北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

大晦日舞鶴基地2010 しらね、あたご、みょうこう、あまぎり、みねゆき、すずなみ、ましゅう

2010-12-31 15:18:29 | 海上自衛隊 催事

■ゆく年 くる年

 本日は雪の中舞鶴基地へ行ってきました。本年最後の一日という大晦日に本年最後の自衛隊見学です。

Img_3658  ヘリコプター護衛艦しらね、舞鶴基地北吸桟橋に停泊。舞鶴基地は雪景色、ということを期待して車両にて展開したのですけれども、なんといいますか、雪の積雪はすごいの一言につきまして舞鶴基地見学は何度も試みたのですがその中でも最も積雪が大きかったのではないでしょうか、というところです。

Img_3465  ミサイル護衛艦みょうこう、あたご。舞鶴基地を母港とするイージス艦二隻がそろい踏みです。艦上の上甲板一般公開は危険なため中止となっていまして、海軍記念館についても斜面を登ってゆくことが危険とのことでしょうか、本日は中止、となっていました。しかし北吸桟橋は一般公開されていまして見学者は少なかったのですが多くの艦艇を見ることができました。

Img_3702  護衛艦あまぎり、護衛艦みねゆき。このほか補給艦ましゅう、護衛艦すずなみ、が先端に停泊していたのですが安全のために立ち入り禁止になっていました。しかし、ここまでの雪景色は久々に撮影することができましたので、大晦日、今年最後の自衛隊見学ではなかなかの写真が撮影できました。あとは無事に帰られるか、車中からの更新でした。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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Weblog北大路機関 今年撮影した最新装備、10式戦車&護衛艦あきづき&C-2輸送機

2010-12-30 23:32:09 | 先端軍事テクノロジー

◆陸海空自衛隊の最新装備を撮影

 北大路機関ですが、情報よりも出来るだけ写真を、と傾きを除いて頑張ってきたのですけれども、新装備の写真を撮影出来た瞬間の喜びはことのほか大きいです。

Img_5814  今年、陸十自衛隊の装備としては富士学校祭の10式戦車初公開が最も注目したものでした。第3.5世代戦車の性能を44㌧の重量に収めた本戦車は、日本国土を防衛する上で欠くべからざる装備なのですが、機動展示を見まして正直その加速性と機動力には驚かされたものでした。

Img_2628  海上自衛隊の装備としては、護衛艦いせ公試開始の報とともに新しく進水式を迎えた新型の、あきづき型護衛艦の写真を長崎にて撮影することが出来ました。イージス艦を補完する目的で導入された国産多機能レーダーFCS-3を搭載する本型は満載排水量で7000㌧という大きさに達しています。

Img_7332  航空自衛隊では1月26日に初飛行を果たした新型輸送機XC-2が最も注目すべきものと言えるでしょうか。最大で37㌧の装備を空輸可能で、国際航空航路を利用できる高い巡航速度を発揮、フェリー航続距離は10000kmに達する新型機の初飛行は、この種の輸送機の開発が各国で難航している事もあり、世界中から注目を集めました。

HARUNA

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新防衛大綱 動的防衛力、統合運用、准自衛官制度の在り方研究来年六月までに議論

2010-12-29 23:35:15 | 国際・政治

◆早くも実質的に次期防衛大綱案へ着手

 結論を先に出し手段を後に議論、やってはいけないことです。防衛関係では今年最も注目を集めた新防衛大綱ですが、今回の議題は枠外に至るもので早くも新防衛大綱の次期防衛大綱制定に向けた研究の開始ともいえるでしょう。

Img_2167自衛隊運用、6月までに改革案=大綱踏まえ論議着手-防衛省・・・ 防衛省は27日、新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)に基づき、自衛隊の組織改革を議論する「防衛力の構造改革推進委員会」(委員長・安住淳副大臣)の初会合を開いた。防衛大綱で打ち出した「動的防衛力」の概念に沿った自衛隊運用を検討するほか、自衛隊員の給与体系を見直す方針を確認。来年6月までに改革案をまとめることを申し合わせた。

Img_0908_1  「基盤的防衛力」構想に代わり国防の指針として導入された動的防衛力は、自衛隊の機動性や即応性を重視する考え方。推進委では、有事をはじめテロやゲリラなどの事態に迅速に対応するため、陸海空各自衛隊の縦割り運用を改め、統合運用体制の在り方を協議する。  また、厳しい財政状況を踏まえた自衛隊の合理化策として、前線で防衛任務に当たる自衛隊員と、物資の補給など後方任務に専従する隊員の給与や手当の差別化も図る。人件費の削減分を若年隊員の採用に充て、組織の高齢化を是正する。

Img_1167  戦闘機など装備品の国際共同開発、生産への参加も議題とし、大綱への明記が見送られた、武器や関連技術の輸出を原則禁じる武器輸出三原則の見直しも含めて検討する。推進委は北沢俊美防衛相を除く政務三役と内局幹部、統合・陸海空の4幕僚長らで構成される。(2010/12/27-18:30http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010122700693◆◆

Img_0664  防衛大綱改定時に何も考えてなかったのか・・・、大綱に盛り込まれた動的防衛力とはどういうものか、後方支援関係の自衛官の身分を一段下げるとはどのように行うのか、統合運用はどのように行うのか、にわかには信じられないのですが、防衛大綱を画定する上で考えてなかったのですね。部隊削減という結論だけ出してしまい、その方便をどう意味付けするのか、やってはいけないことをやってしまいました。

Img_0863  これは実質的に中期防衛力整備計画に盛り込むか、防衛計画の大綱に具体的な政策を長期目標として盛り込まなければならなかったものを後付けで加えようとしているようで、言い換えれば防衛計画の大綱に具体的誠意策を盛り込めるように、提出を後一年先送りするべきだったのではないでしょうか。つまり未完成の防衛大綱を画定してしまった訳で、提出期限を政治主導という名のもとに先送りすることが出来たにもかかわらず、仮免のまま卒業させてしまったようなものですか。

Img_8094  動的防衛力を整備し、基盤的防衛力い基づく全国均一配置からの脱却を図る、という事にはどうしても現在の方面隊を基盤とした陸上自衛隊の運用を根本的に見直し、中央に新しく陸上自衛隊の戦闘部隊の命令系統を統括する陸上総隊司令部を発足させ、そのもとで方面隊を置き、師団や旅団の任務遂行を行える体制を構築する必要があったように思います。

Img_3734  度の部隊が何処を担当するかを隊区というかたちで定めた基盤的防衛力は、先ごろに発生した奄美大島豪雨災害のように隊区制度に縛られてしまう可能性があるとともに、全国に師団や旅団を配置するという制度はかつて全国に同一の能力を企図した師団を配置していた編成に対して、全国の部隊の能力差を生むことにより相互に補完や支援を行う機動運用を念頭に置いて師団を旅団に改編してきました。

Img_6259  従って師団を旅団に改編するという方針変更が開始されたその瞬間、95年防衛大綱の画定時を以て陸上総隊の創設にシフトしてゆかなければならなかったにもかかわらず、先送りとして今日に至る訳です。地理的特性と方面隊の支援や機動運用部隊として第7師団が維持され、中央即応集団が新編されたことにより、これまではなんとかその求められる任務に対応してきたのです。

Img_5075  ところが、今回の防衛大綱により戦車数や火砲数を縮減され、空中機動手段や機械化部隊の増強を行う明示の無い別表を見る限りでは、日本の安全保障が不完全となったまま画定されてしまった、という事に他なりません。つまり、手段を先んじて結論だけ出してしまったのですね。

Img_2863  そもそも、動的防衛力実現には不可欠な機動運用部隊の拡充と陸上総隊の創設ですが、これは防衛大綱の別表に盛り込まれなかったという事で、今回の防衛大綱改訂では名実ともに掛け声に終わってしまったという事を認める事となりました。動的防衛力は、方面隊を超えた運用を意味するのですから、方面隊を超える運用を指揮する上級司令部が必要なのにもかかわらず無い、動的運用を行うには方面隊を超えて支援に向かう機動力が必要であるにもかかわらず機動力増強の手段は盛り込まれず、中期防衛力整備計画でも整備目標としてさえ示されませんでした。

Img_5866  そして機動運用部隊は北海道の第7師団と中央即応集団のみで、自前のヘリコプターを有する中央即応集団は多少の部隊を空輸展開させることは出来るのでしょうが、第七師団は九州や沖縄などで有事の際にどのようにして展開するのでしょうか、自走してゆくには日本列島を戦車で縦断、という事になってしまいますし、海路や空路で移動しようにもその移動手段さえ無い、これは問題だ。

Img_8109  本来は九州の一個師団を両用機動師団に改編するとか、本州に空中機動師団を編成して機動運用部隊に充てるとか、とにかく防衛大綱の機動運用部隊の中に書き加える必要があるのですけれども、これを行わず、六月までの運用の改訂で妙案を捻りだしてカバーしようとしている。大綱の枠外の内容を取り決めて、しかし大綱のように全文を発表する訳ではありませんから、実質“裏防衛大綱”を制定するというようなこの方式、あまりにも姑息ですので、2011年末までに改めて防衛計画の大綱を改訂する、と発言した方が、これこそ朝令暮改になってしまうのですが、余程まともだったでしょう。

Img_6989  それにしても後方人員を准自衛官制度として身分を見直すという制度、実際に行うようです。これ、まあ、予備自衛官制度を改編すると考えるべきなのでしょうかそれとも民間委託の枠を広げるという事なのでしょうか。これにより給与体系を見直すことが目的とされているのですけれども、そもそも少ない人員で完全以上の力を発揮するために後方支援職種がある点を忘れてはなりません。

Img_9684_1  整備補給といっても後方支援連隊の整備大隊には第一線部隊にそのまま随伴して直接支援中隊として任務に当たる場合もありますので、質を落としますとそれだけマンパワーが必要になってきますし行動する部隊の規模も大きくなってしまいます。そもそも、自衛隊というのは残業代の出無い職種です。サービス残業を行う公務員は多いかもしれませんけれども、残業代という制度のない公務員は中々無いのではないでしょうか。

Img_9502  これ以上人件費を削るというのには、少し疑問があります、民主党ですから自民とぷが削り過ぎたのが原因でこれ以上削るという公約を果たせなくなったとか責任転嫁するのでしょうか、まさか自衛隊員にも戦闘に従事しない隊員に限って団体交渉権を付与させるという訳にもいかないでしょうし。それに後方部隊の方がゲリラコマンドーによる攻撃を受けやすいのですから、給与や手当の差別化を行うというよりは、即応予備自衛官の枠と年次訓練期間を増強させるなどしたうえで、平時には警察などの職務に従事してもらう警察予備隊制度でも考えた方が問題への対応としては合理的だろうと考えます。

Img_4357  武器輸出三原則の運用に関する問題も、防衛大綱への明記が見送られたということだけで、調達することは国際共同開発計画に参加するという意味になるF-35は現在航空自衛隊の次期戦闘機の最有力候補でありながら現時点では導入できないという事を明示する事にもなってしまいました、F-35自体は先日も更に数年程度計画遅延が伝えられているのですけれどもそれ以前に導入するめどが大綱に盛り込まれていないながらも中期防衛力整備計画に次期戦闘機の導入を盛り込んだ事は一つの問題と言えるでしょう。

Img_6911  また、日米共同開発である弾道ミサイル防衛技術も日本が武器輸出三原則の運用を堅持している限りアメリカが意図する欧州諸国への弾道ミサイル防衛技術の供与は実現しません、これが日本政府に弾道ミサイル防衛能力の東欧配備に対するロシアの反発を見越して米ロ対立を根本から避ける事を持ってロシアとの緊張関係を緩和する狙いから弾道ミサイル防衛能力お東欧配備に対し制約を掛ける目的で欧州諸国民が中東からの弾道ミサイル脅威に曝されているという現実に人命の天秤を図った上で武器輸出三原則を堅持するという手段を採っている、というのならば、何か考える余地はありそうなのですけれども、そういう訳では無く、ただ漠然と武器輸出三原則に関する理解と議論が不足しているからのようにも見えます。

Img_1739  こうした基本的な事が盛り込まれていない防衛計画の大綱は、仮免許状態のままなのですが、それならば姑息な運用改善を行うのではなく、中期防衛力整備計画とともに抜本的に見直して平成23年度防衛予算を暫定防衛業務計画として位置づけ、改めて来年か再来年までに防衛計画の大綱、及び中期防衛力整備計画を練り直してはどうでしょうか。この点は実は現在野党である自由民主党も問題視しており、次の総選挙後には防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画を再度見直すという事を念頭に、部内での調査研究を進めていると伝えられています。

HARUNA

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坂の上の雲、日本騎兵の父秋山好古大将の曾孫は今冬戦車中隊長に着任

2010-12-28 21:56:03 | 防衛・安全保障

◆騎兵の父、その曾孫は第72戦車連隊中隊長!

 心温まるニュースです。日本騎兵の父秋山好古大将の曾孫さんが、機甲師団である第7師団第72戦車連隊で中隊長に着任されたと報じられていました。

Img_2_969 秋山好古のひ孫は陸自指揮官:研究重ね「信頼されたい」・・・ NHKのドラマにもなった司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」の主人公の一人、秋山好古のひ孫で、陸上自衛隊3佐の秋山純一さん(36)が北海道恵庭市で初めて指揮官としての任務に当たっている。小説を読んで好古の弟、真之に憧れたが、今は「好古のような信頼される指揮官になりたい」と、戦史や戦術の研究にも励んでいる。

Img_2744_1  純一さんは第7師団所属戦車部隊の中隊長として赴任し、部下約50人を束ねている。好古は日露戦争で騎兵を率い、世界最強といわれたロシアのコサック騎兵を破ったことで知られる。戦車部隊はその流れをくんでおり、隊旗には白馬があしらってある。 「人生は一事を成すためにある」。秋山家に伝わる好古の言葉だ。(共同通信)【 2010年12月28日 17時20分http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20101228000126

Img_2780  秋山好古といえば、日本騎兵の父、騎兵部隊による機関銃の機動運用を行い、騎兵戦術の革新を起こした指揮官で陸軍大将なのですが、そちらのほうはNHKの“坂の上の雲”をご覧になっている方のほうが詳しいでしょう。如何に機関銃の運用を行うかはこの先のお楽しみという事で、一つ言えば機関銃を日露戦争で日本が持っていなかったという逸話があったのですけれども、NHKの通りホチキス式機銃を使っていまして、海軍はベルトリンク給弾方式の機関銃を運用している写真がありました。

Img_2906  白馬を描く部隊といえば、第72戦車連隊でしょう。戦車は騎兵の装甲車と歩兵の火力支援車から生まれたものですが、騎兵の運用は偵察隊と重なるものがあり、偵察隊は機甲科職種ですので、このブログをご覧の方に旧軍歩兵出身の方がいらしたら恐縮ですが、騎兵とは今日の機甲部隊を示すものといって差し支えないでしょう、米軍では第1騎兵師団が機甲師団編成を採っている事例もありますし、騎兵は少なくとも装甲戦闘車を駆使する機械化歩兵として機甲戦力の一翼を担う部隊が基本となっています。

Img_2919  第7師団は、第71戦車連隊、第72戦車連隊、第73戦車連隊を中心に、第11普通科連隊、第7特科連隊、第7高射特科連隊など機械化された部隊により編成されています。他の師団が基盤的防衛力として有事の際は防衛線構築による防御を軸とした攻勢を基本にしているのに対して戦車連隊を中枢に置く第7師団は迅速に展開し敵勢力を戦車の圧力で押し潰す鉄槌です。騎兵の父、その曾孫が戦車部隊、それも機動運用を行う第7師団の戦車中隊長というのは本当に縁を感じるものです。

Img_2942  東郷平八郎提督の曾孫さんも防大18期として海上自衛隊に任官し、現在は退職されていますが、第1護衛隊司令、第4護衛隊群司令官、練習艦隊司令官、開発隊群司令官を歴任されていまして、なるほどといいますかやっぱりといいますか、研究者の世界と同じように軍人の世界も広いように見えて実は狭い、歴史は昨日から今日へ今日から明日へ続いているということを感じますね。

Img_2963  戦車数の冷戦時代の1200両から、実に400両にまで縮減されるのではありますが、教育体系を元として、加えて戦術研究さえ確保していればなんとかなるものだ、と過去に当方は記載したのですけれども、それも歴史と伝統に裏打ちされている日本の自衛隊という組織ならではのものなのかな、と思ったりもしました。秋山好古は陸軍大将まで務められていますが、騎兵の血筋を信頼される多くの幹部の一人として次世代に受け継いでほしいですね。

HARUNA

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ひらしま型掃海艇(MSC HIRASHIMA CLASS) ひらしま、やくしま、たかしま

2010-12-27 23:35:21 | 先端軍事テクノロジー

◆佐世保基地掃海隊群第2掃海隊ひらしま型3隻

 ひらしま型掃海艇、写真が後ろ姿しか無いと書きましたらば数ヶ月前に鮮明な写真があります、と有難い申し出がありましたが、今回、やや不鮮明ですが写真を撮影出来ました。

Img_2590  佐世保基地倉島桟橋に停泊する掃海艇ひらしま、やくしま、たかしま。満載排水量650㌧、全長57㍍。機雷原に船体を曝すこと無く安全に掃海行動が可能な前駆式掃海装備である国産のS-10掃海機具は、すがしま型掃海艇が輸入装備を搭載していたのに対して一歩前進、新型の機雷探知装置ZQS-4を装備し、磁気音響掃海装置も統合化された感応掃海具1型を搭載、係維掃海機具を従来の53式に対し新型の小型係維掃海具としており、掃海機具が小型化した事でこれまで陸上保管としていた掃海機具を艦上常備が可能となった新世代掃海艇です。また、本型は木造船体を採用しているのですが続く、えのしま型掃海艇はFRP船体を採用しているため、海上自衛隊最後の木造掃海艇となっています。

Img_0154  この、ひらしま型掃海艇は2008年から3隻が就役していて、一番艇ひらしま(MSC-601)、二番艇やくしま(MSC-602)、三番艇たかしま(MSC-603)は全て佐世保基地の掃海隊群第2掃海隊に集中配備されています。この写真は先日弓張岳から撮った写真なのですが、実はこの展望台まではバスが二時間に一本という状況でして、ここで二時間待ちたくなければ駅前でレンタカーか、もしくは到着したバスが佐世保駅に向けて始発で発車するまでの15分間で全てを撮るしかありませんので、ざっと実質10分間で撮れるだけ撮るしかないのです、そこで帰路に山を下りながら画像を確認しているうちに、ひらしま型三隻が揃っているのではないか、と驚いた次第。てっきり、佐世保地方隊の掃海艇とばかりおもっていたのですが、よくよく考えれば佐世保地方隊に所属する第46掃海隊は勝連の沖縄基地隊に所属しているのですから佐世保に並んでいると考える方が不自然だった訳ですね。

Img_0155  ひらしま型は、基準排水量では570㌧、全長57.0㍍、全幅9.8㍍、喫水3.0㍍、主機はディーゼルエンジン二基で、出力2200hpによる二軸推進。速力は14ノットで乗員は45名、掃海掃討器具一式に加えて20㍉多銃身機関砲1基を搭載しているものです。すがしま型掃海艇は湾岸戦争掃海任務での国産掃海装備の能力不足が問題となったことからフランス製掃海機具を採用していましたが、本型からは国産に戻ったのは前述のとおりで、加えて煙突が二本から一本に戻されています。二本としたのは真後ろの視界を確保することが目的だったのですが、実際にやってみると必ずしもそうでは無いことから従来の一本煙突に戻されたという経緯があります。なお、前駆式掃海装置を搭載しているため掃海艇というよりは機雷掃討艇にもあたるのですが、海上自衛隊では掃海艇として統一しているようです。

Img_0096  倉島桟橋には、はつゆき型護衛艦の、いそゆき(DD-127)、はるゆき(DD-128)、そして、あさぎり型の、さわぎり(DD-157)が停泊していました。これらの護衛艦は現在、後継艦の建造が財政難により難しいことから延命改修が行われる方向で推移しているのですが、それならば何故、今年、はつゆき、を除籍したのか、と少々憤りを感じます。そういえば、防衛大綱に動的防衛力への移管による機動運用とそれに伴う部隊縮減を提唱しているのですが、具体策が中期防衛力整備計画に盛り込まれずどうするのかと思っていれば、本日の時事通信報道では来年六月までに民主党部内で検討するとのこと。何も考えずに言葉だけ先行させたのか、と呆れかえるとともに新中期防が新しい防衛大綱を反映していない事を自ら認めた事になったのですから、新中期防が完了するまでの期間である次の五年間、防衛大綱改訂を見送って2015年に新防衛大綱を画定しても良かったのかな、と考えてしまいました。

HARUNA

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平成23年度防衛予算成立 主要装備の調達数(誘導弾・火器・火砲・車両)

2010-12-26 22:15:25 | 北大路機関特別企画

◆防衛予算2011

 平成23年度防衛予算について、昨日に続き本日も装備品の調達概要をみてゆきましょう。

Img_4710  前回は航空自衛隊や海上自衛隊の装備が中心で、その削減幅も大きくはなかったのですが、今回の陸上自衛隊装備は大きく概算要求から削られています。憲法九条の下で軍事力と脅威を無いものとして専守防衛を貫く我が国が現実に引き戻されるのは開戦即時本土決戦の瞬間、これで大丈夫なのでしょうか。

Img_16712  誘導弾関連、火器、火砲、車両について陸上自衛隊と航空自衛隊の装備が来年度どれだけ調達され更新されるのかをみてゆきます。全般的に陸上自衛隊の車両は除籍数が調達数を大きく上回っている状況で、これだけの数しか調達できないのならば、生産終了となった装甲戦闘車のような車両を思い切って要求してみては、とも考えます。

Img_3957  誘導弾関連。陸上自衛隊は03式中距離地対空誘導弾が1個中隊215億円で、認められ、新装備の11式短距離地対空誘導弾が1セット要求を3セットに増強され66億円。96式多目的誘導弾システムは12セットが1セットとなり25億円で認可。中距離多目的誘導弾は要求通り12セットが46億円で取得となります。

Img_4225  03式中距離地対空誘導弾は旧式化したホークの後継として配備が進められているものです。改良ホークも改善3型はかなり能力が向上しているとのことなのですが、根本的に新設計の本装備はさらに上を行く装備といえるでしょう。なぜかこの射程のミサイルはこれだという外国製装備が稀有なものです。

Img_2069  11式は81式短SAMの後継装備となるもので、11式として制式化されたようです。96式多目的誘導弾の調達数削減は厳しい結果となりました、甲立つ終了も中距離多目的誘導弾の開発で間近なのがみえるのですが光ファイバー誘導による間接照準射撃が可能で離島防衛には重要な装備です。

Img_1882  中距離多目的誘導弾の調達が開始されたのですが、この任務区分は対戦車隊のように運用するのか、普通科連隊に配備するのか。そして、01式軽対戦車誘導弾はどうなったのでしょうか。戦車が縮小され、他方で日本周辺では機甲脅威と経空脅威が大きい以上、ミサイルに関する調達も重視してしかるべきなのだろう、と考えます。

Img_6851  ただ、まあ、対戦車ミサイルがあれば戦車は不要、という論調が過去に遭ったのですが、これは明確に反対します。ミサイルは木立の中や市街地の電線に安定翼が引っ掛かってしまい、誘導が出来なくなりますので甲初速の直接照準による戦車砲を代替できるものは余りないのですが。

Img_5658  航空自衛隊の誘導弾関連は、ペトリオットミサイルの取得が93億円の要求に対して91億円、この数字にPAC-3は含まれていません。ペトリオットミサイルシステムの改修は今回の防衛予算では要求されず、基地防空用地対空誘導弾が教育用一式の取得が45億円で承認という事になっています。

Img_9238  BMD関連ではペトリオットシステムの改修と定期整備が206億円で認可されました。ペトリオットミサイルはミサイルシステムの新規取得では無くミサイル本体の取得ということでしょう。基地防空用地対空誘導弾は基本的に陸上自衛隊に装備される11式短距離地対空誘導弾を元に開発されたというものです。

Img_5952  ペトリオットシステムの改修は前年度6セットが認可されているのでしょうが、終了した、という事なのでしょうかね。弾道ミサイル防衛関連は航空自衛隊ではPAC-3とデータリンクの方に軸が置かれています、形には現れないものですが、これが達成されるか否かでその能力が発揮できるかが表面化する訳ですね。

Img_1627  陸上自衛隊の火器について。9mm拳銃が137丁0.3億円で満額承認、全年度は1004丁取得されています。89式小銃は10033丁が要求通り29億円で取得、全年度の10012丁とほぼ同数です。対人狙撃銃は91丁が1億円で取得、全年度は105丁でしたのでほぼ同数。

Img_6240  5.56mm機銃MINIMIは265丁の要求に対して212丁を4億円で、前年度は123丁取得されています。12.7mm重機関銃は118丁の要求に対して113丁が6億円、全年度は123丁が認可されてます。機関銃については要求数はかなり認められレイル、といい事が出来ます。

Img_72971  近接戦闘に不可欠の小銃や機関銃は基本的に認可された、と言って差し支えないでしょう。89式小銃は生産数を大幅に増強した上で継続されていますが、まだまだ戦闘支援職種や一部の戦闘職種には64式小銃が残っています。9mm拳銃については、警備用と近接戦闘用にもう少し多くても良いとは思うのですが。

Img_0392  火砲。81mm迫撃砲L-16が5門の要求に対して大幅に下方修正され1門が0.2億円で予算承認。120mm迫撃砲RTが4門の要求に対してこちらも大幅に下方修正されて1門のみが0.4億円で予算承認となりました。99式自走155mm榴弾砲は9門の要求に対して6門が57億円で予算承認前年度は9門が調達されています。

Img_6135  迫撃砲の調達数下方修正が著しいですね、メーカーに対して生産ラインを維持してほしい、というだけの調達数にも見えなくはありません。精度こそ榴弾砲には及びませんけれども、特科火砲に含まれない重迫撃砲は今や普通科連隊の支援火力に欠かせない装備です。

Img_0873  しかし、重迫撃砲は師団普通科連隊では重迫撃砲中隊が編成されているのですが旅団普通科連隊では編成を縮小しているため本部管理中隊に重迫撃砲が配備されています。編成も小さく、火力も小さい、もちろん対戦車中隊もありませんし、これもなんだかなあ、と。

Img_2370  99式自走榴弾砲についても75式自走榴弾砲の除籍が続いており、更新は急務です。しかし、なんといいますか、特科火砲が400門に修正されたのですから、99式自走榴弾砲に集中し全般支援火力を重視し、加えて自走榴弾砲による集中と分散による少数運用を行うべきなのでは、と思ったりもします。

Img_5408  ただ、99式に集中してしまうと特殊大型車両扱いになって移動は夜間だけになってしまいますからFH-70榴弾砲のように74式特大トラックを原型とした中砲牽引車により昼間に堂々と長距離起動できなくなります。・・・、すると重装輪回収車を元にした自走砲を開発、という事になるのでしょうか。

Img_5738  車両。10式戦車16両の要求に対して13両が認可され132億円で調達、全年度と同数です。軽装甲機動車は107両の要求が半減され56両が17億円で、全年度の93両と比べても大幅減です。96式装輪装甲車は要求通り11両が13億円で、しかし全年度の17両とくらべ、かなり縮小されています。

Img_4334  90式戦車の配備数も少なく、74式戦車を置き換えられるのか、という事が問題視されていましたが、それでも最盛期には30両が生産されていた時代もあったはずで、これに対して、生産が開始されたばかりなのですから一概には言えないですけれども、生産数が量産効果に繋がりますので、心配ですね。

Img_8360  74式戦車は50両や70両生産されました。しかし、その分一斉に耐用年数を迎えているのですから急速に数は除籍により縮小されていますから、10式戦車が必要な訳ですけれども、戦車定数が400両に下方修正されたとはいえ、すぐに縮小を完了する必要はなく、逆にいえば数が減った分、質的向上は不可欠な訳ですから、10式も生産数はもう少し考慮されていいのでは、と。

Img_85692  87式偵察警戒車は要求通り1両が3億円で、しかし全年度の3両と比較して縮小。NBC偵察車は11両の要求に対して僅か2両が14億円で認可されたのみ、全年度の初期生産数3両よりも量産数が縮小されました。このほか車両・通信機材・施設機材等が650億円認可。航空自衛隊では軽装甲機動車9両が3億円で認可、全年度の26両にたいしてこちらも大幅削減です。

Img_4117  10式戦車の下方修正は以前からは為されていた事なのですが、軽装甲機動車の大幅削減は普通科部隊の機動運用の足を殺ぐものでして、ヘリコプターの取得数も少ない中、どうやって機動運用を実現させるのか、という事が危惧されるというところでしょうか。

Img_6818  加えて将来装輪装甲車体系の鏑矢となるNBC偵察車が要求11両に対して2両のみ認められた、これでは大量生産により価格を縮減し防衛費の抑制を行う、という目的すら果たせられそうにありません、ううむ、他の装甲車もこれで高価格になってしまわないでしょうか、開発前に早すぎる心配ですが。

Img_3756  装備品は、少数長期間調達を行うよりは短期集中調達を行うのが望ましいのですが、これを行ってしまいますとメーカーのライン維持や消耗品の生産に影響が出てしまいますので、一概にいいとは言えません。すると、極力規格化し、基本部品の相互互換性を高める事ではないでしょうか。

Img_6772  他方で現在は一個師団や一個旅団を毎年近代化する、という方式で陸上自衛隊の装備がある程度近代化されるまでには9個師団6個旅団で15年単位の期間を必要としています。これでは部隊の能力が差異が生じてしまいますので、職種ごとの近代化、大量生産と維持生産のシフトを行ってみるというのも検討してみるべきでしょう。

HARUNA

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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平成23年度防衛予算成立 主要装備の調達数(航空機・艦艇)

2010-12-25 15:12:30 | 北大路機関特別企画

◆防衛予算2011

平成23年度防衛予算が成立しました。予算は一種の法律ですが、概算要求を軸としています。本日は主要装備品に焦点を絞ってみてゆきましょう。

Img_8779  防衛予算の分析について、数回に分けて掲載する予定で、本日、主要装備の調達について航空機と艦艇を提示、明日は火砲やミサイル、装甲車両等の調達状況を紹介する事とします。研究開発や米軍関連その他の部分については、来週以降に掲載予定としています。例によって恐らく、ではあるのですが。

Img_9_933  今年度予算の特色は概算要求の時点で非常に自生的で抑制的な予算要求が行われているのですが、今回はそのなかから更に削減されており、特に陸上自衛隊関連の装備縮減が大きく、艦艇の要求や航空機の要求は概算要求の時点から抑制的でした。延命改修が中心なのですが、こうした予算はあまり長続きしません。

Img_1_0051  航空機、陸上自衛隊について。UH-60JA多用途ヘリは要求3機に対して2機61億円、前年度比マイナス1機。CH-47JA輸送ヘリは要求通り1機60億円、前年度と同じ。戦闘ヘリコプターAH-64Dは1機が認められ53億円、前年度比+1機。新練習ヘリコプターTH-480Bは要求通り28機64億円、前年度比+27機。観測ヘリコプターOH-1は調達が見送られました。

Img_05_33  観測ヘリコプターの調達が終了したのですが、一挙に練習ヘリコプターを更新しますのでこの関係で現状の練習ヘリコプターOH-6を観測ヘリコプターに戻して対処するのか、もしくは来年度以降新観測ヘリコプターの取得開始かOH-1の生産再開を検討するのか。

Img_13726  AH-64D戦闘ヘリコプターの調達再開は注目ですが、中期防を見た限りでは数機程度の生産に終わるようです。こちらもAH-1Sの後継機をどうするのかという問題になっていまして、富士重工が生産ラインを整備した途端に生産終了を一方的に迫った事での損害賠償を避けることが目的の調達です。

Img_18990  ところで、UH-Xはどうなるのでしょうか、航空自衛隊の次期救難ヘリでは無く陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプター、UH-1Jの後継のはなしです。調達数を見る限りUH-60に一本化する方針でもないようですし、一括発注を行ったUH-1Jの次の機体は、開発中のようですが、こちらもそろそろ期限が迫っています。

Img_5_989  航空機、海上自衛隊はP-1哨戒機3機が544億円で調達、前年度比+2機。哨戒ヘリコプターSH-60Kは4機要求が3機に縮減され179億円。掃海輸送ヘリコプターMCH-101は調達再開で要求通り2機が122億円。初等練習機T-5は要求通り5機が12億円、前年度比+1機。練習ヘリコプターTH-135は要求通り2機が12億円、前年度比+1機。加えて延命改修にP-3Cが1機6億円、延命改修でSH-60Jが2機6億円。

Img_5_110   P-1哨戒機は年間取得数がもう少し多く見積もられていたはずなのですが生産数を縮減した事でライン維持費等が重なり価格は3機で544億円に達しています。またSH-60Kの生産数も縮小されたため、結局航空機の延命改修を行う必要に見舞われました、消耗部分を更新して寿命を延長するのです。

Img_2626_1  航空機の耐用飛行時間は明示されているので延命改修を行わなければ飛ぶ事も法的に許されない訳です。US-2救難飛行艇ですが、こちらの取得はどうなるのでしょうかね。生産は予備部品を生産する下請けの維持との密接な関係にありますので、このあたりは重要な点です。

Img_8_900  航空機、航空自衛隊はF-15近代化改修が要求通り8機が112億円。F-15自衛能力向上が要求通り2機が47億円。F-2支援戦闘機の空対空能力向上は3機の改修と改修用新レーダー36基が要求通り102億円。F-2支援戦闘機へのJDAM運用能力付与が12機分21億円で承認。

Img_7_346  次期輸送機C-2の生産が開始され2機が374億円で要求通り。新救難ヘリコプターUH-X、UH-60Jの改良型なのですがこの調達が開始され3機123億円が全額承認。CH-47JA輸送ヘリ、E-767の能力向上、E-2Cの性能改善は要求されませんでした。こちらは完了したのでしょうか。

Img_6_6091  航空自衛隊の航空機については能力向上が基本で新規調達は余り行われていないところが特色です。練習機、戦闘機、支援戦闘機ともに取得は無し、航空自衛隊全体で新規取得航空機は5機ですから、これでは防衛産業の特に下請けで部品を生産する企業が廃業か撤退、というのも納得です。

Img_0_193  キンダ化改修が軸に置かれているのが今年の予算の特色でしょうか、もしくは難題の先を栗を強いられた、とも。C-2輸送機の量産は開始され、2機が374億円、これももう少し調達数を増強しなければ、と思うのですが、加えてUH-XとしてのUH-60改良型生産が開始されます。

Img_8723  しかし、C-2にしてもP-1にしても一定数を量産しなければ量産効果は出無い訳で、加えて航空機には寿命があり現用機の代替はいずれ必要になります。先送り先送りにしていますとF-4後継機は勿論、F-15後継機、T-4後継機、E-2C後継機と一挙に取得する事にもなりそうですが予算は大丈夫なのでしょうか。

Img_6_945  海上自衛隊の艦船では、潜水艦1隻が546億円で要求通り、掃海艇1隻が159億円で要求通り取得。護衛艦の新造は無し。はつゆき型護衛艦の艦齢延長が1隻7億円、あさぎり型護衛艦の艦齢延長改修1隻と改修部品3隻で87億円が要求通り。とわだ型補給艦の艦齢延長が1隻12億円。

Img_5_725  むらさめ型の短SAMシステム機能向上は終了で、エアクッション艇延命措置の用品1式が1億円で要求です。あさぎり型ですが、三隻分の予備部品を今年度調達して、この予備部品を持って来年度に三隻の延命改修を行う、という事になるようです。延命ですので能力向上などは行われません。

Img_7_001  海上自衛隊の護衛艦建造は認められませんでした、これにより旧式化した、はつゆき型護衛艦の代替艦を建造できない事で延命改修が行われ、あさぎり型の延命改修も行われます。本来は平成23年度護衛艦として、はつゆき型の後継に中型の護衛艦の大量建造が開始される事となっていました。

Img_6_2833  それならば、はるな、や、はつゆき、の除籍をもう少し待って、来年除籍予定の、ひえい、とともに、はるな型2隻を練習艦に充当して練習艦隊の汎用護衛艦を現役に復帰させても良かったと思うのですが。潜水艦は要求通り1隻の建造が認められ、掃海艇はFRP船体の採用により耐用年数が増大した事で1隻のみの建造となりました。

HARUNA

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クリスマスイヴ特集 佐世保基地・長崎・呉基地の夜景2010

2010-12-24 23:44:22 | 北大路機関特別企画

■日常風景の海上イルミネーション

本日はクリスマスイヴということで、夜景の写真を紹介です、といっても先日九州で撮影したものなのですがね。

Img_2237 佐世保基地、日米合同演習を終了して九州沖縄方面から母港に戻る途中の艦艇を撮影、ということが考えていたのですけれども、早々うまくはいかないもの、土曜日に佐世保に到着したのですが日曜日の早朝に三隻が出航してゆきました、当初は日曜日の朝に足を運ぶという計画ではありました。

Img_21731  朝、といっても午前中というくらいの範疇で佐世保に行くことを考えていたのですが、急遽、といいますか宿を予約して何気なくいってみることに。するとホテルの窓から佐世保基地がはっきりと見えるではありませんか、12年ぶりの佐世保基地なのですがとにかく見えた以上はカメラを手にもっと近くから、といっても基地には入ることが出来ないのですけれども、みてみました。

Img_2208  昔立ち寄った定食屋さん、漁師の店っぽいようなそういう昔ながらの定食屋さんをその最中に一生懸命さがしてみたのですが、確かその店の駐車場から沖止めの護衛艦あさぎり、今は練習艦になっていますけれども151の番号がはっきりと見えたのを覚えています、ちょうど真夏の晴れた日でした。

Img_2198  12年前はそののちに佐世保基地を見学しまして、立神桟橋に停泊しているミサイル護衛艦さわかぜ、を見学しました。記憶をたどって探してみた簿ですが、翌日も頑張っては見たものの、見つかりませんでした。再開発地区になってしまったのでしょうか、聞いて回ったりしたのですが、気になる、今度もう一度足を運んでみたいですね。

Img_2249  思えばわずか12年というところなのかもしれませんが、初めて見学した護衛艦は今年春に横須賀で最後の護衛艦隊直轄艦として任務を全うして自衛艦旗を返納、短いようで長いのか、と。当時は144くらま、も遠くに見えたのですが、1998年といえば、はるな、がまだ佐世保を母港としていた頃、しかしみなかったように記憶します。

Img_2242  くらま、佐世保基地にいました、当時から佐世保を母港としている護衛艦というと、あとは、こんごう、と、汎用護衛艦の何隻か、かな。こんごう、も艦齢17年、近代化改修をおこわなければ後7年、というところですか、一部で言われているという大型DDG計画は、イージス艦の後継なのでしょうかね。さて、夜景特集なので翌日の佐世保散策は割愛です。

Img_0492  長崎、そうです長崎で護衛艦こんごう、きりさめ、何隻か入っていたのを12年まえにみました。今回は最新鋭の護衛艦あきづき、この新型艦を昔と同じ場所から眺めよう、ということで足を運びました。場所というのはグラバー園、長崎駅から路面電車で一回乗り換えて、あとはエレベータを使って入園。

Img_2654  クリスマス期間中ということでいつもよりも開園時間が長くなっているのが夜景で長崎、そして護衛艦あきづき、を撮影しようということでは好都合。多くは龍馬伝ブームに乗って足を運んだ、ということなのでしょうけれども一人だけ当方、新型護衛艦を撮影していました。

Img_2692  グラバー園からは造船所を見降ろすように俯瞰風景に入れる事が出来ます。幾人か、なるほど隣は造船所か、と気づいた人はいたのですが当方足を運んだ時間帯は、護衛艦を撮影にきている人はいなかったようで、しかし坂本龍馬が魂をかけた海軍、その最新鋭艦が長崎で建造中ということにはなにか縁を感じますね。

Img_2693  俯瞰風景と行っても距離はかなりあります。ちょうど超望遠レンズがあったのですが、残念ながら三脚の準備はなかったので、依託射撃というか、何かの上にカメラを置いて撮影、というほうしきをとりました。シャッターを押した瞬間のブレは連続撮影で二枚目を本命にしてカバーします。

Img_2718  隣に10000tの護衛艦あしがら、が定期整備で入っていましたので、満載排水量で7000t、といっても少し小さく感じる、あきづき。しかも照明が、あしがら、のほうに集中しているのでどうしても暗いシルエットばかり、いっそ、とISO12800の極超高感度で撮影してみたのですが、画面が荒くなるばかりで。

Img_2720  実は明るい時間帯の撮影も行っているのですが、前日佐世保で夜景を撮ったことを思い出して、という流れ。つまり二回グラバー園に入って撮影しました。それでもなかなか雰囲気は出てますよね。それにしても、かさばっても小型三脚というのは必要なのだ、と毎回の事ですが今回も痛感です。

Img_2989  最後に呉基地です。佐世保基地が米軍ばかりだったので海上自衛隊沖地、ということで九州から京都へ戻る途中、広島で途中下車しました。そして呉線に乗り換えて。快速電車が早いそうなのだけれども残念ながら普通電車、40分ほどかけて呉基地のある呉へ。

Img_3027  護衛艦ひえい、を最後に一枚でも撮影したいというのが本心なのですが、米軍には日本防衛において世話になっているのですけれどもやっぱり独自防衛力には憧れる、それならば海上自衛隊が中心の呉基地をみよう、ということです。米軍の施設は呉にもあるのだけれどもホントに小さいのですよ。

Img_2982  そこで呉基地散策です。潜水艦はかなりの数が出航してしまっていたのですが、ひえい、は戻っていました。日米合同演習に、はるな型のシルエットが集合写真にはいっていたのですが、すでに呉基地に戻っていたようですね。いよいよ来年は最新鋭、護衛艦いせ、に任務を託し除籍されることになります。

Img_2935  ひえい、マック部分のファンネルの形状が一番艦はるな、とずいぶん違うので、はるな、を見慣れれば別の艦だとすぐにわかってしまうのですが、しらね、くらま、よりもその面影を見いだすことが出来ます。古いのかもしれないけれども、航空練習艦とかに種別変更して維持できないのかな、と毎回。

Img_3032  実はこの時間でも露光時間を調整すれば昼間に撮った写真のように仕上げることも出来るのですが、佐世保、長崎と夜景を撮ったのですから呉基地の夜景もほしいではありませんか、ということでこういう写真にしました。これ、夕暮だとけっこう露出値を調整するとできてしまう裏わざです。

Img_3042  串山公園というところから俯瞰風景に護衛艦を写真に収めることが出来るのですが、最初に撮影したのがその場所、そこから、アレイからすこじまへ向かって移動しましたのですが急な階段がありまして、そしてトーチかや通気口といった呉要塞地帯を思い出させる立地を通過してゆきました。

Img_3037  再度そこから夜景を撮影するにはもう一度上ってゆく必要があるのですが、本当に急な階段でして暗い時間帯、しかも雨が降っていましたので断念しました。いや、急な階段というのは慣れているのですが、それにしても高低差があるので転落したらえらい事に、カメラバックも重かったですし、安全第一の選択。

Img_30291  しかし、呉基地の夜景、といえる写真は撮影できましたので満足です。そんな感じでクリスマス特集に艦船の夜景を載せてみました。電灯艦飾ではなく、普通の常夜灯ですが、こういうふうに写る、基地の街では日常の風景なのですが、改めて写真にしてみると、なかなか綺麗です。

HARUNA

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平成二十二年度十二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報4 舞鶴年末年始一般公開

2010-12-23 23:27:29 | 北大路機関 広報

◆舞鶴基地一般公開情報

 本日は天皇誕生日、自衛隊では旗日として満艦飾で奉祝を行います。

Img_3884  それでは今週末の自衛隊関連行事、正確には年末の舞鶴基地一般公開に関する紹介を本日の記事とします。自衛隊記念行事は年末年始という事で部隊創立記念行事や基地一般公開等も行われないのですが、舞鶴基地だけは一般公開が行われ、かつて護衛艦はるな、が現役の頃、当方も大晦日に舞鶴基地を見学したものです。

Img_1768  舞鶴基地一般公開は12月25日土曜日、26日日曜日、そして12月31日金曜日と2011年1月1日土曜日、1月2日日曜日、1月3日月曜日が一般公開となります。北吸桟橋と海軍記念館が一般公開となり、舞鶴航空基地の一般公開は行われませんのでご注意ください。舞鶴市役所駐車場からの舞鶴遊覧船は冬季運休中となっています。

Img_3825  大晦日となりますと護衛艦の前には角松が飾られます。この角松は舞鶴地方隊HPによれば隊員による手作りで、年末餅つき大会とともに造られたものとのことです。護衛艦と角松、これも中々見る事が出来ない、不思議な光景として記憶に残ります、が、意外と大晦日の見学者は少ないのも印象。

Img_3224  満艦飾と護衛艦、という情景も遠景では無く間近に見学することは中々出来ないのですけれども、それでも角松と護衛艦は年末年始だけの情景ですからね。このほか、大晦日でも一般公開の日には売店も営業していまして、正月用のお土産を基地の中で買ったように記憶します。

Img_3049  クリスマスの25日、舞鶴基地は一般公開されるのですが、ちょうど日本海側は大荒れ、積雪と荒天と予報があります。こういう中で知人一行は雪景色と舞鶴基地を撮影するべく長躯展開を計画されているとの話を聞きましたが・・・、ええと、一定の覚悟と相応の準備は必要かな、というのが経験者の感想。

Img_7850  舞鶴基地に練習艦隊入港、ということで雪の荒天を押して山陰線と舞鶴線を乗り継ぎ行った事があるのですが、綾部で積雪102センチという物凄い状況になりまして、雪が叩きつけて真っ白な183系と行き違い、倒竹を頑丈な113系が押し出してなんとか東舞鶴駅に到達したのですが、そこからが凄い。

Img_8454  物凄い積雪で、新雪に足跡を残すという状況、除雪は全く行われず車の轍を歩こうとすると後続の乗用車に押し潰されそうになるので、雪の進軍氷を踏んで♪という中を何とか進んだのですが、吹雪により視界不良でミサイル艇が眼下を入港してゆくのに艦番号も読み取れないというほどの悪天候、日本海側を甘く見てた。

Img_8486  雪景はるな。一瞬の天候回復を偶然出会った舞鶴市役所の駐車場からそのまま撮影。苦労は写真には映らないのですが、半長靴にカンジキを噛ませて持って行くべきだった、と。駅前でタクシー拾えば、と思われるかもしれないけど出払っていたんですよね。タクシーで移動すれば出会えない光景でもあったんですが。

Img_7534  良い写真が撮れました・・・、東舞鶴駅で電車を待っているとものの数十秒で突如強まった吹雪に手ホームが冗談抜きに真っ白になりまして、そして帰路運転停車90分とか、雪で電車が止まりました。足を運ばれる方は十分な注意と情報収集と準備と心のゆとりをお持ちください。

HARUNA

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小笠原諸島父島でマグニチュード7.4の地震 津波警報が発令中

2010-12-22 03:34:24 | 北大路機関 広報

◆小笠原諸島に津波警報

 本日0220時、小笠原諸島の父島近海を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生しました。

Img_5298  震源はフィリピン海プレート上の深さ10kmと比較的浅い震源で、これにより小笠原諸島では震度四の揺れが観測されました。これにより気象庁は小笠原諸島に津波警報、東京都・神奈川県から沖縄県の太平洋岸の広い地域に対して津波注意報を発令して警戒を呼び掛けています。最大で1㍍の津波が到達する危険性があるのですが、湾の入り江や海岸地形、海底地形によっては局地的にこれよりも広くなる可能性があります。

Img_7543  津波は既に第一波が到達しているとのことですが津波は繰り返し襲来します。現在のところ地震による被害や津波による被害は出ていませんが警戒が必要です。小笠原諸島はフィリピン海プレートと太平洋プレートの境界線上にあり、この地域は深度100km程度の大深度での地震発生は観測されるのですが、今回のような10kmという浅い震度での地震発生は稀有とのことで、海底での隆起と沈降運動により津波が発生するとのことです。

Img_2548  追記:父島東北東130km、正断層型地震で、東京都小笠原村において最大深度4、東京都から北海道まで震度2から1を観測しています。小笠原諸島の警報は津波の警報状況などにより気象庁では津波警報を0358時には津波注意報に切り替えられました気象庁では津波警報発令中は高台の避難所へ避難する事を、津波注意報発令中では沿岸に近寄らないように呼びかけていますが、0358時、津波警報は津波注意報に切り替えられました。

Img_7427  余震、0330までに有感地震では震度1の余震が一回観測されました。津波の観測状況は父島で最大30センチ、そのほかに神津島で10センチの津波を観測しているとのことです。第一波よりもその後の後続波が大きくなる事があり、警戒が必要です。本州太平洋沿岸を中心に東北北海道にかけて震度1,2を観測していますが西日本では震度を観測していないため、地震が太平洋プレートにおいて発生した可能性があるとのことです。

Img_3077  正断層型地震とは引っ張りの張力により発生する地震のことで、伊豆小笠原海溝沿いに発生しており、プレート境界による地震というよりは太平洋プレートの中で生じた、という可能性が指摘されています。過去には歴史地震を含めこの海域の地震では大規模な津波が観測された地震は発生していないと気象庁は発表しております。今回の震源は太平洋プレートがフィリピン海プレートにもぐりこむ場所により発生した地震で、プレート境界では深度600kmや700kmという大深度の地震が発生する地域となっています。0415時時点で被害情報が無いので、いったんここで追記を終了します。◆

北大路機関

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