北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成十九年度九月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報

2007-08-31 21:16:44 | 北大路機関 広報

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

 明日から九月、猛暑酷暑の八月から徐々に冷涼な空気を感じることの出来る季節となる。こうした中で、九月期は自衛隊関連行事も多く執り行われる時期である。

Img_1166  自衛隊関連行事において最も多くの見学者を集める航空祭では、百里基地航空祭や小松基地航空祭というF-15Jの飛びかう航空祭が行われ、海上自衛隊では八戸航空基地、徳島航空基地、館山航空基地祭、岩国航空基地での航空基地祭、更に木更津駐屯地や立川駐屯地では陸上自衛隊の航空祭が行われる。

Img_1246  海上自衛隊関連では、横須賀マリンフェスタが実施される。乗艦券公募はまだ続いているのでリンク先を見ていただきたい。先日行われた横須賀サマーフェスタは基地一般公開であったが、横須賀マリンフェスタは護衛艦を中心とした体験航海。規模としては、地方隊展示訓練と同規模の行事である。

Img_2942_1  詳細は下の部分を見て頂くとして、第七師団隷下の戦車連隊が駐屯する駐屯地でも駐屯地祭が行われる。90式戦車に関しては、90式戦車が参加する駐屯地祭自体、実は首都圏でも富士教導団や教育所要分の車輌が参加するものが多少あるが、部隊として参加するものは、北海道の方が多い。そんなこんなで、今月行われる主要行事は以下の26。

  1. ■九月一日:海上自衛隊八戸航空基地祭・八戸航空基地創設50周年(第二航空群八戸航空基地)・・・青森県八戸市(0178-28-3011)※P-3C哨戒機を運用する第二航空群などが展開する海上自衛隊の航空基地
  2. ■九月二日:陸上自衛隊南恵庭駐屯地祭・駐屯地創設55周年/第三施設団創設46周年(第七師団HP)・・・北海道恵庭市(0123-32-3101)※北部方面隊直轄の第三施設団本部が置かれ、第七師団の第73戦車連隊が駐屯している
  3. ■九月二日:航空自衛隊三沢基地航空祭三沢基地HP)・・・青森県三沢市(0176-53-4121)※北部航空方面隊司令部が置かれ、F-2支援戦闘機などを運用する第3航空団が展開。F-16を運用するアメリカ空軍第35戦闘航空団も展開する
  4. ■九月八日:航空自衛隊大湊分屯基地開庁記念行事(航空自衛隊HP)※27日の情報あり(青森地本)・・・青森県むつ市(0175-24-1191)※第42警戒群のレーダーサイト
  5. ■九月九日:陸上自衛隊帯広駐屯地祭・駐屯地創設56周年/第五旅団創設三周年(第五旅団HP)・・・北海道帯広市(0155-48-5121)※道南を警備区とする第五旅団司令部が置かれ、旅団行事であるので隷下部隊が参加すると思われる。駐屯地には第四普通科連隊、第五特科隊の他、方面隊直轄の対戦車ヘリ隊などが駐屯する
  6. ■九月九日:陸上自衛隊北千歳駐屯地祭・第一特科団創設55周年(第一特科団HP)・・・北海道千歳市(0123-23-2106)※方面隊直轄の特科団司令部が置かれる。第一特科群、第一地対艦ミサイル連隊、この他第七師団隷下の第71戦車連隊などが駐屯
  7. ■九月九日:陸上自衛隊北恵庭駐屯地祭・駐屯地創設57周年(札幌地本HP)・・・北海道恵庭市(0123-32-2101)※方面直轄の第一戦車群、第七師団隷下の第71戦車連隊が駐屯
  8. ■九月九日:陸上自衛隊幌別駐屯地祭・駐屯地創設54周年/第13施設群創設32周年(札幌地本HP)・・・北海道登別市(0143-85-2111)※第13施設群が駐屯
  9. ■九月九日:航空自衛隊百里基地航空祭(百里基地HP)・・・茨城県小美玉市(0229-52-1331)※首都圏防空を担う第七航空団、更に偵察航空隊や百里救難隊が展開。昨年の航空祭ではF-15J,RF-4,T-4による多機種編隊飛行が展示された。
  10. ■九月九日:陸上自衛隊金沢駐屯地祭・駐屯地創設57周年(金沢駐屯地HP第14普通科連隊HP)・・・石川県金沢市(076-241-2171)※石川県、富山県、福井県を警備担当区とする第14普通科連隊が駐屯、訓練展示のガラス割りが名物(?)
  11. ■九月九日:海上自衛隊岩国航空基地祭(岩国航空基地HP)・・・山口県岩国市(0827-22-3181)※第31航空群などが展開する海上自衛隊の航空基地、US-1救難飛行艇などが飛行展示を行う。MCH-101なども展開している
  12. ■九月十六日:陸上自衛隊鯖江駐屯地祭・駐屯地創設44周年(中部方面隊HP)・・・福井県鯖江市(0778-51-4675)※第372施設中隊が駐屯
  13. ■九月二十二日・九月二十三日:海上自衛隊横須賀マリンフェスタ(横須賀地方隊HP)※護衛艦、掃海艦などが参加する体験航海で、規模としては展示訓練。横須賀市の市制記念行事の一環として行われる模様
  14. ■九月二十三日:航空自衛隊小松基地航空祭(小松基地HP)・・・石川県小松市(0761-22-2101)※日本海側の防空を担う第六航空団が展開、この他第九移動警戒隊や小松救難隊が展開、F-15Jによる編隊飛行は迫力
  15. ■九月二十三日:陸上自衛隊立川駐屯地立川防災航空祭(東部方面航空隊HP)・・・東京都立川市(042-524-9321)※第一飛行隊、東部方面航空隊の航空機に加え、東京消防庁、警視庁航空隊などなど多数の航空機が参加する。明野・木更津と並ぶ大編隊が名物とのこと
  16. ■九月二十三日:陸上自衛隊今津駐屯地祭・駐屯地創設55周年(第三戦車大隊HP)・・・滋賀県高島市(0740-22-2581)※第三戦車大隊、第十戦車大隊が駐屯、6個戦車中隊が参加する部隊整列や観閲行進は方面隊最大規模の迫力
  17. ■九月二十三日:陸上自衛隊岩見沢駐屯地祭(第十一師団HP)・・・北海道岩見沢市(011-511-7116)※第12施設群が駐屯
  18. ■九月二十九日:陸上自衛隊倶知安駐屯地祭(第十一師団HP)・・・北海道倶知安町(0136-22-1195)※第11対戦車隊と第28普通科連隊の一部中隊が駐屯
  19. ■九月二十九日:航空自衛隊高畑山分屯基地開庁記念行事(航空自衛隊HP)・・・宮崎県串間市(0987-77-0303)※第13警戒隊の展開するレーダーサイト
  20. ■九月二十九日・九月三十日:海上自衛隊徳島航空基地祭(徳島教育航空群HP)・・・徳島県松野郡松茂町(088-699-5111)※海上自衛隊の航空基地、TC-90の全機24機などが配備されている。体験搭乗の抽選会が初日にあり、翌日搭乗できるとの情報
  21. ■九月二十九日・九月三十日:海上自衛隊館山航空基地ヘリコプターフェスティバルTATEYAMA(第21航空群HP)・・・千葉県館山市(0470-22-3191)※30機の回転翼機を有する海上自衛隊の航空基地で、S-61輸送ヘリコプターが配備される基地としても有名
  22. ■九月三十日:陸上自衛隊霞目駐屯地東北方面隊創設47周年記念行事(東北方面隊HP)・・・宮城県仙台市(022-231-1111:方面隊)※総監部の置かれた仙台駐屯地ではなく広大な霞目飛行場を用いて行われる行事。場所が広く、隣に方面航空隊の置かれる霞目駐屯地があるのが特色、方面隊の各種重装備など見所は多い
  23. ■九月三十日:陸上自衛隊桂駐屯地祭(中部方面隊HPイベント情報)・・・京都府京都市(075-381-2125)※中部方面後方支援隊が展開する、名物は1942年建築の超巨大倉庫(?)。訓練展示などは例年、第三師団隷下の部隊が実施する
  24. ■九月三十日:陸上自衛隊木更津駐屯地木更津航空祭(東部方面隊HP)・・・千葉県木更津市(0438-23-3411)※CH-47大型ヘリ多数を配備する第一ヘリコプター団と第四対戦車ヘリ隊による大編隊が名物、昨年は飛行展示が行われず、一昨年は訓練展示が実施されなかっただけに、第一空挺団による空中機動の訓練展示が楽しみな行事
  25. ■九月三十日:陸上自衛隊対馬駐屯地祭(西部方面隊HP第四師団HP)・・・長崎県対馬市(0920-52-0791)※通称ウルトラ警備隊(隊員談)、自称ヤマネコ部隊と称する陸上自衛隊唯一の島嶼部警備隊、軽装甲機動車を最初に受領したなど近接戦闘装備は最新で、練度も高い精鋭部隊
  26. ■九月三十日:陸上自衛隊竹松駐屯地祭(第四師団HP)・・・長崎県大村市(0957-52-2131)※ホークミサイルを運用する第七高射特科群が駐屯

(追記:29日に下総航空基地祭実施の模様)

 以上が今月実施される主要な自衛隊関連行事である。この他、一般非公開の行事も行われ、砕氷艦“しらせ”の練習航海も開始される。以降、主観的な雑記を書き連ねたい。

Img_1159_2  三沢や八戸などなど、東北方面への関東や関西からの展開を検討される場合、特に寝台特急や寝台急行を利用される方は新潟中越地震に伴う路線封鎖によって運休になっている列車がある為要注意である。これはJR西日本やJR東日本の駅構内で掲示されておりご存知の方も多いのでは、と思ったが念のため。

Img_7338_2  小松基地航空祭。昨年は絶対雨、という絶望的な状況の中展開したが、なんとか晴れた。これ、小松マジックというらしい。マジックということもあるが、降ることもあるので一応の準備を。特に九月は台風シーズン、台風は温帯低気圧になっても、気象に影響する、とは長躯千歳基地航空祭へ展開した友人の経験から。

Img_2548_1  個人的には、23日の今津駐屯地祭と小松基地航空祭が重なっている点。一昨年は一週間ずれてたんだけれどネ。加えて、22、23と実施される貴重な海上自衛隊催事である横須賀マリンフェスタ初日と立川防災航空祭の関東遠征試案とも重なる。

Img_7102  更に、気になるのは木更津航空祭。ヘリの大編隊なら、木更津・明野・立川、と呼ばれる(人によっては霞ヶ浦も含める)名物編隊、昨年は初版の事情で航空機系は大幅自粛となっていたが、今年はどうなるのか、訓練展示を含めて、展開するしない以前に気になる。ちなみに、エプロンで待機していると背後から電線越しに編隊が来たので、中央の招待者観覧席付近に陣取るのが撮影するにはいいやも。

Img_8070_3  この他、昨年展開した行事で印象的だったのは東北方面隊記念行事。会場は確か東千歳よりも広かったと記憶。中方管区には方面特科がいないので、MLRSやSSMなんかが印象的であった。203㍉自走砲は廃止されたと聞いたが、それを差し引いても個人的に興味深い内容であった、逆光だったけど。

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。

■北大路機関

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新幹線特急電車500系 東京⇔博多を結ぶ蒼い稲妻

2007-08-30 22:09:20 | コラム

■JR西日本500系新幹線

 新幹線に乗車すると、小生の場合何故か700系、近距離であれば300系に乗車することが多い(先日東京からの帰路も700系だったし)。N700系も先月一日のダイヤ改正から導入されたが、生物的ともいえるデザインよりは、シャープなデザインの500系が一番と考える。

Img_5520  京都駅に入線する500系新幹線。私事ながら、500系に初めて乗車したのは10年前の夏。つまり500系が導入された最初の夏である。ま500系新幹線は、上り列車8本、下り列車7本(他に大阪~博多一本)が運行されており、五時間ほどで東京と博多を結んでいる。だ0系も100系も現役の時代であったが、その鋭い先端は、列島の動脈を疾駆する蒼い稲妻そのものであり、鮮烈な印象を小生の脳裏に刻んだ。

Img_5523  WEST 

JAPANのマーキングからも判るように、1997年、JR西日本はトンネルの多い自社の山陽新幹線区間高速化を期して500系を導入。3月より営業運転を開始し、1997年後期には東京駅への乗り入れを開始、東京~博多間の運転を開始した。500系新幹線は、上り列車8本、下り列車7本(他に大阪~博多一本)が運行されており、五時間ほどで東京と博多を結んでいる。

Img_5522  500系新幹線の最大の特色は、超音速旅客機コンコルドのように鋭く伸びた先端である。これは、特に高速走行や、トンネルを高速で通過した場合などの空気抵抗を極限化する目的でこのデザインとなったようだが、同時に高速性を印象付けるという意向も反映されたようだ。

Img_5503_1  現在の主力は700系新幹線であるが、これは500系が一編成あたりの価格で、300系よりも高価であり、経済性を重視して700系が導入されたということであるが、これについては後に詳述したい。基本的に、700系は、0系や100系の代替に300系を充てる用途が見込まれた車輌のようにも思える。

Img_5524  営業運転速度は300km/hで、これにより300系の270km/hから大きく前進した。ちなみに表定速度(距離と時間を計算し出す平均速度)では、フランスのTGVよりも500系が速く、300系が奪われたギネス記録を500系は奪還している。

Img_5530 先頭車輌は全長27㍍であるが、このうち15㍍が運転席部分となっており、乗車定員は300系よりも少なくなっている。しかし、乗降用扉を先頭車は一つとするなどの設計工夫を行っている。蛇足ながら京都駅などではこの区間に扉が無いとの但し書きが掲示されている。

Img_5528  運転台というよりもコックピットと呼称した方が相応しい前面。ちなみに500系新幹線の16輌一編成の調達価格は50億円弱、700系新幹線の調達価格は35億円程度といわれている。他方で、700系の営業最高速度は山陽新幹線で285km/h、500系の300km/hよりやや遅い(東海道新幹線区画は双方共に270km/h)。

Img_5531  さてさて、16輌編成×75、8両編成×16が導入された700系新幹線と比べ、前述の価格などの関係から500系新幹線は9編成のみとなっている。また、車輌毎の座席配置は300系や700系と異なる為、運行上の不便な部分も指摘される。こうした観点から、500系による2009年をもって東京~博多直通運転は終了するようだ。

Img_5544_1  さてさて、16輌編成の500系を見送る。今回撮影したのは、新幹線を利用したついでに京都駅にて撮影した。この為、N700系などを見ることは出来なかったが、500系だけは撮影することが出来た(500系とN700系の運行時間は時刻表に書かれている)。京都駅には高架上に二つの島型ホームがあるが、撮影した場所の反対から撮るべきか悩んだ。

Img_5545_1  京都駅の東京方面へのホーム、上り方向で撮影したのだが、下り方向だと検査車輌が停車していた。迷ったのは博多方面のホームから広角を使えば全車はいるのでは、と思ったが、博多方面の新幹線が入構してきたら、と思い断念(700系の博多行きが来たので、この勘は当たった)。

Img_5548_1  向こうから700系新幹線が入ってきた。500系については、鋭い先端から小型の印象を受けるが、こうして見てみると500系もそれなりの大きさがある。また、性能云々よりも、比べて見ると、主観的命題だけれども、500系はシャープでかっこいいよね。次回の長距離移動で新幹線を使う場合は出来るだけ500系に乗れるように調整したいな。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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中央線特別快速高尾~東京大縦断 201系特快ラストスパート

2007-08-29 14:48:33 | コラム

■Chuo Special Rapid

 米軍再編最前線、横田基地の日米友好祭を撮影して後、関東軍ヲタツアーはめでたくフィナーレを迎えた。そして小生は、八王子において一泊し、翌日、資料の宝庫、神田は神保町へ向かった(本記事と併せ“209系撮影紀行()”も一読していただけると幸いです)。

Img_9372_2   八王子に宿泊したということで、チェックアウトののちに高尾まで観光へ足を伸ばした。高尾の冷涼な空気を堪能した後、一時間ほど歴史街道を散策、昭和を感じたのちに進路を東京に向けた。高尾から東京へ、ということになれば、やはり201系の中央特快に乗車しようということになる。

Img_9776  今回宿泊したのは写真の左に写るセントラル八王子。Web宿泊予約で割引があり、当日飛び込みであったが宿泊できた。しかし、やはり横田の関係で土曜日の宿泊は、近隣のホテルを含め予約で一杯だったそうだ。中央線のに隣接し、八王子から徒歩十分、無料シャトルバスの運行もあるという。

Img_9846_2  徒歩でセントラル八王子から八王子駅に向かって移動しているとE257系特急電車とも出あった。特急“かいじ”や特急“あずさ”として運行されており、ヘッドマークはLED表示方式を採用している。ただ、ヘッドマークは従来型のもの方が見えやすくていいのでは?と思うのは小生だけではあるまい。

Img_9756  201系電車。国鉄時代の系譜、国鉄型通勤電車の筆頭に挙げられる一つである。JR西日本では、大阪環状線や奈良線でもまだまだ現役であるが、老朽化も進み、いよいよラストスパートという表現が正しくなっている車輌。C.ジョニー氏の表現を借りると“首都圏に残る最後の鋼製国鉄型通勤電車”とのこと。

Img_9757  特別快速とは、京都近郊でいうところの新快速に相当し、快速よりも停車駅が少ない列車である。京都と大阪、神戸を結ぶ姫路~長浜/敦賀新快速に慣れると、普通・快速・新快速が普通に思えてくるが、JR東海では新快速と特別快速の並走区間があったりするが、聞くところでは特別快速や新快速と快速、普通の三系統は逆に例外的だったりする。

Img_9802  東京へ向かう201系が停車する高尾駅。ここから松本や甲府方面への列車と乗り換える。この201系は1979年より導入が開始された通勤車輌で、最初の車輌はこの中央線の快速電車用に投入された。特別快速も、中央線における列車から開始された為、201系中央線特快は、その源流にあたる。

Img_9800_1  各駅停車として運行される201系。特別快速として高尾から東京まで運行し、その後各駅停車として折り返す例が多いように見えた。きくところでは、長距離高速運転を行う中央線特快用201系は、それだけ老朽化も進みやすいとのことで、その為の運行形態だろうか。

Img_9764  立川駅に到着。撮影したのは201系の先頭からだが、201系が立川駅には二編成停車している。上に見えるのは立川の多摩モノレールで、映画“日本沈没”(新しい方ね)のオープニングに、この車窓からの情景が出ていた。電線支柱がないのでモノレールからの風景は絵になるのだとか。自主制作映画風に撮影したとのこと。

Img_9864_1  201系電車の後継であるE233系電車と、車輌基地に置いて並ぶ様子。まだまだ201系は多数運行されているものの、順次E233系への置き換えが進んでいる。中央線特快として201系が運行されるのは、いつぐらいまでなのだろうかと思うが、まだ安心できる情景だ。

Img_9857_1 八王子駅において快速と普通のE233系が並んでいる。先ほど安心と書いたが、特快として201系がいつ頃まで運行されるのか不安になる一枚である(どっちだ!?)。というのもこの233系、2006年後半から導入されたE233系であるが、まだ2007年8月、しかしかなりの勢力を形成している為である。

Img_9705  2007年には鉄道友の会のローレル賞を受賞しているこの車輌、来月か再来月あたりから京浜東北線の209系との置き換えが開始されるとのことで、常盤線への導入も開始されることから、首都圏における一大勢力を形成してゆくだろう車輌である。

Img_9794_1  このE233系は、モニタ装置や保安装置、補助電源、パンタグラフなどの二重化、主回路機器の増強を行い、運行中の不具合発生時にも予備回路により運行を継続できる設計が行われている。この点、E233系により置き換えられる209系がコスト低減の為にこうした設計を行わなかったのとは対照的に思える。

Img_9785_1  営業運転速度は100km/hとされているが、設計上は120km/hに対応しており高速運転化にも対応した設計となっている。ただ、本数と路線の関係から、高速運転よりは旅客需要強化に重点が置かれているようにみえる。扉上部には液晶モニターが配置されており、停車駅や運行情報などを知ることが出来る。これは便利だ。

Img_9741_1  山手線から所属を変えた204系電車と並走。横浜から神奈川県を八王子へ縦断する相模線などでは、まだ現役である。導入開始が1985年で、製造期が国鉄とその民営化の過渡期に重なる車輌。山手線の顔のような車輌であったが、今日では支線にて余生を送っている。

Img_9750  特急“スーパーあずさ”に用いられているE351系電車。これは新宿行きで、八王子駅にて撮影。特急“あずさ”は新宿駅から甲府駅を経て松本駅を二時間半から三時間で結ぶ特急である。この他、183系や後述するE257系特急電車が用いられている。

Img_9787_2  松本に向かう“あずさ11号”。勾配の多い路線に対応するべくVVVFインバータ制御装置、振り子式制御装置を搭載したE351系は、営業速度130km/hという高速運転を実現させた。1993年より導入されたE351系は、やや傾斜がかかった車体が高速運転を彷彿させるデザインだ。

Img_9770_2  特急“あずさ”、特急“かいじ”として運行されるE257系特急電車。2001年12月より中央線用の特急電車として営業運転が開始され、その斬新なデザインから2002年には鉄道友の会よりブルーリボン賞を贈られている。ヘッドマークはLED方式であるがよくみるとこの写真には“AZUSA”と表示されている。

Img_9789_1  特急“かいじ”。やや確認しにくいが、LED表示には“Kaiji”と表示されている。LEDだと、入線してきた列車が自分の乗る特急か、違う特急か、判りにくいような気もする。この“かいじ”は、東京駅から立川駅、八王子駅を経て甲府駅を結ぶ特急で、一部は甲府駅から更に竜王駅までを結んでいる。

Img_9810_1  更に夜の山手線に移動。IS補正レンズで、1/50程度に落としても、列車の先頭車両からは撮影出来るため、あとは画像補正ソフトで光量を増加させれば、夜間でもこの程度の写真を撮影することが出来る。写真は上野駅にて行き違いの様子を撮影したもの。

Img_9813_1  京浜東北線の209系電車。1993年から京浜東北線などに導入を開始した車輌で、間もなくE233系電車へ代替が開始される車輌で、今の内に撮っておきたい車輌。とはいえ、ここまで暗くなると補正をかけても鮮明とは言い難い写真になっているのは勘弁。

Img_9809_1  209系電車のヘッドライトがうまくレールに反射している写真。前回撮影したとき()は山手線から撮影したが、昨日述べたような理由で今回は京浜東北線から撮影。並走するE231系500番台の車輌に遮られることが多く、並走区間では山手線の方が良好に撮影できるようだ。

Img_9913  さて、三日間にわたる関東軍ヲタツアー、最後は鉄道写真となっているが、成功の内に幕を閉じた。最後は東京駅を発車する700系新幹線。お土産を購入して時間がぎりぎりとなってしまった為、この角度の写真である。N700系や500系に乗りたかったという本心もあったが、700系、やっはり速いなあという印象で帰路についた次第である。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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東京古書探索 日本最大の古書店街神保町と学生古書店街高田馬場

2007-08-28 23:15:46 | 旅行記

■首都圏は学術研究の一大集約拠点

 管理者も予想外、四日連続でアクセス数1000を越えている中で、本日の特集は古書店街、やや地味だがお付き合い願いたい。東京大学を始め、多くの大学が集中する東京は、わが国における学術研究の一大集約拠点であり、京都と並び多くの学生や研究者が真理の探究を期して活動を展開している。

Img_8967_1_1  加えて、政策研究機関の多くが東京に集中しており、社会科学系の書籍も多くが集まっている。Web上での資料収集が容易となった今日でも、特に絶版書籍に関しては古書店での発掘が必要であり、多くの研究者や学生、研究機関の集中する首都圏では需要の高さもあることから、古書店街における資料収集は大きな意義を有する。

Img_9869  東京における最大の古書店街は、神田、靖国通沿いにある神保町である。ここには100以上の古書店が集中しており、実質的に日本最大の古書店街といっていい。事実、名古屋の鶴舞、大阪のかっぱ横丁を遥かに凌駕する質と量の古書が集中している。

Img_9871_2  古書店毎にその専門があり、加えて一般書を扱うという店舗が多い。特に専門に特化した書店の品揃えには絶版本を含め、目を見張るものがある。ただし、検索が容易なように、書店毎の整理が行き届いているだけに、やや高価格ではないか、とは指導教授のK先生のお言葉。

Img_9874_1  社会科学系というか、軍事関係に特化しているのがこの文華堂書店である。海事専門誌“世界の艦船”でも、入荷情報に関する広告が出ているが、兵器関係の書籍から戦略理論、果ては安全保障を中心とした専門書まで扱っており、前回調達した戦略問題研究所の“世界軍事資料①~⑤”は重宝している。

Img_9876  専門関係では、文字通り掘り出し物があり、モノによっては定価よりもかなり割高になっているものもあるが致し方ない。今回は、坂本義和先生の全集未収録の著書と、神戸にありそうでなかった吉川元先生の予防外交関係の著書、あとは、植田隆子先生の欧州関連の著書で面白そうなものがないかという目標。

Img_9879_1  GANSHODO書店。ここはL字型の内装になっており、一番奥の方に法学系と国際関係の書籍。吉川先生の著書と、坂本先生の著書を購入。やや迷って、指導教授のA先生の指導教授であった高坂正尭先生著、外交評論集があって、頁を捲っていると引き込まれたので、そのまま購入。これについては読みやすいので新幹線乗車中にほぼ読んでしまった。

Img_9875_1  改装の終わった書店群。真ん中の書店は、旧軍の資料と通常の軍事雑誌の揃いがいい。地下鉄半蔵門線の神保町駅近傍。買った後で他の書店でもっと安かった、ということも無い訳では無いが、まあ、掘り出し物は極力早めに調達しないと二度とお目にかかれないことがある。しかし、昔この街で買ったマハンの初版本は、1899年の本で日本語なのに読めなかった、など失敗もある。

Img_9882  冷戦時代特に70年代の欧州安全保障関係の書籍というのは、需要の関係もあり、揃いは良くは無いといろんな書店の店主にいわれつつ、探せば結構あるものだ、そんなこんなを考えながら、地下鉄半蔵門線を高田馬場に向けて移動する。東急電鉄の列車が乗り入れていたが、ISO感度の100から800への変更が間に合わず、車輌前面の撮影は失敗。

Img_9884_1  神保町駅から地下鉄半蔵門線を隣の九段下駅へ、ここで地下鉄東西線に乗り換え。改札外乗換えを行った後に中野方面に向かう列車に乗車。高田馬場駅か早稲田駅かでは、高田馬場駅からが近いというが、そこから早稲田通を明治通の交差点まで行かないと古書店街には到達しない。鉄道移動では、ややアクセスが悪いかも、と思う。

Img_9899_2  ざっと20軒ほどの古書店がやや間隔を広げて並ぶ。整理されていないが価格は安いと指導教授のK先生にお教えいただいたのだが、結構整理されているし、価格も。ただし例外もあることを特記。印象としては、名古屋の上前津駅から鶴舞駅までの書店の間隔に似ている。

Img_9891  時間もあまりなかったので、高田馬場で多くは調達しなかったが、多くの人が言うように神保町の方が、揃っている。ううむ、京都の平安神宮の傍にある某書店のように書籍の山の中から化石採集のように発掘するという印象をもっていたんだが、もしかしてそういう店舗もあるのだろうか、ご存知の方、ご教授いただければ幸いです。

Img_9894  古書店街に、その筋では有名な、アンクルがあった。12.7㍉重機関銃M-2,無稼動実銃で170万円というのから、激安ガスガンまで揃っている。TOPの64式小銃なんかに興味はあるのだが、置いていなかった。神保町で少なからず調達し、高田馬場でも少し調達したので手提げ袋のビニールが手にくい込み、痛いし疲労もあるので撤収。

Img_9811_1  東京に来たのだし、ついでに秋葉原へ寄ろうということになって、山手線に乗り込む。かなり暗くなっていたが、IS装置付のキャノン70~300㍉望遠レンズにより、山手線の車輌撮影もついでに実施できた。暗くなると、従来のものよりもLED方式の行き先表示板がくっきりとみえるというのが端的にわかる写真だ。

Img_9901  山手線に乗ったのに、走行中の山手線の写真があるのは単純、混んでいたので並走する京浜東北線に乗り換えて撮影。同時にホームへ滑り込む列車を見て、向こうの方が空いていたから。ちなみに、この日、京浜東北線は駅構内の安全確認により運行が遅延、JR神戸線と並んで小生には、けっこう遅れる印象がある京浜東北線、代替路線も多いけれど首都圏在住の人はどうみているのかな、と。

Img_9905  秋葉原というと、電気街からヲタ系の集約地を経て、今日では観光スポット化した印象がある。同時に、エチゴヤやタムタムも進出して、上野に負けず劣らずのミリタリー系ショップ集約地でもある。あとは、少し離れるが、模型のレオナルド、地下にある膨大な軍事系書籍コーナー。価格が高いのが難点。

Img_9906  僅かながらの時間、自衛隊風に言うと零細時間の有効活用を実施し、2100時東京駅発ののぞみ号に乗車するべく移動。書籍調達に関しては、第一日目に、関東軍ヲタツアーの皆さんにお付き合い戴いた書店での掘り出し物を加え、CSCE関連のものが多数入手出来た。ああ、ただ、まだ買っただけ。これを熟読し分析し体系化しなくてはならない、がんばろう・・・。

HARUNA

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13500t型ヘリコプター護衛艦“ひゅうが” 2009年の就役に向け建造すすむ

2007-08-27 09:44:03 | 先端軍事テクノロジー

■16DDH その名は“ひゅうが”

 16DDHとして建造が進められていた13500㌧型ヘリコプター護衛艦。今月23日、進水式において、その名を“ひゅうが”と発表した。海上自衛隊の明日を担う“ひゅうが”型護衛艦の誕生である。

Img_9088  新護衛艦は、多くのメディアで取り上げられ、艦船ファンも多くがその姿を写真に収めている。今回はWebサイトなどから、横浜市の新磯子町付近から撮影したものと推測し、一行はタクシーに乗車、新磯子町の火力発電所南岸一般道路へ、進路を定めた。一帯は海釣のポイントに挙げられているようで、多くの釣り客が竿を伸ばしていた(写真にも釣り船が写っている)。

Img_9139  最新鋭護衛艦ということで、また、火力発電所もあることから、相当撮影は困難なのだろうという期待(?)もあったが、ご覧の通り防波堤の歩道から撮影することが出来た。無論、脚立等の特殊装備は不要であった。隣にはイージス護衛艦“きりしま”が入っているが、比べてみても“ひゅうが”はかなりの大きさである。

Img_9150  “ひゅうが”は、2006年5月に起工、2007年8月23日に進水式を迎え、2009年3月に就役予定である。満載排水量は、推定値で17000㌧乃至18000㌧とされ、ヘリコプターを7~8機収容可能という比較的大きな格納庫を艦内に有している。全長は197㍍、全幅は33㍍であり、護衛艦としては史上最大の規模である。

Img_9146_1  本型は、ヘリ空母ではなく護衛艦と呼称されている点について端的なのが艦橋に搭載された射撃指揮装置FCS-3の改良型である。この他、VLS(垂直発射装置)を16セル搭載し、発展型シースパローであれば、最大で64発を搭載することが可能である。この他、20㍉高性能機関砲や、短魚雷発射管も搭載しており、ロシアの重航空機巡洋艦“アドミラルクズネツォフ”と似た性格の艦である。

Img_9151  FCS-3は、誤解を恐れずに述べれば写真の“きりしま”が搭載しているイージスシステムと同じような性能を有するもので、国産のFCSとして、現行のFCS-2の後継となる装備である。ただ、イージスシステムが改修によって得る弾道弾対処能力(写真“きりしま”が受けている改修)を有しているかについて、現段階では資料はみつからない。

Img_9144  写真は整備中の護衛艦“いかづち”。9隻が建造された“むらさめ”型の一隻で、ステルス性を意識した艦型が特色である。一つ前の汎用護衛艦“あさぎり”型の拡大改良型で、対空・対潜ミサイルをVLS方式とした点などが改良点である。また、“あさぎり”型を同じく緊急時には二機の航空機を搭載可能であるが、着艦支援装備“ベアトラップ”を二機分としたのは、本型に続く“たかなみ”型からである。

Img_9158_2  同じく並んで建造されていた“ひだ”型巡視船の三番船“きそ”。公称は2000㌧型巡視船。IHIマリンユナイテッド横浜工場には、この他、“ひゅうが”の反対側に“むらさめ”型乃至“たかなみ”型と思われる護衛艦のマストが見えていた。“ひゅうが”については、後日、更に詳報として記事を掲載したい。とりあえず速報として掲載した次第である。

HARUNA

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関東軍ヲタツアー アメリカ空軍横田基地日米友好祭2007 速報

2007-08-26 21:34:51 | 航空自衛隊 装備名鑑

■アメリカ空軍の基地へ

 日米合意を経た米軍再編構想の最終報告書には、アメリカ空軍横田基地へ航空自衛隊航空総隊司令部が移転するとあり、そう遠くない将来、移転と共に航空自衛隊横田基地が誕生するのだろうと考えている。

Img_9451_1  第374空輸航空団のC-130輸送機。日米安全保障条約や日米関係を特にリアリズムに基づく安全保障の視点から俯瞰すれば、特にマクロの視座から、在日米軍の司令部、第五空軍司令部が置かれる横田基地と、世界で唯一空母航空団が前方展開している厚木基地は特別な場所である。

Img_9609  この他、様々な航空機が見れるということもあり、個人的な好奇心と、もう一つの事由から、本日開催された横田基地日米友好祭2007へ展開することとした。写真は、いつもお世話になっている“とんぺいの機械博物館”の とんぺい 殿が一番のお気に入り、攻撃機A-10である。

Img_9626_1  航空機や在日米軍、世界に前方展開する米軍や、米軍再編に関する詳細な話は、詳報記事の際にじっくり記載することとして、本日の速報、基地の第一印象は、横田は広かった、ということである。特に有事の際のハブ施設、グアム、ディエゴガルシア、英本土と並び今後の戦略展開拠点となる基地というのも頷ける広さであった。

Img_9466  第二に、ハブの基地であるが、そのフレンドシップデイへ、岩国海兵航空基地、三沢空軍基地、沖縄の嘉手納空軍基地はもちろんのこと、長躯ハワイのヒッカム空軍基地、韓国の烏山空軍基地からも航空機を集める、米軍の巨大な組織力には判っていても驚かされた。

Img_9523_1  地上展示機について簡単に記すと、横田基地所属のC-130輸送機、UH-1多用途ヘリなどに加え、C-17輸送機、KC-135空中給油機、展示はされていなかったが、KC-10空中給油機などの大型機、F-16やF-15という米空軍の顔を担う機体に、陸海空自衛隊の航空機が加わり、広い会場へ銀翼を連ねていた。

Img_9651  以上が、横田基地日米友好祭の速報である。富士ではAH-64D戦闘ヘリが遂にその姿を現したとのことであるが、そこから少しはなれた横田基地でも、中々唸らせる内容の地上展示機とともに、様々なイベントが行われていたということをお知らせしたい次第である。

 最後になりましたが、本日ご一緒していただきました、とんぺい殿、Shin様、ありがとうございました。

HARUNA

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関東軍ヲタツアー 海上自衛隊横須賀サマーフェスタ 速報

2007-08-25 23:39:39 | 海上自衛隊 催事

■長躯首都圏へ

 関東軍ヲタツアーとは、八月末に行われる一連の自衛隊関連行事に関してのツアーを、昨年C.ジョニー氏が命名したものである。今年は小生が勝手にツアーを名乗ってみたりする。複数の自衛隊関連行事へ同時遠征というのは、小生一行には珍しいものである。

Img_9043_1  2006年度関東軍ヲタツアーは、横須賀サマーフェスタの後、小生は、横須賀基地近隣においてオフ会を実施、その最中、帰港した護衛艦“きりしま”を撮影することが出来た。今年の関東軍ヲタツアーは、体験航海が事前応募制であったため断念し、艦艇一般公開の見学に重点を置くこととした。写真は体験航海の帰港を捉えた様子。

Img_9302  今回、見学したのは、退役の時期がいよいよ迫る写真の砕氷艦“しらせ”、護衛艦“たかなみ”、護衛艦“いかづち”、ミサイル駆逐艦“ジョンSマッケイン”であった。特に米軍艦艇の一般公開は、見学する機会が無いもので、特に同時多発テロ後の重武装化が進んだ様子を撮影できたのは貴重な機会であった。

Img_9295  この他、試験艦“あすか”や、ヘリコプター護衛艦“しらね”などが一般公開されていたが、時間の都合で見学することが出来なかった。この他、交通船体験航海、ヘリコプターによる救難展示、水中処分隊による機動航行や、タグボートによる放水展示がどが実施されていた。

 出先の為、本日はこれくらいの記事でご容赦。ちなみに、関東の軍ヲタツアーでして、関東軍のヲタではないので、一応。

 最後に成りましたが、とんぺい殿、はぐりん様、Shin様、そして余り時間はありませんでしたがコレコ(仮)様、本日はありがとうございました。

HARUNA

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SS600 潜水艦もちしお 大阪湾において全力公試

2007-08-24 17:33:07 | 先端軍事テクノロジー

■新造潜水艦 海をゆく

 24日、IHIマリンユナイテッド横浜工場において16DDH、ヘリコプター護衛艦“ひゅうが”が進水式を迎えた。さて、進水式を経て艤装が終了すると、艦艇は海へ公試へ向かう。本日は、潜水艦の公試について撮影したものを掲載したい。

Img_7408  SS600、新潜水艦“もちしお”は、2006年11月6日、川崎重工神戸造船所いおいて進水式を迎えた“おやしお”型潜水艦の11番艦である。水中排水量は3500㌧、全長82㍍で、通常動力潜水艦としては世界でも最大規模にはいる大型艦だ。詳しい人によれば、この水飛沫から、速力的には全力公試らしいとのこと。

Img_7419  今回撮影した写真は、今月上旬に行われた大阪湾展示訓練に向かう途上、偶然撮影したものである。展示訓練に参加する練習潜水艦と思い撮影した後、良く見てみたら書かれていた艦番号が600であり、最新潜水艦であることが判明したというわけだ。手前の水上艦は、訓練支援艦“くろべ”。

Img_7516  こちらは展示訓練に参加した“ゆうしお”型潜水艦。“おやしお”型潜水艦は、“うずしお”型、“ゆうしお”型、“はるしお”型と続いた涙滴船型から、葉巻船型へ改め、平面アレイソーナー、無反響タイルなどを採用した新世代潜水艦である。なお、就役すると、写真の“ゆうしお”型のように艦番号や艦尾の艦名は秘匿上消される。

Img_7417  この艦番号は、600番台が掃海艇の番数であることから、SS501に戻るのか、SS600となるのかが一部で話題となったが、SS501の番号は、恐らく今年、進水式を迎える2900㌧型AIP(Air Independent Propulsion:非大気依存型)潜水艦のネームシップに譲られることとなったようだ。

HARUNA

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富士山麓の砲声 陸上自衛隊富士総合火力演習の見学

2007-08-23 17:52:27 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■総火演の観覧

 富士総合火力演習は、一般観覧者と招待客をあわせ約三万人が見学する。これは陸上自衛隊の行う駐屯地祭と比較しても最大規模にあたり、航空自衛隊の中規模な航空祭に匹敵する規模にあたる。

Img_6784  毎年抽選倍率の高まる富士総合火力演習。人員2000名、戦車装甲車約60輌、各種火砲約40門、航空機約20機、各種支援車輌約400両が参加するということもあるが、やはり、様々なメディアを通じての迫力のある写真が、観覧希望者増加に一役買っているのは間違いないだろう。

Img_6396  この演習を見学するに当たって、カメラを手にしていれば、自慢の一枚をフレームに収めたいもの。しかしながら、広い観覧席、いったいどこから写真を撮ったものかという、いわば初めて見学されるかたは途方に暮れるのではないだろうか。

Img_6629  まず、良い写真には良い撮影ポイントであるが、これには出来るだけ早く観覧席のある畑岡地区へ展開することが望ましい。JR御殿場駅からの有料シャトルバスを利用する場合と、駐車場券付入場券を入手された場合とで異なるが、ここでも双方混むので、バスの場合始発前に並ぶ、というのも、ここもかなり混雑する。駐車場の場合は、まあ、0700時頃には着いておきたいが、もっと早くてもいいやも。

Img_6538  2006年度富士総合火力演習を視察する額賀防衛庁長官。観覧席は、左から統裁台兼Fスタンド、Aスタンド、Bスタンド、Cスタンド、Dスタンド、Eスタンドがあるが、通常はEスタンド以外、スタンド別の指定券が必要となる。Eスタンドとシート席がいわゆる一般席ということになるが、Eスタンドは本当に相当早いうちから満席となるようだ。

Img_6405  シート席左端。立っているのは報道席の報道関係者である。あまり報道席寄りだと、基本的に後ろの人の迷惑にならないよう座っている必要があるシート席と、立って撮影する報道関係者では、どうしても撮影や観覧に邪魔になってしまうことがある。しかし、この左端とまではいかずとも、左よりの席からは、さまざまなものが撮影出来る。

Img_6645  AH-1S対戦車ヘリコプターの機関砲射撃。小生一行が利用した撮影位置からは、中々機関砲の曳光弾は映っていないが、シート席左側からは、標的とヘリを軸線に捉えることができ、多くの曳光弾が標的に吸い込まれてゆく様子が撮影出来る。軽装甲機動車からの機銃射撃やミサイル発射もほぼ真後ろから撮影することが可能だ。

Img_6911  他方で、右端、これも本当の右端は報道席になっているのだが、この付近、報道席とは基本的に反対側から戦車などの車輌が出てくるので、この車列がほぼ一列になった状況を撮影することが出来る。90式戦車の走行間射撃も一個小隊揃った状況で撮影出来るため、砲焔が写る可能性も飛躍的に高まる。

Img_6936  右端付近で、その迫力を求めて陣取るという方も多いようだが、無難に、というならば中央付近に陣取るというのも。他方で、こればかりはなんともいえないのだが、安全用ロープが写りこみにくい(写るのは致し方ない)ポイントを、確保しておく必要がある、また盛り土などもある。そのためにも出来るだけ早めに現地へ到着しておきたい。

Img_0372  豆知識というか、経験上の内容では、0630時頃から点検射ということで、例年、戦車やヘリコプター、装甲車などが実弾射撃を行う。このときはまだ観覧者も少ないので、立って撮影出来る。この他、駐車場からのシャトルバスは案外早めから運行されている、というような情報も追記。

Img_0395  富士総合火力演習は、各種装備の威力を展示する前段演習と、実際の戦術行動を再現した後段演習にわかれているが、この演習も見る位置によって見えるものは全く異なって見えるものである。いよいよ、その富士総合火力演習、本番は来る日曜日だ。

HARUNA

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富士山麓の砲声 陸上自衛隊富士総合火力演習と東富士演習場

2007-08-22 11:59:12 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

■富士総合火力演習と天候

 富士総合火力演習と富士学校の歴史について、簡単に紹介したが、本日は富士総合火力演習と東富士演習場を語る上で、欠くべからざる内容を、経験上得た点とともに紹介したい。

Img_0386_4  90式戦車は、その主砲である120㍉滑腔砲を、如何に悪天候下であっても命中させる。これは熱線暗視装置により目標から発する熱を霧や雨、霞を越えて捕捉し、自動装填装置により揺れる車内でも迅速に装填した砲弾を砲安定装置により走りながらでも必殺の砲弾を放つことが出来るからである。

Img_6541  しかしながら、富士総合火力演習は、特に一般公開演習について、陸上自衛隊広報の一環であるので、標的が見えないと撃つ意味が無い。同時に標高の高い東富士演習場は、天候が崩れることで有名。富士教導団の隊員に聞いてみると富士山の稜線が見えなくなり、霞が湧き始めると一雨来る予兆なのだとか。

Scan10013  航空祭などで経験された方もいるかもしれないが、天候悪化は航空機の天敵である。特にプログラム冒頭にある近接航空支援の展示は低空に降りる為、天候悪化では危険防止の観点から中止されてしまうことがおおい。実際、05年、06年の本番では中止されている(写真は02年撮影)。

Img_01451  また、誘導弾に関しても射撃展示が中止になることがある。写真は2005年に撮影した96式多目的誘導弾の発射。重量60kgもの誘導弾を発射し、射程は10km前後といわれている。戦車の弱点とされる装甲の薄い上部から命中し、この弾体の重量であれば、中型揚陸艦に対しても大きな打撃を加えることが出来る装備である。

Img_0145_1  このミサイルの誘導には、ミサイル先端の光学映像を、ミサイルと発射装置を繋ぐ光ファイバーにより伝達し、地上誘導装置の誘導により命中させるものだが、昨年のアナウンスでは天候悪化により目標が確認できない、とあった。先端の光学装置は熱画像方式といわれているが、標的命中という展示上の問題だろうか。

Img_6687  01式軽対戦車誘導弾は、非冷却型赤外線画像誘導誘導方式により悪天候であっても射撃展示を行うが、戦車の上部攻撃を行うトップアタック方式の誘導は悪天候では展示せず、直接目標に命中させる低伸弾道方式の射撃展示となる場合があった。二発が発射され、05年は一発づつ両方を展示、06年は二発とも低伸弾道方式の命中を展示、という方式であった。

Fh020027  空挺降下も天候の影響を受けやすい展示の一つである。空挺降下は、写真のような大型ヘリコプターからの自由降下傘による展示と、輸送機からの空挺傘696型(または60式)による降下が過去に行われているが、後者は輸送機が発進する入間基地と東富士の天候に左右され、自由降下傘も気流により中止されることがある。

Fh010005  UH-60JA多用途ヘリコプターによるリペリング降下の展示。ヘリコプターに関しては、余程の悪天候でもなければ中止ということはない。実は展示が行われる畑岡射場の隣にヘリポートがある為、展示参加までの時間が短く、天候に対して適宜対応できるという強みがあるからだ。

Img_6963  富士総合火力演習、一般の人が見ることの出来る数少ない実弾射撃の展示であるが、天候については、特に変りやすい為、演習展示のほかに、観覧される方も、雨合羽やポンチョなどの雨具の準備が必要である。他方、やはり熱中症の恐れも充分ある季節と天候なので、水分補給も重ねて重要である。

HARUNA

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