北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

防衛省 C-2輸送機、早ければ2014年度に美保基地より配備開始と発表

2011-04-30 22:44:48 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆新輸送機C-2最新情報

 新輸送機C-2の部隊配備について、具体的な動きがありました、読売新聞からの引用です。

Img_479_6 次期輸送機を美保基地配備へ 14年度にも・・・ 防衛省は27日、航空自衛隊の次期輸送機C2(仮称)を、他基地に先駆けて2014年度にも美保基地(境港市)に配備する方針を鳥取、島根両県と騒音などの影響を受ける中海圏5市町に伝えた。現在のC110機と年次的に置き換える。 県庁では、中国四国防衛局の担当者らが高橋謙司企画部長に機種変更の事前協議を申し入れた。

Img_7324 国の今年度予算で2機分374億円の調達費が計上され、輸送機操縦の教育機能を持つ同基地が配備先に選ばれたという。 同防衛局側は、格納庫の建て替えなどに向けて「今年夏頃までに地元の了解を得たい」と要望。高橋部長は「離着陸のコースなどを明らかにしたうえで、地元が納得する形で進めてほしい」と述べた。C2はC1の約1・5倍の大きさ。搭載量と航続距離は大幅に上回るが、騒音は民間機の国際基準を満たしているという。(2011年4月28日  読売新聞)◆

Img_4813  新輸送機C-2の具体的配備計画が明示されました、入間基地ではなく美保基地です。C-2は現在二号機の初飛行を終えて評価が進められている航空機、C-1輸送機の後継機ですが、搭載能力はC-1の8㌧から26㌧搭載時に6500km、最大搭載量は37㌧ありフェリー航続距離は10000km、強力な輸送能力を持つ航空機です。記事にある通り、美保基地にはT-400基本操縦練習機の飛行隊がありますので、輸送機パイロットの養成を行っています。また、2005年ごろから滑走路延長工事を行っていたとのこと。

Img_7278  C-2、輸送能力の大きさから中央即応連隊や第一空挺団との協同による緊急展開が可能な埼玉県の入間基地を最初の配備基地、とするのであろうと思っていたのですが、美保基地、軽装備の第13旅団管区の基地ですが、航続距離が大きいため千歳基地の政府専用機と同じように、無理に首都圏に展開する必要はなかった、という事なのでしょうか、ともあれ、美保基地への配備、いまから期待するとともに、東日本大震災に間に合っていれば、と考える次第です。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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再論:新しい護衛艦隊八八艦隊案 シーレーン防衛・本土防衛の両立を目指して

2011-04-29 23:40:35 | 北大路機関特別企画

◆接近拒否戦略への対応と防災という国防

 2009年10月27日にWeblog北大路機関141万アクセス突破記念企画として、海上自衛隊には新しい八八艦隊が必要だ、との提案を行いました。東日本大震災とともに、海上自衛隊の展開能力は次の大震災に備えた充実の必要性もあり、改めてこの論題を考えてみたいと思います。

Img_7_216_2  新しい八八艦隊。現在の八八艦隊とは一個護衛隊群を護衛艦八隻とヘリコプター八機により構築するというもので、古い八八艦隊とは旧海軍が巡洋戦艦八隻と戦艦八隻により構想地区する、というものでした。当方が提案した、新しい八八艦隊、とは現在の護衛艦隊が四個護衛隊群八個護衛隊を基幹としていて、一個護衛隊をヘリコプター搭載護衛艦を中心としてミサイル護衛艦一隻と汎用護衛艦二隻から成る護衛隊、そして弾道ミサイル防衛に対応するイージス艦一隻を中枢として汎用護衛艦三隻を充ててその護衛に充てる護衛隊の二個護衛隊より編成されています。これを二個護衛隊ともヘリコプター搭載護衛艦一隻と弾道ミサイル防衛対応イージス艦一隻、汎用護衛艦二隻の四隻一個護衛隊を二個、八隻という護衛隊群の体制としてはどうか、という提案でした。ヘリコプター搭載護衛艦八隻、弾道ミサイル防衛対応イージス艦八隻と汎用護衛艦十六隻、新しい八八艦隊の概要は以上の通りになります。防衛省は現有の従来型ミサイル護衛艦を全てイージス艦で置き換える構想ですので、ヘリコプター搭載護衛艦は、ひゅうが型二隻に加えて現在発注されている平成22年度護衛艦いわゆる22DDH二隻を以て四隻体制を確立する方向ですが、これを更に四隻加えることで必要数を整備することが出来ます。乗員数は従来型ヘリコプター搭載護衛艦と全通飛行甲板型ヘリコプター搭載護衛艦が同程度、建造費は汎用護衛艦とイージス艦の中間程度で、維持費の面は未知数ですし艦隊全体や補給支援の負担も未知数なのですが、人員面と建造予算面は一応検討の余地はあると言えるのではないでしょうか。

Img_63_11_2  日本の国家運営にはシーレーンの維持を通じた海上通称航路の自由が絶対必要です。さて、中国が構想して構築するとされる“接近拒否戦略”、即ち巡航ミサイル等の長距離打撃手段により緊張が増大した中国近隣の地域に対して米軍の展開を遅らせるという方策に対して、中国近海を通る日本のシーレーンは重大な脅威を受けるという念頭のもとで、巡航ミサイルと潜水艦脅威からシーレーンを防護するにはヘリコプター搭載護衛艦とイージス艦の連携が不可欠であるとともに、日本本土に及ぶであろう弾道ミサイル脅威に対してもイージス艦による中間位置での迎撃が必要であるとともにイージス艦を潜水艦脅威から防護するにはヘリコプター搭載護衛艦との協同が不可欠であり、多任務対処能力が著しく向上するという利点。同時に四個護衛隊群八個護衛隊が同一編成を採っていた場合、作戦単位を八個とする事が出来るため即応性が高くなる、という一点が利点として挙げられます。また、太平洋戦争におけるシーレーン防衛を記した“海上護衛戦”では単線防御を行ったため敗北したとされ、クラウゼヴィッツの“戦争論”でも単線防御は避けるべきと明示されている事と併せて論述されているのですが、一個護衛隊群二個護衛隊を必要があった場合南シナ海に進出させることが出来れば、同調する米海軍空母機動部隊とともに複線防御の構築が可能になります。長距離打撃力に優れた米海軍の空母航空団を後方に配置し、護衛隊群が500km程度の間隔を以て南沙諸島方面の友好国島嶼部近海を遊弋すれば、理想の配置となると考えました。

Img_0187_2  こうした場合、わが国南西諸島が脅威正面の一つとなるため、嘉手納基地と那覇基地による防空体制を確立するとともに、海上自衛隊にあっては佐世保地方隊、舞鶴地方隊の増強を行う必要があるのでは、という内容は過去にも何度か掲載していて、例えば2009年1月13日に地方隊にも旗艦の整備が必要、との提案を行っているのですけれども、地方隊のミサイル艇や沿岸海域での戦闘を重視した小型艦により制海権を維持し、南西諸島には地対艦ミサイル連隊や中距離地対空誘導弾、多目的誘導弾と軽装甲機動車基幹の陸上部隊を緊急展開し、西方の盾、とよばれる防御態勢構築までの時間的猶予を確保、陸上航空基地からの哨戒機とともに複線防御を暫定的に構築する。同時に稼働状態の一個護衛隊群を早急に集合させ、南西諸島周辺に二個護衛隊を展開させることで本土とのシーレーンを維持し、米本土からの空母増援を以て複線防御を補完し完成させる、という方策が可能となります。

Img_281_5   しかし、一個護衛隊にヘリコプター搭載護衛艦とイージス艦、そして汎用護衛艦二隻を以て編成を行った場合でも、過飽和攻撃を受けた場合には何処まで対応できるのか、という問題があります。ソナー艦のような機能を発揮する50㌧クラスの無人高速艇を護衛隊周辺に複数遊弋させてソノブイバリアを補完するシステムを構築するのか、自衛艦隊直轄の旧型汎用護衛艦を支援に充てるのか、それでは統合編成を採った意味が無くなってしまいますが、さりとて汎用護衛艦を一個護衛隊に一隻二隻と増強すれば護衛隊が肥大化してしまい、運用が難しくなります。それだけではなく、日本近海に米海軍空母機動部隊が不在の場合には結局は単線防御となってしまいます。この場合は航空自衛隊に空中給油機と早期警戒管制機とを併せた防空を期待したいのですが、日本本土に対する防空を重視した、防空自衛隊というべき実態では期待に限界があります。その背景には欧州に照らせば日本列島の大きさは北欧ストックホルムから北アフリカカサブランカ間に匹敵する広大な空域を少数の飛行隊により防護するという過剰任務に起因しているのではありますが、固定翼哨戒機を援護する独自の戦闘機部隊を整備しない限り、艦隊防空を南方に広めることは難しいでしょう。戦闘機定数を増勢しては、という視点はあるのでしょうけれども、第一に将来、中国海軍が航空母艦などを保有し日本の太平洋側に脅威を及ぼすようになる、という事を考えれば、南西諸島、東海地方、小笠原地方に一個飛行隊を基幹とした航空隊が必要になる、という事も視野に入れる必要があり、艦隊防空まで手が回るかという事にもなります。

Img_1790 この観点から、ヘリコプター搭載護衛艦に航空機、F/A-18等は搭載出来ないにしてもAV-8やF-35Bのような垂直離着陸が可能な固定翼攻撃機を搭載し、艦隊前方防空を担わせるという可能性を模索したのですが、早期警戒機の支援やこの種の航空機はAMRAAMのような中射程ミサイルを搭載した場合でも果たしてSu-27のような戦闘機に対してどの程度対応が可能なのか、固定翼攻撃機の搭載により哨戒ヘリコプターの搭載が制限された場合、汎用護衛艦に搭載する哨戒ヘリコプターと併せてもこれを補う事が可能なのか、という問題点があります。AV-8であっても脅威対象が対艦ミサイルを発射する以前にイージス艦の防空網前方に進出して妨害することが可能という能力を維持することが、脅威対象の行動に不確定要素を与えて抑止力となる点も挙げられるのでしょうけれども、航空集団にSH-60J/KとP-1/P-3C,加えてAV-8/F-35Bというような装備体系を加えることは難しいのではないか、そもそも練習機はどうするのか、とも。加えてイージス艦とヘリコプター搭載護衛艦を備えた独立性の高い編成を採った場合、護衛隊群としての集中運用を逆に行いにくくなることから、護衛隊群を現状編成のままとして、護衛艦隊に護衛隊群を増勢するという選択肢を採った方が良いのではないか、との論点もあり得るかもしれません。冷戦時代には七個護衛隊群という案も実際に検討されていたようですしね、もっとも現状では脅威対象の面から少し視点を変える必要はあるのでしょうけれども。

Img_1986 そうするとむしろ、護衛隊群を現状編成のまま一個護衛隊群が二個護衛隊という二単位編成を採っていることから護衛艦隊を二個護衛隊群という二単位編成に改編し、自衛艦隊に二個護衛艦隊を置く編成を採った上で、中枢艦を導入、という議論も出てくるかもしれません。これは東日本大震災における空母の能力を受けての新しい視点ですが、航空中枢艦として大型艦を導入しては、という提案です。例えばアメリカのアメリカ級強襲揚陸艦、例えばフランスのPA-2というような大型の母艦を艦隊直轄艦として配置して、二単位編成であっても艦隊の能力を底上げするのか、という新しい視点を論点に交える必要が出てくるかもしれません。アメリカ級は一番艦と二番艦がドックを持たずに航空機動に重点を置いた編成となったのですが、もっともこれは昨今海兵隊からの強い要求がありエアクッション揚陸艇を運用するドックを付与する設計変更が行われるとのこと、他方でF-35Bの運用能力を有しており、空母では無く強襲揚陸艦であることから速力は比較的小さいですが搭載能力は大きいです。PA-2は満載排水量70000㌧の正規空母ですが、今回の東日本大震災ではフランスにも大きな支援の手を受けていますし、フランスからは次期戦闘機を購入することは難しいですけれども設計自体を購入して日本で建造するという選択肢はあるわけです。

Img_7540  自衛艦隊直轄の五個護衛隊について、そのうち二個護衛隊を護衛艦隊に各一個護衛隊で編入すれば航空母艦の直轄艦として後方に配置し、前方にある護衛隊群と後方の護衛隊群に加え全般支援に当たる航空母艦、その中間部分に旧自衛艦隊直轄護衛隊を遊弋させることで複線防御が完成するのですが、二単位編成とすれば一個艦隊を展開させることは自動的に半数を稼働させることになり、訓練や定期整備とともに運用体系を考えた場合には部隊自体の立ち上がりに要する期間を長くしてしまうのではないか、即応性が失われるのではないかという危惧も生じます。もっとも、八八艦隊としてヘリコプター搭載護衛艦とイージス艦を各八隻整備した上で、自衛艦隊直轄艦として例えばPA-2規模の航空中枢艦を一隻導入して、定期整備などの時期調整を米海軍が横須賀に前方展開させている空母ジョージワシントンとともに同時に入渠することがないよう運用する、という方策。いやいや、それでは海上自衛隊が艦載機を導入した場合では米海軍の空母を訓練に借りる訳にもいかず一隻では訓練もままならない、硫黄島での陸上空母発着訓練にも限界があるだろうし、という事も忘れてはなりません。すると二隻が必要になるのか、とも。しかしながら、東日本大震災をみた場合航空母艦の必要性、という事は防災の観点からも挙げられるのでして、こちらはもう少し議論の余地があるでしょう。まあ、行う場合には空母航空隊が必要となり作戦機定数や海上自衛官定数の観点から、防衛計画の大綱を改める必要があるのですがね。

Img_6279 八八艦隊の場合では多任務能力と提示したのですが、これは接近拒否戦略に対する南シナ海でのシーレーン防衛と日本本土に対する弾道ミサイル脅威に対する対処、という二点をこれまでの多任務の定義としてきたのですけれども、東日本大震災を念頭に置いた場合ヘリコプター搭載護衛艦は防災中枢艦としての能力を発揮することが出来るため、護衛隊全てにヘリコプター搭載護衛艦とイージス艦を配置することは、シーレーン防衛・弾道ミサイル防衛・大規模震災対処、という三任務を担う事が出来る訳です。しかし、群の位置づけはどうなるのか、護衛隊一個の能力に過大な任務を与えないのか、という一点から航空中枢艦を一隻乃至二隻導入しては、という提案を加味しました。暫定的な備忘録の結論として、八八艦隊を整備して護衛隊群の能力向上と多任務対応能力を付与するのか、従来編成を維持しつつ二単位編成化して航空中枢艦を配置させるのか、ということを次回までの論点としましょう。連休ということですし、お時間の暇のある方、ご意見等お寄せ頂けると幸いです。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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三菱重工、放射線防護型大型特殊フォークリフトを緊急開発、福島第一原発事故へ投入

2011-04-28 23:19:05 | 先端軍事テクノロジー

◆一ヶ月で開発・評価・納入!

 三菱重工が福島第一原発事故に対応する大型特殊フォークリフトを緊急開発し、完成させました。日本最大の防衛産業である同社は多くの蓄積を持っていますが、今回はその第一号、まずは三菱重工の発表を引用してみます。なお、写真は塔が良車両の写真がありませんので、少々無関係ですが戦後に三菱重工が開発した国産戦車、この技術が反映されているのでしょうね。

Img_5910 放射線を遮蔽するキャビン搭載の大型特殊フォークリフトを納入 福島第一原発周辺の汚染瓦礫処理に貢献 ・・・三菱重工業は、東京電力株式会社福島第一原子力発電所周辺の汚染された瓦礫を処理するため、放射線を遮蔽するキャビンを搭載した大型の特殊フォークリフトを開発、大成・鹿島・清水共同企業体に2台納入する。当社が手掛ける特殊車両技術と原子力技術を随所に採用した製品で、放射線汚染地域において操縦者の安全を確保しつつ効率良く瓦礫を処理し、現在進められている無人重機処理作業の効率改善や、原発建屋周辺の早期環境整備への貢献を目指す。納入は初号機が5月2日、2号機は同20日の予定。【遮蔽キャビン搭載大型特殊フォークリフト】  今回納入する製品は、当社製15トン・フォークリフトをベースに、当社が培った車両システム、フィルター、厚板溶接、放射線遮蔽・管理などの技術を駆使して約1ヵ月という超短工期で開発・製造したもの。板厚100mmの鋼板と厚さ230mmの鉛ガラスからなる全辺溶接構造の密閉キャビンを搭載しているのが特徴で、これにより放射線を可能な限り遮蔽して作業することを可能にした。また納入に当たっては、社内の放射能試験設備を活用し、製品の耐放射線性を事前検証した上で出荷する。 加えて、放射線に汚染された物質を除去する機能を持つ特殊なフィルターを装着、汚染された粉塵などを寄せつけることなく、浄化された空気のみをキャビン内に供給。また、空気浄化装置でキャビン内を与圧して、外気の侵入をシャットアウトする。 車両は全長7.3m、全幅2.5m、全高3.8m、重量30トンで、荷役荷重は9トン。 コンテナの移動に加えて、多様な場面に迅速に対応するヒンジドフォーク、バケット、箱ものクランプ、回転フォークなどのアタッチメントを有しており、瓦礫をコンテナに収納することも可能である。エアコン装備。 なお、実際の瓦礫処理作業は大成・鹿島・清水共同企業体が担当し、車両は無線重機施工工事を補完する重機として使用される。 当社は地震発生直後から、被災した火力発電所の早期復旧のため社員を現地に派遣し、自社のヘリコプターや飛行機を使って緊急物資を輸送するなど被災支援を行ってきた。また、福島第一原子力発電所に関しても、汚染水貯蔵のため、東京電力が静岡市から引渡しを受けたメガフロートの改造工事で協力するなどしてきたが、今後もこれらの支援を継続するとともに、自家発電設備をはじめとする、復旧に向けた製品の安定供給のため、全力で取り組んでいく。http://www.mhi.co.jp/news/story/1104275062.html

Img_5523 三菱重工と言えば防衛関係では戦闘機や戦車などの重装備を開発し防衛庁時代から長く導入してきました。その技術的水準の高さには定評があるのですが、今回は福島第一原発の事故発生直後から開発を開始し、僅か一ヶ月という非常に短期間で納入にまでこぎつけた、という部分が大きな特色です。実は防衛装備品の開発とともに生産には少なくない日数が必要でして、下請け企業や孫請け企業までの生産調整を考えますと、戦車はもちろん装甲車でも一ヶ月程度の短期間で、仮に既存の車体であっても増産に応じるというのは至難の業です。こうした中で、開発と評価試験を行うとともに並行して生産を行ったという三菱重工の成果は、防衛産業として培った高い技術と蓄積は勿論の事、三菱重工がやらなければ誰がやるのか、という気概もあったのでしょう。生産を担当した汎用機特車事業部はフォークリフトなどを開発していると同時に戦車や装甲戦闘車、車体部分に限れば自走榴弾砲や自走高射機関砲、重装輪回収車等を開発し納入している部門です。戦車は神経ガスや細菌兵器は勿論核戦争時等の放射性降下物を想定したNBC防護能力を備えていますので、NBC防護に関係する機材の取り扱いやNBC防護に関する構造の設計は三菱重工に大きな技術的蓄積がある分野と言えるでしょうし、重量が増大しますと懸架装置に掛かる負担が大きくなるのですけれども、この分野でも装甲戦闘車等の開発について、その技術的蓄積は応用できる訳です。特にフォークリフトはNATOにも広く採用されているくらいですので、フォークリフトの実績があり、そして戦車開発にも実績があったのですから、今回期待される国産装備の筆頭に挙げてよいでしょう。今回の二両で生産は終わるのか、これは警察納入の防爆警備車などでは数両で生産が終了する事もあるのですが、もしくは量産されるのか、関心事項です。

Img_5471 福島第一原発の事案は飛散している原子炉建屋の破片の中に毎時500ミリシーベルトという非常に強い放射線を放っている瓦礫が含まれており、これを除去しない限り作業に支障をきたすという問題があります。しかし、放射線は瓦礫からも出ていると同時に原子炉そのものからも放出されているため、その除去には高い防御力を有した車両が必要、という事になります。放射線は中性子は分厚い鉛や鉄板等でなければ防ぐ事が出来ないため、神経ガスや細菌兵器を念頭としたたんに気密性の高い車両では防護出来ないという問題があります。今回のフォークリフトは、特殊な回収、特に放射線防護を念頭に実施しているのですが、元々15㌧のフォークリフトを放射線防護に関する部材を取り付けた結果30㌧と増大しています、その分鉛ガラスの採用や100mmという非常に厚い鋼板により守られていますので、恐らく中性子以外のガンマ線等は可成りを防ぐ事が出来るでしょう、また中性子に対しても防護力は一定以上あると言えますし、ね。これは放射線に対して高い防御力を有するという事で投入された74式戦車が重量38㌧と重かったことから原発構内の瓦礫撤去に動員した場合はその重量により原発内部の地下構造物を踏み抜いてしまう可能性が指摘され、投入が断念された事例があります。戦車には排土板を装着して装甲ドーザーとしての能力が期待されていたのですが、あの74式戦車が重量過大であった事を考えれば30㌧のフォークリフトに9㌧の荷物を搭載した場合には、果たして大丈夫なのかな、と少し思ったりもしてしまいます、もっとも原発構内には核燃料輸送を筆頭に、また原子炉増設の際にはより大型の建設車両が入っていますから、戦車も大丈夫とは思うのですがね、重量の密度に関して戦車は建設車両と特性は異なっているので、これは差し引いて考える必要はあるのですが。何より原子炉に注水した自衛隊の航空機火災用の大型破壊機救難消防車A-MB-3は自重31520kgで搭載量は11150kg、全備重量は43㌧以上になる大型車なので大丈夫でしょう。

Img_3032 新装備を短期間で投入。ところで、三菱重工ですが過去には原子力災害を想定したロボットを技術研究した事例がありますので、この基盤に依拠した新しい災害対処用の装備を既に開発しているのでしょう、また、これは検討されるのか、もしくは既に実施されているのかもしれませんが、長期化する原子力災害への対処を念頭に用途廃止となった74式戦車の砲塔を取り外し、原子力災害に対象可能な防護型道路障害作業車のような装備が開発、ということもあるかもしれません。また、装甲車開発に定評のある小松製作所でも開発が行われているのではないでしょうか、20年前のカンボジアPKOでは地雷の危険地域に置いて陸上自衛隊の宿営地を造成するべく無人ブルドーザーが開発されて投入されているのですし、現在一部部隊に配備が進められている第一線での障害除去などを行う施設作業車にはある程度のプログラミング自動作業も行う能力が付与されているとのことですので、こちらも改良されて投入、という事は充分考えられます。また、民生品のドーザー等の建設機械に関しても、放射線防御能力付与や無人作業能力の付与により、人類史上最も過酷な原子力災害の第一線で活躍が期待されると考えます。

HARUNA

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東北地方太平洋沖地震・福島第一原発事故 防衛省発表・NHK報道 2010年4月28日

2011-04-28 21:25:35 | 防災・災害派遣

◆防衛省

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年4月28日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請元及び要請日時岩手県知事 3月11日14時52分 宮城県知事 3月11日15時02分
茨城県知事 3月11日16時20分 福島県知事 3月11日16時47分
青森県知事 3月11日16時54分 北海道知事 3月11日18時50分
千葉県知事 3月12日01時00分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約106,250名
(陸災部隊:約70,000名、海災部隊:約14,200名、空災部隊:約21,600名、原子力災派部隊:約450名)
航空機 : 490機

艦 船 : 53隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(4月27日)

07時07分 第2施設団が石巻市において捜索活動・瓦礫除去開始

07時40分 第12施設群が気仙沼市において捜索活動・瓦礫除去開始

07時59分 第4師団が南三陸町における捜索活動・瓦礫除去開始

08時04分 第9師団が大船渡市、陸前高田市、釜石町において捜索活動開始

08時04分 第5施設団が南相馬市、新地町において捜索活動・瓦礫除去開始

08時15分 第13施設隊が南三陸町及び東松島市における捜索活動・瓦礫除去開始

09時00分 第301坑道中隊が南三陸町における捜索活動・瓦礫除去開始

○海自

(4月27日)

08時23分 第21航空群回転翼機が被災地周辺における捜索救難飛行実施

08時26分 第2航空群固定翼機が被災地周辺における捜索救難飛行実施

10時57分 「あけぼの」が野々島、柱島及び寒風沢村の被災者に対し生活支援物資輸送

12時30分 「しもきた」が金華山地区の被災者に対し生活支援物資輸送

15時27分 「せとぎり」が気仙沼大島にて被災者19名に対し入浴支援実施

15時30分 「きりしま」が寒風沢島にて被災者22名に対し診療支援及び被災者2名に対し健康相談実施

15時55分 「しもきた」が鮎川金華山にて被災者77名に対し、入浴支援及び被災者16名に対し健康相談実施

16時53分 「すおう」が気仙沼大島浦の浜地区の被災者に対し生活支援物資輸送

17時25分 「のと」が函館から大湊へ陸自トラック2台及び灯油ドラム缶96本輸送

20時15分 横須賀警備隊が宮城県石巻市中央市営駐車場にて被災者270名に対し入浴・シャワー支援実施

○空自

(4月27日)

06時20分 松島基地が沐浴支援開始

06時46分 北空派遣隊(山田)が捜索救護開始

07時00分 松島基地が捜索救助開始

07時03分 松島基地が給水支援開始

07時09分 松島基地が物流管理支援開始

08時00分 北空派遣隊(山田)が物資配送開始

08時04分 北空派遣隊(山田)が炊き出し開始

09時14分 松島基地が医療支援開始

10時48分 松島基地が民生支援(瓦礫撤去)開始

12時59分 航空救難団(新潟)U-125A×1機が捜索救助活動開始(15時23分新潟着陸)

13時32分 航空救難団(松島)UH-60J×1機が捜索救助活動開始(15時00分松島着陸)

○原子力災害派遣による活動

(4月27日)

07時15分 第12旅団各部隊等が福島第1原発30km圏内における救護支援及び捜索活動等開始

◆NHK報道

4月27日のニュース

1号機 試験的な注水増量続く(4月27日 19:00更新)
東京電力福島第一原子力発電所の1号機では、格納容器を水で満たして冷却することが可能かどうかを調べるため、27日から原子炉に入れる水の量を増やしました。
ただ、原子炉の状態を表すデータが安定していないとして、当初予定していた注水量を増やすペースを遅らせています。
福島第一原発の1号機と3号機については、ことし7月までに、格納容器を燃料がある高さまで水で満たし、原子炉を安定的に冷却する計画が、事故の収束に向けた工程表に盛り込まれています。
計画の実施にあたっては、格納容器から水が漏れていないかや、水位がどう変化するのかを確認する必要があり、東京電力は、27日午前10時すぎから1号機の原子炉への注水量を試験的に増やしました。
1時間当たりの注水量をこれまでの6トンから10トンに増やしたあと、当初の予定では午後4時すぎから14トンに増やすことになっていました。
しかし東京電力は、原子炉の状態を表すデータが安定していないとして10トンを維持していて、14トンに増やすかどうかは午後10時ごろに再度、検討したいとしています。
当初の予定では28日午前10時ごろには再び1時間当たり6トンに戻すことになっていて、その後、無線操縦のロボットを原子炉建屋の内部に入れ、注水量を増やしたことで水漏れが起きていないか調べることにしています。

4月27日のニュース

屋外放射線量 各地ほぼ横ばい(4月27日 18:40更新)
27日午後3時までに各都道府県が観測した屋外の放射線量は、ほとんどの地点でほぼ横ばいの状態が続いています。
27日午前0時から午後3時までの観測によりますと、福島県内では、▽東京電力福島第一原子力発電所から北西に65キロほど離れた福島市で午前9時に1時間当たり1.63マイクロシーベルト、▽郡山市では午前5時などに1時間当たり1.64マイクロシーベルトでした。
また▽南相馬市では午後2時などに1時間当たり0.56マイクロシーベルト、▽白河市では午前5時に1時間当たり0.64マイクロシーベルト、▽いわき市では午前8時などに1時間当たり0.29マイクロシーベルトと、いずれも通常よりやや高い放射線量を観測しました。
茨城県内では、▽北茨城市で正午すぎに1時間当たり0.23マイクロシーベルト、▽水戸市で午後3時などに1時間当たり0.11マイクロシーベルトと、いずれも通常よりやや高い放射線量を観測しました。
宮城県内では、▽仙台市で午後2時などに1時間当たり0.08マイクロシーベルトと、県内の別の地点で通常観測している値よりやや高い数値を観測しました。
このほか、東京・新宿区、神奈川県の川崎市、横須賀市、茅ヶ崎市、千葉県市原市でも通常より僅かに高い数値を観測しました。
しかし、ほとんどの地点で放射線量はほぼ横ばいの状態が続いていて、各都道府県は、これらの数値の放射線を浴びたとしても健康に影響が出るレベルではないとしています。
このほか、札幌市、青森市、秋田市、盛岡市、山形市、さいたま市、宇都宮市、前橋市、新潟県の柏崎市、甲府市、長野市、静岡市では引き続き通常より高い放射線量は観測されていません。

4月27日のニュース

福島 学校で放射線量測定開始(4月27日 14:02更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、福島県教育委員会は、屋外での活動が制限されている小中学校などに線量計を配布し、積算の放射線量の測定を始めました。
各学校などで計測された放射線量を1週間ごとに取りまとめ、文部科学省に報告することにしています。
線量計が配布されたのは、原発事故の影響で放射線量が国の目安を上回ったとして屋外での活動が制限されている福島県内の小中学校や、これに近い放射線量が計測された幼稚園や高校など55か所です。
このうち福島市の渡利小学校では、6年生のクラスを担当する教師が県教育委員会から配布された線量計を携帯し、27日から放射線量の測定を始めました。
この教師は、児童が登校してから下校するまでの間、毎日線量計を携帯し、朝と夕方の2回、積算の放射線量を記録に残すということで、「子どもや保護者の不安の解消につなげたい」と話していました。
福島県教育委員会は、各学校などで計測された放射線量を1週間ごとに取りまとめ、文部科学省に報告することにしています。

4月27日のニュース

1号機の注水量 試験的に増量(4月27日 12:20更新)
東京電力福島第一原子力発電所の1号機では、格納容器を水で満たして冷却することが可能かどうかを調べるため、27日から原子炉に入れる水の量を試験的に増やして、格納容器から水が漏れないかなどを調べる作業が始まりました。
一方、1号機の原子炉建屋にロボットを入れて行った26日の調査の結果、場所によって1時間当たり1120ミリシーベルトという高い放射線量を計測したことが分かりました。
福島第一原発の1号機と3号機については、ことし7月までに格納容器を燃料がある高さまで水で満たし、原子炉を安定的に冷却する計画が事故の収束に向けた工程表に盛り込まれています。
計画の実施を前に、東京電力は、27日午前10時すぎから1号機の原子炉への注水の量を試験的に増やし、格納容器にたまっている水の量の変化や、格納容器から水が漏れないかなどを調べる作業を始めました。
注水量は、これまでの1時間当たり6トンから10トンに増やして、6時間経過したあと、さらに1時間当たり14トンまで水量を増やし、18時間にわたって格納容器の温度や圧力の変化などを調べます。
そして28日の午前10時ごろには、再び元の1時間当たり6トンに戻すとともに、無線操縦のロボットを原子炉建屋の内部に入れて、水漏れが広がっていないかを調べるということです。
一方、1号機の原子炉建屋にロボットを入れて行った26日の調査の結果、場所によって1時間当たり1120ミリシーベルトという高い放射線量を計測したことが分かり、東京電力は「原子炉の中の水が外部の配管などに漏れ出ているおそれがある」と話しています。
また、格納容器に水を満たした場合、重さが増して、地震が起きた際に格納容器が損傷することも懸念されるため、東京電力は、計画の実施を前に十分な耐震性があるかについてもあわせて検討を進めることにしています。

4月27日のニュース

4号機燃料プール 水漏れのおそれ(4月27日 4:45更新)
東京電力福島第一原子力発電所の4号機の使用済み燃料プールは、爆発などによる損傷で、水漏れを起こしているおそれがあることが分かりました。
福島第一原発の4号機の使用済み燃料プールには、核燃料を束ねた燃料集合体が、第一原発で最も多い1535体保管されていますが、本来の冷却機能は失われているため、連日、外部からの注水が続けられています。
注水はここ数日、1日140トンから210トンのペースで続けられてきましたが、東京電力が、入れた水と蒸発する水の量から日々、予測される水位を計算したところ、実際はそれより10センチから40センチほど低い状態だったことが分かりました。
このため、東京電力は、先月起きた爆発などにより、4号機の燃料プールが何らかの形で損傷し、水が漏れ出しているおそれがあるとみて原因を調べています。
4号機の燃料プールについては、プールを支える建屋の壁が激しく壊れていることから、東京電力は、事故の収束に向けた工程表の中で、ことし7月ごろまでに柱を設置するなどの耐震補強を実施することを明らかにしています。

4月27日のニュース

27日にも試験的に注水増加(4月27日 4:45更新)
東京電力福島第一原子力発電所の1号機では、原子炉の安定的な冷却のため、格納容器を水で満たす計画が示されていますが、東京電力は、この計画が可能かどうかを調べるため、27日にも試験的に原子炉に入れる水の量を増やして、格納容器から水が漏れないかなどを確認することにしています。
東京電力が事故の収束に向けて示した「工程表」では、ことし7月までに、1号機と3号機の格納容器を燃料がある高さまで水で満たし、原子炉を安定的に冷却する計画です。
計画の実施を前に、東京電力は、27日にも1号機の原子炉への注水量を試験的に増やし、格納容器にたまっている水の深さの変化や、格納容器から水が漏れないかなどを確認することになりました。
注水量は、これまでの1時間当たり6トンから10トンに増やして数時間様子を見たあと、さらに14トンまで上げて再び元の6トンに戻すということです。
今回の試験的な注水量の増加に先立って、26日、1号機の原子炉建屋では、無線で遠隔操作するロボットを使った調査が行われましたが、この時点では目立った水漏れは確認されませんでした。
一方、格納容器に水を満たした場合、重さが増して、地震が起きた際に格納容器が損傷することも懸念されているため、東京電力では、耐震性の検討についても併せて進めることにしています。

4月27日のニュース

原発周辺の放射線量地図 公表(4月27日 4:45更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、文部科学省は、事故発生から来年3月まで受ける積算の放射線量の推定値を示した原発周辺の地図をホームページで初めて公表しました。
この地図は、文部科学省などが原発周辺の2138の地点で今月21日までに測定された放射線量のデータを元に作成したもので、1日8時間屋外にいると仮定して、来年3月11日までに受ける積算の放射線量の推定値を示しています。
地図では放射線量が等高線のように示され、「計画的避難区域」の目安とされる年間20ミリシーベルトの赤い線が、原発の北西方向の浪江町や飯舘村などに広がっています。
年間の放射線量の推定値を示した地図は、今月10日に国の原子力安全委員会が「計画的避難区域」についての考え方をまとめた際に、原発の20キロ圏外に限って公表されたことがありますが、20キロ圏内も含めた地図が公表されたのは初めてです。
文部科学省によりますと、最新のデータを元に作られた今回の地図は、10日の地図に比べて、ほとんどの地点で放射線量の推定値が減少しているということです。
これについて、事故対策統合本部の事務局長を務める細野総理大臣補佐官は「今回の地図をもとに避難区域の変更を行う可能性は低いと思う」と話しています。
文部科学省は地図をホームページで公表し、月に2回、データを更新するほか、土壌についても地図の公表を急ぎたいとしています。

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災害派遣部隊戦力回復センター、青森・弘前・神町・古河・宇都宮・朝霞・大宮に設置

2011-04-27 23:15:31 | 防災・災害派遣

◆東日本大震災災害派遣部隊の休養

 東日本大震災へ、史上最大の災害派遣への動員を続けている自衛隊ですが、この中で陸上自衛隊について、災害派遣部隊の能力維持に繋がる休養方式が提示されています、朝雲新聞からの引用。

Img_41_51 災派部隊も休養不可欠 8駐屯地に戦力回復センター・・・ 被災地で不明者の捜索活動や被災者の生活支援などに当たっている陸自部隊は現在、東北方や東方管内の駐屯地等で1、2泊程度の休養を取りながら戦力回復を図るというローテーションで任務を継続している。 被災地での活動は連続1週間、場合によってはそれ以上の不休の勤務となりがちで、各地の公園などを拠点に天幕生活を送るため入浴も洗濯もできない。 このため、陸自では青森、弘前、神町、秋田、古河、宇都宮、朝霞、大宮の各駐屯地を「戦力回復センター」に指定。東北方と東方の部隊は所属駐屯地に戻り、北方と中方の部隊は拠点地域から近い駐屯地を利用して睡眠、洗濯、入浴などでリフレッシュを図っている。 折木統幕長は4月14日の会見で、災害派遣が長期化するとの見通しを示した上で、隊員の戦力回復の重要性にも言及、「(各部隊は)部隊長の権限の中で生活支援、捜索活動、休養といったローテーションを組んで活動している」と述べた。 http://www.asagumo-news.com/news/201104/110421/11042105.html

Img_0188 やはり激務のようです、精神的にも遺体捜索や収容は過度の負担となりますし、連続一週間やそれ以上、そして休息を行う事も出来ません、長いと言われる協同転地演習よりも長期間の実任務。休息は非常に重要です、そうしなければ消耗してしまいますからね。自衛隊の公式用語に”戦力”という文字が明記されているのですが、まあ、これはおいておいて、災害派遣部隊の状況が説明されています。この文面を見る限り、ローテーションにより洗濯や入浴、天幕以外での場所での睡眠時間が定期的に確保されている事を示しています。しかし、なんですが、これは言い換えれば天幕での野営では洗濯や入浴等の支援が行えていない、という事を如実に示しているのではないでしょうか、陸上自衛隊では野外入浴や野外洗濯に関する装備を保有しているのですが、被災地では使用できる水の量なども限界があるのですし、被災者には入浴も洗濯もままならない方々が居るというわけですので、どうしても無理を重ねてしまうのでしょう。

Img_2055  戦力回復センターは報道を見た限りでは被災地に隣接する駐屯地が充てられているのですが、被災地には青森駐屯地、弘前駐屯地、八戸駐屯地、岩手駐屯地、霞目駐屯地、多賀城駐屯地、大和駐屯地、仙台駐屯地、反町分屯地、船岡駐屯地、秋田駐屯地、神町駐屯地、福島駐屯地、郡山駐屯地、勝田駐屯地、土浦駐屯地、霞ヶ浦駐屯地、朝日分屯地、古河駐屯地、北宇都宮駐屯地、宇都宮駐屯地、相馬原駐屯地、新町駐屯地、吉井分屯地、大宮駐屯地、朝霞駐屯地、練馬駐屯地、松戸駐屯地、習志野駐屯地、下志津駐屯地、木更津駐屯地等があるのですけれども、このなかで青森、弘前、神町、古河、宇都宮、朝霞、大宮が充てられています。

Img_6890  東北方面隊と東部方面隊、そして北部方面隊は駐屯地に戻る事が出来る、ということですので、家族との面会等も出来るのでしょうが、九州沖縄の西部方面隊と西日本中日本の中部方面隊が、この戦力回復センターの支援を受ける、という事になりますね。師団司令部のある駐屯地や学校の所在する駐屯地があるので、受け入れ能力に余裕がある、という事でしょうか。しかしながら、自衛隊だけではなく、これは繰り返して記載しているのですが、民間土木建築会社の方を成否が一括して集約して、これを被災地に投入した方が、もちろん、費用面では苦労もあるでしょうけれども人数的に多くの人が集められますし、合理的なのではないでしょうか、自衛隊の能力は既に限界を超えています、今月末、と言っても既に月末ですが、派遣部隊の縮減を開始する、という話は出ているのですが、具体的に検討しなければ隊員の人命にもかかわってきますから、政府にはお願いしたいです。

Img_4284  第七艦隊が横須賀基地に置いている宿泊船、動力がついていない、戦車揚陸艦を改造したような1000名程度の宿泊が可能なものがあるのですが、ああいう装備、日本にもあればなあ、と思う事も。もっともあの宿泊船は定期整備中の艦艇の乗員が宿泊することに用いているのですけれども、保有していれば、と思う反面、10万という派遣規模の余りにも大きい現状があるのですよね。こうした中で、防衛出動でも中々想定できないような長期の任務を如何に継続するか、自衛隊の運用体系が試されています。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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東北地方太平洋沖地震・福島第一原発事故 防衛省発表・NHK報道 2010年4月27日

2011-04-27 22:51:33 | 防災・災害派遣

◆防衛省発表

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年4月27日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請元及び要請日時岩手県知事 3月11日14時52分 宮城県知事 3月11日15時02分
茨城県知事 3月11日16時20分 福島県知事 3月11日16時47分
青森県知事 3月11日16時54分 北海道知事 3月11日18時50分
千葉県知事 3月12日01時00分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約106,350名
(陸災部隊:約70,000名、海災部隊:約14,300名、空災部隊:約21,600名、原子力災派部隊:約450名)
航空機 : 500機

艦 船 : 53隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(4月26日)

06時25分 第10師団 宮城県沿岸部において捜索活動開始

06時30分 第9師団 岩手県沿岸部において捜索活動開始

06時55分 第5旅団 宮城県沿岸部において捜索活動開始

07時00分 第12施設群 気仙沼市において捜索活動開始

07時00分 第13施設隊 気仙沼市、南三陸町、東松島市、七ヶ浜町において捜索活動開始

07時00分 301坑道掘削中隊 南三陸町において捜索活動開始

07時00分 第2施設団 宮城県沿岸部において捜索活動及び瓦礫除去開始

07時55分 第1特科団 宮城県沿岸部において捜索活動開始

08時00分 第14旅団 宮城県沿岸部において捜索活動開始

08時15分 第6師団 宮城県沿岸部において捜索活動開始

09時00分 第13旅団 福島県沿岸部において捜索活動開始

○海自

(4月26日)

06時52分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

07時18分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

08時08分 第31航空群固定翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

08時10分 第31航空群固定翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

09時01分 第4航空群固定翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

10時18分 「あまぎり」、柱島及び寒風沢村の被災者に対しガソリン供与

11時25分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

12時11分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

20時00分 横須賀警備隊、宮城県石巻市中央市営駐車場にて被災者239名に対し、入浴・シャワー支援実施

○空自

(4月26日)

05時50分 中空派遣隊(松島)が捜索救護開始

06時10分 中空派遣隊(松島)が沐浴支援開始

07時01分 中空派遣隊(松島)が給水支援開始

07時04分 中空派遣隊(松島)が物流管理支援開始

07時30分 北空派遣隊(山田)が捜索救護開始

07時55分 航空救難団(松島)UH-60J×4機 捜索救助のため松島を離陸

07時58分 航空救難団(百里)UH-60J×1機 捜索救助のため百里を離陸

07時59分 航空救難団(松島)U-125A×1機 捜索救助のため松島を離陸

08時01分 航空救難団(百里)U-125A×1機 捜索救助のため百里を離陸

08時15分 北空派遣隊(山田)が物資配送開始

08時18分 北空派遣隊(山田)が炊き出し開始

09時00分 中空派遣隊(松島)が民生支援開始

09時15分 中空派遣隊(松島)が医療支援開始

13時00分 航空救難団(松島)UH-60J×4機 捜索救助のため松島を離陸

13時29分 航空救難団(百里)UH-60J×1機 捜索救助のため百里を離陸

13時30分 航空救難団(百里)U-125A×1機 捜索救助のため百里を離陸

13時40分 航空救難団(松島)U-125A×1機 捜索救助のため松島を離陸

○原子力災害派遣による活動

(4月26日)

07時22分 CH-47(サーモグラフィ・放射線測定器搭載)×1機 福島第1原発上空モニタリング開始

08時00分 中央即応集団 福島第1原発30km圏内広野町及び南相馬市原町区において捜索活動開始

08時00分 第12旅団各部隊等 福島第1原発30km圏内捜索開始

08時31分 偵察航空隊RF-4×1機 原発の航空偵察(写真撮影)のため百里を離陸

◆NHK報道

4月26日のニュース

2号機取水口付近 1400倍(4月26日 23:20更新)
東京電力福島第一原子力発電所周辺の環境調査で、2号機の取水口付近で25日に採取した海水の放射性ヨウ素は、国の基準の1400倍で、前の日よりやや高くなりました。東京電力では、引き続き注意深く監視することにしています。
東京電力によりますと、福島第一原発の2号機の取水口付近で25日朝に採取した海水を分析した結果、放射性のヨウ素131が1cc当たり56ベクレル検出されました。
これは国の基準の1400倍に当たる濃度で、調査開始以来最も低い値となった前の日の730倍より、やや高くなりました。
2号機の取水口付近は、「ピット」と呼ばれる施設から高濃度の汚染水が流れ込み、今月2日に基準の750万倍のヨウ素131が検出された場所です。
放射性セシウムの濃度は、基準に比べて、セシウム134が430倍、セシウム137が300倍でした。
このほか、周辺の海水から検出される放射性物質の濃度は、一部を除いて下がる傾向にあり、ヨウ素131の濃度が基準を最も上回ったのは、5号機と6号機の北側30メートル付近で3.5倍でした。
また、沖合の合わせて12の調査ポイントで、濃度が基準に対して高かったのは、沖合3キロではセシウム134が2.3倍、沖合8キロではセシウム134が2.7倍、沖合15キロではセシウム134が1.2倍でした。
東京電力は「濃度は全体として下がる傾向にあり、引き続き注意深く監視していきたい」としています。

4月26日のニュース

1号機“目立った水漏れなし”注水増へ(4月26日 19:20更新)
東京電力福島第一原子力発電所の1号機では、原子炉への注水量を増やすことで格納容器に水を満たし、原子炉の冷却を進める計画が示されています。
26日は、ロボットを使って原子炉建屋の内部を調査した結果、格納容器からの目立った水漏れは確認されず、27日にも注水量が試験的に増やされる見通しです。
東京電力が事故の収束に向けて示した「工程表」では、1号機と3号機で、ことし7月中旬をめどに燃料の高さまで格納容器を水で満たすことで、原子炉の冷却を進める計画です。
このうち、1号機では現在、原子炉を冷やすために1時間に6トンのペースで注入されている水の一部が蒸気となって配管を通り、圧力抑制室=サプレッションプールで冷やされて水に戻るなどして、格納容器の内部に水がたまっているとみられます。
格納容器の底から水を満たす目標となる燃料の上部まではおよそ18メートルあり、東京電力は、現在の水位は6メートル程度と推定しています。
この計画を着実に進めるには、原子炉への注水量を増やす必要がある一方で、格納容器から大量の水漏れがあると、汚染された水が原子炉建屋から外に流れ出るおそれもあります。
このため、東京電力は26日午前11時半ごろからおよそ2時間にわたって、原子炉建屋の1階に無線で遠隔操作するロボットを入れて、格納容器や周辺の配管などから水漏れがないか確認する調査を行いました。
その結果、格納容器からの目立った水漏れは確認されず、東京電力は、27日にも原子炉への注水量を1時間当たり最大で14トンのペースへと試験的に増やす方針です。
東京電力は、原子炉や格納容器の温度や圧力などのデータを分析するとともに、原子炉建屋の内部に再びロボットを入れて水漏れの有無を調べ、格納容器に水を満たしても問題がないか確認を進めたいとしています。
これについて、経済産業省の原子力安全・保安院は「格納容器に水を満たしても強い余震に耐えられるか確認しなければならず、試験の結果を見ながら水をどう増やしていくか判断していきたい」としています。

4月26日のニュース

4号機 汚染水の濃度下げる処理へ(4月26日 19:20更新)
東京電力福島第一原子力発電所の3号機と4号機では、放射性物質に汚染された水の水位や濃度が上昇しています。
3号機の原子炉を冷却する水が流出している可能性があり、東京電力は4号機の汚染水について、濃度を下げる処理を行う方針です。
福島第一原発では、建物の中や敷地内にたまった大量の汚染水が復旧の妨げとなっていて、特に濃度が高い2号機の「トレンチ」と呼ばれるトンネルの汚染水は、一時的な保管場所への移送が最優先で進められています。
これに対して、4号機ではタービン建屋の地下に汚染水がたまっているものの、東京電力は比較的濃度が低く、津波で流れ込んだ海水に放射性物質が混じったとする見方を示していました。
ところが、今月21日に行った放射性物質の濃度の調査では、いずれも1cc当たり、セシウム137が8100ベクレル、セシウム134が7800ベクレル、ヨウ素131が4300ベクレルでした。
1か月前の濃度と比べると、セシウム137とセシウム134は、いずれもおよそ250倍に、ヨウ素131はおよそ12倍に上昇し、移送や処理が優先される「高濃度」の水準に達しました。
また、水位の上昇も続いていて、26日午前7時の時点で1メートル15センチと、今月14日よりも25センチ増えました。
さらに3号機でもトレンチの水位が上昇し続け、26日午前7時の時点で地上の出口から98センチと、東京電力が移送を始める目安としていた1メートルを切っていますが、現時点では移送先が確保できておらず、監視を続けざるをえないということです。
3号機と4号機のタービン建屋はつながっていて、東京電力は3号機の原子炉を冷やすために注いでいる水が4号機にまで流出している可能性があるとしています。
東京電力は4号機の汚染水については、「ゼオライト」という鉱物を使って放射性物質を取り除き、濃度を下げる処理を行う方針です。

4月26日のニュース

屋外の放射線量 各地でほぼ横ばい(4月26日 19:20更新)
26日の午後3時までに各都道府県が観測した屋外の放射線量は、ほとんどの地点でほぼ横ばいの状態が続いています。
26日午前0時から午後3時までの観測によりますと、福島県内では、東京電力福島第一原子力発電所から北西に65キロほど離れた福島市で午前8時に1時間当たり1.66マイクロシーベルト、郡山市では午前7時に1時間当たり1.70マイクロシーベルトでした。
また、南相馬市では午後2時などに1時間当たり0.55マイクロシーベルト、白河市では午前0時に1時間当たり0.67マイクロシーベルト、いわき市では午前7時などに1時間当たり0.30マイクロシーベルトと、いずれも通常よりやや高い放射線量を観測しました。
茨城県内では、北茨城市で午後2時前に1時間当たり0.23マイクロシーベルト、水戸市で正午すぎなどに1時間当たり0.11マイクロシーベルトと、いずれも通常よりやや高い放射線量を観測しました。
宮城県内では、仙台市で午後2時などに1時間当たり0.07マイクロシーベルトと、県内の別の地点で通常観測している値よりやや高い数値を観測しました。
このほか、東京・新宿区、神奈川県川崎市、横須賀市、茅ヶ崎市、千葉県市原市でも、通常よりやや高い数値を観測しました。
しかし、ほとんどの地点で放射線量はほぼ横ばいの状態が続いていて、各都道府県はこれらの数値の放射線を浴びたとしても健康に影響が出るレベルではないとしています。
このほか、札幌市、青森市、秋田市、盛岡市、山形市、さいたま市、宇都宮市、前橋市、新潟県柏崎市、甲府市、長野市、静岡市では、引き続き、通常より高い放射線量は観測されていません。

4月26日のニュース

原子炉の状態 記録報告を東電に指示(4月26日 16:10更新)
経済産業省の原子力安全・保安院は、東京電力に対し、福島第一原子力発電所の事故について、原子炉の状態を示すデータや被害状況などの記録を回収し、速やかに報告するよう指示しました。
これは原子力安全・保安院が、今後の事故処理や対策に役立てようと、法律に基づいて、東京電力に対し、記録の回収と報告を25日付けで指示したものです。
それによりますと、福島第一原発の中央制御室のコンピューターなどには、原子炉圧力容器内の水位や圧力、温度のほか、使用済み燃料プールの水温、警報装置から発せられた警報の内容、それに、冷却やベントのために行った作業の実績などが記録されていて、これらを速やかに報告するよう指示しています。
また、併せて電源設備の被害状況や応急措置によって外部電源を復旧させた状況に関する記録の報告も求めています。
さらに、データを回収する際には必要以上の被ばくを避けることや、放射線の量が高く回収が困難な場合は、資料の保管や報告時期の見通しを示すよう求めています。
福島第一原発の事故では、先月11日の震災の発生後から午後7時半までの間、原子炉や冷却機能の状態を知るための細かいデータが公表されていません。
東京電力では「発生当時の記録については、一部の記録や計算機の打ち出しが不足しているものがある。準備が整いしだい、提出したい」と話しています。

4月26日のニュース

ちり飛散防止 合成樹脂を本格散布(4月26日 17:10更新)
東京電力福島第一原子力発電所では、放射性物質を含むちりやほこりを固めて風で飛び散らないようにする合成樹脂の散布が、特殊な車両を遠隔操作するなどして本格的に始まりました。
福島第一原発の敷地内では、水素爆発などでまき散らされた放射性物質が風で敷地の外に飛び散るのを防ぐため、ちりやほこりを固める合成樹脂の散布を、今月1日から試験的に始めて、効果を確認していました。
その結果、散布の前と後で放射線量の値がほぼ一定に保たれたことから、東京電力は、放射性物質を含むちりやほこりを固定する効果があるとして、26日から本格的に散布を始めました。
これまでの試験散布では、作業員が合成樹脂の溶剤をホースで散布していましたが、27日からは原子炉建屋の周辺などでの作業員の被ばくをなるべく軽減するために溶剤を入れるタンクを積んだ特殊な車両を遠隔操作して、作業を進めるということです。
東京電力は50万平方メートルの敷地に100万立方メートルの合成樹脂の溶剤を散布する計画で、ことし6月末までに散布を終えたいとしています。
また、散布が終わりしだい、原子炉建屋を特殊なフィルターなどを備えた巨大なカバーで覆い、放射性物質の飛散を抑えることにしています。
4月26日のニュース

1号機 試験的な注水増へ調査(4月26日 12:30更新)
東京電力福島第一原子力発電所の1号機で格納容器に水を満たして原子炉を冷却する計画を進めるために、東京電力は、26日、原子炉建屋にロボットを入れて内部の状況を調べたうえで、問題がなければ、27日にも原子炉の注水量を試験的に増やすことになりました。
東京電力が事故の収束に向けて示した「工程表」では、1号機と3号機で、ことし7月中旬をめどに、原子炉の燃料の高さまで格納容器を水で満たすことで、原子炉の冷却を進める計画です。
このうち1号機では、原子炉を冷やすために1時間に6トンのペースで水の注入が続けられていて、これまでの注水の結果、格納容器にも自然に水がたまりつつあるとみられています。
東京電力は、原子炉を冷却する計画を着実に進めるためには、原子炉への注水量を増やす必要があるとして、27日にも、1時間当たり最大で14トンのペースへと試験的に増やすことになりました。
注水量を増やしたあとは、原子炉や格納容器の温度や圧力などのデータがどのように変化するか推移を見守って、格納容器に水を満たしても問題がないか確認するということです。
ただ、格納容器から大量の水漏れがあると、汚染された水が原子炉建屋から外に流れ出るおそれもあることから、試験に先立って、26日午前中から原子炉建屋にロボットを入れて、内部の状況を確認する調査を始めました。
東京電力は、ロボットの調査結果をみて、注水量を増やすかどうか最終的に判断することにしているほか、試験のあとにもう一度ロボットを入れて調査を行うということです。
これについて、経済産業省の原子力安全・保安院は「格納容器に水を満たしても強い余震に耐えられるか、確認しなければならず、試験の結果も見ながら、水をどう増やしていくか判断していきたい」としています。

4月26日のニュース

2号機 汚染水の水位変わらず(4月26日 12:30更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、復旧の妨げとなっている放射性物質に汚染された水は、高い濃度の2号機を最優先に移送作業が26日も行われていますが、地下にたまっている汚染水の水位は、このところほぼ変わらず、移送作業が始まっていない3号機と4号機の汚染水は増えています。
福島第一原発では、建物の中や敷地内にたまった大量の汚染水が復旧の妨げとなっていて、特に濃度が高い2号機の「トレンチ」と呼ばれるトンネルの汚染水は、一時的な保管場所への移送が最優先で進められています。
しかし、トレンチの汚染水の26日午前7時の時点の水位は、地上の出口から89センチと、24時間前よりも1センチ下がったものの、ここ数日、ほぼ横ばいとなっています。
一方、3号機と4号機では汚染水の水位が上昇しています。
このうち3号機では、トレンチの汚染水の水位が、26日午前7時の時点で地上の出口から98センチと、24時間前よりも3センチ上昇し、東京電力が移送を始める目安としていた1メートルを切っています。
また、4号機は、26日午前7時の時点で1メートル15センチと、24時間前よりも5センチ増えました。
しかし、現時点では3号機と4号機の汚染水の移送先は確保できておらず、東京電力では監視を続けざるをえないとしています。

4月26日のニュース

東電 「仮払補償金」の支払い開始(4月26日 12:30更新)
東京電力は、福島第一原子力発電所の事故で避難生活を余儀なくされている周辺地域の住民に対する「仮払補償金」の支払いを26日から始めました。
東京電力は、福島第一原子力発電所の事故で避難生活を余儀なくされている地域の住民を対象に、本格的な賠償の前に、当座の生活に必要な資金を迅速に支払う必要があるとして、▽一般世帯に100万円、▽単身世帯に75万円を、合わせて5万世帯に支払うことにし、手続きを進めています。
これについて東京電力は、26日から支払いを始めたとしており、まず、およそ100世帯の金融機関の口座に振り込みを終えたということです。
東京電力によりますと、口座に振り込むまでには、申し込みを受け付けてから2週間程度かかるということですが、これまでに3万通の申込用紙を郵送したり配布したりしたのに対し、26日の時点でおよそ5000件の申し込みを受け付けたとしています。
東京電力は、避難所を回るなどして、一刻も早く申請できるよう取り組むとしています。

4月26日のニュース

1号機水素爆発“想定せず”(4月26日 4:45更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で細野総理大臣補佐官は、25日の記者会見で、先月12日に1号機の原子炉建屋で起きた水素爆発について「少なくとも、圧力を逃がすための“ベント”をしたあとに水素爆発が起きることを予測した専門家は見ていない」と述べ、政府内で当時、水素爆発が起きる可能性は想定されていなかったことを明らかにしました。
福島第一原発の1号機では、事故発生の翌日の先月12日に原子炉建屋の中で突然、水素爆発が起き、建屋の屋根や壁を吹き飛ばし外部に大量の放射性物質が放出されました。
この水素爆発について、発生直後から政府の原子力災害対策本部に詰めて事故対応に当たっていた細野総理大臣補佐官は、25日の記者会見で「少なくとも、圧力を逃がすための“ベント”をしたあとに水素爆発が起きることを予測をした専門家は見ていない。格納容器の中には窒素があり、想定していなかった」と述べ、政府内で当時、水素爆発が起きる可能性は想定されていなかったことを明らかにしました。
これについて東京電力も「原子炉で発生した水素は格納容器内で処理する設計になっていて、原子炉建屋内で爆発が起きることは設計上、考慮していない」としています。
こうした一連の事故の初動対応について、細野補佐官は、政府と東京電力とのコミュニケーションが十分でなかったとして、検証の場を設ける考えを示しています。

4月26日のニュース

3・4号機汚染水 深刻さ増す(4月26日 4:45更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で復旧の妨げとなっている放射性物質に汚染された水の水位や濃度が、3号機と4号機でも上昇しています。
3号機の原子炉を冷却する水が流出している可能性があり、今後、移送や処理の面でさらなる課題を抱えることになりそうです。
福島第一原発では、建物の中や敷地内にたまった大量の汚染水が復旧の妨げとなっていて、特に濃度が高い2号機の「トレンチ」と呼ばれるトンネルの汚染水は、一時的な保管場所への移送が最優先で進められています。
ところが、3号機と4号機でも汚染水の水位や濃度が上昇していることが分かりました。
このうち3号機では、トレンチの汚染水の水位が25日午後6時の時点で地上の出口から99センチと、東京電力が移送を始める目安としていた1メートルを初めて切りましたが、現時点では移送先が確保できておらず、監視を続けざるをえないとしています。
またタービン建屋地下の汚染水の水位も、25日午後6時の時点で1メートル10センチと、3日前よりも10センチ上昇しています。
さらに、4号機のタービン建屋の地下にたまった水の放射性物質の濃度を21日に調査したところ、1か月前と比べてセシウム134とセシウム137がいずれもおよそ250倍に、ヨウ素131がおよそ12倍に上昇していて、東京電力が移送や処理を優先する分類としている「高濃度」の水準に達しました。
しかも、汚染水の水位の上昇が続いていて、25日午後6時の時点で1メートル15センチと、この10日間で20センチ増えました。
2つのタービン建屋はつながっていて、東京電力は、3号機の原子炉を冷やすために注いでいる水が4号機にまで流出している可能性があるとしています。
汚染水の問題を解決しないことには本格的な復旧に入ることができず、東京電力は、今後、移送や処理の面でさらなる課題を抱えることになりそうです。

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平成22年度陸上自衛隊改編 第1師団・第2師団近代化、北部・東部に方面混成団創設

2011-04-26 23:22:31 | 防衛・安全保障

◆東日本大震災影響で延期、4月22日に実施

 東日本大震災により史上最大の災害派遣に対応するべく年度末実施が見送られていた平成22年度陸上自衛隊改編が4月22日に実施されました。

Img_03_86  首都圏を警備管区とする第1師団、道北を警備管区に持つ第2師団が近代化改編され、道東地区の警備を受け持つ第5旅団が一部改編、加えて東部方面隊と北部方面隊が教育訓練部隊を方面混成団へ改編するのが今回の改編の要旨、加えて警務隊の再編等が行われました。朝雲新聞からの引用です。

Img_37844/21日付・・・ ニュース トップ :陸自改編 1、2師団など近代化 北、東方に方面混成団 ・・・4月22日付: 東日本大震災の発生で一時延期されていた22年度末部隊改編が4月22日付で実施される。これに先立ち陸上自衛隊の方面隊、師団、旅団の編成を改めるための自衛隊法施行令の一部を改正する政令が4月15日、閣議決定された。

Img_3684 主な改編は1、2師団と5旅団で、これに伴って北部方面隊と東部方面隊に方面混成団が新編される。このほか陸自に特殊犯罪を担当する中央警務隊が新編される。師団編成 普通科連隊は各3個隊 改正政令は、方面隊の編成から教育連隊を削除したほか、師団の編成について1師団の改編に合わせ、「普通科連隊3又は4、特科隊1、戦車大隊1、高射特科大隊1」から「普通科連隊3、特科隊1、戦車大隊1、高射特科大隊1」と改めた。

Img_4165  旅団の編成についても5旅団の改編に合わせて、12条2の二項「普通科連隊3、戦車隊1、特科隊1」を削除した。 一方、部隊改編は1師団(東部方面隊・練馬)をテロや大規模災害などに迅速、効果的に対応するため常備自衛官で編成する即応近代化師団に改編するもので、編成定数は約200人削減されるものの、常備自衛官は約760人の増員となる。定員は6300人。主要な改編は、普通科連隊を3個とし(1普連・練馬、32普連・大宮、34普連・板妻)、それぞれ軽装甲機動車を導入する。

Img_6500  2師団(北部方面隊・旭川)は、わが国に対する直接侵略からテロや大規模災害など新たな脅威、多様な事態に対応可能な総合近代化師団に改編する。定員は約8100人。主要な改編は普通科連隊3(3普連・名寄、25普連・遠軽、26普連・留萌)、戦車連隊1(2戦連・上富良野)を基幹とし、第2対舟艇対戦車中隊を新編。対戦車、特科隊には96式多目的誘導弾システム、99式自走榴弾砲を導入。

Img_6689  5旅団(帯広)も、本格的な侵略からテロまで多様な事態に対応可能な常備自衛官で編成する総合近代化旅団に改編。第5戦車隊(鹿追)を廃止し、スリム化した上で第5戦車大隊を新編するのが特徴で、普通科連隊3(4普連・帯広、6普連・美幌、27普連・釧路)を基幹とする。編成定数は約480人削減されるものの、常備自衛官約120人が増員される。定員は約3600人。

Img_6960  師団などの改編に伴い、東部方面隊と北部方面隊に混成団を新編する。東方混成団(武山)は第1教育団(武山)を廃止した上で、隷下に117教育大隊(武山)、第3陸曹教育隊(板妻)、女性自衛官教育隊(朝霞)、第1機甲教育隊(駒門)を編入、1師団隷下で廃止した31普連(武山)を混成団隷下で新編する。

Img_6697  北方混成団(東千歳)は、北方教育連隊(東千歳)を廃止し、120教育大隊(真駒内)、52普連(真駒内、旭川、帯広)と第1陸曹教育隊(東千歳、倶知安)をそれぞれ新編し、冬季戦技教育隊(真駒内)も隷下部隊とする。方面隊が教育隊を一元的に管理、運用することになる。

Img_6728 陸自中央警務隊(市ヶ谷)の新編は、秘密漏洩や収賄、ハイテク犯罪など特殊犯罪の捜査機能を統合するもので、海空からの約10人の派遣要員を含む約50人で編成される。 http://www.asagumo-news.com/news/201104/110426/11042601.html

Img_5383  第一師団について。第一師団は1962年の管区隊からの師団創設以来四個普通科連隊を基幹とする編成を維持してきましたが、このたび横須賀の武山駐屯地に駐屯する第31普通科連隊が第一師団から第一教育団を主軸として新編された東部方面混成団へ編入されることとなり、三個普通科連隊を基幹とする編成となりました。

Img_5338  当初は第一師団を防衛大臣直轄の首都防衛集団へ改編しようという案を政府が提案し、これを新聞で知った第一師団の隊員が驚いたとの声もあるのですけれども、三個普通科連隊を基幹とする編成に落ち着きました。第1普通科連隊、第32普通科連隊、第34普通科連隊を主軸とする編成なのですが、第31普通科連隊は即応予備自衛官を基幹とした編成になり、教育訓練を一括して行う東部方面混成団において運用されることになります。

Img_0309  定員は6300名、かつての9000名師団と比べればかなり削られた印象があり、これで首都直下型地震に対応できるのか、と問われれば心もとない印象もあります。第一師団ですが戦車大隊は二個中隊編成がとられており、特科連隊は特科隊に縮小されたまま、近い将来機動戦闘車の装備などが必要になる事でしょう。

Img_0217_1  師団改編に合わせて軽装甲機動車の導入が明示されているのですが、は昨年度の時点で配備されていたようです、そもそも中央即応連隊が装備している車両が元々第一師団に配備される予定だったのに、との声も聞くのですが、普通科連隊や偵察隊など、より広範囲に導入された、という事なのでしょうか。

Img_0194_1  第一師団ですが、市街戦を念頭にした編成としたので重MATや重迫撃砲などをいち早く編成から省き小銃手の人数を確保した師団でもあるのですが、近年の野戦回帰を背景として重迫撃砲を再度配備する、という動きもあったようで、今年度の練馬駐屯地祭や大宮駐屯地祭に足を運ぶ予定だったのですけれども、震災により中止となっています。首都圏での最大の防備である第一師団の編成、関心を持って見守りたいですね。

Img_2783  第二師団について。第二師団は旭川駐屯地に司令部を置き、冷戦時代にソ連の着上陸という脅威を真正面から受けていた師団です。こちらも四個普通科連隊の編成を冷戦時代には採っていたのですが、冷戦後に師団司令部が置かれた旭川駐屯地より第9普通科連隊が廃止となってしまいました。

Img_2853  他方で冷戦末期に本州の戦車部隊を北海道に移転する戦車北転事業を受けて第二戦車大隊が第二戦車連隊へと拡大改編されています。第七師団以外で戦車連隊を持つのはこの第二師団だけで、装甲化された第三普通科連隊とともに第二師団は第七師団と並ぶ強力な師団、と言われてきた訳です。

Img_2856  また、90年代には真っ先に高機動車の部隊配備を受けたのもこの第二師団で、自動車化されたと意気軒高だったのですが、逆に軽装甲機動車の配備という潮流からは取り残され、装甲化されている名寄の第3普通科連隊を除けば、残りの普通科連隊はジープ(73式小型トラック旧型)に106㍉無反動砲を搭載して、高機動車とともに比較的古い装備のまま運用され続けてきました。

Img_2918_1  しかし、高射特科大隊には87式自走高射機関砲が、戦車連隊には一部中隊に90式戦車が配備され、特科連隊に99式自走榴弾砲が装備されてきました。今回の改編では戦車連隊が廃止されるのでは、といわれていたのですが、戦車連隊は戦車中隊等の編成は改編されつつも維持されています。

Img_0114  しかし第二特科連隊が廃止され第二特科隊となってしまいました、これで北部方面隊の特科連隊は第七特科連隊だけになってしまいましたね。96式多目的誘導弾が配備されるようですが、生産が終了し中距離多目的誘導弾へ置き換えとなりましたので、96式多目的誘導弾の運用部隊新編はこれで最後となるかもしれません。

Img_0145  96式多目的誘導弾、個人的には運用が複雑ですので、中央即応集団で中央対舟艇対戦車連隊として一括運用しては、とも思うのですがね、車両数こそ多いですが間接照準射撃が可能で射程が長く空輸が簡単なので93式近距離誘導弾と混成運用すれば島嶼部防衛の切り札になります。

Img_0174  師団改編により総合近代化師団へ、とあるのですが軽装甲機動車が配備されているのか、また戦車連隊が縮小されれば高射特科大隊も縮小されるのでは、との声がありこちらもロシアの圧力を受ける部隊だけに関心がありました。定員は9000名から8100名へ、ですので、特科隊への縮小が大きく響いているのでしょう、細部を調べるべく、今年は神戸空港から旭川空港へ長躯足を運ぶ予定だったのですけれども毎年六月上旬に行われる旭川駐屯地祭、今年の実施予定は北部方面隊HPをみる限り昨年度のままで実施は未知数です。

Img_0213 第五旅団、ほかについて。第五旅団については戦車大隊を師団から旅団へ改編した際に戦車隊へ格下げしたのですが、今回の改編で戦車大隊へと再編されます、しかし、スリム化、となっているので戦車中隊数等には縮小などもあるのでしょうか、普通科連隊の数についても改編が行われたようです。

Img_6811  方面混成団ですが、この改編により教育団や教育連隊が無くなった訳ですが、即応予備自衛官を主体とした普通科連隊を有する方面混成団は、今回の東日本大震災における東北方面混成団の運用をみても分かる通り、従来の教育訓練部隊の枠にとらわれない運用が可能となっています。警務隊の再編については機会を改めて考えたいと思います。

Img_6827  他方で、今回の改編は第一師団、第二師団にしても人員削減と併せて行われており第五旅団も師団時代からは人員が半減しています、防衛計画の大綱に合わせた改編なのですけれども、今回の東日本大震災災害派遣は陸上自衛隊の削減が国民の生命財産に直結した問題、という事を端的に示しましたので、事態がひと段落した後には防衛大綱を再度改訂する必要があるのでは、と考える次第です。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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東北地方太平洋沖地震・福島第一原発事故 防衛省発表・内閣府発表・NHK報道 2010年4月26日

2011-04-26 18:56:25 | 防災・災害派遣

◆防衛省発表

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年4月26日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請元及び要請日時岩手県知事 3月11日14時52分 宮城県知事 3月11日15時02分
茨城県知事 3月11日16時20分 福島県知事 3月11日16時47分
青森県知事 3月11日16時54分 北海道知事 3月11日18時50分
千葉県知事 3月12日01時00分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約106,250名
(陸災部隊:約70,000名、海災部隊:約14,200名、空災部隊:約21,600名、原子力災派部隊:約450名)
航空機 : 499機
(回転翼180機、固定翼319機)
艦 船 : 51隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(4月25日)

06時00分 第14旅団 女川町において給食支援開始

07時00分 第14旅団 女川町において衛生救護支援開始

07時00分 第12施設群 気仙沼市において捜索活動開始

07時00分 第13施設群 気仙沼市、南三陸町、東松島市、七ヶ浜町において捜索活動開始

07時39分 第6師団 UH-1×1機が石巻港周辺における捜索活動開始

07時41分 第6師団 OH-6×1機が七ヶ浜から浦戸四島における捜索活動開始

08時00分 第13旅団 女川町において捜索活動開始

08時40分 第6師団 東松島市において捜索活動開始

11時14分 第6師団 OH-6×1機が七ヶ浜から浦戸四島における捜索活動開始

11時38分 第6師団 UH-1×1機が石巻から東松島における捜索活動開始

15時38分 第6師団 UH-1×1機が石巻港周辺における捜索活動開始

15時40分 第6師団 OH-6×1機が七ヶ浜から浦戸四島における捜索活動開始

○海自

(4月25日)

06時14分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

07時15分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

08時25分 第2航空群固定翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

08時48分 第31航空群固定翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

11時59分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

14時49分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

15時30分 「きりしま」が、桂島で33名に対し、診療支援、健康相談実施。

20時20分 横須賀警備隊、宮城県石巻市中央市営駐車場にて被災者227名に対し、入浴・シャワー支援実施

○空自

(4月25日)

06時25分 松島基地が沐浴支援開始

07時03分 北空派遣隊(山田)が捜索救助開始

07時03分 松島基地が捜索救助開始

07時20分 松島基地が給水支援開始

07時21分 松島基地が物流管理支援開始

07時30分 松島基地が仙石線復旧支援開始

07時54分 北空派遣隊(山田)が輸送支援開始

07時55分 航空救難団(新潟)U-125A×1機とUH-60J×1機が捜索救助活動開始(11時35分百里着陸)

07時57分 航空救難団(千歳)U-125A×1機とUH-60J×2機が捜索救助活動開始(12時02分松島着陸)

08時04時 航空救難団(秋田)UH-60J×1機が捜索救助活動開始(11時48分松島着陸)

08時06分 航空救難団(新潟)UH-60J×1機が捜索救助活動開始(11時46分松島着陸)

08時20分 北空派遣隊(山田)が給食支援開始

09時02分 松島基地が瓦礫撤去等開始

09時04分 松島基地が医療支援開始

10時30分 松島基地が入浴支援開始

10時30分 第3輸送航空隊C-1が救援物資(トイレットペーパー、紙おむつ等)を美保から福島へ空輸

11時00分 松島基地が給食支援開始

13時50分 航空救難団(松島)UH-60J×1機が捜索救助活動開始(17時12分松島着陸)

13時53分 航空救難団(秋田)UH-60J×2機が捜索救助活動開始(17時02分松島着陸)

14時06分 航空救難団(新潟)UH-60J×1機が捜索救助活動開始(17時14分松島着陸)

14時17分 航空救難団(千歳)U-125A×1機が捜索救助活動開始(16時59分松島着陸)

14時48分 航空救難団(百里)U-125A×1機とUH-60J×1機が捜索救助活動開始(17時37分百里着陸)

○原子力災害派遣による活動

(4月25日)

08時00分 第12旅団 福島第1原発30km圏内の南相馬市において捜索活動開始

08時00分 中央即応集団 同広野町において捜索活動開始

◆内閣府発表

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平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)について
平成23年4月25日(17:00)
緊急災害対策本部
概 要
※数値等に記載した増減は、前報との比較である。
1 地震の概要(気象庁)
(1)発生日時 平成23年3月11日(金)14時46分頃
(2)震源及び規模(推定)
三陸沖(北緯38.1度、東経142.9度、牡鹿半島の東南東130㎞付近)
深さ約24㎞、モーメントマグニチュード Mw9.0
(3)各地の震度(震度6弱以上)
震度7 宮城県北部
震度6強 宮城県南部・中部、福島県中通り・浜通り、茨城県北部・南部、
栃木県北部・南部
震度6弱 岩手県沿岸南部・内陸北部・内陸南部、福島県会津、群馬県南部、
埼玉県南部、千葉県北西部
(4)津波
3月11日14時49分 津波警報(大津波)を発表 ※現在は津波注意報も解除
津波の観測値(検潮所)
・えりも町庶野 最大波 15:44 3.5m
・宮古 最大波 15:26 8.5m以上
・大船渡 最大波 15:18 8.0m以上
・釜石 最大波 15:21 4.1m以上
・石巻市鮎川 最大波 15:25 7.6m以上
・相馬 最大波 15:51 9.3m以上
・大洗 最大波 16:52 4.2m
2 政府の主な対応(初動対応)
3月11日 14:50 官邸対策室設置、緊急参集チーム招集
15:00 緊急参集チーム協議開始
15:14 緊急災害対策本部設置(本部長:内閣総理大臣)
15:37 第1回緊急災害対策本部開催
「災害応急対策に関する基本方針」策定
(以後、4月11日までに合計15回開催)
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3 被害状況等
(1)人的被害
ア 死者 14,340名 (+46名)
イ 行方不明 11,889名 (-137名)
ウ 負傷者 5,314名 (±0名)
(2)建築物被害
ア 全壊 68,237戸 (+8戸)
イ 半壊 25,563戸 (-71戸)
ウ 一部損壊 214,640戸 (+151戸)
4 被災者支援の状況
(1)避難者 130,927名 (-481名)
(2)仮設住宅等の状況
応急仮設住宅の着工戸数
16,445戸着工済み(うち2,396戸完成)、3,619戸着工予定
国家公務員宿舎、公営住宅等の受入可能戸数 51,525戸
(3)被災者の救助活動状況
救出等総数 26,708名 (±0名)
5 主要緊急物資の支援状況(到着済みの累計数)(4月25日00:00)
(1)食糧等
ア パン 9,341,205食 ( +0食)
イ 即席めん類 2,540,016食 ( +0食)
ウ おにぎり等 3,367,952食 ( +0食)
エ 精米 3,332,236食 ( +0食)
オ その他(缶詰等) 7,305,649食 ( +0食)
カ 飲料水 7,882,233本 ( +0本)
(2)生活用品
ア トイレットペーパー 379,695個 ( +0個)
イ おむつ 359,714枚 ( +0枚)
ウ 一般薬 232,982箱 ( +0箱)
エ マスク 4,380,442枚 ( +0枚)
(3) 燃料等 15,421,000㍑ ( +0㍑)
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6 部隊派遣等の状況
(1)警察庁
ア 広域緊急援助隊等(活動中の人員) :約4,600名
イ 広域緊急援助隊等(これまでに派遣された総数):約26,200名
(2)消防庁
ア 緊急消防援助隊実派遣部隊(活動中の人員・隊数):
77隊 276名
イ 緊急消防援助隊実派遣部隊(これまでに派遣された人員・隊数):
約7,300隊 約27,800名
(3)海上保安庁
ア 活動中の対応勢力:巡視船艇等 54隻、航空機 19機、特殊救難隊等16名
イ これまでの対応勢力総数:
巡視船艇等 2,469隻、航空機 884機、特殊救難隊等934名
(4)防衛省
約106,450名の派遣規模(これまでの最大派遣規模 約107,000名)
ア 陸上自衛隊 約70,000名
イ 海上自衛隊 約14,400名
ウ 航空自衛隊 約21,600名
エ 原子力災害派遣部隊 約450名
(5)厚生労働省
ア 医師等の派遣 138チーム
イ 保健師派遣 133チーム
7 海外支援の受入れ状況
(1)米軍による支援
ア 空母・艦船 約 20隻
イ 航空機 約160機
ウ 人員 約20,000名以上
(2)外国による支援
ア 海外支援 143ヶ国・地域及び39の機関が支援を表明
イ 救助隊 25ヶ国・地域・機関から受入れ(現在1ヶ国1機関が活動中)
ウ 救援物資 45ヶ国・地域・機関から受入れ
エ 義援金 73ヶ国・地域・機関から受領
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[ 目 次 ]
1.地震の概要 ................................................................... 5
2.政府の主な対応 ............................................................... 8
3.被害状況等 .................................................................. 17
(1)人的被害 .................................................................. 17
(2)火災発生件数 .............................................................. 18
(3)建築物被害 ................................................................ 19
(4)交通遮断状況 .............................................................. 20
(5)ライフライン等の状況 ...................................................... 23
(6)東北地方太平洋沖地震のマクロ経済的影響 .................................... 25
(7)その他 .................................................................... 25
4.被災者支援の状況 ............................................................ 25
(1)避難の状況 ................................................................ 25
(2)仮設住宅等の状況 .......................................................... 26
(3)ボランティア活動の状況 .................................................... 26
(4)雇用・労働関係 ............................................................ 26
(5)救助活動 .................................................................. 27
(6)主要緊急物資の支援状況 .................................................... 27
(7)部隊派遣等の状況 .......................................................... 38
(8)広域医療搬送及び医師等の派遣状況 .......................................... 39
(9)各省庁の活動状況 .......................................................... 41
5.海外支援の受入れ状況 ........................................................ 83
(1)米軍による支援について .................................................... 83
(2)外国による支援 ............................................................ 84
(3)在日外国人の安否確認 ...................................................... 91
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1.地震の概要(気象庁)
平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震
(1)発生日時 平成23年3月11日14時46分頃
(2)震源及び規模(推定)
三陸沖(北緯38.1度、東経142.9度、牡鹿半島の東南東130km付近)、
深さ 約24km、モーメントマグニチュード Mw9.0
断層の大きさ:長さ約450km、幅約200km
断層のすべり量:最大20~30m程度
震源直上の海底の移動量:東南東に約24m移動、約3メートル隆起
(海上保安庁4月6日発表)
(3)各地の震度(震度5強以上)
震度7 宮城県北部
震度6強 宮城県南部・中部、福島県中通り・浜通り、茨城県北部・南部、
栃木県北部・南部
震度6弱 岩手県沿岸南部・内陸北部・内陸南部、福島県会津、群馬県南部、
埼玉県南部、千葉県北西部
震度5強 青森県三八上北、岩手県沿岸北部、秋田県沿岸南部・内陸南部、
山形県村山・置賜、群馬県北部、埼玉県北部、千葉県北東部・南部、
東京都23区、新島、神奈川県東部、山梨県中部・西部、
山梨県東部・富士五湖
(4)津 波
○ 3月11日14時49分 津波警報(大津波)発表
○ 3月13日17時58分 津波注意報全て解除
津波の観測値(検潮所)
えりも町庶野 最大波 15:44 3.5m
宮古 最大波 15:26 8.5m以上
大船渡 最大波 15:18 8.0m以上
釜石 最大波 15:21 4.1m以上
石巻市鮎川 最大波 15:25 7.6m以上
相馬 最大波 15:51 9.3m以上
大洗 最大波 16:52 4.2m
津波の観測値(GPS)
岩手釜石沖 最大波 15:12 6.8m
宮古沖 最大波 15:12 6.3m
気仙沼広田湾沖 最大波 15:14 6.0m
※上記は沖合での観測地であり、沿岸では津波はさらに高くなる。
(5)余震の活動状況及び今後の見通し(気象庁4 月25 日15:00)
6 / 91
○余震の活動状況
これまでに発生した余震は、最大震度6強が2回、最大震度6弱が2回、最大震度5
強が6回、最大震度5弱が22回、最大震度4が100回。
※余震回数については、新たに得られた震度観測点のデータを基に精査を行った。(4
月25日)
○余震の見通し
余震は、次第に少なくなってきているが、今後も、まれにおおきな余震が発生するこ
とがある。震源が沿岸域や陸域の場合、規模が小さくとも最大震度5弱以上の揺れに
なる可能性があり、注意が必要。大きな余震が発生すると津波が発生する可能性があ
る。海岸で揺れを感じた場合、揺れを感じなくても津波警報・注意報が発表されたら、
直ちに海岸から離れ高台等の安全な場所に避難すること。
なお、余震活動地域の外側の静岡県東部、長野県北部、秋田県内陸北部、茨城県南部
でも震度5強以上の地震が発生している。このように、余震活動地域の外側でも地震
活動が高まっていると考えられるので、常日頃から地震への備えが必要。
(6) 東北地方の太平洋側と関東地方の気象の今後の見通し(気象庁4 月25 日17:00)
東北地方の太平洋側と関東地方では、26日は晴れまたは曇りだが、東北地方の太平洋
側では夜遅くは雨が降るところがある見込み。その後5月2日にかけては気圧の谷の影響
で曇りや雨となるところがある見込み。
最高・最低気温は、5月2日にかけて平年並か平年より高いが、29日から30日にか
けては平年より低い見込み。
長野県北部を震源とする地震
(1)発生日時 平成23年3月12日03時59分頃
(2)震源及び規模(推定)
長野県北部(北緯37.0度、東経138.6度)、震源の深さは約8km(暫定値)
マグニチュード6.7(暫定値)
(3)各地の震度(震度5強以上)
震度6強 長野県北部
震度6弱 新潟県中越
震度5強 群馬県北部、新潟県上越
静岡県東部を震源とする地震
(1)発生日時 平成23年3月15日22時31分頃
(2)震源及び規模(推定)
静岡県東部(北緯35.3度、東経138.7度)、深さ 約14km(暫定値)
マグニチュード6.4(暫定値)
(3)各地の震度(震度5強以上)
震度6強 静岡県東部
震度5強 山梨県東部・富士五湖
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宮城県沖を震源とする地震
(1)発生日時 平成23年4月7日23時32分頃
(2)震源及び規模(推定)
宮城県沖(北緯38.2度、東経141.9度、牡鹿半島の東40km付近)、震源の
深さ 約66km、マグニチュード7.1(暫定値)
※今回の地震は「平成23年(2011年)東北地方太平洋沿岸地震」の余震と考えられる。
(3)各地の震度(震度5強以上)
震度6強 宮城県北部、中部(仙台市、栗原市)
震度6弱 岩手県沿岸南部、内陸北部、内陸南部
宮城県南部
震度5強 青森県三八上北
秋田県沿岸南部、内陸南部
福島県中通り、浜通り
(4)津波警報の概要
23:35 津波警報発令 → 00:55全て解除(津波による被害等なし。)
<津波警報>
宮城県
<津波注意報>
青森県太平洋沿岸、岩手県、福島県、茨城県
福島県浜通りを震源とする地震(4 月11 日)
(1)発生日時 平成23年4月11日17時16分頃
(2)震源及び規模(推定)
福島県浜通り(北緯36.9度、東経140.7度、いわきの西南西約30km付近)、
深さ 約6km、マグニチュード7.0(暫定値)
※今回の地震は、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」の余震と考えられる。
(3)各地の震度(震度5強以上)
震度6弱 福島県中通り・浜通り、茨城県南部
震度5強 茨城県北部、栃木県北部
(4)津波警報の概要
17:18 津波警報発令 → 18:05全て解除(津波による被害等なし。)
<津波警報>
茨城県
<津波注意報>
宮城県、福島県、千葉県九十九里・外房
福島県浜通りを震源とする地震(4 月12 日)
(1)発生日時 平成23年4月12日14時7分頃
(2)震源及び規模(推定)
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福島県浜通り(北緯37.0度、東経140.7度、深さ 約10km
マグニチュード6.3(速報値)
(3)各地の震度(震度5強以上)
震度6弱 福島県浜通り、茨城県北部(いわき市、北茨城市)
震度5強 福島県中通り
(4)津波予報
津波の心配なし。
2.政府の主な対応
3月11日
・14:50 官邸対策室設置、緊急参集チーム招集
・総理指示(14:50)
①被災状況の確認
②住民の安全確保、早期の避難対策
③ライフラインの確保、交通網の復旧
④住民への的確な情報提供に全力を尽くすこと。
・15:00 緊急参集チーム協議開始
・15:08 緊急参集チーム協議確認事項
1.被害情報の収集に万全を期すとともに、人命救助を第一義として、住民の避難、被災者の
救援救助活動に全力を尽くす。
2.被害の状況に応じ、緊急消防援助隊、警察広域緊急援助隊、自衛隊の災害派遣部隊、海上
保安庁の救援救助部隊、災害派遣医療チーム(DMAT)等による被災地への広域応援を行い、
被災者の救援・救助をはじめとする災害応急対策に万全を期す。
3.災害応急対策の実施にあたっては、地方自治体と緊密な連携を図る。
4.被災地の住民をはじめ、国民や地方自治体、関係機関が適切に判断し行動できるよう、的
確に情報を提供する。
5.災害応急対策を政府一体となって推進するための緊急災害対策本部の設置に向けて準備を
進める。
・15:14 緊急災害対策本部設置
・総理指示(15:27)
自衛隊は最大限の活動をすること。
・15:37 第1回緊急災害対策本部(15:56終了)
災害応急対策に関する基本方針
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本日14時46分頃に発生した地震は、東北を中心に北海道から関東地方にかけての広い範囲を中
心に、地震動、津波等により、激甚な被害が発生している模様である。さらに、今後の余震により、
被害が拡大する可能性も考えられる。
このため政府として、以下の基本方針に基づき、地方自治体と緊密に連携し、被災者の救援・救助
をはじめとする災害応急活動に総力をあげて取り組むとともに、国民生活及び経済活動が早期に回
復するよう全力を尽くす。
1.災害応急活動が円滑に行えるよう、関係省庁は情報の収集を迅速に行い、被害状況の把握
に全力を尽くす。
2.人命の救助を第一に、以下の措置により被災者の救援・救助活動、消火活動等の災害応急
活動に全力を尽くす。
(1) 全国から被災地に、自衛隊の災害派遣部隊、警察広域緊急援助隊、緊急消防援助隊、
海上保安庁の部隊及び災害派遣医療チーム(DMAT)を最大限派遣する。
(2) 応急対応に必要な人員、物資等の緊急輸送路を確保するため、高速道路や幹線道路等
の通行路の確保に全力を挙げる。
(3) 救援・救助活動等の応急対策を適切に進めるため、必要に応じて航空情報(ノータム)
の発出等により、関係機関、関係団体の協力の下、被災地上空及びその周辺空域にお
ける航空安全の確保を図る。
3.被災地住民の生活の復旧等のため、電気、ガス、水道、通信等のライフラインや鉄道等の
交通機関の復旧に全力を挙げる。
4.応急対応に必要な医療物資、食糧、飲料水及び生活必需品、並びに緊急輸送路・ライフラ
イン等の復旧のための人員、物資を確保するため、全国からの官民一体となった広域応援体制
を確保する。
5.被災地の住民をはじめ、国民や地方自治体、関係機関が適切に判断し行動できるよう、的
確に情報を提供する。
・16:00過ぎ 第2回緊急災害対策本部(16:22終了)
・16:25 官房長官指示
1.全省庁の政務三役は、全員自省庁に登庁のこと。
2.現在、地方にいる政務三役については、直ちに東京に戻ること。ただし、東北地方に滞在して
いる三役については、現地の状況を把握し、連絡すること。
・16:54 総理大臣記者発表
・16:57 官房長官記者会見(17:12終了)
・17:39 官房長官記者会見(17:44終了)
・18:20 防災担当大臣指示
関係機関に、沿岸の車両運転者等に対しカーラジオを聞くよう呼びかけすること。
・18:42 政府調査団を宮城県に向け派遣
・19:23 第3回緊急災害対策本部(19:38終了)
・19:45 官房長官記者会見(19:56終了)
10 / 91
・20:10 官房長官指示
帰宅困難者の対策に全力をあげるため、駅周辺の公共施設を最大限活用するよう全省庁は全力を尽く
すこと。
・21:05 政府調査団、宮城県庁到着
・21:52 官房長官記者会見(22:01終了)
・22:00 防災担当大臣指示
○ 各機関においては、明日、どういう救助をすべきかをよく考えて対応願いたい。例えば、
山側、海側で違うはず。海側がより大変だ。どう助けるのか。ボートでやるのか。緊急に助けな
いといけないのは、どこなのか、などよく考えていただきたい。
○朝一番から適切な対応を願いたい。
3月12日
・00:15 官房長官記者会見(00:35終了)
・03:12 官房長官記者会見(03:32終了)
・06:00 宮城県に緊急災害現地対策本部を設置
・08:30 第4回緊急災害対策本部会議の開催
・08:53 政府調査団を岩手県に向け派遣
・09:18 政府調査団を福島県に向け派遣
・09:35 官房長官記者会見(10:14終了)
・11:36 第5回緊急災害対策本部会議の開催
・15:00 5大臣会合(国家公安委員会委員長、国土交通大臣、総務大臣、防衛大臣、
防災担当大臣)
・17:47 官房長官記者会見(18:20終了)
・20:32 総理大臣メッセージ(20:41終了)
・20:41 官房長官記者会見(21:08終了)
・21:40 第6回緊急災害対策本部会議の開催
総理指示
人命救助を強力に進めるため、
1.特に孤立者の救助活動に自衛隊の部隊を積極的に投入するなど、広域応援態勢の強化を図る
とともに、
2.役場の機能が失われているような自治体へのサポートの強化に取り組んでいただきたい。
・閣議により「東北地方太平洋沖地震による災害」について全国を対象とする激甚災害に指

3月13日
・08:09 官房長官記者会見(08:30終了)
・08:30 緊急参集チーム協議再開
協議結果
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本事案における部隊運用について、以下の優先順位に基づき活動を実施する
1 生存者の捜索及び救出
倒壊家屋が多くある地域に対して、陸上部隊を重点的に投入し、生存者を救出。
震度分布と家屋倒壊・土砂崩れの把握状況等とを照合した上で、航空部隊を活用
2 孤立者対策
孤立者に対しては、航空部隊を活用し、医療の提供が必要なものについては医療機関への搬送、
水・食糧・防寒具等が不足している地域については、当該物資の輸送を行う。
3 未捜索地域の割り出し及び捜索
津波や火災の被害が甚大であるため未だ捜索が十分に行われていない地域については、航空部
隊を活用するとともに、捜索の障害を速やかに除去し、捜索を実施する。
4 遺体収容
津波や火災等による死亡者の遺体については可及的速やかに収容する。
・09:32 第7回緊急災害対策本部会議の開催
・11:02 官房長官記者会見(11:20終了)
・15:27 官房長官記者会見(15:55終了)
・16:51 官房長官記者会見(17:12終了)
・19:49 総理大臣メッセージ(19:58終了)
・19:58 官房長官記者会見(20:14終了)
・20:14 経済産業大臣記者会見(20:19終了)
・20:19 節電啓発担当大臣記者会見(20:22終了)
・21:01 第8回緊急災害対策本部会議の開催
・21:38 電力需給対策本部会議の開催
・22:30 防災担当大臣指示
津波警報等は解除されたが、海の近くで活動するものは、余震による津波を常に警戒し、無線、ラ
ジオを常時聞き、避難路の確保など、十二分に注意すること。
3月14日
・05:15 官房長官記者会見(05:35終了)
・05:50 緊急災害対策本部全省庁徹底事項
本日(3月14日)より計画停電が始まる。これにより様々な支障が生じることとなる
が、各省庁の業務及び所管の事業においても、これらの支障を最小限とするため、
各省庁内及び所管の事業者・関係団体に対して
1.徹底した節電
2.支障が生じる場合においても、それを最小限に抑制するための方策の検討と早急な
実施
について、本日午前中に徹底すること。
・09:33 第9回緊急災害対策本部会議の開催
・10:00 電力需給対策本部会議の開催
12 / 91
・10:56 官房長官記者会見(11:15終了)
・11:40 官房長官記者会見(11:44終了)
・12:39 官房長官記者会見(12:53終了)
・16:16 官房長官記者会見(16:48終了)
・21:03 官房長官記者会見(21:36終了)
・閣議により、被災地域に対する物資支援について予備費の使用を決定。
対象地域:岩手県、宮城県、福島県 予備費総額:約302億円
3月15日
・05:39 官房長官記者会見(06:00終了)
・06:42 官房長官記者会見(06:45終了)
・11:01 総理大臣メッセージ(11:06終了)
・11:07 官房長官記者会見(11:29終了)
・12:33 第10回緊急災害対策本部会議の開催
・16:22 官房長官記者会見(16:46終了)
3月16日
・11:15 官房長官記者会見(11:44終了)
・16:00 第11回緊急災害対策本部会議の開催
・17:56 官房長官記者会見(18:24終了)
・21:40 防災担当大臣指示
○ 明日以降は捜索救助活動とともに、避難所における生活面のケアに相当の力を注ぐ。
○ 避難所の状況をよく把握し、「何か起きたらこうする」ということを事前によくシュミレーション
せよ。
近隣の公共施設や医療機関をよく調べておくこと。
○ 医療や、高齢者・子供・妊産婦など要援護者へのケアが重要。
厚労省が大きな役割を担う。
○ 生じてくる様々な課題について、内閣府防災が各省に担当を割り振る。担当する各省が自己完結的
に責任を持って処理すること。
チームを組んで、必要があれば政務官クラスを入れて。
○ 被災者だけではなく、自衛隊、警察、消防などの救助部隊にもPTSDが出るだろう。その対応を
用意しなければならない。
○ 阪神淡路大震災の際は、救出後に多くの方が亡くなっていることを踏まえ、同様の事態が再び起き
ることを防ぐ必要がある。
3月16日 閣議により「災害対策基本法施行令の一部を改正する政令」を制定し、地方債
発行の特例措置(発行要件、償還期限)を実施
3月17日
・11:30 官房長官記者会見(12:03終了)
・18:00 第12回緊急災害対策本部会議の開催
○緊急災害対策本部の体制強化
被災者の支援をより一層円滑に進めるため、副本部長に総務大臣、防衛大臣を追加。
13 / 91
○被災者生活支援の体制強化
東北地方太平洋沖地震による被災者の生活支援が喫緊の課題であることにかんがみ、政府における
体制の一層の強化を図るため、平成23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震緊急災害対策本部の下に、
被災者生活支援特別対策本部を置く(緊急災害対策本部長決定)。
1 主な任務
ア 孤立した避難場所等の解消
イ 被災地への物資の輸送、補給
ウ ライフラインの復旧
エ 仮設住宅の建設
オ 被災廃棄物の処理
カ 遺体収容・埋葬対策
キ 被災者・避難者の受入対策
など被災者の生活支援に関し、関係行政機関、地方自治体、企業等関係団体等との調整を行い、
総合的かつ迅速に取り組む。
2 構成員
本部長 松本防災担当大臣
本部長代理 片山総務大臣
副本部長 平野内閣府副大臣(事務局長兼務)
仙谷内閣官房副長官
事務局 内閣府に各省から構成される担当事務局を新設
3 初動対応との緊密な連携
緊急災害対策本部の初動対応チーム(官邸危機管理センター)との緊密な連携を図る。
・18:42 官房長官記者会見(19:20終了)
3月18日
・10:55 官房長官記者会見(11:34終了)
・16:48 官房長官記者会見(17:33終了)
・20:13 総理大臣メッセージ(20:28終了)
3月19日
・16:07 官房長官記者会見(16:54終了)
3月20日
・16:31 官房長官記者会見(17:15終了)
3月21日
・16:03 第13回緊急災害対策本部会議開催(16:42終了)
・17:58 官房長官記者会見(18:39終了)
3月22日
・11:10 官房長官記者会見(11:36終了)
・16:36 官房長官記者会見(16:53終了)
3月23日
・11:03 官房長官記者会見(11:32終了)
14 / 91
・17:07 官房長官記者会見(17:49終了)
3月24日
・11:03 官房長官記者会見(11:23終了)
・16:11 官房長官記者会見(16:41終了)
3月25日
・07:50 第3回電力需給緊急対策本部会議(08:10終了)
・11:46 官房長官記者会見(12:15終了)
・16:00 官房長官記者会見(16:40終了)
・19:33 総理大臣メッセージ(19:48終了)
3月26日
・16:18 官房長官記者会見(16:31終了)
3月27日
・16:08 官房長官記者会見(16:28終了)
3月28日
・11:30 官房長官記者会見(11:57終了)
・15:58 官房長官記者会見(16:16終了)
3月29日
・09:50 官房長官記者会見(10:06終了)
・16:07 官房長官記者会見(16:31終了)
3月30日
・09:48 官房長官記者会見(10:10終了)
・16:58 官房長官記者会見(17:25終了)
3月31日
・10:59 官房長官記者会見(11:17終了)
・16:06 官房長官記者会見(16:21終了)
・18:47 第14 回緊急災害対策本部会議開催(19:12終了)
・19:59 官房長官記者会見(20:08終了)
4月1日
・09:54 官房長官記者会見(10:14終了)
・17:31 総理大臣記者会見(18:14終了)
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による災害及びこれに伴う原子力発電所事故
による災害については、今後、「東日本大震災」と呼称することとする。
4月3日
・15:04 官房長官記者会見(15:34終了)
4月4日
・11:15 官房長官記者会見(11:30終了)
・16:02 官房長官記者会見(16:41終了)
4月5日
・09:57 官房長官記者会見(10:17終了)
・16:42 官房長官記者会見(17:13終了)
15 / 91
4月6日
・11:05 官房長官記者会見(11:20終了)
・16:40 官房長官記者会見(17:15終了)
4月7日
・11:04 官房長官記者会見(11:22終了)
・16:00 官房長官記者会見(16:25終了)
4月8日
・11:03 官房長官記者会見(11:38終了)
・16:09 官房長官記者会見(16:37終了)
4月11日
・10:58 官房長官記者会見(11:30終了)
・14:45 第15 回緊急災害対策本部会議開催(15:03終了)
・16:09 官房長官記者会見(16:39終了)
・東日本大震災復興構想会議の開催を閣議決定
4月12日
・10:19 官房長官記者会見(10:35終了)
・17:50 総理大臣記者会見(18:42終了)
4月13日
・11:05 官房長官記者会見(11:38終了)
・16:06 官房長官記者会見(16:23終了)
4月14日
・11:07 官房長官記者会見(11:33終了)
・14:00 東日本大震災復興構想会議
・16:42 官房長官記者会見(16:54終了)
4月15日
・09:49 官房長官記者会見(10:05終了)
・16:12 官房長官記者会見(16:42終了)
4月18日
・11:07 官房長官記者会見(11:12終了)
・16:06 官房長官記者会見(16:30終了)
4月19日
・09:44 官房長官記者会見(09:53終了)
・15:57 官房長官記者会見(16:03終了)
4月20日
・10:57 官房長官記者会見(11:10終了)
・16:02 官房長官記者会見(16:23終了)
4月21日
・11:00 官房長官記者会見(11:22終了)
・16:06 官房長官記者会見(16:28終了)
4月22日
・09:44 官房長官記者会見(10:22終了)
16 / 91
・17:41 総理大臣記者会見(18:21終了)
4月25日
・11:03 官房長官記者会見(11:19終了)
・15:59 官房長官記者会見(16:14終了)
静岡県東部地震に対する政府の対応
3月15日
・22:45 緊急参集チーム協議開始
・緊急参集チーム確認事項
1 被害情報の収集に全力を挙げるとともに、被災者の速やかな救出・救助活動に全力を尽くす。
2 被害の状

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あきづき型護衛艦に続く新護衛艦24DDについての一考察

2011-04-25 23:51:57 | 先端軍事テクノロジー

◆中型化してもヘリ運用は重視が必要

 海上自衛隊では除籍が進む、はつゆき型護衛艦を置き換えるべく、現在建造中の、あきづき型護衛艦に続き、24DDとして新型護衛艦の建造を計画しています。

Img_2618  あきづき型護衛艦は多機能レーダーFCS-3改等を搭載する従来のミサイル護衛艦と汎用護衛艦の中間を担う事が可能な防空重視の護衛艦なのですが、能力の高さとともに汎用護衛艦として基準排水量5000㌧、満載排水量は6800㌧と従来のヘリコプター搭載護衛艦に並ぶ大型艦となっており、その分建造費も高くなっているのですが平成21年度予算までに四隻が予算として認められています。24DDは、はつゆき型、あさぎり型、むらさめ型、たかなみ型、あきづき型と新しくなるとともに大型化高性能化と同時に建造費の増大に繋がってきた背景から基準排水量を3000㌧程度に収めるという構想も聞こえてきます。もっとも、基準排水量3000㌧というと、満載排水量では概ね4000㌧以上になりますので、水上戦闘艦としては比較的大型になるのですけれども、あきづき型の6800㌧と比べれば一回り以上小さくなっている、といえるでしょう。

Img_2629  他方で、要望としてですが、レーダーや搭載する武装の面ではデータリンク等により艦隊が一体として行動することでかなりその不足を補えるのですが航空機運用能力だけは船体の設計に盛り込まれていなければ不足は中々補えません。今回の災害派遣を見ていますと艦載の哨戒ヘリコプターによる護衛艦とのデータリンクによる連携は一定の能力を発揮できているようですが、加えてミサイルの誘導や索敵、そして海賊対処を含めた哨戒任務にヘリコプターは不可欠です。そこで、ヘリコプターについては、どうあっても二機の運用が可能、という設計が望ましいですね。

Img_2669  米海軍のOHペリー級ミサイルフリゲイトも、この艦は多くの国で中古艦や新造艦のライセンス生産が行われているのですが、大きさは満載排水量で建造時期により異なるのですが4000㌧前後、それでも哨戒ヘリコプターは二機を搭載しています。あまり装備を充実させるとトップヘビーになってしまうのですが、ヘリコプターについては重視してほしいですね。ただ、対艦ミサイル、これは近年断念している艦、例えば米海軍の沿海域戦闘艦等の事例があるのですが、これは必要でしょう、米海軍と違い空母艦載機が無い海上自衛隊にあって外洋での打撃力は対艦ミサイルが重要な位置を占めていて如何に迅速に脅威情報を収集し有利な艦隊隊形から相手の不利な状況を以て投射するかが重視されていると、まあ、世界の艦船等には書かれています。

Img_2647  搭載艇を複合艇にする等はコスト低減になるのでしょうけれども、それ以外は極力同一のVLSに搭載するなど、ほかには機関と燃費向上等が考えられるのですけれども、あまり無理をすると外洋行動能力を低下させてしまいます。難しいのですが、ヘリコプターについてだけは重視してほしいかな、と思いました次第。他方で人員輸送や外洋哨戒艦等多機能艦として水上戦闘艦には欧州を中心に様々な能力が求められているのですが、こうした任務の艦は護衛艦以外で日本の場合は充当すべきです、そういうのも日本周辺では従来型の水上戦闘の可能性が残っていますからね、ただヘリコプターの運用能力に余裕を持たしていれば、この空間をある程度汎用的に使う事も出来るでしょう。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (6)
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東北地方太平洋沖地震・福島第一原発事故 防衛省発表・NHK報道 2010年4月25日

2011-04-25 23:05:59 | 防災・災害派遣

◆防衛省発表

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に対する自衛隊の活動状況(08時00分現在)
平成23年4月25日
防衛省

※数値等は速報値であり、今後変わることがある。
※下線部は、前回からの変更箇所

1 災害派遣要請元及び要請日時岩手県知事 3月11日14時52分 宮城県知事 3月11日15時02分
茨城県知事 3月11日16時20分 福島県知事 3月11日16時47分
青森県知事 3月11日16時54分 北海道知事 3月11日18時50分
千葉県知事 3月12日01時00分
2 防衛省・自衛隊の対応(1) 派遣規模
人 員 : 約106,250名
(陸災部隊:約70,000名、海災部隊:約14,200名、空災部隊:約21,600名、原子力災派部隊:約450名)
航空機 : 499機
(回転翼180機、固定翼319機)
艦 船 : 51隻  が活動中
※3月14日、東北方面総監を指揮官とする統合任務部隊を編成

(2) 主な対応状況
ア 大規模震災災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日14時50分 防衛省災害対策本部設置(本部長:防衛大臣)
 3月11日18時00分 大規模震災災害派遣命令
 3月16日11時58分 予備自衛官及び即応予備自衛官の災害等招集命令
 3月17日22時00分 大規模震災災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 航空機による情報収集、被災者の救助(19,247名)、人員及び物資輸送、給食支援、給水支援、入浴支援、医療支援、道路啓開、瓦礫除去、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、自衛隊施設(防衛大学校)における避難民受け入れ、慰問演奏

イ 原子力災害派遣

(ア)関係命令
 3月11日19時30分 原子力災害派遣命令(12日09時20分廃止)
 3月12日09時20分 原子力災害派遣命令
 3月17日03時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 3月19日01時00分 原子力災害派遣命令の一部変更命令
 4月15日18時25分 原子力災害派遣命令の一部変更命令

(イ)活動内容
 避難支援、給水支援、人員及び物資輸送、原子炉冷却のための放水、モニタリング支援、ヘリコプター映像伝送による官邸及び報道機関等への情報提供、上空からの撮像、集じん飛行支援

ウ 現地調査団等の輸送支援

 ・ 政府調査団(第1陣:宮城県)の現地派遣
 ・ 経済産業副大臣及び原子力安全・保安院職員等の現地派遣
 ・ 総理大臣の現地視察(福島第1原発及び宮城県被災地上空等)
 ・ 政府調査団(第2陣:岩手県及び福島県)の現地派遣
 ・ DMAT(災害派遣医療チーム)の輸送支援
 ・ 防衛大臣現地視察(統合任務部隊編成)
 ・ 防災担当大臣現地視察
 ・ 防衛大臣現地視察(原子力災害派遣部隊現地調整所)
 ・ 防衛大臣現地視察(海災任務部隊、被災地、松島航空基地)
 ・ 総理大臣の現地視察(宮城県石巻市、東北方面総監部、松島航空基地)

エ その他

 3月18日(金)東北地方太平洋沖地震による被災地域において、自衛隊の部隊が実施する救援活動等に係る予備費の使用を閣議決定(約54億円)

(3) 自衛隊の活動
○陸自

(4月24日)

04時30分 第13旅団 新地町において炊事作業開始

06時13分 第13旅団 新地町において物資輸送開始

07時30分 第5旅団 石巻市において捜索活動開始

08時33分 第1地対艦ミサイル連隊 石巻市雄勝町において捜索活動開始

○海自

(4月24日)

08時19分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

08時52分 第4航空群固定翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

11時57分 第21航空群回転翼機、被災地周辺における捜索救難飛行実施

12時20分 横須賀警備隊、宮城県石巻市中央市営駐車場にて被災者212名に対し、入浴・シャワー支援実施

16時04分 「くにさき」、桂島、寒風沢島地区の被災者52名に対し、入浴・シャワー支援実施

○空自

(4月24日)

07時00分 松島基地が捜索救助開始

07時02分 北空派遣隊(山田)が輸送支援開始

07時12分 松島基地が給水支援開始

07時12分 松島基地が物流管理支援、瓦礫撤去等開始

07時18分 松島基地が医療支援開始

07時28分 松島基地が仙石線復旧支援開始

07時53分 北空派遣隊(山田)が捜索救助開始

07時58分 航空救難団(新潟)U-125AとUH-60Jが捜索救助活動開始(12時01分松島着陸)

08時06時 北空派遣隊(山田)が給食支援開始

11時32分 松島基地が給食支援開始

13時00分 航空救難団(新潟)U-125AとUH-60Jが捜索救助活動開始(17時01分松島着陸)

13時09分 第1輸送航空隊C-130が救援物資(食料品等)を名古屋、福岡から松島へ空輸

13時31分 北空派遣隊(山田)が燃料支援開始

○原子力災害派遣による活動

(4月24日)

07時27分 CH-47(サーモグラフィ・放射線測定器搭載)×1機 福島第1原発上空モニタリング開始

08時29分 偵察航空隊RF-4×1機 原発の航空偵察(写真撮影)のため百里を離陸(09時03分 百里着陸)

09時10分 第12旅団各部隊等 福島第1原発30km圏内捜索開始

◆NHK報道

4月24日のニュース

汚染地図公表 がれき撤去急ぐ(4月24日 19:40更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、敷地内の放射性物質による汚染状況をまとめた地図が公表され、がれきの撤去作業が遅れている3号機の原子炉建屋周辺で比較的高い放射線量が検出されています。
東京電力では、復旧作業の妨げになっているがれきの撤去を急ぐことにしています。
公表された地図は、作業員が不必要な被ばくをしないよう作業計画を立てるために使われるもので、東京電力によりますと、3月下旬から作成し、現地の対策本部がある免震重要棟などに張り出され、作業員にも周知されています。
地図には、福島第一原発の1号機から4号機の敷地内で作業をする前に、放射線管理員が測定した放射線量が細かく書き込まれています。
激しい水素爆発があった3号機の原子炉建屋周辺は、ほかよりも全般に放射線量が高く、山側のがれきからは1時間当たり300ミリシーベルトの高い放射線量が検出されています。
こうした地図をもとに、復旧作業の妨げとなっている放射性物質に汚染されたがれきの撤去が、今月6日から行われています。
東京電力によりますと、これまでに、免震重要棟の隣にある「旧事務本館」付近での作業をほぼ終え、現在、3号機と4号機付近の撤去作業を始めています。
これまでに撤去したがれきは、コンテナ50個分に上り、福島第一原発の山側のグラウンドで保管しているということで、1メートル離れた場所の放射線量は、1時間当たり1ミリシーベルトから2ミリシーベルトだということです。
東京電力では、現場の放射線量を下げて、復旧作業をしやすくするため、がれきの撤去を急ぐことにしています。

国産ロボット 作業に向け準備(4月24日 19:40更新)
東京電力福島第一原子力発電所では17日にアメリカ製のロボットが放射線量が高い原子炉建屋内部の撮影などを行いましたが、原発での作業に向けて準備を進めている日本製のロボットが24日に公開されました。
このロボットは、撮影などのほかに、がれきが散乱する建物内部の状況を立体的な映像に表す機能も持っていて、今後の活用が期待されています。
このロボットは、災害現場で使うため、千葉工業大学や東北大学などの研究グループが開発したもので、福島第一原発での作業に向けて最終的な準備を進めている千葉県習志野市の千葉工業大学で公開されました。
ロボットは、幅20センチ余りの2本の走行用ベルトなどで地面をはうように移動しながら、高さ1メートルの垂直に伸びた棒の上に取り付けられたカメラや線量計で、撮影や測定をしていきます。
また、がれきの上や階段を自由に移動できるほか、ケーブルで動くロボットと無線で動くロボットの2台を組み合わせて、電波が届きにくい原子炉建屋の地下や2階以上での作業を目指しています。
さらに、このロボットは、レーザー光を発しながらその跳ね返りを捉えたうえで、立体的な映像に表す機能を持っていて、平面的な映像だけでは分からない、がれきが散乱したり大きく壊れたりした状況を把握できるということです。
ロボットに使われている半導体などの電子部品は、高い放射線量で劣化するため、つくば市の研究所でこのロボットの耐久性を調べた結果、今回の現場で作業員の限度量となっている放射線量の400倍でも、故障しないことが確認されたということです。
千葉工業大学、未来ロボット技術研究センターの小柳栄次副所長は「開発したロボットは操作性や運動能力では世界トップクラスだ。現場の状況がさらに分かれば、それに適応した改良ができる」と話しています。
東京電力などによりますと、このロボットの現場への投入は最終的に検討している段階で、東京電力の社員が操作方法を確認するなどの準備を進めているということです。

4号機燃料プール 耐震策検討(4月24日 12:30更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、爆発によって壁が激しく壊れ、耐震性に懸念が出ている4号機の使用済み燃料プールについて、東京電力は余震に備え、プールの底を下の階から複数のコンクリート製の支柱で補強する案など、耐震性を高める対策の検討を急いでいます。
福島第一原発の4号機の使用済み燃料プールには、核燃料を束ねた燃料集合体が第一原発の中では最も多い1535体あり、高い発熱によって水の蒸発が多く、特殊車両による注水が続けられています。
燃料プールを支える建屋の壁は、先月15日の爆発によって激しく壊れていて、東京電力では、耐震性などに懸念があるとして、水を入れすぎずに冷却しようと、23日から温度と水位を測りながら水の注入を行っています。
140トンの水を入れた23日は、注入前、83度と高い温度だったプールの水温が、注入後は66度に下がり、プールの水位も燃料の上3メートルから注入後は3.7メートルまで上昇したということです。
一方、懸念が出ているプールの耐震性について、東京電力では、無人ヘリコプターで撮影した建屋の映像などを分析しながら、プールの底を下の階から複数のコンクリート製の支柱で補強する案などを検討しています。
東京電力によりますと、プールの底を支える部分は原子炉建屋の2階部分にあたり、付近の放射線量の値などから人が中に入ることができるレベルだということですが、長時間の作業が可能かどうか、今後、慎重に見極めるとしています。
4号機の使用済み燃料プールの耐震性の補強については、東京電力がまとめた事故の収束に向けた工程表の中で、ことし7月ごろまでに工事を終えたいとなっています。
しかし、余震はいつ発生するか分からず、プールの冷却のために水を入れすぎると重さで建屋そのものの健全性が失われるおそれもあり、東京電力は、できるだけ早く補強工事を始めたいとしています。

汚染水仮設タンク 大幅増設へ(4月24日 5:25更新)
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、原発の安定化にとって重要とされる、放射性物質に汚染された水を処理するシステムが予定どおり稼働しなかった場合に備え、東京電力は、汚染水をためる仮設タンクを当初の計画よりも大幅に増やし、6月から毎月2万トン分ずつ設置することになりました。
福島第一原発では、タービン建屋の地下やトレンチと呼ばれるトンネルで、放射性物質に汚染された水が7万トン近くたまり、復旧作業の妨げとなるなど、汚染水をどう処理し管理するかが大きな課題となっています。
この汚染水について、東京電力は事故の収束に向けた工程表で、「集中廃棄物処理施設」や仮設タンクなどで保管するとともに、放射性物質を取り除く浄化システムを設置し、処理する対策を示しています。
このうち仮設タンクについては、当初、来月末までに合わせて2万7000トン分を設置する方針でしたが、タンクの製造が遅れているとして、6月初めを目標に、3万1400トン分の設置に変更したということです。
また、工程表で原発の安定化にとって重要とされる、汚染水を処理する施設が予定どおり6月に稼働しなかった場合に備え、6月から12月まで、毎月2万トン分ずつ仮設タンクを増設するということです。
一方、東京電力は、汚染水の保管にあたって、「低・中・高」と濃度に応じて3つに区別し管理することを明らかにしました。
このうち高濃度の汚染水は、1cc当たり100ベクレルから100万ベクレルのレベルを想定しているということで、漏れた場合、周囲への影響が大きいとして、放射線や腐食に強い材料を張ったタンクを別に1万トン分用意し、土に埋めて管理するとしています。

東電福島第一原発 汚染がれき慎重に撤去(4月24日 5:25更新)
放射性物質で汚染されたがれきの撤去作業が進められている東京電力福島第一原子力発電所では、3号機の周辺など、場所によって高い放射線量が検出されていることから、汚染の度合いが一目で分かる地図を使って慎重に作業が進められています。
福島第一原発では、1号機や3号機の水素爆発などによって飛び散ったとみられる、汚染されたがれきが構内の至る所に散乱し、復旧作業の妨げとなっていて、東京電力は、今月6日から、無線などで遠隔操作できる重機を使ってがれきの撤去を進めています。
これまでに、旧事務本館付近などでがれきの撤去を終えて、22日からは、1号機と3号機の原子炉建屋の周辺のがれきの撤去を本格的に進めていますが、汚染されたがれきの近くでは長時間の作業ができないため、事前に周辺の放射線量を把握する必要があります。
このため、東京電力は、慎重に作業に当たらなければならない場所を把握できるように、敷地内の汚染の度合いが一目で分かる地図を使って作業を進めています。
地図には、放射線量が1時間当たりのミリシーベルト単位で細かく表示されていて、特に3号機の原子炉建屋の周辺の値が高いことが分かります。
ここでは、今月20日に、1時間当たり900ミリシーベルトという高い放射線量が出ているコンクリート片も確認され、撤去されています。
東京電力では、こうした撤去作業をことし7月ごろには終えたいとしています。
しかし、がれきの量を見通せていないうえ、撤去したがれきを処分する場所や方法は今のところ決まっておらず、課題となっています。

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