北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成三〇年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2018.12.01-12.02)

2018-11-30 20:07:33 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 ウクライナ情勢が突如ロシア軍によるウクライナ艦船拿捕と国境兵力集中により突沸しましたが、皆様プレミアムフライデーをいかがおすごしでしょうか。

 新田原基地航空祭2018、宮崎県の第5航空団第305飛行隊F-15飛行隊と航空教育集団飛行教育航空隊第23飛行隊F-15飛行隊が展開するF-15の基地です。2016年までF-4が配備されていましたが、百里から第305飛行隊と第301飛行隊が交替するかたちで、F-15戦闘機の基地となりました。本年は米空軍F-16機動飛行やブルーインパルス飛行展示も行われます。

 新田原航空祭は0830時のオープニングフライトにて全所属機種による大編隊が組まれます。九州の航空祭は朝一番が一番の規模の大きな編隊で始まり、航空救難展示、0925時からの第23飛行隊機動飛行と続く。本年は航空作戦展示として、第305飛行隊と第8航空団F-2に百里偵察航空隊RF-4のシナリオ仕立展示が1025時より一時間に渡り行われるとのこと。

 百里基地航空祭2018、茨城県は第7航空団の第301飛行隊と第302飛行隊、偵察航空隊第501飛行隊等が展開しています。上記三飛行隊は全てファントム飛行隊、そして百里基地は日本におけるファントム飛行隊発祥の地であり、最新鋭戦闘機F-35により置き換えが開始された昨今、F-4ファントムは岐阜基地飛行開発実験団の数機と百里基地を残すのみとなった。

 百里基地航空祭は日曜日に挙行されますが、土曜日は特別公開日として基地近隣住民や基地関係者家族等を招待し実施されます。飛行展示は本番と同じプログラムで実施され、その様子は招待状の無い方でも滑走路の向かいに在る茨城空港からも、少々の逆光ですが一望する事が出来ます。ファントム三個飛行隊の雄姿、心行くまでに撮影したいものですね。

 峯岡山分屯基地開庁記念行事、土曜日に実施される千葉県南房総市丸山平塚の標高408m愛宕山に所在する第44警戒隊のレーダーサイトです。愛宕山は千葉県最高峰といい、開庁記念日では通常申し込みが必要な千葉県最高峰山頂へウォークラリーにて行く事が出来ます。基地へは自家用車登頂はできず、長狭学園前よりシャトルバスが10分間隔で運行されます。

 さて撮影の話題を。冬支度といいますか、寒い季節となりましたので自衛隊行事を撮影する際にはどういった服装で臨むのか、と考える季節となりました。特にカメラマンベストなどはどちらかといえば夏用と春や秋といった季節用、寒いと撮影する際にも指先が悴んでシャッターを押す際に支障が生じかねません。しかし暑すぎれば汗をかき、結果的に汗が体温を冷やす。

 トレンチコート等で渋く固めたいところです。元々トレンチとは塹壕を示しますので寒い季節の自衛隊行事撮影や基地散策には適しています。ですが、留意したいところは撮影機材が一定以上の重量となりますと、カメラバックの重量がそのまま肩の部分を圧迫し、早い話がカメラバックとの摩擦で傷んでしまう可能性があります。使用頻度にもよりますが。

 革ジャンで格好よく固めたいところで、当方もこれを愛用しているのですが、意外と風を防がないといいますか、下の部分から低温が浸透してくるのですよね。革コートは温かいのですが、正直なところ此れ単体が重い。冬の季節、成程正解というものは無いものなのですが、風邪をひかないように、しかし撮影を良好にできる様、考えてみたいものですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・12月2日:百里基地航空祭2018…http://www.mod.go.jp/asdf/hyakuri/
・12月1日:峯岡山分屯基地開庁記念行事…http://www.mod.go.jp/asdf/mineokayama/
・12月2日:新田原基地航空祭2018…http://www.mod.go.jp/asdf/nyutabaru/index.html

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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百里航空祭2018撮影ポイント,F-4EJ&RF-4-第301飛行隊-第302飛行隊-第501飛行隊

2018-11-29 20:17:10 | 北大路機関特別企画
■世界最大ファントム三個飛行隊
 ファントム三個飛行隊勢揃い、百里基地は自衛隊ファントム始まりの地、ここで一度は見ておきたい百里基地のファントムを。

 百里基地航空祭、いよいよ日曜日に、土曜日に特別公開が挙行されます。茨城県小美玉市百里に所在する百里基地は民間空港である茨城空港と隣接しており、首都圏唯一の航空自衛隊戦闘機部隊基地であるとともに、第7航空団が首都防空の重責を担っています。快晴期待したい。

 筑波山、予科練の進路筑波山へ、との進路で有名な雄峰は霞ヶ浦飛行場跡地は勿論、百里基地からもファントムの背景に構図を決められまして、滑走路の背景、地上展示機背景に。百里基地らしい風景を撮影するのであれば筑波山と航空機、という構図が良いでしょう。

 茨城空港から望見できる百里基地、百里基地航空祭は土曜日に総合予行が開催され、その様子は招待者以外の方も茨城空港側から眺める事が出来ます。茨城空港展望台がありますが、茨城空港にはF-4戦闘機とRF-4偵察機が保存機として並んでおり、この位置が良い。

 ファントム高台、と愛称される小高い丘がF-4保存展示機の近くに狭いながら存在感を示していまして、航空祭予行はこの丘の上から撮影するのが基地の外柵に視界を隔たれる事無く撮影できる好立地で、滑走路の向こう、エプロン地区に並ぶ航空祭会場も一望できる。

 ファントム世界最大の基地、百里基地はF-4ファントムを運用する現在では世界最大の基地となりました。1959年に初飛行迎えたアメリカマクダネルダグラス社製戦闘機は当初空母艦載機として艦隊防空に当っていましたが、空軍が採用し世界中に輸出も為されました。

 5000機もの多数が生産されたF-4戦闘機は、極めて実用性と高性能を均衡と共に両立させた全天候戦闘機であり、アメリカが世界の頂点に立った初のジェットエンジンJ-79を双発で搭載し、レーダー管制員と共に長距離戦闘と空戦機動性で特に秀でた性能を有している。

 ファントムと云えばアメリカ海空軍が東西冷戦時代の欧州正面での最大の抑止力として維持されヴェトナム戦争航空戦で活躍すると共に、イスラエル空軍が第四次中東戦争にて高戦果を発揮する等、性能は実戦にて証明される事となり、その戦歴から激戦を潜り抜けるという印象が。

 2018年航空祭プログラムは0845時T-4の天候偵察、0915時からのF-4,RF-4とU-125,UH-60による航過飛行、0955時からのRF-4戦術偵察、1015時からの救難飛行展示、1115時より模擬スクランブル、機動飛行は1130時からF-15と1300時からF-4、1345時よりRF-4,と。

 百里へ行けばファントムが見える、実に5000機が量産されNATOはイギリス海空軍、ドイツ空軍、スペイン空軍、中東ではイスラエル空軍にエジプト空軍やイラン空軍、極東では航空自衛隊に韓国空軍やオーストラリア空軍で採用されましたが、今日では残り少ない。

 第7航空団の第301飛行隊と第302飛行隊、偵察航空隊第501飛行隊、ファントム飛行隊が三個飛行隊維持されています。航空自衛隊は150機以上のファントムを導入しましたが徐々に新型機へ置き換えられ、ファントムの配備は百里基地と岐阜基地だけとなりました。

 JR常磐線石岡駅が百里基地の最寄駅です。しかし、ここからさあ徒歩で、と移動するには百里基地は更に14.7kmを隔てています。歩いて行けない事は無い、とは思うが遠い。京都駅から北大路まで6.5km、方向を少し変えまして嵯峨嵐山までが10.3km、という距離だ、鞍馬まで18.9kmなので鞍馬よりは、と。

 航空祭に十何年か前に行ったときは確か石岡駅からローカル線へ乗り換えて榎本駅で降りれば基地は直ぐ近くだったと思うが、とご記憶の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、この交通手段は無理、この鹿島鉄道鹿島道線は2007年に廃線になっているのですね。

 BRTバス、石岡駅から茨城空港までは関東鉄道バスの鹿島鉄道鹿島道線廃線跡を利用するBRTバスにて35分ほどで移動できます。廃線跡他に一般道路も利用しますので渋滞に巻き込まれる事もありますがシャトルバスが運行されない予行日には重宝します。混みますが。

 茨城空港から撮影する航空祭、空港駐車場は航空祭見学者が利用できないよう閉鎖されます、茨城空港からの旅客機定期便利用者であれば駐車できるようですが。ただ、付近農家の方が特設有料駐車場を設置する事もあります。しかし、それも予約で一杯ということも。

 土曜日の特別公開撮影、茨城空港からであれば、逆光ではありますが滑走路に発着する航空機やエプロン地区の招待者が醸す活況と飛行展示、編隊飛行から機動飛行まで一通り撮影する事が出来ます。しかし、駐車場は頭の痛い問題でして、石岡駅からのBRTバスは手堅い選択肢だ。

 平成最後の年にあたる2018年百里航空祭が重要であるのは、このうち第302飛行隊が年度末改編によりF-4EJ改戦闘機を廃止し、F-35A戦闘機へ機種改編を受ける為です。つまり、百里基地にファントム飛行隊三個が揃うのはいよいよ、今回が最後となる訳なのですね。

 三菱重工が航空自衛隊のF-4戦闘機導入に際しライセンス生産を実施、142機をライセンス生産し、12機をノックダウン生産しています。実は世界でも数少なくなったF-4戦闘機の運用を航空自衛隊が維持できる背景にライセンス生産に伴う維持部品国産化がありました。

 ファントムは航空自衛隊において三菱重工による整備支援を受ける事で可動率を維持すると共に、1989年にはレーダー改修と空中給油受油能力の付与、対艦ミサイル運用能力付与等を軸とした近代化改修が実施され、これにより2000年代でも一定の能力を維持している。

 本番の航空祭ですが、撮影ポイントとして最良の選択肢は基地内です。鹿島灘と筑波山に囲まれた百里基地ですが、終日順光なのですね。基地エプロン地区は勿論、滑走路に沿ってシャトルバス駐車場までの経路が撮影ポイントともなりますので、観客収容力は、高い。

 隔離基地と呼ばれる百里基地、1990年代には地平線や放牧の様子が見られるなど首都圏の基地とは思えない情景が広がっていたといいます。本番の航空祭で厳しいのは基地までのシャトルバスが大渋滞に見舞われ、二時間程度要しまして、これを別名渋滞航空祭という。

 渋滞航空祭の由来は元々何もない北関東の田舎の基地へ大量の航空愛好家が大挙する事により、当日の特設民間駐車場を充てにする、基地招待者の車列について往く、臨時駐車場、これらが片側一車線の県道と細い農道を完全に覆い、実際問題全く動けなくなるのですね。

 百里と云えば渋滞、というものは言い過ぎかもしれませんが百里基地内に臨時駐車場が用意されていた年度では細い道路網へ多数の自家用車が押し寄せ、その為にシャトルバスも路線バスも観光バスも嵌ってしまいました、駐車場に入れない車が道路を固めてしまう。

 徒歩で数百台の自動車を追い抜かした、東日本大震災の首都圏グリッドロック大渋滞で説明される表現ですが、前に行った百里航空祭もそんな感じでした。友人が渋滞の中で基地の2.5km手前まで乗せて行ってくれたのですね、言い換えればそれ以上は進めなかった。

 大洗に駐車場があるので本年は駐車場渋滞は無いのだろう、と思われるかもしれませんが、恐らく航空自衛隊百里基地HPにて確認せず、なんとかなるだろう的な自家用車利用者や、駐車場無ければ基地に入らず外柵沿いに撮影、という方々の自動車は少なくないような。

 渋滞回避の選択肢は、極力早く移動する、という事です。単純ですがシャトルバスは極力始発に近いものを利用する、大洗特設駐車場の始発バス、始発バス時間帯に駐車場申し込みが出来ない場合には大洗で一泊し旅館駐車場を利用できないか交渉するという選択肢も。

 大竹臨時駐車場と大洗臨時駐車場が航空自衛隊により確保されました、が、大竹臨時駐車場については受付が11月15日までに終了しています。茨城県鉾田市大竹の臨時駐車場は1350台分確保されていました。一方、大洗臨時駐車場の方は28日も受付を継続中という。

 大洗臨時駐車場は収容台数5400台、北関東最大の海水浴場であり北関東最大の催事の一つに挙げられる大洗鮟鱇祭の収容にあたる駐車場です。ただ、大洗臨時駐車場からは百里基地まで20kmあり、こちらについては駐車場と基地間を臨時シャトルバスが運行されます。

 ガールズ&パンツァー作品舞台として有名な大洗、茨城県東茨城郡大洗町港中央に駐車場がありまして、前日2100時、当日0500時、当日0600時、当日0700時、当日0800時、当日0900時、と段階開放され、事前受付となっています。詳細は百里基地HPをご覧下さい。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【G7X撮影速報】エアフェスタ浜松-浜松基地航空祭2018,自由な航空祭(2018-11-25)

2018-11-28 20:01:16 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■浜松広報館の巨大当日駐車場
 浜松基地航空祭、基地HP引用で当日駐車場は無い、とお知らせしましたが訂正します、浜松広報館に広大な駐車場が抽選なしで大量に用意されていました。

 浜松基地航空祭2018、行って参りました。築城基地航空祭か浜松基地航空祭、ほんとうにどちらへ行くか迷ったのですが、毎年行っている守山駐屯地第10師団祭が土曜日にあり、そこから九州転進、できなくもないのですが、安全策、ということで浜松基地航空祭へ。

 富士山見えました。浜松基地航空祭は毎年行っている訳ではないので、富士山と航空祭を撮影されている方は案外多いのでしょうが、当方としては富士山と第一航空団や富士山とE767という構図は初めて撮影できたもので、これだけでも行って良かったといえるもの。

 エアフェスタ浜松、快晴でした。快晴という事は逆光ということ。カメラを持たずにエアショーを楽しまれる方々は、逆光関係ありませんが、撮影している身の上、逆光は避けたい、ということで午前中の飛行展示を浜松広報館で撮影し、午後から基地へ入る経路を。

 広報館、駐車場を広く開放していまして、浜松基地航空祭に駐車場は無し、と浜松基地広報とは全く違う対応でした。広報館から撮影する想定での駐車場開放のようで、本館横の駐車場は50台程度ですが、誘導路横にかなり広く、そう500台分程度は開放していました。そういういみでは自由な航空祭、と。

 来年からは大渋滞となるだろうなあ、と思ったのは結局本年、航空祭駐車場は抽選制で外れたらば公共交通機関で、という浜松基地広報に対し、広報館は臨時駐車場を開放したのでした。実はこの臨時駐車場は誘導路沿いの撮影最適地で、しかし、徒歩は入れないと。ここは厳しい。

 逆光の航空祭より滑走路沿いで順光の撮影位置の方がカメラで飛行展示を撮影される方々には人気が、だからこそ駐車場へと毎年午前三時には渋滞が始まっていたのですが、今年は駐車場がないという基地広報の誘導に従いますと、最良の撮影位置に行けない結果に。

 撮影に脚立椅子レジャーシート禁止、という広報館では撮影環境は相応に良かったのですが、目の前の駐車場を開放されますと、撮影位置と滑走路の間に自動車と後からきた来場者が航空機を撮影できない位置に立ってしまう。何故広報館の方へ誘導を徹底しないのか、そういういみでは自由な航空祭、と。

 浜松基地広報がどのように発表しようと遮二無二広報館へ夜中から行列したらばいい写真が、という取りようにもなってしまいますので、このあたりの統制は統一してほしいなあ、と考えてしまいました。広報館は浜松基地とは関係ない、と現地で強調されましたが。

 広報館前のエプロン地区も開放してみては、もしくは浜松基地とは別に広報館の航空祭見学会場を独自に開いては、と思いました。広報館も浜松基地所属航空機の広報イベントを実際やっていますので、広報効果はあるとおもうのですが、駐車場の件では真逆の対応に。ここは自由な航空祭、なのか。

 少々よそよそしい表現となってしまいましたが、実質当方よりも二時間も三時間も遅参の車両が目の前を占有して、そこから撮影するという、脚立でもあればその条件でも撮影できるのですが、脚立禁止を尊重遵守し、横入りされた構図、公平と公正な行事なのかな、という素朴な疑問とともに示しました。これをふくめて自衛隊の在り方、といわれれば当方としては自由な航空祭として納得だけはします。

 浜松基地ですが、今回久々に正門からシャトルバスを用いて航空祭会場へ移動しました。ここ数年で屈指のマナーの悪さといいますか、レジャーシートに椅子と散乱の航空祭会場に驚かされつつ、唯一救いは広報館周辺で撮影していた外国人航空愛好家のマナーの良さ。

 来場者が日本屈指の規模を誇る浜松航空祭ですが、レジャーシートが占有して歩けない面積の比率は岐阜や入間、百里や小松、小牧や横田と比較二ならない状況でした。もう少し、レジャーシートの禁止を徹底するか、レジャーシート専用エリアを用意して頂ければ、と。

 外国人材受け入れの国会審議が進む中、実質出稼ぎであるにも関わらず移民と置き換えて反対する声が多数あります。移民反対の理由に治安悪化をあげているのですが、浜松の海外からの方はシートや椅子禁止場所で使っていませんでした。我々もルールを守る側で居続けたいですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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新防衛大綱,いずも型護衛艦へF-35B運用能力付与改修方針-南西諸島西太平洋防衛力強化

2018-11-27 20:17:00 | 国際・政治
■米海兵隊F-35B運用が可能に
 防衛計画の大綱、五年ごとの中期防衛力整備計画を方針づける閣議決定が来月にも予定されています。

 政府は来月画定する新防衛大綱へ、多用途運用母艦の将来導入を視野に護衛艦いずも型の改修を実施し、南西諸島や日本周辺の太平洋の防衛力強化を行う方針を明らかにした、NHKが27日付で報道しました。いずも型は満載排水量27000tの全通飛行甲板型のヘリコプター搭載護衛艦で、自衛隊が保有する全種ヘリコプターが発着可能、最大30機が収容できる。

 いずも型護衛艦の改修は、護衛艦を多用途運用母艦へ改修し、その分に開いた護衛艦枠を別の護衛艦建造で充足するのか、護衛艦の運用形態として多用途運用母艦型護衛艦いずも型となるのか、いずも型での運用研究を行った上で、将来必要な能力を有する多用途運用母艦、あかぎ型、ながと型かは不明ですが、建造するというのかについては未定とのこと。

 政府が新防衛大綱にどの程度のF-35B部隊運用を想定しているのかは未知数です。恐らく、中長期的に10機程度の航空隊を当面一個取得する念頭に、しかし運用母艦側の改修や飛行隊創設は一朝一夕にはできませんので、教育航空集団隷下か第51航空隊飛行試験隊へ研究用として2機から4機程度を取得するか、米海兵隊F-35Bの研究が盛り込まれるだけかもしれません。

 率直に、中期防衛力整備計画へ海上自衛隊F-35B戦闘機導入には政府は慎重になるのではないか、少なくとも防衛計画の大綱がかつての中期防衛力整備計画数期分の十数年先を見据えた時代であれば長期計画として盛り込まれる可能性もありましたが、現在の様に五年間の防衛力整備を明示する中期的な防衛大綱であれば、五年間で航空自衛隊以外の運用基盤構築は難しい。

 F-35Bを導入するかについては未定、NHK報道では明記されています。ただし、いずも型の改修は垂直離着陸可能である最新戦闘機運用としてF-35Bという名称がそのまま用いられており、自衛隊が導入するかについては明示しないものの、アメリカ海兵隊が運用するF-35Bの発着と運用が可能とする方針で、緊急時の補給等ができるようになるとのこと。

 防衛大綱は元々、長期の防衛計画を画定する防衛指針でしたが、現在は五年ごとの中期防衛力整備計画に併せて五年ごとに改訂される状況が常態となっています。この為、五年間の中期見通しではF-35B導入方針を明示する事が、そもそもF-35B調査研究さえ充分ではない現状では示せない現状があるやもしれません。特に海上自衛隊には操縦要員が居ない。

 次々中期防衛力整備計画には自衛隊独自の航空隊を創設するという方針で、つまり今回の防衛計画の大綱ではF-35Bの調査研究を本格化させるのみとして、先ずF-35B要員の養成に着手するのか、米海兵隊F-35Bの運用受入に特化するのか、という程度の方針可能性もあります。諸手を挙げて歓迎する事も出来ないのが実情です、特に人員不足という実情が。

 新しい航空機を導入するには人員の増勢が必要です。言い換えれば、新防衛大綱にF-35B導入が明記されるかという点以上に、人員不足の解消、海上自衛官定員の増員か、海上自衛隊任務の陸空自衛隊への移管による人員余裕捻出、若しくは部隊整理統合や民間軍事会社整備支援や兵站支援受け入れ等の具体的な施策が盛り込まれるかのほうが重要でしょう。

 F-35Bは将来的には導入の候補となる可能性があります、護衛艦の寿命は長い。海上自衛隊としてはSH-60K哨戒ヘリコプターを補完するセンサーノード機を必要としている事は確かです。その根拠としてSH-60K後継機にNH-90やAW-101派生機等のより高性能機が提示されつつ、一種妥協といえるSH-60系統を維持している点に現れているといえます。

 NH-90等の取得費用の大きな機種を断念しつつ、しかし海上自衛隊としては対艦ミサイル射程が各国で400km規模から500km規模へ延伸する中、射程200km規模のハープーンやSSM-1で将来にも楽観視しているとは考え難く、しかし長射程ミサイルの索敵誘導に当るセンサー機として敢えて不充分なSH-60系統を維持するには別の理由があると考えるゆえ。

 かが退役は2040年代後半となるでしょう、F-35Bについて新防衛大綱へ護衛艦搭載が明示されずとも、次々次々次々次期防衛大綱までに導入したならば、その搭載は可能となるでしょうし、それまでの期間に日中関係の劇的良好化、尖閣諸島や台湾問題の解決と海洋政策の海洋閉塞から海洋自由主義へ転換したならば、そもそもその必要性が解消の可能性も。

 F-35B,センサーノード機としては最適とはいえ、海上自衛隊の現時点での喫緊課題は深刻な人員不足であり、ここ数年の無理を通すという状況が常態化しており、何れ深刻な事故を引き起こす要因となるでしょう。人員不足は深刻で例えば装備定数だけが増える。潜水艦定数が防衛大綱改訂により16隻が22隻へ増強された際も人員は増勢されませんでした。

 30FFMとして3900t型護衛艦がコンパクト護衛艦として建造され、コンパクト艦により人員節減、と説明されていますが置き換えるのは2000t型あぶくま型と2900t型はつゆき型であり、30FFMは満載排水量ではミサイル護衛艦たちかぜ型よりも寧ろ大きく、自動化を進展させ省力化に成功したと説明されますが、大型化も補給処等の負担は別途変りません。

 現時点で海上自衛官定員を潜水艦増勢分と護衛艦大型化分で700名程度増員しなければ、中長期的には補給処や陸上施設維持を自衛官以外の傭員、旧軍時代の軍属や米海軍民間乗組員制度でも発足させないかぎり、遠からず影響が表面化します。その上でF-35Bを導入するとなれば、F-35Bは整備基盤が自動化されているとはいえ、人員面で厳しいでしょう。

 SH-60K等のヘリコプターよりもF-35Bは確実に整備負担が大きくなります、搭載燃料や搭載弾薬の管理だけでも艦上では人員が必要です。いずも型2隻、ひゅうが型2隻、前者に各7機と後者に各5機、センサーノードとして運用するならばこの規模でも稼動機と即応機をローテーションできましょうが、合計24機仮に取得するとして人員増員が不可欠だ。

 喫緊の課題か、と問われますと、海上自衛隊は現在、NSSM新型対艦ミサイルを国産開発中で30FFMからの搭載が見込まれています。NSSMの射程は未公表ですが、現状のSSM-1やハープーンを抜本的に延伸させているとは考えにくい。その為、センサーノード機としてSH-60Kが完全に能力限界を迎えるまでには時間的余裕があり、次々期中期防でもよい。

 F-35B戦闘機以外にもセンサーノード機として運用する選択肢は決定した訳ではないといい、次々期中期防まで待てば開発される可能性もあります。例えば将来的にMQ-25無人機の短距離離着陸型のような機体が開発されましたらば、F-35Bを自衛隊が導入せずともステルス無人機により、必要なセンサーノード能力を獲得する事が出来るかもしれません。

 MQ-25無人機はアメリカ海軍がニミッツ級航空母艦から運用する無人空中給油機で、無人ステルス攻撃機X-47Bの技術的延長として開発されました。離陸速度等は未公表ですが、選択肢として30ノットで航行する護衛艦いずも型からも目一杯加速したらば運用可能という可能性もあります。もっとも、現時点でMQ-25の輸出可能性も搭載可能性もありません。

 護衛艦へF-35Bの搭載を明示せず、航空自衛隊が有事の際の局地防空用にF-35Bを導入し南西諸島の地方空港等に臨時分散運用を行う可能性もあります、これならばF-35A戦闘機導入は開始されていますので、整備補給や要員教育をその延長線上として実施することも可能です。この場合海上自衛隊は着艦受入負担だけが増えるだけで得るものはありません。

 しかし、政府が求めるF-35B戦闘機の能力が艦隊戦闘におけるセンサーノード機ではなく、垂直離着陸が可能であるが故の飛行場施設のミサイル攻撃などによる機能不随時への補完的運用としてのF-35Bの能力を重視しているのならば、こうした取得方式も考えられるでしょう。この場合、前述の通り海上自衛隊としてはまだF-35Bは喫緊の装備ではない点が。

 NSSMミサイルを当面運用するため、まだ海上自衛隊には時間がある。例えばS-70系統のヘリコプターを海上自衛隊がSH-60Kとして導入しつつ航空自衛隊が救難ヘリコプターUH-60Jとして、KV-107大型ヘリコプターを航空自衛隊が救難ヘリコプターとして導入し海上自衛隊が掃海ヘリコプターとして運用したように海空が同種の機体を用途に分けて取得する事も考えられます。

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【G7X撮影速報】第10師団創立56周年記念守山駐屯地祭.名古屋の師団祭(2018-11-24)

2018-11-26 20:05:06 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■74式戦車と式典参加部隊撤収
 74式戦車の装備品展示、機甲戦闘に打ち勝つために研ぎ澄ませた第二世代戦車、その獰猛な容姿の背景にはいずこかへ向かう車列が。

 第10師団創立56周年記念守山駐屯地祭装備品展示の様子です。74式戦車を正面から、本年は戦車体験試乗を実施する為、記念式典会場は戦車試乗会場へと早変わりしまして、装備品展示は記念式典会場外縁で実施、この写真は開放された観閲台付近から撮影しました。

 16式機動戦闘車、実はこの車輛は観閲行進前の車両待機位置にも展開しまして、早合点して遂に新装備が第10師団へ配備されたのか、と思えば戦車教導隊第4中隊の所属でした。ただ、戦車教導隊は年度末改編で機甲教導連隊へ改編されますので、最後の一般公開、か。

 中距離多目的誘導弾、早合点して遂に新装備が第10師団へ配備されたのか、と思えば富士教導団普通科教導連隊第2中隊の車両、第10師団から79式対舟艇対戦車誘導弾廃止からはや四年、そろそろまともな対戦車ミサイルの再配備を望みたいですが、そろそろ、やも。

 守山駐屯地祭、続報は第二の駐屯地観閲行進や市街パレードというべき参加部隊の撤収です。守山駐屯地は幾つかの門扉があるのですが、このなかで大型車両が続行できる門扉は正門のみとなっています。そこが新しい撮影位置、撮影機会、というものを形成しました。

 師団祭ですので、守山駐屯地の第10師団は隷下の各部隊を集結させて師団行事を実施します。春日井駐屯地の第10後方支援連隊や第10施設大隊に第10偵察隊、豊川駐屯地の第10特科連隊に第10高射特科大隊、愛知県内だけでも守山駐屯地には多数の部隊が来ている。

 東海北陸地方を警備隊区としている師団ということで普通科連隊は三個あります。守山は第35普通科連隊が駐屯していますが、あと二個連隊は金沢駐屯地の第14普通科連隊、久居駐屯地の第33普通科連隊、式典と観閲行進へ石川県と三重県から長躯駆けつけています。

 観閲行進続編といいますか、寝坊救済といいますか、帰路に就く師団隷下部隊が続々と車列を組み名古屋市内へと進発する様子はなかなかに壮観です。守山駐屯地はやや高台にあり、市内へ勾配を下ってくる構図も車列を見易く、勇壮引き立て、よいのかもしれません。

 師団司令部前信号、式典参加部隊が撤収を開始するのは正午を過ぎて少しの後、これならば朝一番に駐屯地へ撮影位置を定めずとも、車列が撮れる。師団記念行事を示す飾り門が背景に収めることが出来ますので、これも行事の一環のような雰囲気を醸し出すのかも。

 82式指揮通信車や96式装輪装甲車は車幅を道路運送車両法に適合する2.5m以内としており、届け出を出さずとも一般乗用車と同じように車道を走行させられますので、日中駐屯地開放が行われている時間帯でも続々を帰って行きます。もちろん、横断歩道に注意して。

 戦車部隊は今津駐屯地から第10戦車大隊が式典に参加していますが、戦車は特殊大型車両、車幅が3.17mもあると共に重量38tと大型で戦車輸送車に積載し輸送します。輸送車に積載した総重量は50tを越えてしまい、輸送は所轄署と道路管理者に届け出て夜間に行う。

 軽装甲機動車と高機動車、93式近距離地対空誘導弾、81式短距離地対空誘導弾、対空レーダ装置P14、と撮影できる装備は意外に多い。もちろん支援車両としてのトラックが大半なのですが、このほかに74式戦車以外の戦車部隊支援車両などが先行して帰路に就く事も。

 小幡訓練場が守山駐屯地最寄りの訓練場です、戦車砲や対戦車火器の射撃を行うような場所ではなく、訓練場なのですが、実は師団行事にて多数の車両を駐屯地へ集合させる際に、行事に参加しない守山駐屯地の車両を一時転進させていまして、これら車両が戻る様子も。

 87式偵察警戒車が25mm機関砲とともに撤収する様子やFH70榴弾砲が中砲牽引車とともに長大な車体を帰路に就く様子などもみられるのですが、師団祭訓練展示に続く装備品展示をみていますと、その間撤収してしまうこともあり、このあたり時機をみて撮影したい。

 ストライカー装甲車をアメリカから輸入すればいい、など無責任な発言をする方々がいますが、車幅2.7mのストライカーは特殊大型車両となり、仮に配備されたとしてもこれら車両のように自由に国内を行き来できません、車幅2.5mでも行き違いは厳しい様子がこちらで学ぶ。

 日本に適合する車両、この必要性を体験的に知ったのは守山駐屯地前のこの道路上なのかもしれません。部隊の撤収ですが、信号と交通混雑がありますので交通安全に留意し営門を出て行きます、観閲行進よりもじっくり、師団の隊列をみてゆくことが出来るのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【G7X撮影速報】第10師団創立56周年記念守山駐屯地祭,名古屋の師団祭(2018-11-24)

2018-11-25 20:00:28 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■探訪,平成最後の第10師団祭
 東海北陸地方最大の大都市名古屋、そこには師団司令部があります、東海北陸地方の防衛警備及び災害派遣を担う第10師団司令部です。

 守山駐屯地第10師団創設記念行事へ行って参りました。第10師団祭はこのWeblog北大路期間がOCNブログ時代を含め2005年に創設されて以来、毎年いくことが出来ている数少ない自衛隊行事です。本年は連続14年目という事となりますが、快晴に恵まれました。

 守山駐屯地は名鉄瀬戸線守山自衛隊前駅前にあります。名鉄瀬戸線とは東武東上線のように本線から独立した運用系統となっていまして、名古屋市営地下鉄を乗り換えて乗車します。JR中央線からも大曽根駅で乗り換えることが出来ますが名古屋市の外縁というところ。

 第10師団祭、第10師団は師団改編前には第14普通科連隊、第33普通科連隊、第35普通科連隊、第49普通科連隊と四単位編成を採り、戦車大隊は4個戦車中隊58両、特科連隊は5個大隊火砲60門という非常に重厚な編成をとっていましたが、時代の流れは、と。

 師団改編は、中部方面隊最大の火力と打撃力を有する第10師団にあって、第49普通科連隊は中部方面隊隷下の方面混成団へ編入、戦車は半減し30両に、特科火砲も連隊は維持されつつも半減し30門へ、更に対舟艇対戦車誘導弾も全廃され、様々な装備を大きく減じた。

 軽装甲機動車が中部方面隊にて最初に配備された師団でもあり、観閲行進はなかなかの迫力がありますが、最盛期には一個連隊から軽装甲機動車を一個中隊、別の連隊からは高機動車を中隊規模で、ほかの連隊は重迫撃砲中隊、と観閲行進を実施した時代もありました。

 観閲行進、守山自衛隊前駅を降りて開門後の駐屯地に入りますと、行進を撮影する観閲台右手はもう既に多数写真愛好家が集まっていまして、これは脚立を準備しておらず流石に撮影できません、そんな中、個人的にすごい写真を撮るなあ、と感心している方が脚立を。

 自衛隊行事、脚立は航空祭のように禁止されていないのであればやっぱ重要だ、と思いつつ、昨今はデジタルカメラの威力で片手だけを伸ばしてカメラを掲げ、適当に撮影しても充分に良い写真が撮影できる時代となりました、いつもながら、技術革新はすごいですね。

 観閲行進、結局撮影位置を考えたのですが、手元には最強のEOS-7Dと28ー300mmISレンズがありますので、G7Xは文字通り補助、それならば絞り値を充分とって師団長閣下と観閲部隊を充分収められる構図、と観閲台から300m以上離れた位置から撮影しています。

 師団の装備ですが、そろそろ普通科連隊に中距離多目的誘導弾の配備を期待したいところ、併せて将来的に74式戦車は戦車大隊ごと偵察戦闘大隊へ改編が見込まれるのですが、戦車を廃止するのであれば、せめてRWS遠隔操作銃塔を搭載する装輪装甲車は必要では、と。

 通信装備、全国の師団旅団に野外通信システムの配備が完了して、戦術インターネット基盤が完成しました。実はこれはかなり重要な一歩です。そして元々の装備ですが、師団は対砲レーダ装置と対空レーダ装置に低空レーダ装置を有し、この点比較的充実している。

 装甲車両は充実しているとは言い難く、実質小型の軽歩兵師団、軽装甲機動車の乗車戦闘能力を補完するには装輪装甲車が必要と考えるのですが、戦術機動性という部分を陸上自衛隊がどう考えているのか、長い目で見てきましたが、今一つ予算不足、金科玉条の言い分以外が見えてきません。

 74式戦車の観閲行進、105mm戦車砲は今日的にも観るべき性能があるのですが、暗視装置の旧式化や弾薬配置における第三世代戦車との越え難い設計思想の相違、複合装甲の有無は勿論、製造後の根本的な老朽化によりいち早い後継車両の導入を必要としています。

 観閲行進、実際問題として五年後十年後はどうなるのか、戦車大隊を廃止するのは選択肢として既定路線ですが、その補完に当る近接戦闘部隊の装甲化や機動力付与、というものを真剣に考えているのかという部分がどうしても納得いく説明や論理に突き当たりません。

 訓練展示では野戦を展示しました。バトラー交戦装置を用いて実戦的な内容を展示していましたが、夥しい戦死判定が生じていまして、小隊規模の部隊との戦闘を数回繰り返すだけで中隊は戦闘能力を喪失するのではないか、という根本的な懸念が改めて、という感じ。

 攻撃機動を戦術面から立案する場合、包囲か突破か迂回ないし浸透、という要素が一般論として存在するのですが、優先目標や敵集結予測点と間隙や地形を機動力と火力支援により上記攻撃機動を採る訳です。しかし、現在は古くとも戦車があり火砲もあるのですが。

 戦車を有さない場合の接敵行動は機動力と両立しえるのか、戦果拡張と追撃に際し現在の装甲車両は攻勢時間という戦機の制約下で充分な機動力を提供し得るのか、即応機動連隊型の普通科連隊を増勢する選択肢や自走迫撃砲型火力支援車といった検討はあるのかなど。

 バトラー交戦装置は、離隔距離の短い地域で使用したならば必然的にああいった結果となることはある種当然ではあるのですが、市街地戦闘では当然発生し得る距離において、やはり、多数の想定死傷者という実情を見せられますと、装甲車両の不足、これは頭痛い。

 実際問題として改編前の第10師団の装備について、通信装備等は現状の通り置き換えるとして、その上で74式戦車を10式戦車に更新し、普通科連隊の一個中隊でも96式装輪装甲車により充足させる事が出来ていれば、こうした憂鬱を感じる事も無かったのかもしれませんね。

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【G7X撮影速報】岐阜基地航空祭2018.X-2特別公開とF-4EJ改特別塗装機(2018-11-18)

2018-11-24 20:04:00 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■防衛装備庁X-2実験機の素顔
 岐阜基地航空祭象徴の一つ、防衛装備庁X-2実験機を本年は正面から、つまり素顔を見上げる事が出来ました。

 先進技術実証機ATD-X,防衛装備庁X-2実験機、将来戦闘機開発への各種技術の実証機として開発された自衛隊の実験航空機、岐阜基地といえばこのX-2,という印象があります。航空自衛隊の最先端技術を具現化したものであり、将来開発への目途を点けた機体です。

 X-2実験機は小牧基地での三菱重工初飛行を経て岐阜基地へ配備、硫黄島や太平洋上での飛行実験を完了し、その役割を完了しました。岐阜基地航空祭ではこの三年間、一般公開として厳重な格納庫内に角度を限定して展示されています。今年のX-2配置は真正面でした。

 ATD-Xの目指すものは将来戦闘機開発です。個人的には将来戦闘機はX-2の技術的延長線上に極端な高性能を志向するのではなく、X-2原型の高等練習機を第一に開発し、単座型のみとなる新戦闘機F-35要員を大量養成する操縦特性や情報戦演練が最初の課題でしょう。

 F-2戦闘機後継、として国産方針が示された次期戦闘機ですがT-4練習機後継機という航空機調達の課題、実に200機以上が必要とされている為、この内の一定程度を高等練習機としてX-2の技術延長線上に開発し、次期戦闘機はその改良型に収めるべきではないか、と。

 FS-X,とするべきでしょうか新戦闘機はステルス機としてウェポンベイの技術開発が行われていますが、X-2拡大改良型練習機へコンフォーマル方式の機体外装一体型の兵装庫を装着し、AAM-4中距離空対空ミサイル等を2発乃至短射程と合せ4発に留め,ASM-3は外装で2発搭載にとどめるべきでしょう、予算難の昨今、苦肉の選択肢として。

 T-2練習機とF-1支援戦闘機の概念の復活、勿論X-2実験機を拡大改良する余地有無という点や航続距離が公開されていない為に一概には言えないのですが、練習機型と合せ年産15機程度で量産効果を持たせる、取得費用を量産効果で抑える工夫を第一とせねば、戦闘機と中等練習機を合せ実に500機の定数は揃いません。

 岐阜基地正門のある南側会場へ、シャトルバスは幸い混雑なく乗車できました。北側会場であと20分程度は地上展示航空機を撮影しても大丈夫だったのかもしれませんね。驚いたのは74式戦車と共にUH-1JにAH-1S,今年の陸上自衛隊展示は南側会場集約だったこと。

 南側会場、それ以上に驚いたのは大混雑です。最前列は遥か先、奥行きが北側メイン会場程ではありませんので総数では北側エプロン地区の方が観客は多数であったのでしょうが、南側会場で混雑を避けて、という従来の概念は来場者増大により過去の話となりつつある。

 管制塔を背景に着陸する航空機、航空祭地上展示機の列線を背景に誘導路へ向かう。南側会場というものは一般公開された基地という非日常の雰囲気と共にそれ程混雑しない中の飛行展示を撮影できる、という醍醐味があったのですが、混雑の度合いは年々大きくなる。

 青空を背景に、と順光の撮影位置を目指して展開したのですが、本年の航空祭は、午前中に機動飛行と空中給油展示にブルーインパルス、その後に二時間弱の時間を空けて異機種大編隊を待ったものの、異機種大編隊はまさかの曇天、南側進出の価値が薄れてしまった。

 東京と大阪の友人共々進出したのですが、南側会場にて東京大阪組は報道席真後ろに進出してしまい、当方は余り者混雑に驚き航空機火災訓練場近くへ後退、結局以降展示が終了するまで合流できなかったりしましたが、大阪のいつもお世話になっている方と合流する。

 岐阜基地航空祭には撮影位置がまだまだあるのだと、お世話になっている方にお教えいただきまして、大編隊が頭上を飛行の様子を観衆と共に一眼レフの方で収める事が出来ました。G7Xは高性能なのですが、同時撮影能力は旧型のG16よりも下、一眼レフの相棒となれるようなもう少しいいコンパクト機種を切望しつつEOS-7Dにて万端の撮影を完了しました。

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新防衛大綱と陸上防衛:北方西方両脅威下,戦車200両時代の覚悟と5000名師団再編の必要性

2018-11-23 20:09:42 | 国際・政治
■陸上防衛力,現状を直視すべき
 特集“新防衛大綱とF-35B&EA-18G”を掲載中ですが、今回は陸上防衛について、南西諸島への中国圧力に併せ近年はロシアの脅威が再興しつつある。

 新防衛大綱画定がいよいよ間近です。最大の関心は航空母艦としての能力を有する多用途運用母艦の建造と空母艦載機としてのF-35B戦闘機が明記されるかについてですが、航空母艦の任務が洋上航空優勢確保であるならば航空自衛隊の任務に海上自衛隊が支援する構図で、海上自衛隊が求めている制海権維持とシーレーン防衛とは必ずしも一致しません。

 しかし、もう一つ忘れられている視点は陸上防衛のものです。現行防衛大綱は戦車定数を300両まで縮小させ、冷戦終結時点の戦車1000両と比較したならば、その縮小は驚くべき規模です。戦車定数は新防衛大綱では200両まで縮小されるのか、日本列島は本州四国九州に北海道で2000kmもの長大弧状列島を構成しますが、機動運用の在り方が問われます。

 戦車200両時代の可能性、NATO諸国を俯瞰すればイギリスやフランスは戦車200両規模、ドイツ連邦軍は300両体制へ再拡充を決定しましたが一時的に225両まで縮小しました。オランダは一時戦車を全廃し近年のロシア脅威を受け一個中隊を再整備しています。戦車数字主義を採るならば、自衛隊の戦車300両定数が新大綱で200両へ削減の可能性はある。

 欧州の戦車削減は欧州地域への冷戦後脅威を周辺地域紛争の欧州波及と位置づけ、バルカン半島や北アフリカ地域の不安定が欧州へ波及するという、第一次大戦の原因をバルカン情勢に辿るある意味伝統的な安全保障観に依拠し、PKO国際平和維持活動等の任務に必要とする装甲戦闘車、冷戦時代は戦車に優先度が上回った装備への転換が為されていました。

 日本の戦車定数削減は主としてミサイル防衛への予算捻出、つまり削減された防衛力は純減されてゆく状況です,代替装備として機動戦闘車が入る。ロシアの脅威が欧州において再認識され、今年ロシアのプーチン大統領が年内の平和条約締結を安倍総理へ呼び掛けた際にもロシア軍は極東地域においてロシア側が30万規模と自称する大演習を展開中であり、実は脅威度は再構築中なのですが。

 装甲戦闘車を普遍的に整備する目的で戦車を更に100両削減し、冷戦時代の五分の一となる200両体制へ転換するのであれば、全否定はしません。装甲戦闘車の機関砲は戦車砲のような装弾筒を有しない為に下車戦闘中も火力支援が可能です、装甲車は下車戦闘を当面の敵を撃破する直前に実施しますが、装甲戦闘車は戦闘中に適宜実施し収容、継続します。

 自衛隊の装甲戦闘車は機甲師団である第7師団の一個普通科連隊に半数中隊が装備するのみであり、実のところ本格的な装甲戦闘車の運用、機動戦、本質的に理解し戦術として内部化しているかと問われますと、自信がありません。一方、装甲戦闘車は各国では戦車と同程度の火器管制装置を有し、第三世代戦車十五年前の取得費用とほぼ同額となりました。

 ミサイル防衛はイージスアショアを整備する新事業により明らかに多額の費用を要しますし、戦闘ヘリコプター再整備という事業も含め当面は防衛費は圧迫され続きます。すると、戦車をさらに縮小するという可能性、現状10式戦車の取得数の少なさから、90式戦車の延命改修を開始しなければ300両を割り込む可能性が生じます、しかし、200両というのは。

 新大綱、もう一つの視点は師団数と旅団数の去就です。現状では9個師団と6個旅団が北部、東北、東部、中部、西部、各方面隊隷下に維持されています。しかし、自衛隊の師団あ冷戦時代も9000名と7000名規模、アメリカや欧州NATOにソ連等の諸外国が11000名から25000名の規模を有している中で非常に小規模となっていましたが、現状更に縮む。

 師団旅団定数、陸上自衛隊は冷戦終結時点18万名体制より大きく人員を減じており、微増に転じたものの13万4000名と縮小された一方、9個師団6個旅団という基幹部隊を維持しつつ、水陸機動団、中央即応連隊、そして一部連隊の即応機動連隊改編等、人員増を繰り返しており、既に実員5000名規模の師団が形成され、最早師団の体裁を維持できません。

 9個師団6個旅団、しかし現状では師団定員と師団実員共に申し訳ないが師団とは言い難い。それでも従来は小さくとも特科連隊と戦車大隊があり戦術防空システムと固有の飛行隊を有する編制は、小型師団とも言い得たのですが、戦車と火砲は廃止され航空機は定数割れ、これでは申し訳ないが、名ばかり師団、編成で第一線で頑張る曹士幹部諸官に申し訳ない。

 師団数は維持されるのか、削減されるのか、5000名師団の放置をそのままでよいのか、実員に見合うよう自衛隊全体を増員するのか、その前提として足りない装甲車やヘリコプターをどう考えるのか、場合によっては即応予備自衛官制度と予備自衛官補制度を拡充し、予備役部隊である方面混成団を事実上の地域貼り付け師団代替として拡大、はありえるか。

 沖縄方式として、第15旅団のように方面航空部隊と方面高射特科部隊を第一線の旅団に集約し機動運用する施策も考えられるでしょう。第15旅団は方面隊が運用する03式中距離地対空誘導弾の高射特科群を旅団隷下に置き、急患輸送等を南西諸島全般に実施するべくヘリコプター隊を有しています。東北方面隊の第101高射特科隊等はその布石と云い得る。

 現在進む特科火砲の方面特科連隊への集約は、事実上、方面隊が師団の役割を担う構造であり、師団長を着上陸武力攻撃事態やグレーゾーン事態に大規模災害有事を想定した第一線部隊指揮官として割り切った上での方面隊の師団規模化、有事の際に方面隊は他方面隊隷下部隊の統合任務部隊化という実質の軍団化を見越した編成に割切っているようみえる。

 陸上総隊への部隊包括化、例えば方面総監部を指揮機能に特化させ、師団と旅団の機動運用部隊を全て陸上総隊隷下に集約、必要に応じ指揮系統を有する方面隊に配属する機動運用、というものはありえるのでしょうか。更に師団整理、師団の旅団への転換促進等は有り得るのでしょうか。師団隷下に旅団を置く編成というような改編も日本に在り得るのか。

 ヘリコプター、防衛大綱にはヘリコプターの上限は示されていません、しかし、ヘリコプター数の下限も示されていません。その上で、全国のヘリコプター部隊を俯瞰したらば第1ヘリコプター団や第12ヘリコプター隊等例外はありますが、観測ヘリコプター、対戦車ヘリコプター、多用途ヘリコプター、以上三機種の定数割れが深刻な状況となっています。

 ヘリコプター運用を考えた場合、現状師団飛行隊や旅団飛行隊は各機種2機程度が置かれる程度で、災害派遣などの初動は主として方面ヘリコプター隊等から師団旅団隷下へ派遣を受けた機体を進出させている点が、災害派遣発表に見て取れます。その上で60機調達予定のAH-64Dの13機、250機調達予定のOH-1は33機、多用途ヘリコプター調達は、と。

 陸上自衛隊航空集団というような自衛隊のヘリコプターを包括管理する陸上総隊直轄司令部を新編し、全国のヘリコプターを第一線部隊へ確実に可動させ展開させる機能を新たに創設するか、ヘリコプターの取得を根本的増強する必要があります。戦闘ヘリコプターを中央に集約し、第一線へは武装型多用途ヘリコプターへ置き換える等の施策も考えられる。

 新防衛大綱における陸上自衛隊は、北方におけるロシア脅威、特にクリミア併合とウクライナ東部紛争介入を契機とした欧ロ対立、シリア問題等を含めた米ロ対立、極東地域での大演習という脅威をどの程度認識するか、また、喫緊の課題である南西防衛力整備という問題もあります。しかし、多岐に及ぶ任務と新装備の前に運用と装備数が追い付かない実情を直視し、いつかは大綱へ反映させねばなりません。

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平成三〇年度十一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2018.11.23-11.25)

2018-11-22 20:11:42 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 三連休到来、勤労できる事を感謝して休めない方も多いようですが、皆様いかがお過ごしでしょうか、今週末三連休は三日とも行事が行われます。

 築城基地航空祭、本年は天皇陛下御在位三十周年を記念し第8航空団F-2戦闘機による編隊飛行に加え、新田原基地F-15戦闘機、三沢基地米空軍F-16戦闘機、岩国基地米海兵隊F-35Bが参加し実施されます。第8航空団は対艦攻撃を主任務とするF-2戦闘機2個飛行隊で編成、先日F-2が空中接触する事故がありましたが、幸い機動飛行等全て行われます。

 エアフェスタ浜松,浜松基地航空祭も日曜日に挙行されブルーインパルスが参加します。浜松基地は航空教育集団司令部が置かれ、第1航空団のT-4練習機二個飛行隊やE-767早期警戒管制機飛行隊に浜松救難隊等が展開し、更に第1術科学校と第2術科学校が置かれ、航空教育と空中警戒管制の中枢を担う基地で、航空自衛隊発足式典もここで行われました。

 春日基地開庁59周年記念春日基地祭、福岡中心部から10kmに位置する春日基地には西部航空方面隊司令部が置かれ春日DC防空指令所より九州防空を担っています。基地板付地区にT-4運用の西方司令部支援飛行隊とCH-47を運用する春日ヘリコプター空輸隊、西部航空警戒管制団司令部等が置かれています。行事は土曜日に行われます、ご注意ください。

 第10師団創立56周年記念守山駐屯地祭、名古屋市の守山駐屯地に司令部を置き、東海北陸地方を防衛警備管区とする第10師団の創設記念行事です。師団は本州師団の将来における戦車火砲全廃方針を前に中部方面隊における将来戦闘研究の実験師団として位置付けられ、新しい戦い方の模索を行う。こちらも行事は土曜日に行われますのでご留意の程を。

 第15旅団創設8周年那覇駐屯地祭、沖縄県全域を防衛警備管区とする旅団が第1混成団より拡大改編を経ての記念行事です。那覇駐屯地祭は“陸自祭”と銘打って行われる行事で、那覇駐屯地創設46周年を併せて記念します。旅団は隷下にヘリコプター隊と高射特科連隊を有する離島防衛を念頭に置く編成、南西防衛強化へ更なる増強改編も計画されています。

 国分駐屯地創設63周年記念行事、第8師団隷下の第12普通科連隊が駐屯しています。師団は即応機動師団へ改編成った今年度、連隊は鹿児島県島嶼部を含めた鹿児島県を防衛警備隊区とし、島嶼部防衛能力強化へ沖縄において米海兵隊研修などを実施、九州本土の普通科連隊としては水陸機動団を除けば水陸機動を重視した例外的な運用を行っています。

 宇治駐屯地創設67周年記念行事、京都府宇治市の駐屯地で関西補給処が置かれています。その任務は需品や火器と弾薬に車両及び化学器材と施設器材と通信器材及び衛生器材、その調達保管補給整備、更に海空自衛隊車両施設器材の保安検査及び一部補給整備業務支援と多岐に及び、昨年は式典に宇治鳳凰太鼓や関西補給処喇叭隊と戦車試乗等を行いました。行事は明日金曜日に行われる。

 さて撮影の話題を。ゆるキャン、という人気アニメがありましたが、作中に登場する折り畳み椅子、キャンプ用の折り畳み椅子なのですが、所謂レジャー用の折り畳み椅子が多々ある中で、作中に登場するキャンプ椅子は重量が1kg少々と非常に軽く、ゆるキャンの大人気ゆえに同じ機種の椅子は非常に高価なプレミア価格となっていますが、類似の上質なものは意外と多い。

 ゆるキャン椅子、と勝手にカテゴリー化する事は正しくないのですが、当方も買ってみたのですが、折り畳めば非常にコンパクトとなり、そして背もたれがあり長時間座っていてもうたた寝さえ出来る椅子、というものは非常に重宝しました。もっとも重宝したのは、折り畳めば、300mm単焦点レンズ程度の大きさまで小型化出来る、という部分ですね。

 自衛隊行事でそれほど長時間待つ事は無いだろう、と思われるかもしれませんが、富士総合火力演習の早朝からの開門待機時間に大活躍しまして、普通に魔法瓶程度まで小型化できる座るだけの折り畳み式コンパクトチェアとは疲労度の小ささで比較になりません。勿論、価格帯も座るだけの物よりも随分高価格となってしまいますが、疲れないのは大事だ。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

11月25日:エアフェスタ浜松-浜松航空祭2018…http://www.mod.go.jp/asdf/hamamatsu/
11月24日:第10師団創立56周年記念守山駐屯地祭…www.mod.go.jp/gsdf/mae/10d/
11月23日:宇治駐屯地創設67周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/mae/madep/uji/
11月24日:春日基地開庁59周年記念春日基地祭…http://www.mod.go.jp/asdf/kasuga/
11月25日:築城基地航空祭2018…http://www.mod.go.jp/asdf/tsuiki/
11月25日:国分駐屯地創設63周年記念行事…http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/8d/
11月25日:第15旅団創設8周年那覇駐屯地祭…http://www.mod.go.jp/gsdf/wae/15b/15b/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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浜松航空祭2018撮影ポイント,E-767&T-4編隊撮影は基地会場の逆光と順光の浜松広報館

2018-11-21 20:03:22 | 北大路機関特別企画
■エアフェスタ浜松撮影ガイド
 浜松基地航空祭、今年も浜松駅前シャトルバス乗り場が混雑する活況が近づいて参りました。

 浜松基地航空祭2018、日曜日に挙行されます。ブルーインパルス発祥の地。浜松基地航空祭撮影ガイドを紹介しましょう。築城基地航空祭も日曜日に挙行されるのですが、築城航空祭撮影ガイド、と特集を組むには二回しか行ったことがありませんのでご容赦の程を。

 航空自衛隊発祥の地、浜松基地は航空自衛隊が誕生した基地です。警察予備隊が保安隊を経て陸海空自衛隊へ改編され数多の基地が創設されましたが、浜松基地が航空自衛隊発祥の地と呼ばれるのは、ここ浜松基地において航空自衛隊発足記念式典が行われた為ですね。

 エアフェスタ浜松と銘打った浜松航空祭、日曜日には岐阜基地航空祭が挙行されましたが、その岐阜基地は滑走路の北側に飛行場があり南側に補給処がありまして、滑走路の南側が順光で滑走路の北側には多種多様な航空機が並ぶものの逆光凄い、という撮影環境でした。

 航空教育集団司令部が展開する浜松基地、滑走路の北側に航空教育集団司令部と第1航空団に警戒航空隊司令部と第602飛行隊が展開しているのですが、滑走路の南側には航空自衛隊第1術科学校と第2術科学校が展開するとともに浜松広報館も南側に位置しています。

 浜松広報館と浜松基地航空祭会場、基本的にエアフェスタ浜松、浜松航空祭撮影ポイントはこの二箇所、となります。岐阜基地航空祭と似ている、と思われるかも知れませんが、浜松基地は、南側会場の設定はありません、航空自衛隊広報施設が撮影に適しているだけ。

 浜松撮影ガイドとしては航空祭会場が逆光、浜松広報館が順光、という構図です。しかし、浜松基地は実は1989年までは浜松北基地と浜松南基地、という二つの基地が滑走路を隔てて並立していました。京都駅のJR西日本京都駅と新幹線のJR東海京都駅と似た印象か。

 E-767早期警戒管制機を運用する警戒航空隊第602飛行隊、間もなく警戒航空団に改編されますが、T-4練習機を運用する第1航空団の二個飛行隊、UH-60J救難ヘリコプターとU-125救難機を運用する浜松救難隊、浜松基地に展開する航空部隊はこの三系統ですね。

 T-4練習機は大編隊、E-767は機動飛行を展示します。これは中々の迫力はありますので、青空を背景に撮影するには南側に撮影位置を定める必要があるのですが、T-4練習機が一列に並ぶ迫力は飛行場の航空祭会場からのみ望む事が出来ますので、どちらで撮るべきか。

 エアフェスタ浜松を本格的に楽しむには航空祭会場からが一番です、少々写真は精彩を欠きますが逆光である点を除けば並ぶ航空機と航空祭会場を中心碑展示される航空機の飛行、模擬店も並んでいます。しかし難点は混雑する点です。航空祭会場も、シャトルバスも。

 浜松広報館からの撮影、しかし航空祭会場は行きたい、という場合は航空祭会場前にタクシー乗り場がありまして、かなり渋滞に巻き込まれる為に少々値は張りますが手堅く移動する事が出来ます。若しくは徒歩、という選択肢ですが、一時間見ておけばいいでしょう。

 航空祭撮影、浜松広報館ですが実は順光という以外に利点もあります、広報館は誘導路が隣接していまして、一部航空機は広報館の目前を敢えて移動してくれるのですね。ブルーインパルスを間近に見る事も出来ます。広報館駐車場等撮影場所も比較的広めで余裕ある。

 飛行展示プログラムに併せてどの飛行展示に重点を置いて撮影するのか、という事になる。一方、航空祭は視たいが大混雑は勘弁願いたい、という方には遠鉄バス、広報館や本田技研西に葵町や幸町バス停が近く、渋滞でダイヤは遅延しますが路線によっては混みません。

 北門が航空祭におけるメインゲートとなります。浜松基地の正門は南地区にあり、南地区は一般公開されませんが正門は開く、ここから航空祭会場までの基地内シャトルバスが運行されます。南地区にはコンビニも開放されまして、航空祭会場で飲食物を購入する時ほど混雑しません。

 南地区にも岐阜基地航空祭南会場のようなものがあれば、と思うのですが、南地区には航空自衛隊の虎の子、E-767早期警戒管制機の格納庫地区があり、E-767早期警戒管制機を飛行展示に参加させるには、南地区の格納庫地区での整備等を行う必要があるのでしょう。

 南地区からの撮影ですが、格納庫があり基本的に航空機を撮影する程視界が開けていません、この写真も航空祭会場で撮ったもの。南会場ではなく基地の南地区、という理解が必要なのかもしれませんね。一方、シャトルバス乗り場ですが浜松駅行のシャトルバス乗り場とは場所が違う為、ご留意ください。

 南北シャトルバスは基地外周道路に沿って基地正門から基地西門前を経て航空祭会場へ向かいます。こうしてみますと、基地外周道路沿いに撮影位置を考えてみたくもなるのですが、基地外周道路は地下に入るトンネル区画もあり、この近辺での撮影は向いていません。

 広報館からの撮影ですが、構図としては管制塔や基地航空祭会場を望見する事が出来ます。そして順光、という航空機撮影に置ける利点を強調しましたが、曇天の場合はどうなるか。気になる曇天の場合、それ程順光の利点はありません。会場に特化するのもありでしょう。

 自動車駐車場について。事前応募制です。ホンダロジスティクス、本田技研、天竜自動車、日本梱包輸送、浜松オートレース、岡本プレス、三経技研興業、アーレスティプリテック、トクラス、事前応募制にて上記基地周辺企業各社から強力な協力を頂いているとのこと。

 当日駐車場はありませんので浜松基地航空祭実行委員会は公共交通機関の利用を呼び掛けています。知人宅等が基地近くに在る場合は別としまして、当日浜松市内道路は大変な混雑となります。特に当日駐車場が無い事を把握せず進出する自動車が渋滞を招くかもしれませんね。

 公共交通機関は使い難い為にどうしても自動車、という方は浜松駅は政令指定都市の玄関で新幹線もありますが駅周辺は混雑しますので、浜松駅近辺の東海道本線各駅駐車場、電車で少し隔てた豊橋市内や掛川市内の駐車場利用を選択肢に含めると良いかもしれません。

 事前訓練について。浜松基地航空祭は土曜日24日に事前訓練を実施しまして、航空祭本番と同じブルーインパルスによる飛行展示を実施します。事前訓練は1200時から開門との事ですので、午前中の飛行展示は行われません。ただ、本番見学が難しい方のみ開放される。

 エアフェスタ浜松事前訓練では身体障害者手帳か精神障碍者保健福祉手帳乃至療育手帳をお持ちの方と最小限の介添人が土曜日の事前訓練に入場する事が出来ます。飛行展示はブルーインパルス飛行展示が本番通り、また基地所在航空機による飛行展示が行われます。

 事前飛行は撮影できないのか、と問われますと、この日は浜松広報館が開放されていますので、浜松広報館から撮影する、という選択肢があるのですね。事前訓練日は浜松駅からのシャトルバス等の利便性がありませんが、遠鉄バス等の路線バス利用が便利でしょう。

 最後に、浜松基地航空祭は浜松市の航空祭です。有名なものと云えば浜松餃子、人気アニメ“ゆるキャン”にも登場しましたが非常に美味でお値段お手頃です。浜松と云えば鰻、“ゆるキャン”にも登場しましたが、駅前は少々お高め、中心部を散策するのも良いでしょう。


北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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