■防衛フォーラム
今回は空軍関連の話題を重点的に集めました。
イギリス空軍とオーストラリア空軍はF-35運用で連携強化します。ミッションデータパートナーシップ協定としてイギリス空軍とオーストラリア空軍は、フロリダ州エグリン空軍基地において、ともにイギリス空軍第80飛行隊とオーストラリア空軍第80飛行隊の再活性化式典を実施しました、両国は今後ACURLという機構を通じ情報連携する。
ACURL共同軍事データセンターはF-35戦闘機が運用と同時に飛行情報等を集約するMDFSミッションデータファイルセットのデータ情報を共有し、整備情報や作戦運用に関する情報共有を行う。計画ではカナダ空軍が2026年にF-35の導入を開始するため、第80飛行隊を新設したうえでミッションデータパートナーシップ協定を結ぶ予定です。
■スナイパーポッド
自衛隊もF-2に搭載しています。
アメリカのロッキードマーティン社はイギリスでスナイパーポッドの製造を強化します。AN/AAQ-33スナイパー先進照準ポッドは現在、イギリスベッドフォードシャー州のロッキードマーティンアンプトヒル工場に新しい生産施設を構築中です。特にアンプトヒル工場では電子装備品関連の配線製造を担当しているとのこと。
AN/AAQ-33スナイパー先進照準ポッドは航空自衛隊のF-2戦闘機にも搭載されるもので、アメリカ空軍ではF-16,F-15,B-1,海兵隊のAV-8などに搭載されているほかトーネード攻撃機などにも搭載、従来広く採用されたLANTIRNポッドの五倍の制度で目標を識別し追尾したうえでGPS座標情報などを精査し、精密攻撃を支援するものです。
■クロアチアラファール
はたからみていると無料中古機譲渡の話からあれよあれよというまに流されているなあと見えているものでしたけれども。
クロアチア空軍は待望のラファール戦闘機受領を開始しました、4月25日、クロアチア空軍はフランスからのラファール戦闘機到着をヴェリカゴリチア空軍基地において歓迎式にて迎え、老朽化とともに性能の陳腐化が進み過ぎていたMiG-21戦闘機の後継機を入手しました。到着したのは導入する12機の内の6機、単座型4機と複座型2機です。
ラファール戦闘機はクロアチア空軍第91航空団第191戦闘飛行隊へ配備されることとなります。クロアチアはいままでMiG-21戦闘機を装備、超音速飛行は可能ですが中距離空対空ミサイルの運用能力はなく現代の航空戦では生存さえ難しいのが実情です。しかし2009年にNATO加盟を果たしたクロアチアは欧州各国との防衛協力を許可しました。
MiG-21戦闘機の後継はこうした中、F-16V戦闘機やJAS-39戦闘機等を模索した中予算面の折り合いがつかずイスラエルF-16C中古機などを検討した結果、2020年にラファールF3Rの中古機を導入が決定、2025年中に残る6機が引き渡される予定となっています。この歓迎式典にはクロアチア議会のゴルダンヤンドロコヴィ議長も出席しました。
■グリペン後継
スウェーデンの防衛政策大転換が。
スウェーデン空軍はJAS-39戦闘機後継機計画を白紙撤回するもようです。JAS-39戦闘機は重武装中立政策を進めるスウェーデンが独自の防空戦力を構築するべく短距離離着陸性能や単機単位での分散運表を念頭とした補給体系に適合する、しかし制空戦闘から対艦対地戦闘に偵察任務にも対応し、厳しい電子戦環境での運用能力を持つ戦闘機です。
JAS-39戦闘機国産能力は、同時に重武装中立政策を堅持するスウェーデンだからこそ、周辺国の安全保障環境から独立して戦闘機を国産席る能力を堅持していましたが、同時にJAS-39戦闘機は第4.5世代戦闘機であるものの、現在の第五世代戦闘機や続いて開発される第六世代戦闘機については開発費が大幅に高騰する問題がスウェーデンの悩み。
NATO加盟がスウェーデンの戦闘機国産計画に影響を及ぼすもようで、これは2022年の時点で欧州にはGCAP戦闘機計画として日本とイギリスにイタリアが参加する戦闘機計画とドイツとフランスのFCAS次世代戦闘機計画があり、こちらとの連携を模索していました。今回、NATO加盟を機に独自の次期戦闘機計画を見直すこととしたもよう。
■MH-139価格高騰
UH-2をすすめたくなる気もしますがUH-1Jの後継にUH-139というのが在っても良かったのかと思ったりします。
アメリカ空軍のMH-139A調達数削減がコスト超過を発生させました、MH-139Aグレイウルフヘリコプターはアメリカ空軍が戦略空軍の大陸間弾道ミサイル基地警備などに空軍特殊部隊の緊急輸送用に調達している多用途ヘリコプターですが、アメリカ空軍はすべての航空機に関する調達計画を見直し、その一環としてMH-139Aも削減されている。
MH-139AはUH-1N多用途ヘリコプターの後継機として80機が調達される計画でしたが、予算不足から2026会計年度以降の調達計画を見直し、42機で調達を終了するとともに状態の良いUH-1Nの一部をワシントン州のフェアチャイルド基地やニューメキシコ州のカートランド基地、フロリダ州のデュークフィールド基地で運用継続する計画という。
80機から42機への調達縮小により、現在の費用見積もりよりも少なくとも25%から50%程度MH-139Aの調達費用が増大すると判明しており、これが重大な契約違反であるとアメリカ議会上院などで指摘されています。ただ、空軍は価格高騰は技術的問題ではなく議会がMH-139Aの調達数を元に戻せば解決するという反論を行っています。
■三菱でF-16整備
日本飛行機での整備支援を拡大してゆくということなのか。
アメリカ空軍は在日米軍戦闘機の定期整備を三菱重工に委託する方向で調整に入りました。これは日経新聞が5月14日に報道したもので、航空自衛隊戦闘機の整備実績がある三菱重工とIHIなどとのあいだで日本政府が仲介となる形でアメリカ空軍戦闘機定期整備に関する打診を行っているとのこと。空軍は三沢と嘉手納に戦闘機を置く。
アメリカ軍の航空機ではすでにF/A-18やF-35戦闘機が神奈川県の厚木基地にりんせつした日本飛行機の施設において定期整備を行っていますが、今回名前が挙がった三菱重工の施設は愛知県の小牧基地に隣接しており、自衛隊のF-15やF-2.F-35を整備していて、今後愛知県でのアメリカ軍戦闘機の定期整備が開始される可能性がでてきました。
■F-22退役に反対
今年久々に横田で公開されたF-22はかなり傷んでいたという。
アメリカ議会下院一部にF-22退役反対の動きがあるとのこと。具体的にはアメリカ国防総省は空軍の20億ドル節約計画の一環として2025会計年度に250機の戦闘機を退役させるとしており、この退役させる戦闘機の中にF-22戦闘機ブロック20の比較的新しい機体が32機含まれています。下院ではこの穴埋めの方が費用面で問題だ、と。
F-22戦闘機32機を退役するなどして20億ドルを節約した場合でも空軍にF-22を32機補うだけのF-35などを取得する費用の方が大きいという批判であり、また下院では空軍がF-15EX戦闘爆撃機調達計画を削減したことにも反対があり、更に1年間ボーイング社での製造を延長し当初計画通りのイーグルⅡを導入すべきと主張しています。
■ボラメから長射程AAM
5世代でも6世代でもなく4.9世代ということですが日本がFSX計画独自案の際に到達できなかった水準に韓国が30年遅れとはいえ夢を実現させたところは凄いとおもう。
韓国が開発するKF-21戦闘機が初の長距離空対空ミサイル試験に成功しました。KF-21戦闘機はボラメ戦闘機として韓国政府とインドネシア政府およびKAI韓国航空産業が出資し独自開発する戦闘機で、敢えて第五世代戦闘機をねらわないがある程度のステルス製を有し第4.5世代戦闘機を越える第4.9世代戦闘機として開発がすすむ。
ミーティア空対空ミサイルが今回の試験において発射されたとのこと。ミーティアミサイルはイギリスドイツフランスのMBDA社により開発された空対空ミサイルでもともとはユーロファイター戦闘機やラファール戦闘機に搭載を想定したもの、射程が200kmと長い。韓国空軍は2032年までにボラメ戦闘機120機を配備し旧式機を置き換える。
■F-15EXサプライチェーン
イーグル2は開発されたのが遅すぎたともいえる。
アメリカ空軍が導入を進めるF-15EXについてサプライチェーンの問題が発生しているとのこと。具体的にはF-15EX戦闘爆撃機を製造するボーイング社に部品を供給しているGKNエアロスペース社がアメリカでの複合素材製部品製造終了を計画しているため。ボーイング社は2001年以降複合素材部品の供給を同社に依存しています。
GKNグループはイギリスのゲストキーンアンドネトルホールズ、もともとGKNエアロスペースはボルボエアロとしてスウェーデンのボルボ社系列となっていましたが2012年にGKNグループに吸収合併されたという歴史があります。同社はミズーリ州ヘーゼルウッドに自社工場をおいていますが、その工場が2025年に閉鎖される見込み。
ボーイング社ではアメリカ空軍向けのF-15EXにくわえて海軍と海兵隊が運用するF/A-18E/F戦闘攻撃機を製造しており、こちらもGKNエアロスペースの複合素材部品が使用、アメリカ政府は戦闘機の主要部品をアメリカ国内で製造する約款のもと戦闘機製造を発注しているため、代わりとなる業者をボーイングは探さなければなりません。
■F/A-50単座型
日本のF-1支援戦闘機と同じ流れ。
韓国政府はF/A-50軽戦闘機の単座型開発を推進します。これはMOTIE韓国通商産業エネルギー省が発表したもので、もともとT-50超音速練習機として開発されているF/A-50軽戦闘機は複座型のみとなっていますが、戦闘機としての運用に特化した単座型を開発することにより世界の戦闘機市場において有利に運用できると考えたもの。
F/A-50軽戦闘機単座型の開発について、韓国政府はKAI韓国航空産業と共同で494億ウォン、米貨換算で3640万ドルを投入し、またGCAS自動地表衝突防止システムの追加などもこの改良型開発費用に含めるとのこと。また単座型とすることで後部コックピット周辺を燃料タンクに転用できることとなり最大30%の戦闘行動半径拡大を見込む。
戦闘機市場においてF/A-50は有用な選択肢となりつつあり、この背景には初期型のブロック10こそ簡易のエルタEL/M-2032レーダーを搭載していましたがブロック20よりレイセオン社製AESAレーダーを搭載し、AMRAAM空対空ミサイルなどの運用能力を持ち、しかし取得費用はF-16Vの半額、スウェーデンのJAS-39よりも35%安価となっている。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は空軍関連の話題を重点的に集めました。
イギリス空軍とオーストラリア空軍はF-35運用で連携強化します。ミッションデータパートナーシップ協定としてイギリス空軍とオーストラリア空軍は、フロリダ州エグリン空軍基地において、ともにイギリス空軍第80飛行隊とオーストラリア空軍第80飛行隊の再活性化式典を実施しました、両国は今後ACURLという機構を通じ情報連携する。
ACURL共同軍事データセンターはF-35戦闘機が運用と同時に飛行情報等を集約するMDFSミッションデータファイルセットのデータ情報を共有し、整備情報や作戦運用に関する情報共有を行う。計画ではカナダ空軍が2026年にF-35の導入を開始するため、第80飛行隊を新設したうえでミッションデータパートナーシップ協定を結ぶ予定です。
■スナイパーポッド
自衛隊もF-2に搭載しています。
アメリカのロッキードマーティン社はイギリスでスナイパーポッドの製造を強化します。AN/AAQ-33スナイパー先進照準ポッドは現在、イギリスベッドフォードシャー州のロッキードマーティンアンプトヒル工場に新しい生産施設を構築中です。特にアンプトヒル工場では電子装備品関連の配線製造を担当しているとのこと。
AN/AAQ-33スナイパー先進照準ポッドは航空自衛隊のF-2戦闘機にも搭載されるもので、アメリカ空軍ではF-16,F-15,B-1,海兵隊のAV-8などに搭載されているほかトーネード攻撃機などにも搭載、従来広く採用されたLANTIRNポッドの五倍の制度で目標を識別し追尾したうえでGPS座標情報などを精査し、精密攻撃を支援するものです。
■クロアチアラファール
はたからみていると無料中古機譲渡の話からあれよあれよというまに流されているなあと見えているものでしたけれども。
クロアチア空軍は待望のラファール戦闘機受領を開始しました、4月25日、クロアチア空軍はフランスからのラファール戦闘機到着をヴェリカゴリチア空軍基地において歓迎式にて迎え、老朽化とともに性能の陳腐化が進み過ぎていたMiG-21戦闘機の後継機を入手しました。到着したのは導入する12機の内の6機、単座型4機と複座型2機です。
ラファール戦闘機はクロアチア空軍第91航空団第191戦闘飛行隊へ配備されることとなります。クロアチアはいままでMiG-21戦闘機を装備、超音速飛行は可能ですが中距離空対空ミサイルの運用能力はなく現代の航空戦では生存さえ難しいのが実情です。しかし2009年にNATO加盟を果たしたクロアチアは欧州各国との防衛協力を許可しました。
MiG-21戦闘機の後継はこうした中、F-16V戦闘機やJAS-39戦闘機等を模索した中予算面の折り合いがつかずイスラエルF-16C中古機などを検討した結果、2020年にラファールF3Rの中古機を導入が決定、2025年中に残る6機が引き渡される予定となっています。この歓迎式典にはクロアチア議会のゴルダンヤンドロコヴィ議長も出席しました。
■グリペン後継
スウェーデンの防衛政策大転換が。
スウェーデン空軍はJAS-39戦闘機後継機計画を白紙撤回するもようです。JAS-39戦闘機は重武装中立政策を進めるスウェーデンが独自の防空戦力を構築するべく短距離離着陸性能や単機単位での分散運表を念頭とした補給体系に適合する、しかし制空戦闘から対艦対地戦闘に偵察任務にも対応し、厳しい電子戦環境での運用能力を持つ戦闘機です。
JAS-39戦闘機国産能力は、同時に重武装中立政策を堅持するスウェーデンだからこそ、周辺国の安全保障環境から独立して戦闘機を国産席る能力を堅持していましたが、同時にJAS-39戦闘機は第4.5世代戦闘機であるものの、現在の第五世代戦闘機や続いて開発される第六世代戦闘機については開発費が大幅に高騰する問題がスウェーデンの悩み。
NATO加盟がスウェーデンの戦闘機国産計画に影響を及ぼすもようで、これは2022年の時点で欧州にはGCAP戦闘機計画として日本とイギリスにイタリアが参加する戦闘機計画とドイツとフランスのFCAS次世代戦闘機計画があり、こちらとの連携を模索していました。今回、NATO加盟を機に独自の次期戦闘機計画を見直すこととしたもよう。
■MH-139価格高騰
UH-2をすすめたくなる気もしますがUH-1Jの後継にUH-139というのが在っても良かったのかと思ったりします。
アメリカ空軍のMH-139A調達数削減がコスト超過を発生させました、MH-139Aグレイウルフヘリコプターはアメリカ空軍が戦略空軍の大陸間弾道ミサイル基地警備などに空軍特殊部隊の緊急輸送用に調達している多用途ヘリコプターですが、アメリカ空軍はすべての航空機に関する調達計画を見直し、その一環としてMH-139Aも削減されている。
MH-139AはUH-1N多用途ヘリコプターの後継機として80機が調達される計画でしたが、予算不足から2026会計年度以降の調達計画を見直し、42機で調達を終了するとともに状態の良いUH-1Nの一部をワシントン州のフェアチャイルド基地やニューメキシコ州のカートランド基地、フロリダ州のデュークフィールド基地で運用継続する計画という。
80機から42機への調達縮小により、現在の費用見積もりよりも少なくとも25%から50%程度MH-139Aの調達費用が増大すると判明しており、これが重大な契約違反であるとアメリカ議会上院などで指摘されています。ただ、空軍は価格高騰は技術的問題ではなく議会がMH-139Aの調達数を元に戻せば解決するという反論を行っています。
■三菱でF-16整備
日本飛行機での整備支援を拡大してゆくということなのか。
アメリカ空軍は在日米軍戦闘機の定期整備を三菱重工に委託する方向で調整に入りました。これは日経新聞が5月14日に報道したもので、航空自衛隊戦闘機の整備実績がある三菱重工とIHIなどとのあいだで日本政府が仲介となる形でアメリカ空軍戦闘機定期整備に関する打診を行っているとのこと。空軍は三沢と嘉手納に戦闘機を置く。
アメリカ軍の航空機ではすでにF/A-18やF-35戦闘機が神奈川県の厚木基地にりんせつした日本飛行機の施設において定期整備を行っていますが、今回名前が挙がった三菱重工の施設は愛知県の小牧基地に隣接しており、自衛隊のF-15やF-2.F-35を整備していて、今後愛知県でのアメリカ軍戦闘機の定期整備が開始される可能性がでてきました。
■F-22退役に反対
今年久々に横田で公開されたF-22はかなり傷んでいたという。
アメリカ議会下院一部にF-22退役反対の動きがあるとのこと。具体的にはアメリカ国防総省は空軍の20億ドル節約計画の一環として2025会計年度に250機の戦闘機を退役させるとしており、この退役させる戦闘機の中にF-22戦闘機ブロック20の比較的新しい機体が32機含まれています。下院ではこの穴埋めの方が費用面で問題だ、と。
F-22戦闘機32機を退役するなどして20億ドルを節約した場合でも空軍にF-22を32機補うだけのF-35などを取得する費用の方が大きいという批判であり、また下院では空軍がF-15EX戦闘爆撃機調達計画を削減したことにも反対があり、更に1年間ボーイング社での製造を延長し当初計画通りのイーグルⅡを導入すべきと主張しています。
■ボラメから長射程AAM
5世代でも6世代でもなく4.9世代ということですが日本がFSX計画独自案の際に到達できなかった水準に韓国が30年遅れとはいえ夢を実現させたところは凄いとおもう。
韓国が開発するKF-21戦闘機が初の長距離空対空ミサイル試験に成功しました。KF-21戦闘機はボラメ戦闘機として韓国政府とインドネシア政府およびKAI韓国航空産業が出資し独自開発する戦闘機で、敢えて第五世代戦闘機をねらわないがある程度のステルス製を有し第4.5世代戦闘機を越える第4.9世代戦闘機として開発がすすむ。
ミーティア空対空ミサイルが今回の試験において発射されたとのこと。ミーティアミサイルはイギリスドイツフランスのMBDA社により開発された空対空ミサイルでもともとはユーロファイター戦闘機やラファール戦闘機に搭載を想定したもの、射程が200kmと長い。韓国空軍は2032年までにボラメ戦闘機120機を配備し旧式機を置き換える。
■F-15EXサプライチェーン
イーグル2は開発されたのが遅すぎたともいえる。
アメリカ空軍が導入を進めるF-15EXについてサプライチェーンの問題が発生しているとのこと。具体的にはF-15EX戦闘爆撃機を製造するボーイング社に部品を供給しているGKNエアロスペース社がアメリカでの複合素材製部品製造終了を計画しているため。ボーイング社は2001年以降複合素材部品の供給を同社に依存しています。
GKNグループはイギリスのゲストキーンアンドネトルホールズ、もともとGKNエアロスペースはボルボエアロとしてスウェーデンのボルボ社系列となっていましたが2012年にGKNグループに吸収合併されたという歴史があります。同社はミズーリ州ヘーゼルウッドに自社工場をおいていますが、その工場が2025年に閉鎖される見込み。
ボーイング社ではアメリカ空軍向けのF-15EXにくわえて海軍と海兵隊が運用するF/A-18E/F戦闘攻撃機を製造しており、こちらもGKNエアロスペースの複合素材部品が使用、アメリカ政府は戦闘機の主要部品をアメリカ国内で製造する約款のもと戦闘機製造を発注しているため、代わりとなる業者をボーイングは探さなければなりません。
■F/A-50単座型
日本のF-1支援戦闘機と同じ流れ。
韓国政府はF/A-50軽戦闘機の単座型開発を推進します。これはMOTIE韓国通商産業エネルギー省が発表したもので、もともとT-50超音速練習機として開発されているF/A-50軽戦闘機は複座型のみとなっていますが、戦闘機としての運用に特化した単座型を開発することにより世界の戦闘機市場において有利に運用できると考えたもの。
F/A-50軽戦闘機単座型の開発について、韓国政府はKAI韓国航空産業と共同で494億ウォン、米貨換算で3640万ドルを投入し、またGCAS自動地表衝突防止システムの追加などもこの改良型開発費用に含めるとのこと。また単座型とすることで後部コックピット周辺を燃料タンクに転用できることとなり最大30%の戦闘行動半径拡大を見込む。
戦闘機市場においてF/A-50は有用な選択肢となりつつあり、この背景には初期型のブロック10こそ簡易のエルタEL/M-2032レーダーを搭載していましたがブロック20よりレイセオン社製AESAレーダーを搭載し、AMRAAM空対空ミサイルなどの運用能力を持ち、しかし取得費用はF-16Vの半額、スウェーデンのJAS-39よりも35%安価となっている。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)