■防衛フォーラム
防衛装備庁技術シンポジウムの話題を今週も紹介しましょう。

防衛装備庁の次期潜水艦のイメージについて。防衛装備庁が開催した防衛技術シンポジウムにおいて、イメージ図が発表されています。ただ、防衛装備庁の方の説明ではイメージ図は先進的なイメージを添付していますが、これはあくまでイメージ図であり、この形状の施策を行っているわけでは無い、としています。動力は通常動力だ。

次期潜水艦のイメージ図ではセイル部分が船体後方に配置され、従来とは一新した形状となっていますが、反撃能力整備の一環として巡航ミサイルのVLS垂直発射装置が追加されるため、現在の潜水艦形状と比較した場合でも、やはり船体形状は大きく変わると防衛装備庁職員は解説しています、そしてもう一つ、電池の位置が変わる。

蓄電池は従来、縦置きに配列されていましたが、潜水艦は円筒形の船体であることからどうしても利用しない空間が生じており、これを横に並べることで高密度化をはかり航続距離延伸を目指すという。ただ、横に積むことにより従来と比較し、火災が発生した場合の消火が難しくなる難点があり、防衛装備庁は今後この課題に取り組むという。■

防衛装備庁の次期潜水艦能力について。防衛装備庁が主催した防衛技術シンポジウムにおいて、防衛装備庁は潜水艦にさらなる新機軸を目指すという、具体的には主蓄電池の小型化と高エネルギー化で、その手段として蓄電池ラックを新型化し、今後取り組む蓄電池の横置きについて万一のさいに懸念される火災発生時の延焼防止を図るとのこと。

単電池についてはリチウムリッチ系電池、現在のコバルト酸リチウムイオン電池を更に高エネルギー化するべくリチウムイオンの含有量を多くできる正極活物質を選定することで、リチウムイオン電池の小型化と高エネルギー化を促進するという。この単電池をモジュール化し、潜水艦船体の曲線に空白のデッドスペース無く敷き詰めることをめざす。

新型電力変換システムを加えて採用し、機器の小型化により電力変換効率を向上させるとしています。電池についてはやはり、火災発生時の類焼防止をどのように取り組むかが課題ということで、電池ラック開発の重要性がおおきいとのこと。これらの装備開発は艦艇装備研究所の艦艇ステルス技術研究部動力研究室が主導しているとのことでした。■

防衛装備庁は潜水艦のさらなる静粛化を模索しています。具体的には艦艇用磁気ギアードモーターを研究している、これは永久磁石同期モーターと磁気減速機構を組み込んだモーターをめざしており、高速ローターと低速ローターのポールピース、つまり軸の接続部分、ここを磁石で引きつけあうことで低速ローターの減速をおこなうという。

機械ギアを省略することにより、どうしてもその接続部分で生じていた雑音を根本から低減できるという。電磁鋼板積層体からなるホールピースを採用し、鉄心の高速ローターを磁石で包むことで、高速ローターを回転させるとともに磁力の調整によりローター同士が磁気により引き合うこととなり、軸を同じくする低速ローターの回転を制御する。

磁気ギアードモーターは世界でも実用例はないものの、潜水艦のみならず水上戦闘艦や鉄道に自動車といった動力部分へ応用が可能とされています。潜水艦はこうした動力部分の静粛化を目指すとともに船体形状も、イタリアの哨戒艦のような艦首形状を二重化することにより流体形状の向上など、さまざまな形状が研究されているとのことでした。■

防衛装備庁の将来潜水艦イメージ図のポンプジェットについて、このイメージ図はイメージで有り具体的なものでは無く紹介するものは蓄電池やモーターなどの技術が中心であると説明されていましたが、潜水艦の推進装置について、プロペラ全体を覆うポンプジェット推進装置が描かれていた点が特筆すべき点かもしれません。

ポンプジェット推進装置は、スクリュープロペラが直接海水に接しないため、高速回転するスクリューが攪拌により気泡を発生させ水中ノイズを発生させる構造的な問題があり、その解決策として推進装置を覆うポンプジェット推進技術が開発されていますが、これはエネルギー効率が悪く、バッテリーにより駆動する通常動力潜水艦には厳しい。

ただ、防衛装備庁はバッテリー搭載の効率化やバッテリーモジュールの能力向上を目指しており、これにより通常動力潜水艦でもエネルギー効率以上に静粛性を重視するポンプジェット方式を採用させ能力を向上させる選択肢を模索している点がうかがえる一方、イメージ図であるために単に先進的な形状を選定した可能性もまた、あります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
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防衛装備庁の次期潜水艦のイメージについて。防衛装備庁が開催した防衛技術シンポジウムにおいて、イメージ図が発表されています。ただ、防衛装備庁の方の説明ではイメージ図は先進的なイメージを添付していますが、これはあくまでイメージ図であり、この形状の施策を行っているわけでは無い、としています。動力は通常動力だ。

次期潜水艦のイメージ図ではセイル部分が船体後方に配置され、従来とは一新した形状となっていますが、反撃能力整備の一環として巡航ミサイルのVLS垂直発射装置が追加されるため、現在の潜水艦形状と比較した場合でも、やはり船体形状は大きく変わると防衛装備庁職員は解説しています、そしてもう一つ、電池の位置が変わる。

蓄電池は従来、縦置きに配列されていましたが、潜水艦は円筒形の船体であることからどうしても利用しない空間が生じており、これを横に並べることで高密度化をはかり航続距離延伸を目指すという。ただ、横に積むことにより従来と比較し、火災が発生した場合の消火が難しくなる難点があり、防衛装備庁は今後この課題に取り組むという。■

防衛装備庁の次期潜水艦能力について。防衛装備庁が主催した防衛技術シンポジウムにおいて、防衛装備庁は潜水艦にさらなる新機軸を目指すという、具体的には主蓄電池の小型化と高エネルギー化で、その手段として蓄電池ラックを新型化し、今後取り組む蓄電池の横置きについて万一のさいに懸念される火災発生時の延焼防止を図るとのこと。

単電池についてはリチウムリッチ系電池、現在のコバルト酸リチウムイオン電池を更に高エネルギー化するべくリチウムイオンの含有量を多くできる正極活物質を選定することで、リチウムイオン電池の小型化と高エネルギー化を促進するという。この単電池をモジュール化し、潜水艦船体の曲線に空白のデッドスペース無く敷き詰めることをめざす。

新型電力変換システムを加えて採用し、機器の小型化により電力変換効率を向上させるとしています。電池についてはやはり、火災発生時の類焼防止をどのように取り組むかが課題ということで、電池ラック開発の重要性がおおきいとのこと。これらの装備開発は艦艇装備研究所の艦艇ステルス技術研究部動力研究室が主導しているとのことでした。■

防衛装備庁は潜水艦のさらなる静粛化を模索しています。具体的には艦艇用磁気ギアードモーターを研究している、これは永久磁石同期モーターと磁気減速機構を組み込んだモーターをめざしており、高速ローターと低速ローターのポールピース、つまり軸の接続部分、ここを磁石で引きつけあうことで低速ローターの減速をおこなうという。

機械ギアを省略することにより、どうしてもその接続部分で生じていた雑音を根本から低減できるという。電磁鋼板積層体からなるホールピースを採用し、鉄心の高速ローターを磁石で包むことで、高速ローターを回転させるとともに磁力の調整によりローター同士が磁気により引き合うこととなり、軸を同じくする低速ローターの回転を制御する。

磁気ギアードモーターは世界でも実用例はないものの、潜水艦のみならず水上戦闘艦や鉄道に自動車といった動力部分へ応用が可能とされています。潜水艦はこうした動力部分の静粛化を目指すとともに船体形状も、イタリアの哨戒艦のような艦首形状を二重化することにより流体形状の向上など、さまざまな形状が研究されているとのことでした。■

防衛装備庁の将来潜水艦イメージ図のポンプジェットについて、このイメージ図はイメージで有り具体的なものでは無く紹介するものは蓄電池やモーターなどの技術が中心であると説明されていましたが、潜水艦の推進装置について、プロペラ全体を覆うポンプジェット推進装置が描かれていた点が特筆すべき点かもしれません。

ポンプジェット推進装置は、スクリュープロペラが直接海水に接しないため、高速回転するスクリューが攪拌により気泡を発生させ水中ノイズを発生させる構造的な問題があり、その解決策として推進装置を覆うポンプジェット推進技術が開発されていますが、これはエネルギー効率が悪く、バッテリーにより駆動する通常動力潜水艦には厳しい。

ただ、防衛装備庁はバッテリー搭載の効率化やバッテリーモジュールの能力向上を目指しており、これにより通常動力潜水艦でもエネルギー効率以上に静粛性を重視するポンプジェット方式を採用させ能力を向上させる選択肢を模索している点がうかがえる一方、イメージ図であるために単に先進的な形状を選定した可能性もまた、あります。
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