公開についてお伝えしたい。今回名古屋港に入港したのは、横須賀地方隊第41掃海隊に所属するMSC-681すがしま、MSC-682のとじま、MSC-683つのしま、の三隻である。

Img_0250  すがしま型掃海艇は1991年のペルシャ湾機雷掃海任務の戦訓を反映し、国産の掃海器具よりも技術的に進んでいる外国製掃海器具を採用しているのが特色だ。1999年から12隻が建造された掃海艇で、基準排水量510㌧、満載排水量590㌧、全長54㍍、幅9.4㍍、喫水3.0㍍。ディーゼル機関2機を搭載し二軸推進、機関の出力は1800馬力あり、最大14ノットを発揮することができる。乗員は45名となっている。

Img_0188  挨拶し見学のために甲板へ。そこに置かれていたのは20㍉多銃身機銃JM61。航空機用のバルカン砲の艦載用で、射程は4500㍍、発射速度は毎分450発となっている。機雷は自由に漂流する“浮遊機雷”、海底に錨などで繋ぎとめられて水中に浮いている“繋留機雷”、海底に置かれている“海底機雷”、そして自ら目標に向かって移動する“移動式機雷”に分けられる。

Img_0279  機関砲は繋留機雷を係維掃海具で浮上させたさい、銃撃して処分する際に用いる。ちなみに、機雷の起爆方式は、船舶と接触すると起爆する接触型、船舶から発せられる音に感応して起爆する音響型、船舶の素材である金属に反応して起爆する磁気型などがあり、掃海艇は様々な方式で設置され、多種多様な方式で起爆する機雷を相手に一つ一つ処分してゆく。

Img_0212  掃海艇の艦橋に進む。艦橋の上にはOPS-39航海レーダーが設置されている。掃海艇そのものが磁気を帯びて磁気機雷にやられないよう、掃海艇の船体は木製で、掃海艇そのものがエンジン音を響かせて機雷にやられないよう掃海艇は機雷掃海時にはディーゼルエンジンを停止し、補助電気推進に切り替えて運用される。

Img_0213  掃海艇が機雷に接触してやられないよう、イギリス製の可変深度ソナーである2093型機雷探知機が装備されている。使用可能深度は300㍍まで、使用可能速力は12ノットまでとなっている。すがしま型掃海艇は、艦橋の前、上甲板に機雷探知機室が置かれているのだが、傍目からみると、艦橋からの視界を妨げているのでは?という素朴な疑問があった。しかし、機雷探知室は船体の縁の線に沿っており、視界は良好、ということが今回乗ってみてわかった。

Img_0284  なお、掃海艇は、小型であることも含め、波浪には護衛艦と比べると弱い。そのためだろうか、舵手の目の前には吊革(?)が配置されている。すがしま型掃海艇に続き、ひらしま型掃海艇が建造されているが、どちらも波浪には苦しめられるとのこと。ううむ、水平線が見えない揺れ、確かに酔うだろうなあ、・・・、御苦労さまです。

Img_0287  双眼鏡、護衛艦のものよりも少し小ぶりだ。すがしま型掃海艇は、煙突が二本となった構造が特色だが、これは艦橋からの後方視界確保という狙いがあった。しかし、実際に運用してみると、そこまで後方視界が確保されたわけではなく、すがしま型の次に建造された、ひらしま型掃海艇から、再び煙突は一本という設計に戻されている。

Img_0230  士官室、艦橋の下に配置されている。ちなみに、掃海艇にも護衛艦のCICにあたる部署がある。これは機雷戦情報室といい、艇内に設けられている。すがしま型には対機雷戦情報処理装置NAUTIS-Mが搭載され、掃海任務に完璧を期す。士官室の下には科員居住区が配置されている。

Img_0225  科員食堂。テレビが置かれており、その上には神棚もみえる。椅子は金属製でかなり重量があり、これは海上自衛隊の艦艇全般にいえることだが、波浪に伴う動揺によって、物品などが散乱し破損しないよう何らかの措置が取られている。地震対策には参考にしたいというのは、個人的な感想。

Img_0222  自販機も置かれている。自販機は、やはり護衛艦のものと比べると小ぶりだ。なお、磁気を帯びないために木製となっているが、意外なところも木製となっているのに気づく。加えて木製となっていることで、老朽化は比較的早い。このため、最新型の掃海艇はFRP製となる予定だ。

Img_0246  PAP104自走式機雷処分具、フランス製だ。レールに載せられて二基が上部構造物に搭載されている。一種の水中ロボットで、水中速力6ノット、運用深度は最大300㍍で、動力は電池式。機雷を発見すると搭載する炸薬重量100kgの処分用爆雷を用いて処分する。後部の掃海ダビットにより海中に降ろされ、運用する。

Img_0251  水中処分員用の各種装備が置かれていたが、目についたのは超音波探知機。東宝のパニック映画“東京湾炎上”で藤岡弘がタンカーにて使用したものだ。テロリスト役を演じた水谷豊の演技も含め大好きな映画なのだが、映画の中で重要な役割を果たした装備の実物、映画では横須賀の水中処分隊が出ているという場面なので、まさに、この探知機だ!。もう、小生、感動。

Img_0252  1975年の東宝映画、“東京湾炎上”は、東京湾の超大型タンカーアラビアンライトがテロリストにシージャックされ、タンクに爆雷が仕掛けられたという作品。タンカーが爆破されれば首都圏はコンビナートへの誘爆で壊滅的打撃を被る、テロリストの要求を前に政府の決断は、そしてタンカーの乗員はどう立ち向かうか!、原作は田中光二、“爆発の臨界”。

Img_0260  訓練用機雷も展示されていた。形状は、ペルシャ湾掃海任務で回収したイタリア製海底機雷“マンタ”とよく似ている。マンタは、当時、新型の機雷で、敷設深度2.5~100㍍、機雷としては小型だが、炸裂すると中型の水上戦闘艦までは大きな打撃を受けるという機雷だ。このほか、訓練用機材などが一般公開されていた。

HARUNA

[本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる]

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昭和の日特集 鉄路を行くブルートレイン・夜行急行・特急・通勤・近郊電車

2009-04-29 23:08:52 | コラム

◆今日は昭和の日

 本日は昭和の日、ということで、昭和を思わせる鉄道車両から最新型車両まで、ブルートレインから夜行急行、特急から通勤電車、近郊型まで、先日、首都圏に足を運んだ際、撮影した写真から厳選して掲載したい。

Img_0473  中丸忠雄氏が亡くなったとのこと。胸部動脈瘤破裂、76歳。日本のいちばん長い日、にて演じた椎崎中佐、無条件降伏に反対する陸軍省軍務課員の役は、正直怖いほどという印象。ちなみに、人に勧める歴史映画は?と問われれば、小生は、日本のいちばん長い日を筆頭に勧めます。また、独立愚連隊西へ、でスパイか脱走兵か謎に包まれた金山中尉を演じている。

Img_7319  SF愛好家であれば日本沈没の邦枝秘書官、特撮ファンならば大鉄人17の佐原博士、時代劇ファンなら三船プロの大忠臣蔵にて演じた神崎与五郎や東野英治郎の時代の水戸黄門にて演じた謎の絵師石塚清正なんかを思い出す。謎の、というような雰囲気を醸し出す、俳優の方であった。ご冥福を祈りたい。

Img_7325 東京駅に停車する200系新幹線。ここから鉄道特集です。上越新幹線・東北新幹線用に開発された新幹線特急電車で、東海道山陽新幹線の0系と比べ積雪地域を走行することから車体下部が覆われており、車体前面も斜度の高い流線形を採用している。やまびこ、なすの、とき、たにがわ、として運用されている。最高速度245km/h。

Img_0465  急行能登。赤羽駅で撮影。上野駅と金沢駅を結ぶ夜行急行で489系電車にて運行されている。489系は、485系のファミリー。寝台車こそ連結していないもののグリーン車、指定席車、女性専用車、自由席車に加えロビーカーを有する夜行急行。上野から大宮、熊谷、高崎と出て、直江津から糸魚川を経て、黒部、富山、金沢に至る。

Img_0516  ブルートレイン、寝台特急北陸。EF-64電気機関車にけん引され八両の客車が上野に向かってラストスパート。走行距離は517kmと日本最短の寝台特急ながら編成の半分は個室寝台、安価な往復割引切符も販売されており、非有効時間帯の移動を最大限実現した寝台特急の強みを最大限活かした列車。

Img_0557  EF-64電気機関車にけん引されてブルートレイン、寝台特急あけぼの、が上野駅に向け快走する。あけぼの、は上野駅と青森駅を結ぶ寝台特急で、個室寝台から特急料金のみにてリネン類を省いた開放B寝台を利用できるゴロンとシートなど様々な輸送需要に対応した寝台特急だ。

Img_6733 あけぼの、赤羽駅で撮影した編成は通常、この塗装のEF-64電気機関車にて牽引される。ブルートレインは年々少なくなってきてはいるものの、上野駅を起点とするブルートレインには、このほか、札幌と上野を結ぶ北斗星などが挙げられる。少なくなったとはいえ、まだ最後の旅客需要は残っているようだ。

Img_0613  ここからは特急。特急あかぎ。上野駅/新宿駅と前橋駅を結ぶ特急。185系は、1987年に国鉄から登場した特急。それまでの485系特急電車から新世代へと転換を目指した特急車両。デビュー当時は、転換式クロスシートであったが、現在はリクライニングシート化されている。最高速度110km/h、JR西日本などで快速用に導入された117系と似ているが、部品の互換性もあるようだ。

Img_7748   E351系電車スーパーあずさ。新宿駅で撮影。1993年に導入された特急電車でVVVFインバータ制御方式を採用、カーブを高速で走りぬけられるよう制御付き自然振り子制御装置を採用。特急スーパーあずさ号は、新宿駅から高尾、甲府を経て松本に向かう特急。松本から南小谷へ、新宿から東京や千葉まで延長運転される列車もある。

Img_7702  E257系特急あずさ。2001年からJR東日本が国鉄時代の特急車両の置き換えを目指して開発した電車。車体の制御には、既に導入されていたE231系電車などが参考にされている。斬新なデザインということで注目を集め、2002年に鉄道友の会からブルーリボン賞を受賞している。

Img_7477  スーパーひたち号として運行される651系特急電車。スーパーひたち号は上野駅から、土浦や石岡、勝田を経て日立、いわき駅までを結ぶ特急。651系は、485系の置き換えを目指し1988年から導入が開始された特急用車両で、在来線特急としては初めて130km/hの営業運転を可能とした車両。ブルーリボン賞を受賞している。

Img_6728  E653系電車。スーパーひたち号などにも運用されている車両なのだけれども、残念ながら暗すぎて判別は出来なかった。このE653系も651系と同じく485系電車の代替として開発された電車。国鉄の一時代を築いた485系は、その後継車両にて日本の特急網に彩りを備えているが、高い運転台の位置など、その面影を垣間見ることができる。

Img_2210  成田エクスプレス253系。東京と成田空港を一時間当たり二本運行し連絡する特急として1991年から運行を開始した。130km/hでの営業運転が可能だが、間もなく新型車両が導入され、淘汰が始まるようだ。国際空港に向かい特急ということもあり、グリーン車の一部には個室も設けている。

Img_6791  201系。ここからは通勤電車。201系、しかも青梅特快運行に充当されている。中央線の残り少ない201系だ。1979年に、回生ブレーキを備えた省エネ電車としてデビュー。大阪環状線など、JR西日本ではかなりの数が現役であるが、JR東日本ではかなりの数が廃車となっている。

Img_2163  205系電車。1985年に導入され、国鉄民営化後もJR東日本、JR西日本で製造が続けられた。205系は、山手線の標準電車として運行されていたが、新型車両により置き換えられており、写真の埼京線や川越線、南部線、横浜線、相模線などで運行されている。ちなみにJR西日本では、阪和線にて103系とともに仲良く頑張っている。

Img_7467  山手線のE231系500番台と京浜東北線の209系。この209系は、機器を簡素化することで低コスト化を目指した電車であるが、その分、車体寿命も短いとされる。209系、初めて雑誌でこの車両を見た際に、209系の近代的な外観に衝撃を受けて以来、個人的に好きな車両だ。

Img_7658  中央線運行につくE-233系。E-233系は、デビューするや中央快速線の201系をあっという間にわきに追いやってしまったほどの大量生産。最初の一年で800両近くが導入された。ステンレス車体を採用しており、通勤輸送の快適化を期して車両限界ぎりぎりまで車内空間を広げたのが設計上の特色。

Img_0443  こちらは京浜東北線運行につくE-233系。京浜東北線というと209系を思い浮かべるのだが、E-233系により209系を置き換えることとなっており、これによって京浜東北線用だけでも、さらに800両程度が増強されるとのこと。これからの首都圏通勤電車の基本形となるだろう電車。

Img_0588  211系電車。ここから近郊型電車の特集。といっても、今回は横須賀に行かなかったので、扱っている種類は限定的だ。211系は、国鉄時代の1985年に導入された電車で、民営化後はJR東日本、JR東海などで運用されている電車。近郊型であるので、グリーン車や、ボックス席を有する配置を採用している。

Img_0572  E-231系1000番台。湘南新宿ラインの運行についている車両で、中間にはダブルデッカーのグリーン車を連結している。グリーン車といっても、急行や特急のグリーン車と違い、距離ごとにかなり割安で乗れる、名鉄や南海の特急指定席車という扱いに近い。乗り心地はよく、できれば、これで長距離急行列車を、と思ってしまう。

HARUNA

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名古屋鉄道 7000形パノラマカー最終運行日を発表 2009年8月30日

2009-04-28 22:50:24 | コラム

◆パノラマカーXデイ

 名古屋鉄道は、このほど、名鉄の代名詞として1961年以来活躍を続けたパノラマカーの最終運行日について発表を行った。

Img_3325  パノラマカー最終運行日は、2009年8月30日の日曜日。当日の運行日程は現段階では未定で、決定次第名鉄HPなどで発表されるとのこと。これにより、日本初の前面展望車を備え、例外を除き特別料金を必要としない電車として親しまれたパノラマカーの長い歴史は、ついに幕を下ろすこととなる。

Img_3370  現在は団体列車運行を除き、固着や劣化を防ぎ、電車としての機能を維持するための機能保全運転が月に数回行われるのみで、通常運行からは引退している。なお、最終運行日までの間、名古屋鉄道では、今後、毎月一回程度、パノラマカーの特別列車を運行するイベントを開催する予定としている。

0810img_5660_1  5月のパノラマカーイベントは、「名称列車カルテット1DAY」というものが予定されている。犬山遊園駅を1015時に名鉄岐阜に向けて出発。名鉄岐阜を三柿野に向けて1054時に出発、三柿野を御嵩に向け1214時に出発、御嵩を新鵜沼に向けて1314時に出発するイベント列車で、それぞれ異なったヘッドマークを掲げて運行する予定。

Img_3113  乗車定員は230名で、5月2日0900時から東岡崎駅サービスセンター、名鉄名古屋サービスセンター、名鉄岐阜サービスセンターにて乗車券を販売予定。価格は3500円(子供1750円)とのことで、乗車券購入のための泊まり込み及び張り紙・ノート記帳による順番待ちは認めない、と名鉄は発表している。

0810img_5707  気軽に乗れる展望車ということで、好評を集めた名鉄7000形、ここまで遠くなってしまったのだなあ、というのは正直な感想。京阪8000系のダブルデッカー車に負けている印象もある。次の空港特急や、長距離急行用車両として、パノラマカーの名を継ぐ、展望車を備えた名鉄らしい車両の登場を期待したいところだ。

HARUNA

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1000000アクセス突破 2009.04.27 1800時 Weblog北大路機関

2009-04-27 23:52:28 | 北大路機関特別企画

◆アクセス解析から100万アクセスを突破

 Weblog北大路機関は、2006年10月のアクセス解析開始以来、一つの節目となる100万アクセスを、2009年4月27日1800時頃、突破しました。ありがとうございます。

Img_4347  Weblog北大路機関は、もともと、ヘリコプター護衛艦はるな除籍をもって閉鎖する予定でしたが、一つの区切りと考えていたものの、アクセス数が予想以上に伸びまして、本ブログを以て安全保障や防衛への興味を深められた方、現職やOBの方から寄せられるコメントに支えられる形で、とりあえず、くらま、が現役の間は頑張ろうかと考えている今日この頃。

Img_1359  Weblog北大路機関は、度々のべている通り、神戸の大学関連の慰労会にて酒豪の先生方の真ん中に座らせていただき、都合紹興酒瓶二本ほどあけ、酔ってはいるがなんとか京都に帰らねば!という帰路、乗換の阪急十三駅ホームにて、特急の待ち時間に立ち上げられたWeblogで、もともとは、撮影できた出来のいい写真を載せるためのものでした。

Img_4493  それまで、写真はフィルム式中心でして、現像などを考えますと、撮影枚数はせいぜい、36枚撮りフィルム10本程度であったわけなのですが、2005年夏にデジタル一眼レフを導入しまして、富士総合火力演習から初めて本格的に運用を開始、次の今津駐屯地祭からデジタル中心となり、数をこなすことで、写真の構図にも慣れが出てきた次第。

Img_2077  なぜかお天気運に恵まれていまして、岐阜基地航空祭05、東千歳駐屯地祭06を例外としまして、台風接近下の豊川駐屯地祭や大雨洪水警報状況下の小松基地航空祭、今津駐屯地祭でも、撮影できる程度の天候に恵まれ、昨年、一昨年の富士総合火力演習では、富士学校の方でも、これは間もなく降ります・・・、と仰られたのに、当方、多分大丈夫でしょう!と言ってみますと、実際、大丈夫になったりした次第。上賀茂神社のご利益と信じているのですが、嬉しい出来事です。

Img_2618  はるな、入港の様子は、実は撮る機会に恵まれず、なにしろ出入港予定などは部外秘ですから、朝雲新聞の日程を元に、護衛艦はるな、のリムパックからの帰国を撮ろう!ということに。日程に併せ横須賀に足を運びますと、沖合に、はるな、が停泊していまして、その隣を公試中の、ひゅうが、が航行しており、偶然撮影することが出来た、という幸運がありました。

Img_0025  また、超望遠などを準備していますと、偶然、稀有な組み合わせの機体を撮ることもできまして、写真のXP-1とT-4、これは高速度飛行試験の支援のために編隊を組んでいたと思うのですが、撮影出来たりもしました。もしかして、こういう運も多少はあるのかな?とも考えたりしました次第。

Img_2386  Weblogを始めまして、得たもっとも貴重なものは、縁でしょうか。様々な方と知り合うことができました、土砂降りの今津の整備格納庫で一緒に雨宿りしました御一行とは、その次の守山でお会いしまして意気投合、今や、遠征に同行させてもらうほどの交流をもちましたし、この他にもここには書ききれないほどの御縁を戴きました。

Img_0055  特に、これまでは、様々な所、自衛隊関連行事はもちろんですが鉄道関連の写真を撮影に行く際、名鉄、阪急、京阪の一部を除けばどこから撮ればいいかなど知ることはできるわけもなく、様々な方にお教えいただいたお話は、貴重な財産と言っても良いほどで、この場を借りてお礼を申し上げます。

Img_0327  さて、Weblog北大路機関ですが、当方の事実関係の限界などから、数字や資料分析の誤りなどがありまして、指摘されることがあります。毎日掲載することができ、その範囲内で極力正確で充実した記事を目指しているのですが、強い口調で誤記を指摘され、加えて、更新優先の姿勢について疑問符を頂いたこともありましたが、続いてこそのWeblogと考えていますので、こちらは多目に見ていただければ幸いです。

Img_4817  また、大学院での研究という本業もありますので、どちらを優先するかと問われれば、それはいうまでもありません。多忙な時期になりますと、記事の質低下というかたちで判りやすく表面化するのですが、同時に検証についても、限界のラインは低くなります。こちらはご容赦いただければ幸い。

Img_8126  当方の研究は、過去に幾度か記しましたが、レジーム論という分析手法を用いて、軍備管理体制、軍縮国際法の形成や欧州安全保障協力会議やNATO,WPOなど国際機構を分析し、東西冷戦は第三次世界大戦へ繋がらず、単に偶然終結したのか、平和裏に終決して然るべき経緯があるのかを検証、これを元に次の冷戦が生じた際、次の大戦への道を回避するための方策を模索することです。

Img_4564  従って、マクロ的な視点に偏っているという認識のもとで、すべての物事を図っていますので、純軍事的なカタログデータや数字は、極力正確は期するのですが、やはり限界はあります。一方で、書架に囲まれ、最低限の資料は揃っていますので、出来る限り、出来のいい記事を作成してゆきたい、という信念はあります。

Img_7279  一方で、お気づきのかたは多いかもしれませんが、後日詳報としてお伝えします、と記載したのに、詳報の掲載に至っていない行事はかなりあります。鉄道関連は、予備ブログ2北の創設でかなりの割合を掲載することができるようになりましたが、これは別のHPなどを立ち上げない限り、掲載は難しいやも、と考えている行事もありまして、今後の課題です。

Img_1717 榛名山が見える相馬原駐屯地祭。このほかに、平成の大修理が終了した東本願寺や、先日足を運びました榛名神社、ブルートレインを筆頭に首都圏鉄道網など、これからも様々な記事の作成を計画しております。零細時間の有効利用に適した構成に尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。最後になりましたが、本ブログ、北大路機関を支え、またご覧になってくださる皆様、今後もよろしくお願いいたします。

北大路機関 HARUNA

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横須賀地方隊第41掃海隊 掃海艇すがしま・のとじま・つのしま 名古屋寄港

2009-04-26 22:43:01 | 海上自衛隊 催事

◆掃海艇3隻揃って名古屋港へ入港

 本日は速報記事ということで、掲載。本日、名古屋港に入港した横須賀地方隊第41掃海隊の掃海艇三隻を見学してきました。

Img_0345  横須賀地方隊の第41掃海隊は、新鋭の、すがしま型掃海艇三隻からなる部隊で、今回、掃海隊司令の松永貢3佐指揮のもと、揃って名古屋港に入港した。入港は、名古屋港のガーデン埠頭で24日金曜日に入港、土曜日、日曜日に一般公開を行い、本日日曜日の1700時、名古屋港を出港した。

Img_0330  すがしま型掃海艇は、湾岸戦争後のペルシャ湾掃海作戦ガルフドーンの戦訓を受けて建造されたもので、それまでの掃海艇と比較して進んだ面などが幾つかあり、今回、念願の見学が実現した。掃海具等をはじめ、興味深い写真を撮影することができたのだが、詳しい内容は後日掲載したい。

HARUNA

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メキシコで新型インフルエンザ発生の疑い 日本はどのように邦人を保護するか

2009-04-25 22:26:22 | 国際・政治

◆WHO緊急会合間もなく開始、邦人輸送の観点から

 防衛省は、新型インフルエンザの流行禍が発生した場合、部隊内での防疫により防衛応力を維持するとともに、海外での新型インフルエンザ発生の場合には在外邦人の輸送を実施するとの対策計画を立てている。

Img_9765_1  NHKが本日1900時のニュースにて報じたところによると、メキシコ保険証はメキシコ市を中心に豚インフルエンザが広がっており、この二週間で感染を疑われる症状の患者が1000名余りに上っている。これまでに68名の死者が出ており、メキシコ政府は市民に対し、感染を防ぐためなるべく自宅に待機するよう呼び掛けている。既に小学校から大学まで、休校の措置がとられているが、アメリカ疾病予防センター(CDC)によればアメリカでも隣接するカルフォルニア州などで8名の感染が確認されているが、病状は回復しているとのこと。

Img_8660  CDCによれば、豚インフルエンザはH1N1型で、ウィルス遺伝子が一致したと発表されている。なお、豚インフルエンザは本来、人に感染する性質のものではないが、豚に頻繁に接触する場合には感染することもあるとのこと。一方で、感染者の中には普段の生活で豚との接触の無いケースでも感染の事例があるということで、人と人との艦船の疑いが出ているとのこと。世界保健機関(WHO)は、流行禍(パンデミック)に進展する可能性があり、警戒を強めている。WHOは、今回の事案に対して警戒態勢を高めるか日本時間の2300時に緊急会合を開くとのことだ。

Img_9760_1  在外邦人の救出には、自衛艦及び航空機が用いられるが、輸送艦や掃海母艦、補給艦などの自衛艦では進出に時間を要し、陸上自衛隊のヘリコプターでは航続距離が不足するため、基本的には航空自衛隊の輸送機、政府専用機などが出動することとなろう。今回、メキシコでの新型インフルエンザが、流行禍に拡大した場合、航空自衛隊がアメリカとメキシコに派遣される可能性もあるが、仮に拡大した場合、アメリカ、メキシコには、在外邦人が多すぎるため、小牧のC-130H輸送機16機、千歳の政府専用機B-7472機、仮に全部派遣したとしても一度に1000名程度を輸送するのが限界であろう。

Img_0185_1  入間基地と美保基地にC-1輸送機が配備されているが、もともと沖縄返還前の設計の輸送機であり、残念ながら入間基地から沖縄の那覇基地に飛行する際にも搭載量を減らし、燃料を多く搭載した機体でなければ飛行できないほど、航続距離は限られている。もちろん、入間から那覇まで飛行することを考えれば隣国までの飛行は可能で美保基地を拠点として韓国へ、那覇基地を拠点として上海へ飛行するのであれば、なんとか対応できるだろうが、搭乗できる人員は、手荷物を減らした状態でも60名程度。また、太平洋を渡ることは、フェリーであっても、かなり難しいといえる。

Img_9442  航空自衛隊の輸送機がこれだけ少ないのは、国会において輸送機は兵員を輸送できるものであり、余り数が多いと外国に対する武力攻撃に使われるのではないか、という疑いを周辺国に与える、との論旨の指摘が野党から出されており、周辺国に脅威を与える、として最低限の数しか保有できなかった、という事情が背景にある。ただし、こういうものは対外政策により周辺国への脅威は決まるものであり、装備の数からだけでは決まるものではないのだが、実際、航空自衛隊の輸送機が少ない背景には、こうしたものがあることは動かぬ事実である。

Img_0017  空中給油輸送機KC-767が本格的な部隊運用ができる状態となり、現在開発中で中々初飛行に至らない次期輸送機C-Xが、C-2輸送機として配備されたならば、特にC-XはC-1よりもかなり航続距離、搭載量などが増加しており、対応できる任務の幅も広がると考えられるのだが、一億以上の国民が暮らしを営む日本を拠点に、盛んに経済活動や就学、旅行などの目的で世界中を行き来しており、在外邦人に万一のことがあった場合への備え、在外邦人救出を行うことを考えると余りにも輸送機が不足しているのではないか。

Img_0685  少なからず、日本の防衛力を、隣国と兵器の数だけで比較する事例が見受けられるが、基本的に日本は離島を含めると面積は極めて広大であり、国民の数も多い。そして経済活動は盛んであり、その活動範囲は世界中に及んでいる。緊急時において海外の邦人は、他国の善意や良心という例外を除けば保護を受けられるのは日本からだけである。救出の手段一つをとっても、輸送機の不足はもう少し真剣に考えてよいのではないか、と考える次第。また、他国の良心、善意に頼るにしても、経済的にまだ余裕のある日本が、他国の善意という援助を貪るというのは、考えさせられるものがある。

Img_8653  輸送機が新型になるので、輸送能力が増加する、空中給油輸送機を転用するので輸送機そのののが増強される、という次元ではなく、飛行隊の数を含め、輸送能力というものは、考えられていいのではないか。今回は、新型インフルエンザ、しかし、衛生環境と社会基盤の整った国での、という状況を目の前にしているが、そうでない状況はいつ生じるか分からない。他にも国際紛争に巻き込まれた邦人の救出にも輸送機は活躍が期待できると共に、国力の限界に達している国、他国の良心と善意に期待するよりも他にない国へ手を差し伸べることも可能となる。輸送機飛行隊の増勢、この機会に検討すべき命題かもしれない。

HARUNA

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237回 航空自衛隊2008年度スクランブル発進回数

2009-04-24 23:43:37 | 防衛・安全保障

◆領空侵犯事案は無し

 防衛省は、4月23日に2008年度に航空自衛隊が実施した対領空侵犯措置任務での緊急発進、いわゆるスクランブル発進の回数を発表した。本日は、この発表についてを掲載。

Img_1983  2008年度のスクランブル発進は、237回。2008年2月9日の小笠原諸島への領空侵犯は記憶に新しいが、2008年4月1日以降、領空侵犯に至った事例は0件であった。この中で国別の割合は、ロシア機が193回、中国機31回、台湾機7回という内訳である。2007年度における緊急発進の回数は307回であり、やや減少はしている。

Img_7358  2004年には、150回以下となっており、2004年以降一貫して増加傾向にあったことを考えると、一概に減少したという事実だけを受け入れることはできない。しかしながら冷戦期の最盛期では、1000回近い緊急発進を行った年もあったことを思い出せば、減少したことも事実ではあるのだが。

Img_2111  他方、3月17日には、ロシア空軍のTu-95爆撃機2機が日本海の防空識別圏内を本州島に沿って南下、隠岐と国際係争地域である竹島の間を飛行し、再びロシアに戻る事例があり、20日には再び隠岐・竹島間の海域をIl-20が偵察飛行を実施、航空自衛隊は両事案に対し緊急発進を行っている。

Img_2160  これまでは、ロシア機による偵察飛行の多くは、太平洋岸を南下するいわゆる“東京急行”と呼ばれる航路での偵察飛行が多かったのだが、今回のような日本海沿いに南下し、隠岐と竹島を飛んだ今回のような経路、今後、日韓の係争地域を飛ぶ、いうなれば“山陰急行”というような経路に転換されるのかに興味がわく。

HARUNA

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F-15Silent Eagle発表で見えた航空自衛隊F-X、もうひとつの選択肢

2009-04-23 23:32:39 | 先端軍事テクノロジー

◆日米共同でF-15J-2010を開発することか可能か

 航空ファン、AIR WORLD、Jウイング、航空情報、21日発売の航空雑誌を一通り目を通してみると、発表されたF-15SEについての関心はやはり高い。

Img_8743  ヘリコプター搭載護衛艦はるな、が除籍され、横浜で、ひゅうが、が就役した3月18日(アメリカ時間17日)、ボーイングセントルイス工場においてF-15の最新型、F-15SEが発表された。幾つか重要な点を列挙すると、以下の通り。

  • F-15SE初号機は、2010年第1四半期に進空予定。
  • F-15Eの発展型であり対地攻撃能力は高い。
  • 側面のステルス性の向上。
  • コンフォーマルタンクは既存のF-15にも装着可能。
  • 米空軍に対しては現在のところ提案は行っていない。

Img_8537  F-15SEについて、ステルス性の付与は、垂直尾翼を15°傾斜させ、コンフォーマルタンク内に兵装を搭載することにより、側面と正面方向からのステルス性を確保した、という点が強調されており、言いかえれば、エンジンノズル周辺の形状変更はなく、エアインテイク部分の形状変更も行われていない。この点、ボーイング社は空対空戦闘に際してのステルス性はある、としており、言いかえれば地上設置レーダーに対するステルス性については限定的であるということもできよう。もうひとつ、重要な点は、米空軍に提案が行われていないということで、潜在的需要としては、サウジアラビアや日本、シンガポール、韓国などを見込んでいるとのこと。F-15SEは、F-15Eの発展型でもあり、対地攻撃能力は高いものを有するが、加えて、機体規模が開発中のF-35よりも大きく、汎用性の高さという点や双発機であることによる安定性の高さなども利点として挙げることができよう。

Img_9875  さて、2010年に初飛行を予定しているF-15SEであるが、航空自衛隊の次期戦闘機選定を合わせて考えた場合に、時期的にはやはり厳しいものがあることも否めない。F-4の後継機は、本来であれば既に調達が開始されていて然るべきものであり、現段階、本日この時点で決定したとしても、遅い、ということもできるのだ。F-4の後継機を暫定的にF-2の増産などを行って代替でもしなければ、いずれ耐用年数が限界を超えるものが出てくる。しかしながら、F-15SEは、一つの方向性を示しているということもできる。例えば、F-4の後継機に、F-15FXを選定し、その生産基盤を元に、SEやそれ以上の機体を日米共同開発するという提案である。

Img_8601  F-15SE、この機体は限定的ながら空対空戦闘において、ステルス性を付与したものであるが、垂直尾翼とコンフォーマルタンク内蔵方式の兵装搭載を除けばステルス性ではF-15Eから前進した点は少ない。もちろん、レーダー波吸収塗料などを採用しているが、その効果には限界があることも事実である。そこで、F-15そのものが、基本設計を活かしてSEのように発展させることが可能なことを示した、ということに着目したい。つまり、F-15は、まだまだ“将来発展性”を秘めた戦闘機であるということだ。機体が大きいことから、発展性を詰め込む余裕があったといえる。

Img_9891  F-15Jのエアインテイク部分、主翼形状、後部のエンジンノズル部分にも変更を加え、可能であれば、コンフォーマル方式の兵装収容部分を最大限大型化するという、次世代F-15を、日米共同開発することが出来ないか、という可能性である。技術研究本部で開発されている先端技術実証機の技術を応用し、F-15を改修する、もしくは、F-16を基本としてF-2を開発したように、F-15を基本とした新しいイーグルを開発できないか、という意味だ。F-4の後継機として、F-15FXを選定、加えて、同時並行により、三菱重工とボーイング社が、F-15の発展型を開発。機首形状の変更やエアインテイク形状の変更、主翼形状の変更、コンフォーマルタンクの大型化、エンジンノズル部分の変更。F-15を元にした、という点を除けば、別の機体に見えるような航空機を日米共同開発する、という選択肢は生まれないだろうか。

 2010年代のF-15J,仮にF-15J-2010、というべき機体の開発だ。

Img_8474  かりに、F-15Jの近代化改修に対応しないいわゆる非MSIP機を代替する後継機が、国産機とするには、技術的に大きな問題があり、欧州機を導入する際には政治的技術的、また運用思想の相違などに起因する見える、見えない障壁が存在する、といえる。また、国産機を開発する場合、戦闘機に搭載可能な大出力のエンジン、戦闘機の性能を左右する大きな要素がエンジンなのだが、日本には独自に大出力の戦闘機用エンジンを開発する能力が無い。一方で、日米共同開発というかたちであれば、エンジンの有償供与、つまり購入、もしくはライセンス生産するという道が開ける。F-15をもとに、日本の航空産業が苦手とする部分を、アメリカからの技術提供で克服し、ステルス性が高く、航空自衛隊が求める高い空対空戦闘能力を有する、21世紀のイーグルを開発する、ということは不可能ではない可能性がある。

Img_8556  次世代の戦闘機に求められる能力はどの程度か、少なくとも、空対空戦闘、対地対艦攻撃能力の向上だけでは終わらず、情報共有・共同交戦能力の付与を行うことで、部隊間データリンクや電子・光学情報収集など多岐に及ぶ任務に対応することが必要となる。F-15を近代化改修、本論の論調を忠実に表現するならば、F-15の再設計というかたちとなるが、その機体がどこまで次世代の航空機として通用するかは未知数ながら、実施することに意義はあろう。日米共同開発により、日本の要求する性能に合致する機体を開発することができるのも確かだ。他方、F-15FXとともに開発を行えば、生産基盤を流用することができ、運用コストなどにも好影響を及ぼすことができる。F-15J近代化改修機、RF-15偵察機が現在開発ないし改修が進められており、ここにF-15FX,そして日米共同開発による次世代F-15を開発すれば、将来的には航空自衛隊の装備体系はF-15を中心としたものとなり、2050年代まで運用は続くこととなろうが、日本が育てたイーグル、というものであれば、独自の近代化改修も可能となる為、将来においても必要な抑止力を発揮することができるようにおもう。

 なお、今回の記事に用いた写真は、すべて岐阜基地航空祭2008において撮影したF-15Jの写真である。

HARUNA

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ありがとう!99万アクセス本日突破 Weblog北大路機関アクセス解析開始から

2009-04-22 22:04:32 | 北大路機関 広報

■990000アクセス突破

 Weblog北大路機関、現在もWeb改選が不調で、速度の遅い予備回線からの更新です。今実、OCN Blog人サービスは、動画の掲載も可能となったようですが、北大路機関は、これまで通りです。

Img_4174  こうしたなかで、Weblog北大路機関は、本日、アクセス解析開始から99万アクセスを突破したようです。たくさんのアクセスありがとうございました。もともとの北大路機関が誕生したのは2003年、Weblog北大路機関が阪急十三駅にて誕生したのは2005年7月29日。アクセス解析の開始は、2006年10月、ちょうど伊丹駐屯地祭と伏見稲荷大社の特集を掲載した際に、容量不足が深刻となり、有料サービスとして容量の増加とサービスの向上を設定した際に新しく開始されたサービス。

Img_9716  自衛隊関連行事や安全保障系の研究会などに足を運びますと、読んでくださっている、という方と遭うことも多々あります。Weblog北大路機関は、もともと、ここまで大きくなるとは考えていませんでしたので、恐縮すると共に零細時間の有効利用(暇つぶし)に最適なWeblogを目指しこれからも頑張っていきます。

Img_6976  概ね1500以上のアクセスを戴きまして、時には、3500アクセスという、一日では考えられないアクセス数を記録したこともある次第。何分、Weblog記事作成に使える時間には限界があることで、不正確な内容、配慮の足り無いとも取れる内容もありますが、出来る限り、無いようと写真の向上を目指していきますので、今後ともWeblog北大路機関をよろしくお願いいたします。

 しかし、99万というある意味中途半端な数字の前にこの記事、もしかしてコネタですか?と問われますれば、正解だったりします。回線が、ネックになっていますので。

北大路機関

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ソマリア沖海賊事案 海上保安庁ではなく、海上自衛隊が派遣される背景とは

2009-04-21 23:56:00 | 国際・政治

■予備記事ですが・・

 Weblog北大路機関、現在技術的な問題にて記事掲載に大きな支障が出ていますが、予備回線を維持していたので、本日はこちらから掲載。

Img_6052  テレビ報道や黒海議論などで海賊事案に対しては海上自衛隊ではなく海上保安庁が第一に対応し、海上保安庁では対応出来ない場合にのみ海上自衛隊が出るべきだ、という議論があるようだ。これは、例えば、日本近海で海賊事案が発生した場合や、マラッカ海峡などで、海賊行為が発生した場合には、この論調は当てはまる。

Img_6013  海上保安庁は、日本列島の非常に長い海岸線と広大な排他的経済水域における司法警察業務、救難任務を完遂するために、かなり多くの巡視船や巡視艇、そして航空機を保有している。加えて、シージャック事件やプルトニウム輸送任務警護のための特殊部隊も編成しており、特殊部隊SSTは、東南アジア地域における海賊対処任務の教導にもあたっている。

Img_1286  しかし、海上保安庁は、定められた管区において蒸気の任務を行う編成を撮っているものの、管区を離れた遠い海域において、恒常的に巡視船を遊弋させ、保安業務に当たることができるかといわれれば、そこまでの船艇数の余裕は無いと言わざるを得ない。管区とは、海上自衛隊でいえば地方隊にあたり、海上保安庁には、機動運用に当たる護衛艦隊のような巡視船隊は編成されていないのである。

Img_7139  この点、海上自衛隊の護衛艦であれば、アフリカ沖までを想定していたかは定かでは無いが、日本から遠く離れた海域において作戦任務を独立して完遂することを想定して部隊が編成されており、加えて、護衛艦の多くは満載排水量が4000トンから6000トンクラスの大型艦、航続距離も長い。

Img_1617  海上保安庁には、みずほ型巡視船2隻や、プルトニウム輸送護衛任務用の世界最大の巡視船しきしま、などこういった任務に対応できる巡視船はあり、長期間の哨戒任務を想定し護衛艦のような強力な武装を搭載するのではなく、居住性を重視し、みずほ方で8500浬、しきしま、で20000浬以上の航続距離を有している。

Img_7657  しきしま、は海上自衛隊のOPS-14位系列のレーダーも搭載しており、かりに、しきしま、と同じクラスの大型巡視船を16隻程度、国土交通省の予算から捻出し建造するならば、ある程度、海上自衛隊のソマリア沖での任務を代替することが出来るかもしれないが、少なくとも現時点の巡視船の数では不可能である。海上自衛隊に任せた方が、よい。

Img_6043  また、搭載するヘリコプターも、海上自衛隊が運用するSH-60JやSH-60Kは、紹介任務にあたることを想定し機体下部に大型の捜索レーダーを搭載しているが、海上保安庁のヘリコプターは、しきしま搭載の、アエロスパシアルAS-332L1の、わかたか、うみたか、二機を除き民間型を調達しており、警備救難に当たることはできても、哨戒任務にあたることはできない。

Img_7383  巡視船搭載の主力であるベル212型は、写真のように航法で用いる気象用レーダーを搭載し、一部が画像伝送装置とTVカメラを搭載しているのみである。機体の大きさは、ベル212は、SH-60と比べればかなり小さく、重量のある捜索レーダーを搭載することは難しい。軍用型は高価であり、海上保安庁の予算では急に増勢することも非現実的である。

Img_9655  もう一つ付け加えれば、海上自衛隊は、ソマリア沖において船団を組んで護衛する護送船団方式を採用している。こういったかたちでの護衛は、シーレーン防衛の方法として海上自衛隊は創設以来訓練を行ってきたが、海上保安庁では、船団護衛の訓練やコンボイの護衛という訓練は、前述の、しきしま、を例外とすれば行われているとは聞かない。海上自衛隊に一任するのが妥当であるといえるが、他方、護衛艦の対空・対潜装備は、海賊対策には必要なく、外洋哨戒艦の整備や大型巡視船の増勢など、長期的に考えてゆく必要があることも確かではある。

HARUNA

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