北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成二十五年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2014.02.01・02)

2014-01-31 22:05:34 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 明日からいよいよ二月、しかしなかなか冬は終わりません。そんな中の今週末の自衛隊行事について。

Img_4967 今週末ですが、駐屯地祭や航空祭といった自衛隊関連行事は予定されていません、また海上自衛隊HPを確認しましても、海上自衛隊の艦艇寄港情報なども出ていません。佐世保基地倉島桟橋一般公開は1日土曜日と2日日曜日に行われ、多用途支援艦あまくさ一般公開が行われます。

Img_5262 舞鶴基地は今週末土曜日と日曜日に一般公開を行います、岸壁が一般公開されるのですが、上甲板一般公開は行われません。呉基地一般公開は2月2日のみ、艦艇上甲板一般公開は行われる、こちらも桟橋のみ一般公開です。公開時間などは各地方隊HPをご確認ください。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

  • 自衛隊関連行事はなし

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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東北方面隊創設50周年記念行事詳報⑤ 宮城・盛岡・青森・秋田・岩手・山形・福島の県旗

2014-01-30 23:48:58 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆観閲行進の先頭は東北方面隊管区七県の県旗

 東北方面隊創設50周年記念行事、いよいよ観閲行進が始まります。

Simg_8544 
 宮城・盛岡・青森・秋田・岩手・山形・福島の県旗が観閲行進に先立ち、式典会場に入場します。宮城・盛岡・青森・秋田・岩手・山形・福島、どれも東北方面隊の管区に或る県で、方面隊は全ての地域に管区連隊等を置き、この地域における防衛警備及び災害派遣を担います。

Simg_8545 東北方面隊管区は冷戦時代、青函地区という重要地域の防衛を担いました、特に青函地区はソ連側が太平洋へ進出する上での重要海峡であり、併せてこの地域が着上陸されたならば北海道と本州の連絡が寸断することを意味し、北海道防衛の観点からも重要な要衝です。

Simg_8546 また、東北地方はソ連沿海州より発信する戦闘爆撃機の戦闘行動半径圏内にあり、青函地区だけではなく、その地形全般を見ても山岳地帯と沿岸部よりなる地形があり、着上陸を許せば敵海岸堡の排除が困難となると共に山間部における盆地は空挺強襲への脆弱性を有していました。

Simg_8547 東北方面隊は、第9師団と第6師団を以てこの地域の防衛に当たってきましたが、特に青森の第9師団については特科火砲と戦車部隊を重装備が集中する北部方面隊管区師団と同等の規模を目指した編成とし、青函地区の防衛を固めています。

Simg_8548 なお、第9師団は冷戦時代にFH-70榴弾砲を最初に装備するなど近代化を続けていましたが冷戦後、はその優先度が低くなり、60式自走無反動砲やL-90高射機関砲が長く残り、普通科部隊は近年まで高機動車も配備されず、トラックと64式小銃というものでした。

Simg_8550 東北南部を担う第6師団は司令部を神町に置き、全国への機動展開、特に青函地区への機動展開と東部方面隊管区日本海岸への着上陸時への全般支援を担うと共に、首都圏での大規模災害時には南下し、支援に当たる体制をとっていました。こう考えますと、神町は戦後GHQの東日本鉄道輸送司令部が置かれた輸送の中枢であり、仙台港も近い。

Simg_8552 東北方面隊は冷戦後導入された即応予備自衛官制度を取り入れたコア化部隊と教育訓練部隊を統合し、東北方面混成団を創設しています。即応予備自衛官制度は財政的な負担が少々大きい印象が無くお無いのですが、元来の予備自衛官の年間訓練数が少なすぎたことを考えた場合、一つの選択肢と言えたかもしれません。

Simg_8551 さて、管区内の県旗の更新とともに車両部隊の観閲行進が始まります。これに先立って、報道陣が撮影位置へ入場してゆきます。報道の方が手前に立たれると観閲行進を全く撮影できなくなるのですが、車列の反対側に配置する、というのはありがたい配慮ですね。

Simg_8553 東北方面隊の記念行事は見ての通り霞目飛行場地区を会場として実施するため、車両行進の数が非常に多く、中央観閲式等と比較しても勝るとも劣らない規模と言えるやもしれません、そのため、マスコミの方も多い。しかし、富士学校祭等でお目にかかる専門誌の方もちらほらと。

Simg_8538
 観閲行進に先立って、散水車と除染車が散水を始めました。散水車が散水するのは当然ですが、除染車も参加しています、除染車は化学兵器などの攻撃に際して中和剤を散布し地域除染を行う車両ですが、観閲行進などでは砂塵などを防ぐために散水します。

Simg_8539 除染車はこうした除染用の散水のみならずスプレーガンを装備していまして高圧放水による除染も行うことが可能です。この半年後の福島第一原発事故では、地域除染は放射性物質に中和剤は存在しないことから行えませんが、高圧放水による放射性降下物の塵除染を行いました。

Simg_8549 観閲行進準備が進むと共に少し違うところに視線を回してみますと、FH-70やUH-1が、雰囲気は野戦飛行場という情景の中、前回特集した音楽演奏に参加した部隊が撤収中です。この部隊は訓練展示模擬戦に参加するのでしょうか。

Simg_8555 観閲行進部隊は、いよいよ観閲行進を開始します。』見ての通り、元々多い観閲行進で知られる東北方面隊記念行事ですが、この50周年記念行事は整列した式典参加隊員だけで2000名以上、延々と並ぶ車列にますます期待も高まる。

Simg_8559 敬礼し、東北方面隊総監部爆量が総監の前に前進してゆきます。さていよいよというところ、観閲行進は県旗の入場を紹介しましたが、本体の観閲行進は、今回既にかなりの枚数になっていますので次回に紹介することとします。観閲行進が始まりました。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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新明和US-2救難飛行艇,インド輸出事実上合意、初の防衛省機輸出16億ドルの巨大契約

2014-01-29 23:49:06 | 国際・政治

◆一機1億1000万ドル15機、インド海軍配備へ

 ロイター通信によれば日印で交渉が続いていた救難飛行艇US-2が輸出でほぼ合意に至った、とのことです。報道によれば15機が輸出されるとのことで、巨大な防衛装備輸出契約となりました。

Simg_2144 US-2は昨年、太平洋上に沖合1200kmへ風速19mと波高4mという極めて厳しい環境下で救難任務を達成し、改めてその能力の高さを示しましたが、国産飛行艇開発は第二次大戦中の二式大型飛行艇依然と戦後のPS-1対潜飛行艇やUS-1/US-1A救難飛行艇と能力を積み重ねており、救難飛行艇としては世界最高の離着水能力と行動半径を有しています。

Simg_84220 その能力から以前より各国の注目を集めていましたが、一機1億ドル以上というF-35戦闘機に匹敵する高い取得費用から実現しませんでした。ただ、インド海軍はインド洋を任務海域とする海洋法執行活動や警備救難任務にその必要性を長く認識しており、今回、この高価な救難飛行艇の導入を決意することとなりました。

Simg_1544 インド海軍のUS-2救難飛行艇導入計画は、現段階で少なくとも15機の導入を計画しています。一機1億1000万ドル相当であり、15機で16億ドルに達する巨大契約となり、今後インド国内での維持部品や機体一部の生産とインド海軍仕様への改修に関する協議が行われます。

Simg_4566_1 インド海軍はTu-95哨戒機の後継機としてアメリカ製P-8A多目的哨戒機の対潜強化仕様を導入することとしており、US-2はこの行動半径における緊急時に備える運用も行われ、特に遂に就役と引渡成った中古改修空母ヴィクラマディーチャや国産空母ヴィクラント建造など旧式化した航空母艦の更新というように海軍力を強化しており、インド洋海洋安全保障への積極的な関与の意志が見えるようです。

Simg_4746 我が国としては初の防衛省機の輸出となります。過去にはV-107ヘリコプターをライセンス生産していた川崎重工がバートル社で生産終了後にスウェーデン海軍やサウジアラビア政府の要望に応じ輸出した事例や、三菱重工製F-104戦闘機が退役した際に米軍事援助費用相当の機数分をアメリカに移管し、これが台湾に譲渡されたことがありますが、例外的な事例でした。

Simg_1600 今回のUS-2輸出は、文字通り完成機で防衛省用に開発された航空機が初めて輸出されたことになります。我が国としては武器輸出三原則の拡大運用を続け、結果輸出を拒否することで費用面で増大する単価を防衛費の増額で補う武器輸出三原則堅持の姿勢が、防衛費よりも他の支出が大きくなり、一種平和主義の一手段とされていた武器輸出三原則拡大運用が維持できなくなりました。

Simg_2135 防衛装備品の輸出、最初が16億ドルの契約とは大きなことです、正直驚きました。他方で、日本側の展開は、過剰な平和主義よりも福祉が重視された、というところでしょうか。ただ、これは民主国家として、福祉重視の声を無視できないことも事実であり、合理的です。今後の我が国防衛産業の展開を見てゆきましょう。

北大路機関:はるな

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三菱重工、英BAE社とF-35戦闘機の機体後部生産を以て国際分業生産参加へ協議

2014-01-28 23:49:46 | 国際・政治

◆胴体後部部分、採算性見合えば各国へ供給 

 ロイター通信などによれば三菱重工はイギリスBAE社との間で、F-35戦闘機国際共同生産への参画についての協議を開始している、とのこと。

Gimg_7066 F-35は国際共同開発が行われるとともに国際共同生産を行うべく多国間国際分業体制の下で生産が行われます。こうした中、我が国では戦後一貫して戦闘機はライセンス生産として生産軒を購入し日本国内において供給することで予備部品や整備性の高度化を維持してきていまして、これがF-35ではどうなるのかが大きな課題でした。

Img_0439 今回、三菱重工がイギリスBAE社との間で協議しているのは機体の後部胴体を日本国内で生産するというもの、これまで、三菱重工は機体の最終組み立てを行う方向で調整しており、レーダー関連部品に三菱電機、エンジン部分の部品と一部組み立てを石川島播磨重工が担当することとなっています。

Img_22_60 今回の報道は、実現すれば世界中に配備されるF-35の後部胴体は日本製、ということとなります。これは一点、日本の防衛産業は最新鋭航空機の部分生産を担うことが出来るという技術が世界に評価されている、もう一点、武器輸出三原則の態勢が本格的に転換、完成品ではないという部分と場合によっては三原則が示す紛争当事国への供給が行われる、と課題になるのでしょう。

Iimg_1930 印象的な点は、日本はF-35が事実上完成した時点で正式採用を決定したわけですから、いうまでもなくF-35の開発計画にはほぼ参加せず、優先顧客でもない、という立場でありながら、機体の部分生産い関与するだけの交渉をよくぞ達成できた、という部分でしょうか。

Img_3405 F-35の国際分業生産は、諸外国で言うところの公共事業に匹敵するものとなりますので、元来、開発費の分担金に応じた生産分担が為されることとなっていました、日本は此処に割り込めたわけです。仮に実現したならば千機単位での生産が見込まれる航空機でありますので、航空防衛産業の規模維持には大きな好影響があることは間違いありません。

Timg_2924 ただ、ここまで利点ばかりを強調してまいりましたが、課題は無い訳もありません。後部胴体の生産に関して、現時点で三菱重工の見積もりは設備投資に数百億円を要するものであり、現在の試算では初期納入分の生産費用が想定されている納入価格を上回る可能性が示唆されているのです、どこからか補填されなければならない。

Img_7836 これまでのライセンス生産の歴史において盗られたような手法、つまり生産ラインの整備費用を、航空自衛隊納入分のF-35に上乗せすることは、実質的に初期の機体を有償軍事供与という形をとり輸入する観点から、選択肢とすることはできません。すると、生産ライン整備費用を国から補填されなければ実現は難しいでしょう。

Img_04_05 防衛費は限られており、この中で必要な装備品や部隊等は多くあります、反面、既存の装備品の稼働率などは防衛産業の協力により維持されているものが多く、国はこの部分を国策として防衛産業保護の姿勢を示すことが出来るのか、それとも、国際分業参加機会提示という重要な部分に短絡的な決断を示す事となるのか、関心を持ってみてゆきたいと思います。

北大路機関:はるな

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南海トラフ地震想定!平成25年度日米共同統合防災訓練、台風順延の訓練が実施へ

2014-01-27 23:44:25 | 防災・災害派遣

◆自衛隊南海トラフ地震対処計画に基づく展開

 防衛省によれば、来たる2月6日に昨年台風により延期となった平成25年度日米共同統合防災訓練を実施するとのこと。

Thimg_3423 この訓練は岩崎茂統幕長を統裁官とし、近い将来、我が国太平洋岸において発生した場合に数十万の死者を出すとして警戒されているマグニチュード9の南海トラフ地震を想定し作成された自衛隊南海トラフ地震対処計画に基づく展開を実施する訓練となっており、特に高知県での被災を想定して訓練が展開されます。

Thimg_7584 本訓練はMV-22が参加する初の防災訓練として注目されるでしょう。自衛隊からは統幕や中部方面隊、東部方面隊、中央即応集団、自衛艦隊、呉地方隊、航空集団、航空支援集団が参加することとなっており、ここに米軍参加部隊として第三海兵機動展開部隊よりMV-22可動翼機とCH-53重輸送ヘリコプターが参加すると発表されました。

Eimg_5922 この訓練の目的は災害対処に関する統合幕僚監部や編成されることとなっている南海トラフ地震対処統合任務部隊と各関係機関との連携、在日米軍との情報共有や共同任務実施などの連携、災害対処に関わる関係各省庁及び自治体との連携などが主眼とされています。

Img_0335 自衛隊からは航空機として、陸上自衛隊がUH-1多用途ヘリコプター2機とCH-47輸送ヘリコプター3機、海上自衛隊がUS-2救難飛行艇1機とSH-60哨戒ヘリコプター1機、航空自衛隊よりU-125捜索救難機1機とCH-47輸送ヘリコプター1機が参加し、護衛艦ひゅうが、多用途支援艦げんかい、車両20両も参加するようです。

Himg_3484 今回の訓練では南海トラフ地震における高知県での災害を想定しているため、陸海空自衛隊や在日米軍などの参加機関に加えて内閣府、高知県と高知県DMATや高知県内の病院の参加が予定されており、更なる関係機関や諸団体などの参加を調整中です。

Mimg_6043 その訓練内容は海上捜索救難及び患者搬送訓練と孤立地域物資輸送訓練の二つよりなり、具体的には高知県沿岸部の陸上と海上における漂流者や負傷者などの捜索と広域搬送拠点構築、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが艦内の臨時応急医療施設への搬送、応急医療施設からの陸上拠点病院への搬送が行われます。

Iimg_1506 このほか、孤立地域調査への航空偵察と孤立地域への災害派遣先遣部隊の空中機動による展開と救援物資搬送等を行う事となっており、自衛隊は近く中期防衛力整備計画に基づきMV-22の導入を開始するとしていますので、CH-47とMV-22の協同などについても、その成果に関心があります。

Gimg_45750 特に南海トラフ地震は、海溝型地震として一定期間を隔てて過去に連動し発生している点から関心がもたれてきましたが、昨今、核戦争の可能性を唯一の例外とすれば現実的に先進国において二十四時間という限られた時間内における死者数が数十万と想定されている未曽有の非常事態です。

Img_33_68 その被災地域には四国太平洋岸はもちろん、本州太平洋岸と九州太平洋岸を含む非常に広大な地域が被災すると考えられ、これまで大規模災害に対し後方の拠点となった京阪神地区と中京地区の大都市圏も地震と津波により大きな被害を受ける事が想定されているもの。

Fimg_6042 津波被害は関西国際空港や中部国際空港といった防災拠点となり得る施設を破壊し、東名高速道路などの輸送拠点を地震による地形崩壊が追い打ちをかけるのみならず、大きな輸送能力を有する港湾施設を破壊する為、既存の平時におけるインフラが機能しない状況を想定しなければなりません。

Pimg_0206 こうした中では最も大きな能力を発揮する民間の機能が回復するまでの復旧に、平時のインフラに依存しない状況を前提としている軍事機構の自己完結能力を以て、孤立した拠点同士が連携する方策を模索する必要があります。こうしたうえで、特に展開能力を緊急時において維持するノウハウが大きな米軍と、自衛隊の連携の重要性は大きいといえるでしょう。

北大路機関:はるな

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563回のスクランブル!防衛省、平成25年度3四半期までの緊急発進実施状況を公表

2014-01-26 23:13:12 | 防衛・安全保障

◆沖縄・鹿児島へ向かう中国機へ287回の緊急発進

 防衛省は21日、平成25年度3四半期までの緊急発進実施状況を公表しました。

Oaimg_1994 航空自衛隊は我が国周辺海域上空の飛行情報区域に沿い防空識別圏を設定しており、その空域へ飛行申請を出さず我が国領空への接近経路などを採る航空機を常時防空監視所が警戒し、防空識別圏を越え我が国領空へ接近する国籍不明機に対して、対領空侵犯措置任務に基づく緊急発進を行っています。

Img_1813 緊急発進は北海道、東北、北関東、北陸、北九州、南球種、沖縄の各基地に発進命令発令後五分以内に離陸可能な戦闘機部隊が待機しており、二機編隊により任務に当たると共に空対空ミサイル及び機関砲を使用可能な状態を以て実施されています。

Timg_2786 3四半期までの緊急発進件数は563回で、まだ今年度は三か月を残していますが過去二十年間の年間緊急発進件数を見れば、平成5年度311件、平成6年度263件、平成7年度166件、平成8年度234件、平成9年度160件、平成10年度220件、平成11年度154件、平成12年度155件、平成13年度151件、平成14年度188件という数字です。

Img_1167 平成15年度158件、平成16年度141件、平成17年度229件、平成18年度239件、平成19年度307件、平成20年度237件、平成21年度299件、平成22年度386件、平成23年度425件、平成24年度567件、という推移で、現時点で今年度は563件ですので過去二十年で最大の水準となる見通し。

Aimg_0583 緊急発進の対象は563回の実施では中国機が287件と最大勢力を占めていますが、今年度はロシア機への緊急発進が246件と勢力を戻しつつあり、このほか、北朝鮮機への緊急発進が9件、台湾機への緊急発進が1件、その他の国やその他の目標への緊急発進が9件とのことでした。

Nimg_7841 緊急発進の実施部隊は北部航空方面隊が158回、中部航空方面隊が60回、西部航空方面隊が50回、南西方面航空混成団が295回となっています。南西方面航空混成団は沖縄の那覇基地に司令部を置いていますが、中国機は航続距離が短いためこの南西方面航空混成団が中国機を一手に引き受けているかたち。

Simg_8640_1 国籍不明機が最も集中しているのは上海方面から沖縄本島及び鹿児島奄美大島沖へ向かう経路が最も多く、一部がそこから南下し尖閣諸島方面へ向かう経路を採ります。中国大陸からは尖閣諸島へ最短距離を取る経路ではありませんが、これは大陸から尖閣諸島への最短距離を飛行する場合、台湾空軍の緊急発進を受けるためでしょう。

Img_6610 ロシア機の経路は日本海を本州沿岸に沿って飛行する経路、北海道から本州四国九州南西諸島へ長距離飛行する経路、等、非常な長距離を飛行する経路が目立っており、一時期財政難により低調だったロシア空軍の飛行が活性化していることを端的に示している、と言えるかもしれません。

Nimg_2271 ここ数年間の増大とともに毎回考えさせられますが、対領空侵犯措置任務の増大は航空自衛隊の防空体制へ、警鐘を示しており、戦闘機定数や警戒監視体制、航空輸送体系などはこれまでの態勢のまま維持するのか、運用体系を見直す必要についても含め、考えてゆく必要性を、改めて感じます。

北大路機関:はるな

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自衛隊PKO活動再開、南スーダン情勢好転!政府軍と元副大統領派反乱軍に停戦合意

2014-01-25 23:14:40 | 国際・政治

◆和平でなく停戦、内戦勃発の危惧を回避成るか

 自衛隊が活動中の南スーダンは昨年末より元副大統領派の反乱軍が行動を開始、内戦の危惧がありましたが、停戦が合意されました。

Himg_9881 南スーダンはスーダンより独立を果たし、その新国家建設へ国連平和維持部隊が部隊を派遣していますが、内戦を経て独立を果たした南スーダンには油田があり、スーダンとの国境の緊張を孕むと共に民族分布が必ずしも境界線と合致せず、もとより内戦や国境紛争の危険性が懸念されています。

Jimg_3899 この根年賀現実となったのが昨年末からの反乱事案で北部二州の正規軍が反乱軍へ転向し、大規模な内戦になる危惧があり、北部ではPKO部隊が攻撃を受け戦死者が出ると共に韓国隊が包囲され孤立、政府は特例として自衛隊の備蓄弾薬を緊急提供するという一幕もありました。

Nimg_8836 この状況に対し、西アフリカ共同体などが軍事介入の姿勢を見せ、国連もPKO部隊派遣各国へ増援を養成しており、この中で自衛隊へ空輸支援の要請がありましたが、残念ながら現行法の限界により輸送支援をできなかった、という実情もありました。同時に中央アフリカでの内戦の危惧もあり各国が部隊を派遣しています。

Gimg_3747 南スーダンへは周辺国が政府間開発協力機構GADが停戦へ仲介を行い、特に以下の点で合意に至っています。非戦闘員への攻撃中止、人道援助物資の供給妨害中止、以上の点で、更に双方の勢力の軍事行動の停止を一両日中に実施する、というものです。

Img_3907 これは双方の勢力がエチオピアの首都アジスアベバにおいて実施された停戦交渉において合意されたもので、部隊の公道に部隊の移動や勢力拡大は禁止事項に含まれていることから、これは事実上の双方の戦闘停止に当たります。そして現時点では違反の報告が無いため、沈静化に向かった、と考えて間違いなさそうです。

Eimg_4283 ただ、戦闘停止の状態であり、双方の武装した部隊は展開したままである事に加え、部隊の移動を禁じているため、反乱軍の武装解除を行うのか当該地域の確保を求めるのか、武装解除を行うとすればその主体は国連か南スーダン国軍か、この点が明確ではありません。

Nimg_8475 今回、自衛隊のPKO派遣部隊は、万一を想定した十分な物資を蓄積し、安全な首都ジュバを活動地域としていたため、おおきな影響はありませんでしたが、今回の騒乱を受け人道支援活動を一時中止しています、これが今回の停戦を受け再開されるに至っています。

Mimg_1468 停戦合意で重要なのは戦闘を停止しただけであり、反乱部隊となった元副大統領派は拘束されている関係者の釈放を求めており、政府軍は反乱軍の責任者へ騒乱による死傷者の発生に対する責任を求めているため、実のところ停戦であっても和平ではない、という実情を無視してはならないでしょう。

Hbimg_0250 仮に、反乱軍の武装解除などの面でPKO部隊が矢面に立つ可能性が出れば、平和執行任務に転換し、大きな戦闘の主体にPKO部隊が立たされる可能性があります。我が国としては、現在の後方支援と民生支援を主体とし、戦闘支援や治安任務を度外視している態勢を維持することが難しくなるため、戦闘部隊の派遣について、厳しい法的判断を行わなければならなくなるのかもしれません。

北大路機関:はるな

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平成二十五年度一月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2014.01.25・26)

2014-01-24 22:59:32 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 南スーダン情勢は、一時内戦状態が見えましたが一応方向性として停戦の道筋が見えつつあります、合意が為され実行を待つのみ、何とか鎮静化してほしいですね。

Gimg_7857 こうしたなかで、今週末の自衛隊関連行事について、演奏会などを除けば海上自衛隊HPに行事予定はありません。また、陸上自衛隊駐屯地祭や航空自衛隊航空祭もまだ行われません。佐世保基地一般公開ですが、今週末は土曜日に護衛艦あさゆきい一般公開が行われるのみ、日曜日には一般公開は行われません。

Gimg_8497 舞鶴基地一般公開は26日日曜日のみ、土曜日の一般公開は行われませんのでこちらもご注意ください、艦艇上甲板開放は行われず岸壁からのみの見学になるようです。呉基地では26日に練習艦せとゆき一般公開が予定されており、佐世保、呉、舞鶴、共に公開日をご確認の上どうぞ。

Gimg_9066 大湊基地は、年度内の一般公開は11月で終了していまして、積雪期という事の関係でしょうか、新年度の4月より再開予定とのことです。一般公開が行われる基地についてですが、一般公開の時間と警備所の手続きなどについては、各地方隊のHPに詳細が掲載されていますので、足を運ばれる方はご確認の上お願いいたします。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

  • 自衛隊関連行事はなし

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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P-1哨戒機07号機大空を往く!、防衛省納入に向け川崎重工岐阜工場にて飛行試験実施中

2014-01-23 23:34:10 | 先端軍事テクノロジー

◆P-1哨戒機も気が付けば七機目

 海上自衛隊の最新鋭哨戒機P-1哨戒機07号機の写真が今週撮影できましたのでお伝えしましょう。

Pimg_7275 機首と垂直尾翼に07、と記載があり7号機であることを示しています。P-1は量産機の試験が進み、昨年は高高度急降下試験中のトラブルにも見舞われましたが解決策の目処が付き、飛行試験は再開されていますが、同時に量産も進められ、試作機2機とともに量産機が川崎重工において生産中です。07、という数字は写真をトリミングして気づきました。しかし改めて考えればP-1哨戒機も気が付けば七機目、初号機の試験飛行から見守っている当方としては、やはりある種感慨深く思うものがあります。

Img_7276 P-1哨戒機で毎回困るのは音が小さすぎる点で、どの程度かと問われれば表現が難しいのですが、同程度の高度を往く航空自衛隊が運用する小型のT-400基本操縦練習機と同じ程度でしかないため、気づいた時には既に頭上を通過している、というところです。若干音が甲高いので、気を付けていればP-1,という事に気づくのですが。今回も超望遠レンズを用意する時間はもちろん、ズーム安全装置を外す時間的余裕もなく、慌ててカメラを向けた、というところなのですが。

Pimg_7277 P-1哨戒機は川崎重工を主契約企業として我が国航空産業及び防衛電子産業が総力を結集して開発した国産機で、同時に航空自衛隊のC-2輸送機を開発し、機体構造部分やエンジンこそ別物ですが最大限の部品を共通化し、開発費を極力抑えていると共に能力はP-3Cと比較し、航続距離が6500kmから8000kmに延伸され那覇航空基地を基点とした場合インドネシア北部までが含まれる広大なものとなったほか、飛行高度も8800mから13000mとなり、高い高度からより広い海域の哨戒が可能です。

Pimg_7281 フライ・バイ・ライト方式の操縦機構を採用、四基のXF7-10エンジンにより高高度巡航から旧軌道と低空低速飛行まで安定した操縦性能を有し、我が国で実績あるAESA方式レーダーの最新型HPS-106を搭載し、P-3C哨戒機の近代化と共に技術を温め続けた各種装備、ソノブイや音響情報処理装置、FLIR赤外線探知装置にESM電波探知機やMAD磁気探知装置等を駆使し、海中の潜水艦を探すと共に遠距離の水上艦情報を収集します。索敵情報はMIDS-LVTデータリンクシステムにより瞬時に共用化され、戦域情報優位を保つというもの。

Pimg_7291 進出速度が向上し高高度から広い海域のソノブイ情報やその他潜水艦の兆候を把握する本機は文字通り海洋国家日本に不可欠な新型航空機であり、同時に嘉手納基地へ配備が開始された米海軍のP-8A哨戒機との連携も設計時より念頭に置いて開発されています。海上自衛隊、と胴体後部に明記されており技術研究本部、と初号機に明示されていたことと比べれば量産機は全てそうでしたが、P-1哨戒機の開発完了は昨年三月、厚木航空基地より量産機が試験中で来年には実任務運用につくこともあり、改めてこちらも印象的です。

Img_7293 機体塗装が迷彩を意識していることが、この角度から見ると非常によく分かります。さてさて、七号機となりますとやはり、まだ一月ではありますが来年には自衛隊観艦式が行われます。P-1哨戒機は編隊で祝賀飛行に参加するのか、今年の航空観閲式には百里に海上自衛隊機として並びその威容を示すのか、昨年地上展示されたといいます鹿屋航空基地祭では今年は来るのかという事と飛行するのか、気が早いといわれるところではあるでしょうけれども、気になるところですね。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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榛名防衛備忘録:五個方面隊へ方面空中機動混成団新編は大きな抑止力となり得るだろう

2014-01-22 23:43:34 | 防衛・安全保障

◆奇襲対処能力強化自体がその脅威を減退させる
 ここまで二日間に渡り、方面空中機動混成団の提案について掲載してまいりました。
Img_09_84 普通科連隊と対舟艇対戦車隊を方面航空隊と統合運用し、空中機動による迅速な機動展開を行う。札幌の丘珠、仙台の霞目、東京の立川、大阪の八尾、熊本の健軍、以上に司令部を置く実質五個の空中機動旅団は、我が国の防衛力にこれまでにない大きな機動力を付与することとなります。航空機の即応稼働率は一定以上とする事は出来ませんが、多用途ヘリコプター20機を有する東北方面航空隊は東日本大震災において文字通り緊急の状況においても8機を即応対処させ情報収集に当たりました。
Img_1716a これは常設普通科連隊と航空隊を運用することで、この割合が維持されれば完全な奇襲を受けた場合であっても携帯対戦車兵器と機関銃を含む二個小隊を8機の多用途ヘリコプターで起動させ、護衛と火力支援に6機の対戦車ヘリコプターを点けることが出来る、というもの。我が国へ着上陸を企てる勢力に対しては、これほど邪魔な部隊は考えられません。日本列島は広大ですので、海洋を経て上陸する障壁そのものは大きいですが、それを越えて渡洋作戦を実施する勢力にはここまで準備出来た以上、我が国の防衛上の弱点を叩くことも可能です。しかし、その弱点が空中機動部隊によりすべて盤石な守りを固めるのですから。
Img_6986 方面空中機動混成団は、航空機編成で現状のまま移行する場合、AH-1S対戦車ヘリコプター16機、OH-6観測ヘリコプター10機、UH-1J多用途ヘリコプター20機、CH-47JA輸送ヘリコプター2機という編成です。現状のまま、輸送ヘリコプターは少々不足していますが、概ね機数では各国の空中機動旅団に匹敵するもの。理想としてはAH-64D戦闘ヘリコプター12機、OH-1観測ヘリコプター4機、EC-225多用途ヘリコプター16機、CH-47JA輸送ヘリコプター8機という編成でしょうか。EC-225多用途ヘリコプター16機に代えてAW-101多用途ヘリコプター12機かNH-90多用途ヘリコプターかS-92多用途ヘリコプター18機もあり得ると考えます。
Img_0008 財政面の問題が大きいことからの非現実的案としては、AH-64D戦闘ヘリコプター10機、MV-22可動翼機12機、UH-1Y多用途ヘリコプター4機、CH-47JA輸送ヘリコプター6機、というものがあってもいいでしょう。海兵遠征群MEUの航空支援部隊編制を参考にした編成で、戦闘ヘリコプターの数が米海兵隊でゃAH-1Z攻撃ヘリコプター4機に対して当方案では10機としていますが、これはAV-8攻撃機6機分の火力支援能力を含めたためのもので、仮に陸上自衛隊が中古のAV-8B攻撃機か限定的な攻撃力を有するMQ-9無人攻撃機を導入する場合、それにより代替されてもよいでしょう。
Img_1923 方面空中機動混成団は方面航空隊に常設普通科連隊を置いて機動力を高める、という視点ですが、この部分で問題として無視できないのは人員をいかに確保するか、という部分でしょう。他方で航空機に関しては、UH-X選定を如何に行うのか、AH-1S後継機を如何に調達するのか、という部分が課題となります。実のところ、この部分は財政的な面が大きな課題であり、特に防衛力に機動力をという政治の要求に対し、肝心の航空機の調達が政治的問題から遅々として進まない、という状況は喜劇的であり悲劇的です。このあたりは機動力重視の防衛大綱を放棄するか、航空機を調達するか、二者択一に他なりません。
Nimg_2367 空中機動混成団は独自の警備管区を持たないことが望ましい。これは災害や着上陸といった有事の際には留守部隊を残さず、そのまま全部隊が駐屯地を業務隊に委ね、出動する為です。従って、現在の師団や旅団に配置されている普通科連隊を改編する形で方面航空混成団に編入する、という方策はあってはなりません。こうした上で考えますと、現時点で警備管区という縛りから最大限自由度を持っている部隊、考えられるのは即応予備自衛官主体の方面混成団に所属する普通科連隊、そう考えます。
Fimg_6166 方面混成団隷下の普通科連隊、第19普通科連隊、第31普通科連隊、第47普通科連隊、第48普通科連隊、第52普通科連隊が現在置かれており、第24普通科連隊、第49普通科連隊が将来的に編成に組み込まれるとされています。この中で方面航空隊駐屯地に近い、ヘリコプター部隊に近い駐屯部隊を三個普通科中隊と本部管理中隊を基幹とする編成に戻し、編入することが考えられる最善の方法です。即応予備自衛官主体の編成では現役要員は二割程度とされますが、想定する三個中隊編制の普通科連隊は旅団普通科連隊編成であり、師団普通科連隊の半分強という規模ですので、実定員増強はある程度現実的な範囲内です。
Aimg_2875 北部方面隊には第52普通科連隊は唯一の方面混成団隷下部隊であるため抽出できず、第9普通科連隊を再編成し丘珠駐屯地へ配置。東北方面混成団より多賀城第38普通科連隊を現役基幹編成に改編し霞目駐屯地へ移駐。東部方面混成団より第31普通科連隊を現役基幹編成に改編し編入。中部方面混成団より海田市第47普通科連隊を抽出し現役基幹編成に改編した上で大久保駐屯地に移駐。西部方面混成団より福岡第19普通科連隊を現役基幹編成に改編し編入。こんなところでしょうか。
Img_6132 ヘリコプターは離陸から一時間で200kmを進出します、我が国が空挺強襲を受けたとしても空挺堡が確保され敵対空レーダ装置や地対空誘導弾などが稼動状態に展開する前に、最初の二個小隊を、展開させ、近傍駐屯地から管区普通科連隊が初動部隊を展開させるため、この初動部隊同士の共同により相手の機動展開を封じ込める事が可能です。更に敵部隊が着上陸や降下を開始して三時間以内に我が方は二個中隊と対戦車小隊が方面航空混成団の空中機動能力展開可能で、ここに第1ヘリコプター団の装備する32機のCH-47J/JA輸送ヘリコプターが第1空挺団の一個大隊基幹の戦闘部隊を展開、六時間以内に管区普通科連隊が装甲車を含む普通科中隊を展開させます。十二時間以内に火砲と戦車を以て連隊戦闘団が展開を開始しますので、相手の着上陸を失敗に追い込むことが可能です。
Timg_0372 島嶼部防衛では、もちろんヘリコプターの航続距離と進出速度にもよりますが、無人島への着上陸脅威が生じた場合でも、着上陸に至る前に一定の部隊を展開させ、相手に無血上陸ではなく着上陸には当然の高い代償を払う必要性を痛感させることとなり、軽武装部隊だけでの夜盗的な着上陸という選択肢はもはや通用しないことを痛感するでしょう。また、これは必然的に我が方に離島防衛の準備アリという事を強調するわけですので、仮想敵が渡洋作戦を準備する際には必然的にその物量や部隊集積がこれまで以上に大きくなり、つまり作戦準備が大袈裟になるため、逆にその兆候を我が方が感知することにもつながるでしょう。
Img_0099 方面空中機動混成団は、構想の着眼点こそ、今ある方面航空隊と、新編が続く方面対舟艇対戦車隊、更に既存の方面隊隷下の普通科連隊という、一つ一つの独立した部隊に普通科連隊を直轄部隊として配置することで大きな能力を発揮できる可能性を示してみました。文字通りスクラップアンドビルドであり、陸上自衛隊全体として新しいものを付与したわけではないのですけれども、運用方式を変えるだけで、空中機動旅団ならば五個編成できる、そんなことを考えてみました次第です。

北大路機関:はるな

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