■KN-20弾道弾射程10000km
北朝鮮が28日深夜から29日にかけ、新型ミサイル実験を行いました。射程は10000km、深刻な脅威です。日米は早速F-2戦闘機とB-1B爆撃機による共同訓練を実施しました。
7月28日深夜、舞坪里試験場にてKN-20/火星14号型弾道ミサイルの実験が行われました。ロフテッド軌道にて高度3724kmまで上昇した後、北海道奥尻島沖150kmの我が国排他的経済水域内に落下しました。今月4日に続いて発射された大陸間弾道弾で射程は9000kmから10000kmに達し、アメリカ西海岸ロサンゼルスや内陸のシカゴ、欧州のパリやロンドンを射程に収めるという。
東京は北朝鮮から1000km、1993年に実施されたノドンミサイル実験により既に射程に入っており、沖縄の在日米軍基地まで1300kmを隔てていますが1998年のテポドンミサイル実験を経てその射程内に含まれました。テポドン改良型は3400km先のグアムを射程に収め、4500kmを隔てたアラスカやハワイは2016年のムスダンにより射程内に入りました。
アメリカのトランプ大統領は、ロサンゼルスやシカゴを射程に収める北朝鮮の弾道ミサイルへ強く抗議しています。弾頭1.2t程度の運搬能力があるとされ、北朝鮮の小型化技術は未知数ですが、過去に2007年以来5回核実験を行い、昨年は2回の核実験を実施、10キロトン程度の核爆発を成功させています。核弾頭がアメリカ主要都市を射程に含んでいる、北朝鮮の狙いは在韓米軍撤退を含め朝鮮半島へのアメリカの関与を断念させる事に在り、アメリカ世論が脅威を受け止めるまで開発は継続されるでしょう。
経済制裁が現在、北朝鮮の核開発及びミサイル開発に対して世界規模で実施されている唯一の実力行使です。しかし、軍事関連資材の輸出禁止やミサイル関連技術の禁止等に限られ、北朝鮮民間経済活動への制裁は不充分で、日本が行う全資金送金の禁止や民間渡航の禁止と事実上人道緊急の資材を例外とした禁輸措置のような厳しい措置は行われていない。この点についてアメリカは中国からの経済制裁強化を切望していますが、具体的な行動は無く、米中摩擦へと発展しつつあります。
北朝鮮はここ10年間で複数の新型弾道ミサイルを開発しています。スカッドC改、KN-11/北極星1号型、KN-15/北極星2号型、ムスダン/火星10号型、KN-17/火星12号型、KN-20/火星14号型、開発されているミサイルは此れだけの数となります。また、弾道ミサイルは多種多様であると共に、明確な用途を有しており試作型の乱立というわけではありません、改良型が次々と開発される中、日米は弾道ミサイル迎撃能力の強化を後追いしていますが、泥縄式という印象は否めない。
スカッドC改は精密誘導型とされT-62戦車改造の機動発射装置により展開し、航空母艦等を目標とするべく前方操縦翼を追加したもので、西日本や九州を射程としています。KN-11/北極星1号型、解体用に取得のゴルフ級潜水艦を参考に建造した新浦級潜水艦より投射する潜水艦発射弾道弾でソ連製R-27/SS-N-6を参考としたもの、ただ、実用性は未知数です。
KN-15/北極星2号型、これは前述のKN-11を陸上発射型としたもので射程は日本全土を治める2000km程度とされます。ムスダン/火星10号型、米軍の太平洋における拠点グアム等を狙う射程4000kmとし、長期の常温保存が可能な液体燃料を動力として採用しています。弾頭は1.2t程度、核弾頭とした場合、50キロトン程度の運搬手段となりえるでしょう。
KN-17/火星12号型、本年5月14日に初めて発射されたもので、高高度を飛翔するロフテッド軌道により高度2111km に達し、最大射程は5000kmに達すると考えられています。KN-20/火星14号型、この開発によりアメリカ本土の西海岸と内陸部を核攻撃可能とした可能性があり、アメリカは1962年のキューバ危機以来、深刻な核の脅威に曝されています。
軍事行動の可能性はあるのか、アメリカ軍は在韓米軍へ弾道ミサイル迎撃能力を有するTHAADミサイル搬入を加速させると共に、B-1B戦略爆撃機を度々グアムから展開させ哨戒飛行を実施、日本とのイージス艦等によるミサイル防衛訓練を強化しています。しかし、ミサイル防衛は限界があり、特殊部隊と航空攻撃による発射前の無力化が必要となりますが、実施すれば弾道ミサイルによる反撃が予想され、想像を絶する惨事となりかねません。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
北朝鮮が28日深夜から29日にかけ、新型ミサイル実験を行いました。射程は10000km、深刻な脅威です。日米は早速F-2戦闘機とB-1B爆撃機による共同訓練を実施しました。
7月28日深夜、舞坪里試験場にてKN-20/火星14号型弾道ミサイルの実験が行われました。ロフテッド軌道にて高度3724kmまで上昇した後、北海道奥尻島沖150kmの我が国排他的経済水域内に落下しました。今月4日に続いて発射された大陸間弾道弾で射程は9000kmから10000kmに達し、アメリカ西海岸ロサンゼルスや内陸のシカゴ、欧州のパリやロンドンを射程に収めるという。
東京は北朝鮮から1000km、1993年に実施されたノドンミサイル実験により既に射程に入っており、沖縄の在日米軍基地まで1300kmを隔てていますが1998年のテポドンミサイル実験を経てその射程内に含まれました。テポドン改良型は3400km先のグアムを射程に収め、4500kmを隔てたアラスカやハワイは2016年のムスダンにより射程内に入りました。
アメリカのトランプ大統領は、ロサンゼルスやシカゴを射程に収める北朝鮮の弾道ミサイルへ強く抗議しています。弾頭1.2t程度の運搬能力があるとされ、北朝鮮の小型化技術は未知数ですが、過去に2007年以来5回核実験を行い、昨年は2回の核実験を実施、10キロトン程度の核爆発を成功させています。核弾頭がアメリカ主要都市を射程に含んでいる、北朝鮮の狙いは在韓米軍撤退を含め朝鮮半島へのアメリカの関与を断念させる事に在り、アメリカ世論が脅威を受け止めるまで開発は継続されるでしょう。
経済制裁が現在、北朝鮮の核開発及びミサイル開発に対して世界規模で実施されている唯一の実力行使です。しかし、軍事関連資材の輸出禁止やミサイル関連技術の禁止等に限られ、北朝鮮民間経済活動への制裁は不充分で、日本が行う全資金送金の禁止や民間渡航の禁止と事実上人道緊急の資材を例外とした禁輸措置のような厳しい措置は行われていない。この点についてアメリカは中国からの経済制裁強化を切望していますが、具体的な行動は無く、米中摩擦へと発展しつつあります。
北朝鮮はここ10年間で複数の新型弾道ミサイルを開発しています。スカッドC改、KN-11/北極星1号型、KN-15/北極星2号型、ムスダン/火星10号型、KN-17/火星12号型、KN-20/火星14号型、開発されているミサイルは此れだけの数となります。また、弾道ミサイルは多種多様であると共に、明確な用途を有しており試作型の乱立というわけではありません、改良型が次々と開発される中、日米は弾道ミサイル迎撃能力の強化を後追いしていますが、泥縄式という印象は否めない。
スカッドC改は精密誘導型とされT-62戦車改造の機動発射装置により展開し、航空母艦等を目標とするべく前方操縦翼を追加したもので、西日本や九州を射程としています。KN-11/北極星1号型、解体用に取得のゴルフ級潜水艦を参考に建造した新浦級潜水艦より投射する潜水艦発射弾道弾でソ連製R-27/SS-N-6を参考としたもの、ただ、実用性は未知数です。
KN-15/北極星2号型、これは前述のKN-11を陸上発射型としたもので射程は日本全土を治める2000km程度とされます。ムスダン/火星10号型、米軍の太平洋における拠点グアム等を狙う射程4000kmとし、長期の常温保存が可能な液体燃料を動力として採用しています。弾頭は1.2t程度、核弾頭とした場合、50キロトン程度の運搬手段となりえるでしょう。
KN-17/火星12号型、本年5月14日に初めて発射されたもので、高高度を飛翔するロフテッド軌道により高度2111km に達し、最大射程は5000kmに達すると考えられています。KN-20/火星14号型、この開発によりアメリカ本土の西海岸と内陸部を核攻撃可能とした可能性があり、アメリカは1962年のキューバ危機以来、深刻な核の脅威に曝されています。
軍事行動の可能性はあるのか、アメリカ軍は在韓米軍へ弾道ミサイル迎撃能力を有するTHAADミサイル搬入を加速させると共に、B-1B戦略爆撃機を度々グアムから展開させ哨戒飛行を実施、日本とのイージス艦等によるミサイル防衛訓練を強化しています。しかし、ミサイル防衛は限界があり、特殊部隊と航空攻撃による発射前の無力化が必要となりますが、実施すれば弾道ミサイルによる反撃が予想され、想像を絶する惨事となりかねません。
北大路機関:はるな くらま
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