■明日の本土防衛担う新装備
今日でいう16MCVこと16式機動戦闘車、評価試験進むその試作車両が一般初公開となりましたのがこの日でした。
機動戦闘車、増加装甲を設計時点で標準装備、というものも。10式戦車のモジュール装甲採用により前例はあるのですけれども、ボルトオン式増加装甲の標準装備というものに、将来発展性を考えているのか、基本装甲が心もとないのか、少し考えてしまいましたね。
機動戦闘車を正面から。この車輛は将来的に装甲戦闘車などに転用される事はあるのでしょうか、三菱重工ではプライベートベンチャーで開発している様子が海外の兵器見本市で紹介されていますが、付け焼刃的な、試製56式装甲人員輸送車の様な変な形状ではあった。
機動戦闘車、車幅2.98mと道路運送車両法車両限界では特殊大型車両となる。ただ、機動砲の装甲戦闘車転用では、イタリアのフレシア装輪装甲戦闘車がチェンタウロ2戦車駆逐車の車体を転用しているのですね。105mm砲型から120mm砲型へ拡大した際の派生型だ。
フランスのVBCI装輪装甲戦闘車は、650両が調達され、25mm機関砲等を一人用として、操縦手と砲手を車内配置、車長は歩兵分隊長を兼ねて後部兵員室からモニターを通して全般指揮に当り、下車戦闘の際には車長も降りて分隊を指揮するという、運用をしています。
機動戦闘車はフロントエンジン方式である為、装輪装甲戦闘車の派生型は有り得る。ただ、駆動系は流用できるのですが、後部兵員室や砲塔基部を構成する車体は別物を再設計し、小型の25mm機関砲塔を採用する等、下車戦闘への人員確保の設計が選択肢でしょう。
96式装甲戦闘車、小松製作所の国産装甲車です。装甲が薄いとか小型等言いたい放題の印象がありますが、日本の道路情勢に適合した実のところ傑作装備と思う。何より安価です。例えば、大き過ぎて役所に届けねば駐屯地から出られない汎用装甲車では話になりません。
中距離多目的誘導弾、1セット5億円。これは元々普通科中隊の対戦車小隊へ大量配備される計画で、自衛隊の戦車減勢を受け、対戦車火力の強化を目指したもの。ただ、高価なミサイルを多数そろえるよりも、必要な戦車を揃える方が税金の有効利用のようにも思える。
NBC偵察車、小松製作所は開発したもの。これを原型に、装輪装甲車(改)が開発されましたが、要求仕様は全て満たしていたにも関わらずこの翌々年に性能不充分として国が受け取りを拒否、小松製作所は意味が分からないとして、爾後の新規防衛事業撤退を発表した。
03式中距離多目的誘導弾、2010年代に入り陸上自衛隊の地対空ミサイルは本来野戦防空用の装備でしたが、中国軍巡航ミサイル戦力の異常規模での増大を受け、航空自衛隊の弾道ミサイル防衛部隊穴埋めとして陸上自衛隊に巡航ミサイル防衛の新任務が付与されている。
ペトリオットミサイルPAC-3,終末段階での弾道ミサイル迎撃を担うのですが、15kmから20km程度と迎撃範囲が限られ、この後にPAC-3-MSEとして防空能力を30kmまで広める改修が。将来的には長射程のスタンダードSM-6地上発射型等に置換えられるのだろうか。
74式戦車、本州の戦車部隊はまだこの74敷居が主力だ、とは時代錯誤な発想で2019年時点で74式戦車は第3戦車大隊と第9戦車大隊に第10戦車大隊、第1戦車大隊の一部と第13戦車中隊、残りは僅か8個中隊だけとなっています。後継車は無く純減に近い状況だ。
89式装甲戦闘車、前型の73式装甲車並みに350両程度が量産され、北海道に4個普通科連隊程度を充足する予定でしたが、68両で生産終了となり、機甲師団である第7師団の所要定数半数だけを確保して、生産終了となりました。政府は普通科部隊を重視するというが、ならばこれは必要です。
87式自走高射機関砲、一応全国に高射中隊を配備すべく170両程造る予定でしたが、48両で生産終了、高度な電子装備を合わせ、北海道では第7高射特科連隊と第2高射特科大隊に配備されています。戦車数が削減される中、重要となる戦車を確実に防護するには、これも後継装備を考える必要が。
CH-47JA輸送ヘリコプター、やはり目の前にしても見上げる程にその機体は全てが大きいですね。第1ヘリコプター団への集中配備が行われると共に、北関東の第12ヘリコプター隊、九州の西部方面航空隊、そして沖縄の第15ヘリコプター隊などに配備されています。
AH-64D戦闘ヘリコプター、島嶼部防衛を考えますと特に必要な装備なのですが、今後の無人機の軍事利用を考えますと、多数の無人機に対し警戒監視を行い、対抗無人機の管制さえ可能、AH-64Dは単なる航空打撃力に留まらない重要なポテンシャルを有している。
AH-1S対戦車ヘリコプター、富士重工がUH-1J多用途ヘリコプターの後継として双発のベル412を原型としたUH-2を開発しましたが、単純な航空打撃力のみに注力するならば、AH-1Sのシステムと運用思想をUH-2に盛り込んだ、AH-1Wの様なAH-2という選択肢も。
こうして一通り装備品展示を巡ったのですが、やはり注目は本邦初公開となった機動戦闘車で、時間を追うと共に多くの見学者に包まれてゆきました。戦車ではありませんが、74式戦車の代替と昔の60式自走無反動砲の中間というような位置づけには、最適でしょう。
習志野と共に年末年始頑張った当方は、少し遅い年始旅行という事で自衛隊最精鋭という事で名高い第1空挺団降下訓練始めを堪能しました、そして当方は次なる目的地、茨城県大洗町観光と神奈川県横須賀観光へ向かい、まずJR津田沼駅へと転進を開始した訳です。御帰りはこちら。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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今日でいう16MCVこと16式機動戦闘車、評価試験進むその試作車両が一般初公開となりましたのがこの日でした。
機動戦闘車、増加装甲を設計時点で標準装備、というものも。10式戦車のモジュール装甲採用により前例はあるのですけれども、ボルトオン式増加装甲の標準装備というものに、将来発展性を考えているのか、基本装甲が心もとないのか、少し考えてしまいましたね。
機動戦闘車を正面から。この車輛は将来的に装甲戦闘車などに転用される事はあるのでしょうか、三菱重工ではプライベートベンチャーで開発している様子が海外の兵器見本市で紹介されていますが、付け焼刃的な、試製56式装甲人員輸送車の様な変な形状ではあった。
機動戦闘車、車幅2.98mと道路運送車両法車両限界では特殊大型車両となる。ただ、機動砲の装甲戦闘車転用では、イタリアのフレシア装輪装甲戦闘車がチェンタウロ2戦車駆逐車の車体を転用しているのですね。105mm砲型から120mm砲型へ拡大した際の派生型だ。
フランスのVBCI装輪装甲戦闘車は、650両が調達され、25mm機関砲等を一人用として、操縦手と砲手を車内配置、車長は歩兵分隊長を兼ねて後部兵員室からモニターを通して全般指揮に当り、下車戦闘の際には車長も降りて分隊を指揮するという、運用をしています。
機動戦闘車はフロントエンジン方式である為、装輪装甲戦闘車の派生型は有り得る。ただ、駆動系は流用できるのですが、後部兵員室や砲塔基部を構成する車体は別物を再設計し、小型の25mm機関砲塔を採用する等、下車戦闘への人員確保の設計が選択肢でしょう。
96式装甲戦闘車、小松製作所の国産装甲車です。装甲が薄いとか小型等言いたい放題の印象がありますが、日本の道路情勢に適合した実のところ傑作装備と思う。何より安価です。例えば、大き過ぎて役所に届けねば駐屯地から出られない汎用装甲車では話になりません。
中距離多目的誘導弾、1セット5億円。これは元々普通科中隊の対戦車小隊へ大量配備される計画で、自衛隊の戦車減勢を受け、対戦車火力の強化を目指したもの。ただ、高価なミサイルを多数そろえるよりも、必要な戦車を揃える方が税金の有効利用のようにも思える。
NBC偵察車、小松製作所は開発したもの。これを原型に、装輪装甲車(改)が開発されましたが、要求仕様は全て満たしていたにも関わらずこの翌々年に性能不充分として国が受け取りを拒否、小松製作所は意味が分からないとして、爾後の新規防衛事業撤退を発表した。
03式中距離多目的誘導弾、2010年代に入り陸上自衛隊の地対空ミサイルは本来野戦防空用の装備でしたが、中国軍巡航ミサイル戦力の異常規模での増大を受け、航空自衛隊の弾道ミサイル防衛部隊穴埋めとして陸上自衛隊に巡航ミサイル防衛の新任務が付与されている。
ペトリオットミサイルPAC-3,終末段階での弾道ミサイル迎撃を担うのですが、15kmから20km程度と迎撃範囲が限られ、この後にPAC-3-MSEとして防空能力を30kmまで広める改修が。将来的には長射程のスタンダードSM-6地上発射型等に置換えられるのだろうか。
74式戦車、本州の戦車部隊はまだこの74敷居が主力だ、とは時代錯誤な発想で2019年時点で74式戦車は第3戦車大隊と第9戦車大隊に第10戦車大隊、第1戦車大隊の一部と第13戦車中隊、残りは僅か8個中隊だけとなっています。後継車は無く純減に近い状況だ。
89式装甲戦闘車、前型の73式装甲車並みに350両程度が量産され、北海道に4個普通科連隊程度を充足する予定でしたが、68両で生産終了となり、機甲師団である第7師団の所要定数半数だけを確保して、生産終了となりました。政府は普通科部隊を重視するというが、ならばこれは必要です。
87式自走高射機関砲、一応全国に高射中隊を配備すべく170両程造る予定でしたが、48両で生産終了、高度な電子装備を合わせ、北海道では第7高射特科連隊と第2高射特科大隊に配備されています。戦車数が削減される中、重要となる戦車を確実に防護するには、これも後継装備を考える必要が。
CH-47JA輸送ヘリコプター、やはり目の前にしても見上げる程にその機体は全てが大きいですね。第1ヘリコプター団への集中配備が行われると共に、北関東の第12ヘリコプター隊、九州の西部方面航空隊、そして沖縄の第15ヘリコプター隊などに配備されています。
AH-64D戦闘ヘリコプター、島嶼部防衛を考えますと特に必要な装備なのですが、今後の無人機の軍事利用を考えますと、多数の無人機に対し警戒監視を行い、対抗無人機の管制さえ可能、AH-64Dは単なる航空打撃力に留まらない重要なポテンシャルを有している。
AH-1S対戦車ヘリコプター、富士重工がUH-1J多用途ヘリコプターの後継として双発のベル412を原型としたUH-2を開発しましたが、単純な航空打撃力のみに注力するならば、AH-1Sのシステムと運用思想をUH-2に盛り込んだ、AH-1Wの様なAH-2という選択肢も。
こうして一通り装備品展示を巡ったのですが、やはり注目は本邦初公開となった機動戦闘車で、時間を追うと共に多くの見学者に包まれてゆきました。戦車ではありませんが、74式戦車の代替と昔の60式自走無反動砲の中間というような位置づけには、最適でしょう。
習志野と共に年末年始頑張った当方は、少し遅い年始旅行という事で自衛隊最精鋭という事で名高い第1空挺団降下訓練始めを堪能しました、そして当方は次なる目的地、茨城県大洗町観光と神奈川県横須賀観光へ向かい、まずJR津田沼駅へと転進を開始した訳です。御帰りはこちら。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)