北大路機関

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北大路機関『自衛隊記念行事2017回顧総覧』くらま除籍と九州重点年間【年末特集】

2017-12-31 12:25:00 | 北大路機関特別企画
■大晦日自衛隊行事2017回顧録
 今年一年、行事を多く撮影出来ました、大晦日の本日は行事回顧総覧として一年を振り返ってみましょう。

 2017年自衛隊行事を振り返る。本年最大の出来事はヘリコプター搭載護衛艦くらま除籍です。1981年就役から佐世保基地を母港として西海防衛重責担ったヘリコプター搭載護衛艦、ヘリコプター巡洋艦型最後の一隻が佐世保基地にて自衛艦旗を返納し除籍されました。

 くらま除籍の数か月ということもあり、正月休みには青春18きっぷにて京都から佐世保まで普通列車乗り継ぎ旅という一風変わった趣向にも挑戦しまして、佐世保にて憩う護衛艦くらま、を撮影できました。最後まで母港に威容を保つ艦影を忘れることは出来ません。

 師団行事では初めて北熊本駐屯地第8師団創設記念行事を撮影、10式戦車を筆頭に各種優秀装備を揃えると共に、師団司令部庁舎の風格や熊本城と阿蘇山の雄大な風景と共に北熊本駐屯地の周囲4kmという広さ、街の人々に支えられている師団に感慨深いものを抱いた。

 北海道、第7師団、本年は統合機動防衛力整備元年を間近に控えた節目の年度ですが、わが国唯一の機甲師団である第7師団にも最新鋭10式戦車が配備開始、90式戦車、89式装甲戦闘車や99式自走榴弾砲と共に重厚な機甲師団の装備を改めて撮影する事ができました。

 第1師団祭、本年を振り返れば総選挙と大衆迎合主義に与する新党乱立を抑え与党圧勝という年度でもありましたが、師団祭では東京都知事の祝辞が演説へ転じた瞬間に豪雨に阻まれる一幕があり、桜花満開の季節ながら真夏の混迷を予感させる行事ともなっています。

 第3師団創設記念行事、地元の師団祭というべき中部方面隊師団祭ですが、ここ数年お世話になった方々とご縁あってこの日、様々な場所でご挨拶する事が出来ました。世の中とは狭いもの、お声をかけて頂き、お会いできなかった方々の近況、皆様お元気なようです。

 第10師団創設記念行事は曇天時々雨天、74式戦車が奮闘した行事でしたが中部方面隊戦車部隊全廃が決定しており、遠からず戦車大隊は戦闘偵察大隊へ改編されます。平和憲法下で専守防衛を国是とする我が国では開戦即本土決戦を運命づけられており、憂慮しました。

 豊川駐屯地祭に今津駐屯地祭、台風が接近する週末に相次いで実施され、行事写真を見ますと荒天という生易しいものではなく、今津では駐屯地閉門時間に湖西線が暴風で運転見合わせ、広報とは平時の実戦と云われる自衛隊ですが、その広報への熱意を感じたしだい。

 木更津駐屯地祭に第12旅団創設記念行事、本年は雨天に阻まれる航空行事が多かったように記憶しますが、第12旅団創設記念相馬原駐屯地祭は視界不良にて全飛行展示中止となった一方、木更津駐屯地祭では快晴に機数は若干少ないものの大編隊を撮影する事が出来た。

 海上自衛隊関連では夏の地方隊展示訓練が昨年度に続き全て中止されました。昨年は熊本地震の影響でしたが、本年は実任務増大を背景に部隊を休ませる必要が大きくなった為で、南西諸島の緊張を痛感しました。艦隊行動はしかし江田島練習艦隊出航で撮影できました。

 艦艇広報の重要性は、海上自衛隊も重視しており横須賀サマーフェスタをはじめ全国の艦艇基地では展示訓練は出来ないものの艦艇一般公開を精力的に実施しました。当方も久々に横須賀サマーフェスタを散策しまして、潜水艦見学や、おもわぬ新装備を見学しました。

 航空祭は本年、雨天に泣かされました。ご縁あって岐阜基地航空祭を二日間に渡り撮影する機会に恵まれましたが、雨天により飛行展示大幅縮小、しかし、ホテルを確保していた小松基地航空祭は台風中止、百里基地航空観閲式は予行本番共に荒天中止となっています。

 築城基地航空祭は曇天ながら飛行展示はすべて予定通り実施、F-2戦闘機二個飛行隊基幹となった築城基地の迫力を実感できました。雨天の懸念はあったのですが、昨年の荒天が凄かったと此処でお教え頂き、二年連続荒天は有るまいとの楽観論、行ってよかったですね。

 彦根城410年祭ブルーインパルス飛行展示、実は航空祭は今年戦闘機部隊は千歳や三沢も含め荒天に悩まされつつ、しかし対照的に美保と入間に小牧の輸送機部隊は晴天、そして熊本城復興祈念祭ブルーインパルス飛行展示はじめ縁がありました。本年もこうした行事をご紹介できました、来年はどのような行事を紹介できるのか、ご笑覧頂ければ幸いです。

北大路機関:はるな くらま
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【京都発幕間旅情】年越し讃岐うどん,くらま最後の航海高松寄港に巡った本場うどん探訪記

2017-12-30 20:01:43 | グルメ
■くらま高松寄港一周年記念
 年末という幕間に旅情を、今回はヘリコプター搭載護衛艦くらま最後の一般公開に併せて廻った四国高松の情景を。

 ヘリコプター搭載護衛艦くらま、本年三月に自衛艦旗を返納し除籍されました。今回は年の瀬という事もあり、年越し蕎麦、ではなく敢えて饂飩を、昨年十二月に護衛艦くらま最後の一般公開へ寄港した高松、その際に当方立ち寄ったうどん屋さんを紹介しましょう。

 讃岐うどん、京都にも多くのこの名を冠したお店がありますが、香川県出身の多くの方から、本場は凄い、という御話を聞きました。喫茶店でコーヒーを頂くよりも手頃で気軽に、という讃岐うどん、早朝から営業するお店も、という事を聞きましたので早速探す事に。

 味庄、讃岐最初の一杯はJR高松駅高速バスターミナルに隣接した西の丸町五丁目にある手打うどんのお店で夜行バスが早朝六時前に到着しますと既に暖かい提灯の光に煌々とした暖簾の向こうのお店が迎えてくれました。師走の四国は南国の印象あれど真冬相応に寒い。

 かけうどん一杯、暖かい薄味の出汁とともに頂くやや透き通った饂飩は嚙み応えがありつつ、しかし早朝の胃に優しい柔らかさがあり、ああ、高松に来たのだなあという。かけうどんは並盛が小うどんとして190円、高松うどん県の奥深さを夜明け前から知った始まり。

 サンポート高松、高松シンボルタワーと瀬戸内の雄大な風景と高松港を眼下に一望する素晴らしい展望台が撮影場所として一般に開放されています。ヘリコプター搭載護衛艦くらま、俯瞰風景で撮影です。この日は文字通り快晴、素晴らしい瀬戸内の入港日和でしたね。

 高松城址、四国高松の象徴的な城郭で御堀には鯛が泳ぐ。高松城を造営したのは生駒親正、織田信長の家臣として仕え豊臣秀吉の家臣としても活躍。小田原攻略等その戦功を認められ、ここ讃岐の地を与えられました。琴平電鉄の電車と共に撮影しつつ、散策してみる。

 仁鶴、高松城のお堀に沿って琴電が進む情景と共にお堀を瀬戸内海へ宇高国道フェリーへと進みますとここは高松市北浜町15丁目、懐古と風情を感じさせるお店にてこの日に二杯目の御饂飩を考えつつ、ここは高松城月見櫓すぐ隣、ならばと、月見うどん、頂きました。

 月見うどん、高松城月見櫓最寄りお店という洒落で頂きましたが、薄味の出汁は鰹風味と昆布出汁の合せ、打ち立ての時機に合ったようで小麦の香り立つ美味しい一杯です。この日二杯目でしたが早朝からの入港撮影後とあり、空腹著しく平らげ、午後の護衛艦撮影へ。

 喫茶公園通り、くらま高松入港この日は金曜日、土日を前にカレーを食さねばなりませんが香川地本の方にお勧めのカレー店を聞いてみますと全員首を傾げる、うどん主体の高松では金曜カレーが海上自衛隊でも希薄な模様で、すると地本副本部長の偉い方が金言を。

 カレーうどん、栗林公園は高松が日本に誇る名庭園で庭園前には栗林町一丁目七番、喫茶店があります、喫茶店といえば高松では饂飩を御洒落に頂く店を意味しここでカレーうどんを頂きました。地本副本部長殿のお話ではカレー無くともカレーうどんが美味しい、と。

 栗林公園、高松のこの名庭園は水戸偕楽園に金沢兼六園そして岡山後楽園、日本三名園として名高い庭園が並ぶ中、明治時代にはこの三名園よりも格が上とされた庭園で、紫雲山を借景として水戸藩より松平頼重が入封を機に、実に百余年を掛け造営された庭園です。

 さぬきうどん、カレーうどんを頂きホテルに戻りBSデジタル放送を眺めながらほっと一息、すると瀬戸内に来たのだから一杯やり、そして電燈艦飾の護衛艦くらま撮影へと歩みを進める中で高松駅前を釜の湯気に誘われ、ここは高松市西の丸町六丁目、ふと立ち寄る事に。

 わかめうどん、高松でいわゆる京阪神の讃岐うどんチェーンにあるようなセルフ式のお店でした、天ぷらや稲荷を載せるセルフチェーン方式はここ高松が本場のよう、都会的な近代的な店内です。出汁は若者風に少し濃い目で丸一日撮影に歩いた身には若者風が嬉しい。

 電燈艦飾、高松港の護衛艦くらま電燈艦飾は清水港以来久々に深夜に護衛艦くらま、真横まで三脚を据えて撮影する事が出来ました。そして瀬戸内の鯛に舌鼓を打ち、初めて知った栗焼酎ダバダ火振に栗の香り立つ仄かな甘みに感激しつつ、梯子酒で高松の夜を過ごす。

 連絡船うどん、高松駅構内には瀬戸大橋本州四国連絡橋開通前の本州四国連絡船内で供されていました連絡船の味が継承されています。高松駅には四国最大の都市松山や紀州と四国を結ぶ徳島や南国高知へと特急列車が続々と発着しており、駅麺の雰囲気が活気溢れる。

 海老かき揚げうどん、師走ですが冷で頂きました。当方が讃岐うどんの美味しさを知ったのは京都に支店を出した中野屋、ここで冬でもコシのある冷やしが本場では好まれると聞き、二日目最初の一杯はここ連絡船うどんで歯応えが気分一新の素晴らしい冷やしを頂く。

 瀬戸大橋の開通により本州と四国の距離は大きく身近なところとなりました、実際、此処愛媛県は京都府から眺めた場合、広島県や愛知県よりも近い立地なのですが、鉄道車両はJR四国が独自の運用体系を構築しています。この雰囲気が、遠くまで来たと思わせます。

 朝日と共に護衛艦くらま、この瞬間僅か、今は見られぬ。間近に見上げる艦影は佐世保基地の隊員さんや護衛艦くらま乗員さんは見慣れた風景なのでしょうが、京都から直通特急で直ぐの舞鶴と違い佐世保は遠い、重厚な51番砲と52番砲を暫し見入ってしまいました。

 うどん一代、高松駅を帰路に就く高速バスに少々時間があり、少しだけ散策しますと西の丸町12番地、普通列車のディーゼル音と特急電車のモーター音がほんのり遠のいた立地に行列を見つけたのはこの日の朝ですが、昼過ぎのこの時間帯はやや余裕が、最後の一杯だ。

 きつねうどん、高松旅行最後の一杯は海老天かきつねか、考えたのですが高速バスの京都行が時間帯長く大阪行きとしたので敢えて海老でなく、きつね注文、大きなお揚げとともに太い麺は、しかし打ち込まれており美味しく、出汁の最後まで締めくくりにふさわしい。

 くらま最後の航海、くらま艦長の出身地との事で故郷に錦をとの最高の艦艇広報でした。一般公開ではこの高松一般公開が竣工から除籍までの最後の一般公開となりました。入港は快晴に恵まれ、しかし出港は荒天となり、除籍へ護衛艦くらま涙雨ともよばれています。

 くらま、戦の神毘沙門天讃える鞍馬山から新京極のとある寿司店の鞍馬に京都駅くらま、くらま、の名はよく目にしますがヘリコプター搭載護衛艦くらま、本年遂に除籍されました。くらま、思い出は佐世保基地や観艦式に練習艦隊と多々ありますが、その中に少し、美味しいうどんを思い出すことも、あります。

北大路機関:はるな くらま
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北大路機関『自衛隊最新装備2017』最新戦闘車&超大型護衛艦&ステルス機【年末特集】

2017-12-29 12:08:42 | 北大路機関特別企画
■年末自衛隊最新装備2017
 毎年恒例の年末特集、今年も撮影しました多種多様、国土防衛に当たる自衛隊最新装備を総覧します。

 16式機動戦闘車量産車、伊丹駐屯地にて撮影しました。日本原駐屯地第14戦車中隊へ配備されており、伊丹駐屯地では本邦初の観閲行進に参加、新年度には第15即応機動連隊機動戦闘車中隊へ配備されます。今後新編される戦闘偵察大隊へ配備される事となるでしょう。

 16式機動戦闘車試作車は富士学校戦車教導隊第4中隊へ配備開始となりました、富士総合火力演習では機動走行展示を行っています。この際には一時的管理替えであると説明を受けましたが、9月に量産車の戦車教導隊配備が開始されており、運用がいよいよ本格化する。

 AAV-7水陸両用車、装備実験隊の車両で年度末に新編される水陸機動団の骨幹戦力となります。富士総合火力演習にて一般公開されました。24名が乗車可能で外洋の波浪に耐える大型の車体が特色、昨年度富士総合火力演習では米軍AAV-7が展示、本年は自衛隊のもの。

 島嶼部防衛へ58両が調達されるAAV-7水陸両用車、AAVとは両用強襲車両の略称で大型装甲車ながら陸上最高速度は72km/h、海上最高速度は13km/hと高い機動力を有し、自衛隊へ配備された車両には新装備のMk19自動擲弾銃や増加装甲が標準装備されていました。

 Mk.19自動擲弾銃、AAV-7水陸両用車の機関銃塔へ搭載されている40mm自動擲弾銃で、米陸軍のMk.19 Mod 3に相当します。陸上自衛隊には96式自動擲弾銃が96式装輪装甲車用に調達されていますが、AAV-7調達が緊急性を有するためにMk.19の調達となりました。

 12式地対艦誘導弾システム弾薬輸送車、10tトラックに搭載の弾薬輸送車両と思われます、富士学校創設記念富士駐屯地祭にて駐車されていました。この種の車両は観閲行進には必ずしも参加せず中々みられません。1基数を発射機分に加え2斉射分としているもよう。

 かが、いずも型ヘリコプター搭載護衛艦二番艦にあたり、満載排水量27000tの全通飛行甲板を有する海上自衛隊最大の護衛艦です。三月に佐世保でのヘリコプター搭載護衛艦くらま除籍と同日横浜で就役しました。母港は広島の呉基地、第4護衛隊群に所属しています。

 新護衛艦かが竣工により、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦は、はるな、ひえい、しらね、くらま、のヘリコプター巡洋艦型から、全通飛行甲板型護衛艦である、ひゅうが、いせ、いずも、かが、へと世代交代を果たし、将来多様な艦載機の搭載が期待されています。

 あさひ型護衛艦あさひ、最新型だ。今年秋には二番護衛艦しらぬい、進水式を迎えました。護衛艦あさひ、満載排水量6900t、OQQ-24/O QR-4ソナーを搭載し対潜任務を重視し、OPY-1レーダーとしてFCS-3性能向上研究による新レーダーを搭載し高い個艦防空能力を併せ持つ。

 あさひ、は年度末に竣工予定で、二番艦しらぬい、とともに護衛艦むらさめ型から始まる20隻の汎用護衛艦装備体系が完成します。海上自衛隊は今後、3900t型護衛艦として満載排水量を5000t程度に抑えた多機能護衛艦の20隻以上大量建造へ移行してゆくとのこと。

 NSSM、試験艦あすか艦上の新型艦対艦ミサイルです。12式地対艦誘導弾艦載試験として実施されているもので、横須賀サマーフェスタにて試験艦あすか一般公開の際に公開されました。SではなくNから始まる新名称と解説されており射程等も強化されているという。

 新対艦ミサイルについて、射程強化は射程延伸を示すものでは必ずしもなく、12式地対艦誘導弾に導入された欺瞞経路機能を示すものと思われ、射程は同程度でも当該目標へ大きく迂回経路を飛翔し多数を同時に殺到させる飽和攻撃能力を示しているのかもしれません。

 F-35A戦闘機、航空自衛隊へ配備開始となった第五世代戦闘機です。本年、AX-5とAX-6が小牧基地に隣接する三菱重工小牧FACOにて最終組み立てを完了し初飛行を果たしました。昨年の先端技術実証機に用いられるX-2実験機初飛行に続く最新鋭航空機の話題です。

 F-35Aは年度末に航空自衛隊三沢基地へ臨時F-35飛行隊が編成、来年度末には百里基地よりF-4EJ改飛行隊を三沢へ移駐させ正式にF-35飛行隊への改編が始まります。航空自衛隊にとり厳しい安全保障情勢から戦闘機の第三世代戦闘機の第五世代戦闘機への更新は喫緊の課題です。

北大路機関:はるな くらま
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平成二十九年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2017.12.30/12.31)

2017-12-28 20:07:21 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 大晦日迫る年末の今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。今週末は大晦日を含む年末にあたり、自衛隊関連行事は行われません。

 今週末の自衛隊行事無し、という週末にはゆるりとBSデジタル放送で録画した時代劇特集を江戸時代に気分が戻るまで鑑賞したいところですが、自衛隊グルメに挑戦してみてはどうでしょうか。海上自衛隊HPでは護衛艦や基地での料理レシピが紹介されていまして、中には門外不出とされたカレーレシピも全てではありませんが一部が情報公開されている。

 くらまハヤシライス、ヘリコプター搭載護衛艦くらま艦内で供されていたハヤシライスを一例で視ますと、デミグラスソース500cc、牛肉200g、たまねぎ2個、しめじ1株、バター30g、オリーブオイル大さじ1杯、にんにく1片、塩、こしょう若干が原材料とのこと。門外不出の隠し味、赤ワイン、ウスターソース、とんかつソース、何れも大さじ1杯、と。

 カレーライスは金曜日だろう、ということで週末にはハヤシライスに挑戦してみるのもいいかもしれません。そして敢えて白いシャツを着用し、ハネたら一発終了の緊張感と共にハヤシライスを愉しむのも良いかもしれません。ハヤシライスをルーで購入し野菜と溶かすだけでなく、あえてデミグラスソースを缶で購入し活用しますと、隠し味が生きます。

 さて撮影の話題、自衛隊行事とホテル、宿を確保しようにも九州北部の航空祭に行くのにあいているのが山口県中部だったり、山間部の最寄駅からバスで一時間、といわれると絶望的な気分になってしまいます。夜行バスで行けば宿を確保せずとも行く事が出来ますが、流石に十時間単位のバス乗車から航空祭へ駆けつけるのは厳しい、しかし始発新幹線では間に合わない。

 こうなりますと、ブルートレインが九州へ京都駅から東京駅から、次々と運行されていた時代が懐かしい、というよりも羨ましい、九州へ向かう寝台特急なは・あかつき号が京都駅を出発していたのが2000時過ぎ、ほぼ時報の様に、ブルートレイン入線しているのでそろそろ八時かあ、と思って眺めていたもので、富士はやぶさ号も東京から運行されていた。

 なは号、あかつき号とも京都駅始発で十年前まで頑張っていましたが、かなり早い時間帯に到着しますので航空祭にも駐屯地祭にも最適でしたし、あかつき号は座席車としてレガートシート車が運行されていました。ただ、よくよく見てみますと、現在、その夜行需要は大阪から九州へのフェリーが担っているのですね、活用すると便利に移動できそうです。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・今週末の自衛隊行事はありません

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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空母運用!F-35B戦闘機いずも型護衛艦搭載,政府が2018年画定新防衛大綱盛り込みを検討

2017-12-27 20:09:00 | 国際・政治
■専守防衛と防衛用空母運用
 空母運用能力をヘリコプター搭載護衛艦へ、海上自衛隊の艦隊運用が新しい一歩へと進む可能性が出てきました。

 年末に海上自衛隊関連で大きな報道が飛び込んできました、ヘリコプター搭載護衛艦へF-35B戦闘機搭載の検討が来年予定される防衛計画の大綱へ盛り込まれる可能性が報じられました。過去には幾度もハリアー攻撃機導入検討報道がありましたが、その報道との最大の違いは、既に海上自衛隊へ、ひゅうが、いせ、いずも、かが、が配備されていること。

 海上自衛隊がヘリコプター搭載護衛艦へF-35B戦闘機を搭載する検討を政府が進めている、朝日新聞や時事通信など複数の報道機関が報じました。F-35Bは垂直離着陸可能な第五世代戦闘機で、ステルス性を有すると共に統合打撃戦闘機としての機能を有し、空対空戦闘や航空阻止攻撃は勿論、艦隊戦闘での情報優位確保へも大きく寄与する新世代航空機です。

 今回が初めてではありません、F-35B戦闘機の導入構想が報道されたのは前回が2013年7月、しかしこの時は小野寺防衛大臣の大臣定例会見により即座に導入が否定されました。今回F-35B戦闘機報道は、2013年の時点で進水式を迎えていなかった満載排水量27000tの護衛艦いずも型2隻が既に運用されており、また2011年にF-35Aを採用、既に日本で飛行している。

 空母運用をヘリコプター搭載護衛艦において実施する上で最大の課題はF-35Bの導入といえました、F-35戦闘機は第五世代戦闘機であると同時に取得費用から維持費用と将来の運用費用まで含め総合的に非常に高価な航空機です。しかし、空軍型のF-35Aを航空自衛隊が来年度にもF-35飛行隊へ改編を行う予定で、最も大きな運用基盤の問題を乗り越えた。

 国産戦闘機計画F-3は対照的に来年度予算にエンジン開発費の見送りが決定されており、予算面では時間と費用を掛け四半世紀後の防空への投資を棚上げし、五年後の防空能力向上へ予算を集約しているともいえます。また、いずも型護衛艦は固有武装を簡略化し航空機を最大の装備とする設計である為、能力を最大限発揮する当然の選択肢と云えましょう。

 いずも型護衛艦、いずも、かが、艦載機としての搭載が考えているとされ、いずも型護衛艦は満載排水量27000t、艦内格納庫だけでも現在搭載するSH-60K哨戒ヘリコプターに加え10機程度のF-35B戦闘機を搭載可能、と考えられており、アメリカ海軍のニミッツ級航空母艦のように防火設備以外隙間なく搭載した場合は20機程度の搭載も可能でしょう。ひゅうが型にも搭載できる。

 F-35B戦闘機は垂直離着陸が可能であり、滑走路を必要とする航空自衛隊向けのF-35A戦闘機とは異なり、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦が有する全通飛行甲板上からの運用が可能です。また、ひゅうが型、いずも型護衛艦の全通飛行甲板であれば燃料を多く消費する垂直発信ではなく短距離発進を行い、充分な燃料と武装と共に運用する事も可能だ。

 国内でのF-35B,アメリカ海兵隊が岩国航空基地への前方展開を開始しており、空母艦載機に大きな問題となっていた陸上空母発着訓練、狭い空母甲板へ艦載機を無理矢理着艦させる、制御された墜落、という状況へ対応するための厳しい発着訓練を垂直離着陸が可能なF-35B戦闘機は必要としない為、もちろん海上自衛隊練習機では要員養成は不能ですが導入は現実的です。

 F-35B戦闘機の護衛艦への搭載は、2018年に本格化する新防衛大綱、防衛省の長期防衛力整備計画へ盛り込むことを前提として検討されるとのことで、特に巡航ミサイルの増強を続ける中国大陸からの脅威に対し、陸上航空基地がミサイル攻撃により機能を喪失した場合に洋上の護衛艦からの防空作戦を展開する、航空母艦としての運用を考慮するという。

 防衛計画の大綱は、民主党から自民党への政権交代後に改訂されたばかりであり、元々は防衛計画の大綱を十年単位の長期計画とし、その下で五年単位の中期防衛力整備計画を画定しています。しかし、近年の中国大陸からの我が国南西諸島、そして九州から西日本への軍事圧力増大を受け、再改訂が模索されてきました。F-35Bはその検討課題のひとつ。

 艦上固定翼哨戒機としてもF-35Bは有用な航空機です。現在海上自衛隊ではSH-60K哨戒ヘリコプターを対潜哨戒に加え、水平線を超えた目標索敵に多用、ミサイル誘導任務等も重用していますが、ステルス性も対航空機自衛武装も装着できないSH-60Kには荷が重く、高度な複合光学情報装置を搭載し情報優位を目的とする第五世代戦闘機の役割は大きい。

 海上自衛隊は創設以来、幾度も航空母艦の装備を検討してきました。1980年代には垂直離着陸が可能なイギリスホーカーシドレー社製ハリアー攻撃機を導入する研究がかなり深く進められていましたが、艦隊防空には当時中距離空対空ミサイル運用能力を持たなかったハリアーは能力不足で、イージス艦導入により艦隊防空を実現、という歴史もありました。

 しらね型ヘリコプター搭載護衛艦を1970年代に設計する際に、8300t型ヘリコプター巡洋艦案、8700t型航空機搭載護衛艦、という検討案があり、後者については全通飛行甲板を有し、ハリアーの搭載を前提とし、特に当時真剣な脅威であったソ連軍のバックファイア超音速爆撃機による艦隊へのミサイル攻撃へ、限定的な迎撃任務を行う構想であったという。

 専守防衛、平和憲法との整合性ですが、政府答弁では攻撃型空母は保有できないが対潜空母等の防御用航空母艦は保有し得るとしており、攻撃型空母の定義を専ら相手国の国土の破壊に用いる装備として、戦略爆撃機や大陸間弾道弾と同列としており、今回も政府はF-35Bの搭載は専守防衛の範疇で問題のない国土防衛用の装備に含まれるとしています。

 F-35B戦闘機はアメリカ空軍のF-22戦闘機を唯一の例外として、今後十年間に実用化される全ての戦闘機を圧倒する空対空戦闘能力を有します。仮に海上自衛隊の護衛艦がF-35B戦闘機を搭載したならば、Su-27戦闘機改良型を30機以上搭載するべく中国海軍が建造を進めている新型空母に対しても、非常に優位に立ち、極めて高い抑止力となりましょう。

北大路機関:はるな くらま
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【EOS-M3撮影速報】天皇誕生日舞鶴基地満艦飾,ひゅうが・あたご・ふゆづき(2017-12-23)

2017-12-26 20:10:00 | 陸海空自衛隊関連行事詳報
■舞鶴基地の満艦飾
 舞鶴基地、ひゅうが、あたご、ふゆづき、あさぎり、せんだい停泊、ちょうかい寄港、みょうこう整備中でした。

 舞鶴基地、舞鶴地方総監部が置かれ舞鶴地方隊の主力が展開するとともに自衛艦隊護衛艦隊隷下の第3護衛隊群の拠点基地でもあります。土曜日の天長節天皇誕生日、旗日という事で停泊艦艇に満艦飾が施される、その艨艟の威容を写真へ収めるべく舞鶴へ展開です。

 天長節、今上陛下の誕生日ですがこの日は日本海側も快晴、日本海側の冬といえば厳冬と豪雪の印象があり、過去には積雪をかき分けて護衛艦を撮影し、しかし、一般公開日とはいえ案内の隊員さんに大変な苦労を、という事もありました。若干悪天候は懸念していた。

 ひゅうが、海上自衛隊で二番目に大きな護衛艦ひゅうが型の一番艦が母港舞鶴に憩う。満載排水量19000tと竣工当時は戦後最大の護衛艦であり、全通飛行甲板構造を採用、DDHとはヘリコプター搭載護衛艦、駆逐艦を示すため、世界最大の駆逐艦として就役しました。

 あたご、ふゆづき。あたご、は、あたご型ミサイル護衛艦の一番艦として竣工し海上自衛隊の護衛艦として初めて満載排水量が10000tに達した護衛艦であり、海上自衛隊が現在6隻を運用するイージス艦では最新型だ。現在は新型の8200t型護衛艦が予算化されている。

 ふゆづき、あきづき型護衛艦の四番艦、汎用護衛艦として建造されましたが満載排水量は6800tとヘリコプター搭載護衛艦はるな型と同規模の大型護衛艦となりました、現在改良型である護衛艦あさひ型、あさひ、しらぬい、が建造中、あさひ、は来年三月に竣工します。

 あきづき型護衛艦が大型化したのは、イージス艦の弾道ミサイル防衛を支援するという目的は一つあり、この為、射程50kmのESSM艦対空ミサイルを搭載、イージス艦が上空から飛来する弾道ミサイル警戒に専念できるよう僚艦防空能力を有しイージス艦を援護する。

 あさぎり、せんだい。あさぎり型護衛艦の一番艦で一時は旧式化により練習艦に転用されましたが、我が国周辺情勢の緊迫化、特に中国海軍による九州沖縄と本州南方での構造が激増した緊張を受け、練習艦となった同型艦やまぎり、とともに護衛艦へ復帰しました。

 せんだい、は護衛艦あぶくま型の一隻で、沿岸警備用に建造された艦艇です。しかし、満載排水量は2900tあり、諸外国では3000tを超えれば大型水上戦闘艦に区分される事が多く、沿岸警備用とはいえ原潜や対艦ミサイル攻撃へも対応する強力な装備を有しています。

 師走とは思えない温暖な気候と共に昇った太陽が快晴の青空を呼び起こす、今回の舞鶴撮影はそんな有り難い日程となりました。ただ、若干出遅れ、なんと現地に偶然展開の愛知県のお世話になっている方から、ちょうかい入港中、とのお知らせが。佐世保の護衛艦だ。

 ちょうかい舞鶴入港、と聞きますと考えさせられるのは日本海での北朝鮮ミサイル攻撃への警戒任務を完了しての補給でしょう。このまま年末は母港佐世保基地へ戻れるのか、日本海洋上にて年末年始の北朝鮮ミサイル攻撃から日本を守る為、洋上に展開し続けるのか。

 核開発と弾道ミサイルへの核弾頭装着を急速に進める北朝鮮ミサイル脅威は、第二次世界大戦における広島長崎核攻撃に続く第三の核が我が国を標的に使用される可能性が否定できず、太平洋上での核実験を示唆する北朝鮮は、我が国にとり今そこにある危機、である。

 基地は観光施設ではなく防衛施設である、とは重要な点ですが、その上で自衛隊基地は平時の実戦として国民の理解を増進し、優秀な人材を集めなければならない、という広報にあたっています。満艦飾は全艦艇に行われている訳ではなく待機艦である事が伺えました。

北大路機関:はるな くらま
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【7D特報】築城基地航空祭2017,新田原第5航空団F-15機動飛行とF-2発着(2017-11-26)

2017-12-25 20:16:46 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■イーグル新田原航空祭記念塗装
 7D特報、築城基地航空祭の続報は新田原基地航空祭記念塗装のF-15イーグルとF-2の離発着の情景です。

 築城基地航空祭2017、九州福岡県の航空祭、前回はF-2戦闘機の支援戦闘機として開発された設計故の機動力の高さを最大限発揮する飛行展示や模擬対地攻撃の様子を紹介しましたが、今回はF-2戦闘機の離着陸情景やF-15戦闘機の機動飛行の情景を紹介しましょう。

 F-15戦闘機、新田原基地第五航空団の所属機です。前回当方が築城基地航空祭を撮影したのは2013年でした、2013年には築城基地第八航空団がF-15戦闘機飛行隊とF-2戦闘機飛行隊の二個飛行隊が戦闘機と支援戦闘機の混成編成でしたので、築城のF-15が見れました。

 F-2戦闘機二個飛行隊編成となった第八航空団ですが、当時築城に配備されていましたF-15飛行隊はそのまま那覇基地へ転地となったわけです。そして那覇基地は2013年当時には第204飛行隊が一個あったのみ、沖縄は平和な島でしたので国籍不明機の接近が少なかった。

 新田原基地の第五航空団より展開したF-15戦闘機、新田原航空祭記念塗装での機動飛行への参加です。新田原基地は南九州宮崎県、北九州の築城基地へ文字通り飛んでやってきました。編隊飛行ではなく一機のみの展示飛行ですが、その分を迫力の飛行展示で覆います。

 沖縄の空は2013年の時点でも、中国からの国籍不明機の頻繁な飛来や沖縄県上空を北朝鮮の長距離弾道ミサイルが飛翔するなど、決して安心安全の空ではなかったのですが、それでも一個飛行隊だけで対処できていました、しかし2011年頃から露骨な挑発が増大する。

 E-2C早期警戒機が沖縄の那覇基地へ配備されたのは、中国機が低空飛行により尖閣諸島上空へ飛来し、低空飛行を徹底し、領空侵犯まで宮古島のレーダーサイトが発見できず、海上保安庁巡視船の通報により初めて対領空侵犯措置に至ったという厳しい事情があります。

 情勢悪化に際して、しかし政府は戦闘機部隊の増勢に踏み切れないため、比較的脅威が迫っていない首都圏防空部隊から戦闘機を沖縄に引き抜き、冷戦時代にソ連軍の攻撃に備えて北日本へ配置の戦闘機部隊からF-2戦闘機を九州へ引き抜きました、大丈夫かとも思う。

 危機、とはCRISISの語源をギリシャ語の“切れている”に見出すことができるのですけれども、徐々に醸成されている状況に対して無策であるのは、危機管理というより単なる衰退ではないかとも思える。結局無いものを無いと認めず取り繕っているようにしかみえない。

 F-4EJ改戦闘機、前回当方が築城基地航空祭を撮影しました2013年には新田原基地から展開したのはF-4EJ改戦闘機でしたが、こちらも南西諸島防衛強化への施策として首都防衛にあたるF-15飛行隊と交代させています。このため、今回は新田原からF-15が飛来した。

 F-2戦闘機の編隊離陸や着陸、今回の撮影位置は滑走路最前列から二列ほど後ろに下がったところ、最前列ではなくとも望遠レンズならば、人の隙間から航空機を撮影することは出来ます、ただ、何故か最前列付近で脚立を利用する愛好家には閉口しました、何撮るのか。

 築城基地航空祭は正門を0630時に開放しまして、しかし正門から航空祭会場までを順次開放するとの方式で徐々に中に来場者を入場させ、基地正門前が混雑しないようにしています。他方で、航空祭会場入り口は築城航空祭では一か所のみ、ここで集中するのですね。

 曇天でもありましたが、曇天が飛行展示を渋くするのは高高度を飛行している状況でのみ、滑走路の離着陸や機動飛行の低空飛行は比較的良好に撮影できます、重いレンズを装着してのEOS-7DとEOS-7Dmark2の二台持ちで、九州まで出かけた相応の写真は撮れました。

北大路機関:はるな くらま
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クリスマス特集:74式戦車発砲焔!,自衛隊記念行事最高潮に刹那の閃光と衝撃は戦車射撃

2017-12-24 20:05:52 | 北大路機関特別企画
■74式戦車の戦車射撃!
 今夜はクリスマスイヴ、聖夜に輝くクリスマス特集には訓練展示模擬戦の戦車射撃特集です。

 戦車砲発砲焔、クリスマスということで今年一年の戦車射撃、一般公開されました行事の戦車射撃を振り返りましょう。発砲焔とは実弾以外にも空包射撃を行った瞬間に数百分の一秒だけ輝く一瞬です。一瞬の前には砲口にはなにもなく、一瞬の後には大気の揺らぎだけ残る。

 衝撃と轟音、空包射撃は実弾射撃では立ち入ることが出来ない戦車の前方側面から射撃の様子を撮影できます、実弾では装弾筒の破片が超音速で飛散し戦車前方は危険地域となるのですが、空包ではこうした危険はありません。しかしその分、射撃の衝撃波が地面を伝って身に感じることが出来るという。

 74式戦車の空包射撃、演習用の射撃を再現する装備で、当然弾体は装着されていませんが、その迫力はかなりのものです。そして駐屯地祭記念行事でも気兼ねなく射撃でき、訓練展示模擬戦等に華を添えるものとなっています。もちろん、発砲焔は一瞬、運に左右してしか撮影できません。

 射撃の瞬間、訓練展示にて戦車射撃が行われる兆候には多くのカメラをもつ同好の士が一斉にシャッターを切り始めます。なお、空包であって空砲ではないことに留意が必要です、空包は実包でない音だけのもの、空砲が砲に砲弾が装填されていない状態を示すものですから、ね。

 戦車射撃の瞬間というものは会場案内で大きな音がする旨の警告が行われるのですが、短停止射撃という、進んでいる戦車が一瞬停止した瞬間に射撃を行うものが多い。訓練展示とはいえ、目標を照準しているという砲塔の微妙な動きが止まった瞬間に射撃が行われる、というものが多い。

 行進間射撃として走行中に射撃を行う場合もあるのですが、この場合は中隊系無線が会場アナウンスで中継され、行進間射撃を行う旨が事前に周知させられます。出来ることならば確実に撮影するために状況開始から状況終了まで毎秒11枚のEOS-7DMark2最大連写で撮り続けたいところではある。

 部隊練度といいますか、小隊長以下4両が息のあった機動を展示している部隊ほど、この瞬間に照準を完了して射撃を行う、という気配が見えてくるのですが、なかなか停車後射撃を行わない戦車などをみますと、同じ場面の写真だけ積み重なりつつなにかあったのだろうか、とも思ってしまいます。

 90式戦車や10式戦車には長らく主砲用空包が無く、レーザー方式のバトラー訓練装置を使用する際には主砲射撃を主砲基部上部に搭載した専用疑似音装置により小型空包、12.7mm空包と同程度の空包を発射、いや、鳴らせていました。これに比べますと専用空包開発は朗報ですが、如何せん小さい。

 74式戦車の空包射撃は戦車射撃というに相応しい迫力があり、この点で90式戦車や10式戦車用の空包は一種クラッカーのような、発砲焔も僅かに確認できるのですが、迫力では及ばないわけです。このため、74式戦車の空包射撃写真は貴重とされるのですね。もっとも、実弾射撃の迫力はよりけた違いですが。

 10式戦車の実弾射撃は蛇行操縦を行いつつ移動目標を性格に射撃し命中させるスラローム射撃の迫力が特筆できるのですが、基本、一般にみることが出来るのは富士総合火力演習とその予行のみでして、戦車射撃の背景に多様な情景を写し込むには訓練展示のほうが都合が良く、また機会も多い。

 戦車部隊は本土戦車大隊が順次戦闘偵察大隊へ改編され、富士教導団以外は残らないと、現在の防衛大綱に明示され、また、74式戦車についても16式機動戦闘車の量産がこのまま順調に進むならば、数年後には、という状況です。こうして考えてみますと、なかなか写らない貴重さとともに、いつまでもみられないものでもある。

 発砲焔、それでも撮れますと嬉しいものです。また、74式戦車の優美な車体形状とともに時代を超えて、つまり少々は古い写真でも迫力は変わらず、カメラ性能の向上とともに大量の写真を連写し撮影、そこに一枚でも発砲焔の明るい光、閃光が写っていますと、ちょっとその日は気分良く過ごす事ができます。

北大路機関:はるな くらま
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天長節 敢えて問う“自主防衛力整備と在日米軍基地負担”戦後体制と平成治世下の禁忌論点

2017-12-23 20:00:17 | 北大路機関特別企画
■平成時代,平和主義達成の課題
 平和の達成、平和を手段として平和主義を実行するのは容易い、しかし平和を結果として平和主義を実現する事は難しい。

 平成の御代も天皇陛下が皇太子殿下へご譲位とのことで、近現代日本史上戦争の無かった戦後という平和な時代は次の元号元年へ移り行こうとしています。こうした中、敢えて戦後との転換点を前に自主防衛力、具体的には同盟国アメリカへ多く依存せず独立国家が防衛力で対等に北東アジア地域へ平和と繁栄の理念を広げる選択肢について考えてみたい。

 独立した防衛力整備、これは中国の軍事圧力増大と共に台湾海峡と南シナ海に広がる軍事的緊張、北朝鮮核開発及びミサイル開発の進展、ロシアとの冷戦終結以来の米ロ対立と欧州正面緊張の北東アジア地域波及、一点だけでも重大な防衛上の問題が山積する状況を前に時代錯誤ではないか、今求められる論点か、極右思想だ、と批判されるかもしれません。

 在日米軍、中でも在沖米軍の問題が敢えて、平成から次の元号への転換期という時節に、この論点を考えさせる一つの重要な要素です。普天間飛行場航空機部品脱落事故、非常用窓の脱落事故という事例でしたが、端的に在日米軍の受入周辺自治体と日本全体の在日米軍への価値観の乖離突きつけられる一例で、過飽和状態の問題が一挙結晶化したといえる。

 自衛隊の防衛力は一定以上の水準があります、専守防衛の装備体系は、肝心な点で装備定数の定数割れと旧式装備渋滞の現状を予算面で解決するだけで防衛力は改善します。その上で在日米軍は、横須賀の空母と水上戦闘艦部隊と艦載機、全国の兵站部隊、佐世保の両用戦艦部隊、沖縄の海兵師団、横田の輸送機部隊、三沢・岩国・嘉手納の戦闘機部隊など。

 日本駐留米軍部隊を置き換えるには戦闘機は空軍航空団や空母航空団と海兵航空団合せ190機、水上戦闘艦艇はイージス艦9隻、大型揚陸艦4隻、回転翼航空機60機、輸送機30機、米軍編成1個師団、嘉手納・那覇・宜野湾・佐世保・広・横浜・相模原の兵站部隊備蓄、防衛計画の大綱は大きく書き換える必要がありますが、日本の経済力で維持できる水準です。

 新防衛大綱に、戦車350両、火砲350門、10個師団6個旅団、護衛艦60隻、潜水艦22隻、戦闘機470機、輸送機90機、と明記し、その上で必要な防衛費の策定を行う事で、装備定数の帳尻を合わせることは可能です。勿論、停滞している戦闘ヘリコプター60機取得や戦車削減時に提唱された普通科重視政策実行へ装甲戦闘車等配備も行う必要は当然ある。

 五兆円の現行防衛費も七兆円程度、新任務の付与を抑えれば八兆円を超えることは無いでしょう。装備調達は防衛大綱定数を装備耐用年数で割った数を着実に整備し、維持費は毎年調達費用の一割が目安、全くできない、という水準ではありませんし、国産装備に特化する事で防衛産業は公共事業的波及効果もある。しかし、兵站面と運用面の課題が大きい。

 後方支援と訳される兵站では、自衛隊が倉庫兵站方式を重視しているのに対し米軍は追送兵站を基本としています。戦略兵站部隊として相模原総合補給処を中心に航空輸送の横田基地と海上輸送の横浜ノースドックがある。ここを頂点に弾薬は広・秋月・川上・針尾島・佐世保・嘉手納・辺野古、燃料は鶴見・小柴・赤崎・庵崎・横瀬・沖縄、これらを包括しています。

 兵站は特に航空燃料や艦隊燃料等を民需に頼ることで解決出来そうですが、在日米軍の1100万バーレルという燃料備蓄は即応性の面で自衛隊の燃料備蓄とは根本的に異なるものです。弾薬庫も広や秋月弾薬庫で30万トンの備蓄があるとされ、管理は陸軍、大規模戦争以外用途は無い戦略備蓄と位置付けられますが、使わない前提の万一への備えというもの。

 戦略備蓄や装備整備能力は、日本本土への有事時は勿論、我が国周辺地域での地域安定化にも寄与します、なぜならば長期戦闘が可能な能力を誇示すると同時に、同盟国や包括安全保障協力を行う友好国への相互供与に用いうる故、しかし、備蓄は少なく兵站部隊枠が少ない、倉庫兵站重視で輸送力も不足、備蓄から輸送まで、根本からの兵站改革が必要だ。

 朝鮮半島有事や台湾海峡有事に際しては、自衛隊が議政府回廊で在韓米軍と共同作戦、という踏み込んだものでなくとも、在韓米軍へ輸送支援を行う。台湾海峡有事の際には自国民救出の名目で米軍部隊展開まで在沖米軍が期待される介入戦力を展開させ、台湾本島着上陸を強く牽制する。南シナ海シーレーン防衛へ積極関与する、この程度で充分でしょう。

 独自の防衛力を考える場合、燃料は民需に頼り指定協力企業から徴発、という運用ではなく、戦略備蓄を行う必要があります。在日米軍施設は、実質即応部隊と戦略備蓄であるといえ、逆に日本が独自防衛力を整備しアメリカに過度に依存しない基地無き安保、という方式を求めるのであれば、アメリカの北東アジアでのポテンシャルも整備せねばならない。

 平和主義の在り方も堅持しつつ、転換を要請される事は必至です。ここ平和主義は平和を手段とする方策から平和を目的とする政策への転換を要求されます。在日米軍は例えば在沖海兵隊は台湾海峡有事や朝鮮半島有事に際し、台湾消滅後の沖縄決戦や韓国全滅を待って北九州壱岐対馬の北朝鮮軍上陸を自衛隊と共に本土決戦で迎え撃つものではありません。

 地域安定に在日米軍は重大な事態が発生する以前に対処する抑止力であり、日本の平和憲法が求める本土決戦主義、つまり日本本土に着上陸するまで手出しを控える、という本土決戦誘致の施策は取りません。台湾海峡有事や朝鮮半島有事には巨大な広報拠点として機能し、言い換えれば日本本土へと着上陸に及ぶ以前の対岸に敵が揃う前に事態収束を期す。

 憲法改正、ここまで踏み込まずとも憲法解釈を平和主義の手段から目的への転換を明記し、現行憲法施政下での最大規模の自衛権行使を明確に示し、その上で在日米軍のポテンシャルを考える必要があるでしょう。ただ、日本には二つの大きな資産があります、一つは平和憲法、もう一つは日米同盟です。本来は平和憲法と在日米軍が両輪の関係でしたが、ね。

 軍事大国と成らねば在日米軍のポテンシャルを引き継ぐことは出来ない一方、平和憲法下で軍事大国化を進むことが出来れば、日本と包括安全保障協力協定を締結する諸国は増える事でしょう、現在イギリスやオーストラリアとインド等限られていますが、基本的に大日本帝国とは異なる日本国、防衛協力拡大へ平和憲法は領土的野心払拭強調に寄与します。

 安保体制は日本が選択肢として核武装、核戦力による恫喝を払しょくするうえで必要となる核抑止力を担保する重要な枠組みとなります。勿論、代替案として全土に全国民収容可能な核シェルターを建設し万全の準備と共に核兵器を忌避し、しかし核恫喝恐れず打ち払う体制も選択肢の一つですが、核抑止力を補いえます。また、敵に回らないことは重要だ。

 在日米軍の問題は我が国に微妙な温度差と平和主義への団結を阻害しかねない留意点を突きつけました。しかし、日本は経済力で世界三大経済圏を担い、また西太平洋地域における自由と平和を謳歌する最大国家です。海洋の自由や良心の自由と経済活動の自由、この理念を共有できる国は周辺に多く、敢えて自主防衛を討議する価値は少なくはありません。

北大路機関:はるな くらま
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平成二十九年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2017.12.23/12.24)

2017-12-22 20:10:27 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 師走の温暖な週末とクリスマスから急激な冷え込みにホワイトクリスマスを期待する今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 いよいよ年末年始という事で今週末は航空祭や駐屯地創立記念行事と展示訓練等はありません。年末年始と天長節天皇誕生日は旗日ですので海上自衛隊基地では満艦飾を行います。一方、年末年始は航空自衛隊も仕事納めと仕事始めまでの期間、対領空侵犯措置任務緊急発進等を除き、日常訓練が行われませんので、基地平日撮影の際にはご留意ください。

 海上自衛隊基地は横須賀軍港めぐり遊覧船が毎日運航されていますが、舞鶴港めぐり遊覧船は日祭日のみ運行と冬季休業期間がありますので、こちらはご留意ください。海上自衛隊艦艇満艦飾のほか、横須賀基地や佐世保基地ではアメリカ海軍艦艇がクリスマスイルミネーションを実施します。近年はクリスマス一般公開は行われませんが軍艦が飾り立てた情景は見事です。

 今週末の自衛隊行事無し、という週末にはのんびりと駅の書店で買い集めた小説文庫本等を喫茶店でコーヒーを嗜みつつ読書に耽りたいところですが、全国に残る軍事史跡などを散策してみてはどうでしょうか。軍事史跡とは旧軍が使用しており、そして現在は自衛隊や米軍が使用していない施設で、民生に転用されている施設というものも多々あります。

 京都市には師団司令部庁舎がそのまま大学施設となっている事例がありまして、伏見区の聖母女学院本館は陸軍第16師団司令部庁舎です。第16師団は1905年に新編され、京都歩兵第9連隊、福知山歩兵第20連隊、久居歩兵第33連隊、野砲兵第22連隊、捜索第16連隊、工兵第16連隊、輜重兵第16連隊、等を隷下部隊として第二次世界大戦に臨みました。

 第16師団司令部庁舎は聖母女学院に残っていますが、全ての施設が史跡として残る訳ではありません、実際に、師団長公邸は京都教育大学内にて1996年に老朽化を理由に解体されてしまいました。ただ、深草の龍谷大学前には第一軍道や師団街道がその名のまま残り、師団橋という陸軍星章を刻んだ橋梁なども残り、一風違った史跡散策は、如何でしょうか。

 さて撮影の話題、自衛隊関連行事へ遠出するときに、どうしても困ってしまうのはホテルを確保するときです。ホテル、駐屯地祭ですと来場者が二万を超えるものは多くはありませんが、例えば航空祭となりますと、来場者が三万を下回るものがほとんどありません。すると、ホテルの収容力が簡単に飽和状態となってしまい、高いお宿しか残らず、流石に躊躇してしまう。

 京都市であれば、年々ホテルの部屋は増設されていますし、地下鉄で結ばれた大津市内もホテルは多くあります、ホテルマンの友人曰くホテル不足の状況は続いている、しかし増設も続いている、とも。一方、航空祭のような突発需要には観光地ではない地方都市はホテルを増設する訳にはいかず、すると一泊四万円や六万円の高級ホテルが残るかたちです。

 前述に急遽思い立って、というわけではなく、一か月前の段階で予約を試みましてもインターネット予約を多数の予約サイトで模索するも見事に満杯、という状況が多い。インターネットに対応していない旅館やホテルも多いのですが、知らない街ですと流石にこうしたお宿を探す事は難しい、観光協会のHP等を利用して、丹念に探すしかないのですね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭


・今週末の自衛隊行事はありません

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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