◆対岸の北朝鮮、ロシア海軍への抑止力
先週水曜日、つまり一週間前なのですが、午後に時間ができたので久しぶりにタンゴディスカバリー号に飛び乗り舞鶴基地へ行ってきました。
最初に訂正、昨日の記事ですが、19DDについて減額査定により省かれた統合電気推進に代わる先進装置が、と勘違いしていましたが、基本は、ガスタービンの形式を含め、たかなみ型の発展型でした。また、船体構造も従来のままで、当方の思いこみ、というのが実情です。概算要求で先進砲や先進船型お採用が断念され、減額査定でステルス性重視と統合電気推進の部分が断念と思っており、溶接窪抑制の新素材と何らかの先進的な推力の部分は維持されたと思っていたのですが失礼しました。こうした勘違い、意外に当方は多いので、お気づきの方は、お手数ですけれども今回のようにお教え頂けると有難いです。写真は、あたご。
舞鶴基地の護衛艦を一手に引き受ける北吸桟橋を前島埠頭から一望します。この前島埠頭は舞鶴と小樽を結ぶ日本海フェリーが発着している埠頭で、停泊艦、入出港、夜景を含めて舞鶴基地を一望できる有名な撮影地であるとともに、フェリーとともに行き来するトラックやトレーラーが並び、縁では釣り客が多く集い海鳥とともに平穏な一日を過ごしています。背景には五老岳とその頂上に五老スカイタワーが見降ろしています。横須賀のように軍港めぐり遊覧船が舞鶴市役所裏から運航されているのですが土日祝日のみの運行で、平日のこの日は運行されていないので、ここから撮影開始です。
SH-60J哨戒ヘリコプターが舞鶴航空基地から利発着を繰り返します。近くに日本三景で名高い天橋立があることからもわかるように、丹後半島と舞鶴湾は隣り合っていて日本屈指の情景を誇る事が出来る航空基地、眺望は勧められるものです。ここを基地として第23航空隊がSH-60Jと新しく装備が始まったSH-60Kを運用し訓練にあたっています。前島埠頭からは航空基地の一部が見えるため、この発着訓練を見る事が出来るのですが、しかし飛んでいない時もあるので、東舞鶴駅に到着したとき、訓練を示す回転翼航空機の音が聞こえてくると、おお、やってるな!、と感じたりもします。
冒頭に写真を載せた護衛艦あたご、は第3護衛隊群第3護衛隊に所属し舞鶴を母港とする護衛艦、満載排水量10000㌧のイージス艦で、この写真の奥に見えるのが、舞鶴を母港とするのですが所属は横須賀の第1護衛隊群第1護衛隊に配備されている護衛艦すずなみ、です。満載排水量6300㌧。おや、と思ったのは手前の護衛艦うみぎり、第4護衛隊群第4護衛隊に所属する護衛艦なのですが母港は呉、広島から京都へ入港している、という様子です。うみぎり、といえば何年か前に大雪の舞鶴基地に寄港の近海練習航海部隊に参加していたのを思い出しました。満載排水量4950㌧。
掃海艇桟橋を一望できる舞鶴市役所に向かいます。前島埠頭からは格闘訓練を行っていた舞鶴警備隊本部の隣を通り警察署、そして赤煉瓦博物館の隣を通り舞鶴市役所へ、ここにはATMコーナーが隣接されていて、喫茶コーナーや自販機もありますから、秋とは言えまだまだ暑い日中にはここで水分を補給したりもできるのですが、掃海艇桟橋をみますと舞鶴地方隊第44掃海隊に所属する掃海艇まえじま、その向こうには舞鶴警備隊第2ミサイル艇隊所属のミサイル艇うみたか、が停泊していて、この艇は北吸桟橋にいる事が多いのですが、なんと76㍉砲弾を搭載中でした。
文庫山学園、舞鶴の老人福祉施設なのですがここに続いて登りました。北吸桟橋の対岸にはユニバーサル造船の向上があって、ここで整備補給などを行っている様子が見えます。前島埠頭からも少しは見えるのですが、今回は艦名が見える位置にはいなかったので、登って初めて分かりました、護衛艦あまぎり、海賊対処任務の第二次派遣隊として舞鶴から展開した護衛艦あまぎり、が整備中です。乗員220名、ステルス性の配慮が薄い設計は時代から遅れているとも言われるのですが、二本のマストとともに水上戦闘艦らしい艦容はしっかりと伝わってきます。
護衛艦みねゆき、舞鶴への帰港です。護衛艦の入港を撮影できるとは、運が良かった、というべきでしょうか。みねゆき、の背景には舞鶴クレインブリッジ、舞鶴市大浦と舞鶴中心部を結ぶ橋梁で、二羽の鶴を彷彿とさせる姿は舞鶴の観光名所の一つにも数えられています。この橋を渡ってしばらく日本海側に進みますと、関西電力PR館という、クルーズ船のような形をした講演がありまして、ここから入出港する艦船を撮影することが出来ます。海事専門誌南下を読んでいますと、たまにこの場所で撮影したのかな、という写真ともめぐり合う事があります。
護衛艦みねゆき、は護衛艦隊第14護衛隊に所属する護衛艦で、母港は舞鶴です。満載排水量4000㌧、ところで、実は、あたご、あまぎり、を撮影した後で文庫山を下りて北吸桟橋の方に向かっていたのですが、建物と建物の隙間から舞鶴港務隊の曳船が出航するのが見えました、曳船が動き出した、という事は何か入港してくるという意味でしょうから、慌てて前島埠頭に転進しようとおもったのですけれども、時間はどうしてもなさそう、という事で久々に全速力で坂を駆け上がり、文庫山学園前から撮影することが出来た、という訳です。ちょうど視界に入ってきたところ、間に合ってよかった。
舞鶴基地へ、みねゆき、が帰ってきました。舞鶴基地は立地上、ここで大きく旋回して向きを変えなければなりません、一部の艦船ファンの間では、これを北吸の大槍廻!、として慕っているようです。対岸のユニバーサル造船の、あまぎり、そして北吸う桟橋の、あたご、その間を進む、みねゆき、軍港らしい一コマです。幸いというか偶然というか、文庫山学園に一日数本というバス、大半のバスは麓の国道を往くのですが一部が乗り入れていまして、その一部がちょうどこの時間帯に入っていましたので、乗りこみます。
バスは中舞鶴経由西舞鶴行きでしたので、そのまま乗る事にしました。国道27号線を進み、舞鶴基地を眺めていますと、驚いたことにミサイル艇が二隻、舞鶴地方隊のミサイル艇は、はやぶさ、そして掃海艇桟橋の、うみたか、です。一瞬見えた艦番号によれば、なんと二隻並ぶ奥の海側にはかつて舞鶴地方隊に所属していた、現在大湊地方隊余市防備隊第1ミサイル艇隊に所属しているミサイル艇わかたか、が入港していたのですね。ミサイル艇は満載排水量240㌧、速力44ノット、一撃必殺の対艦ミサイルを主武装として哨戒と攻撃にあたる地方隊の槍です。
西舞鶴港を出航する砕氷艦しらせ。最後に白状しますが前日のニュースで舞鶴に入港している様子が放映されていたのですよ、そこで艦長が本館の舞鶴入港は里帰りです、と仰っていたので造船所のある東舞鶴に入港したのだろう、と。そこで足を運び、東舞鶴で、入港しているのは西港だよ、と。ううむ、しかも一般公海までやっているという話だったんですが、今からでは間に合わない、という事で諦めていたところ、前述の西舞鶴行きのバスが、そこで出航だけでも良いから撮ろう、と急遽方針変更してこの写真だけ何とか撮れました、とさ。このあたりの下り、詳しくは第二北大路機関で何度かに分けて掲載しますのでお楽しみに。
HARUNA
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