一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

「将棋世界」6月号の比較

2020-05-22 00:07:52 | 将棋雑記
4月開幕の名人戦と叡王戦七番勝負が延期になった時、「将棋世界」の編集はどうなるんだと思った。
言うまでもないが、タイトル戦の詳報は記事の目玉である。たぶん数十ページに上るはずで、それがゼロになるのは相当の痛手だ。
むろんほかの記事を充てるしかないが、それはタイトル戦並みの魅力あるものでなければならない。これは編集部の力の見せ所である。
該当号は6月号(5月売)。配送されてきて、私は興味深く見た。
その前に、2018年・2019年6月号のおもな記事を確認しておこう。

●2018年6月号
表紙:羽生善治竜王
(カラー)第15回詰将棋解答選手権・チャンピオン戦 藤井聡太六段4連覇(1頁)
(カラー)第76期名人戦第1局 佐藤天彦名人VS羽生善治竜王 小暮克洋(12頁)
(カラー)第3期叡王戦第1局 金井恒太六段VS高見泰地六段 相崎修司(9頁)
(カラー)第43期棋王戦五番勝負総括 渡辺明棋王(12頁)
(カラー)「泣き虫しょったんの奇跡」映画化!(1頁)
(カラー)第45回将棋大賞表彰式・昇段者免状授与式(1頁)
(カラー)第29期女流王位戦挑戦者・渡部愛女流二段(3頁)
(カラー)第11期マイナビ女子オープン第1局開幕(2頁)
熱局プレイバック プロ棋士が厳選したベストバウト10+1! 大川慎太郎(30頁)
第45回将棋大賞選考会(4頁)
平成29年度全棋士成績(2頁)
第24回升田幸三賞・第12回名局賞選考会(7頁)
特集 対ゴキゲン中飛車一直線穴熊 青嶋未来五段、斎藤明日斗四段(13頁)
第5回 最新型はサトシにお任せ 高野智史四段(9頁)
新連載 潮流が生まれるとき 千田翔太六段(2頁)
第67回NHK杯決勝 稲葉陽八段VS山崎隆之八段 古川徹雄(6頁)
第11期マイナビ女子オープン第1局 加藤桃子女王VS西山朋佳奨励会三段 田名後健吾(10頁)
第44期女流名人就位式(2頁)
カロリーメイトとカロリーナ・ステチェンスカ女流1級が栄養サポート契約(2頁)
藤井聡太、記録への道(5頁)
第15回詰将棋解答選手権・チャンピオン戦レポート 渡部壮大(7頁)
リレー自戦記・プロの思考 三浦弘行九段(8頁)
かりんの振り飛車WATCH(最終回)伊藤かりん 戸辺誠七段(7頁)
熱闘!羽生将棋 君島俊介(2頁)
第22回全国高等学校将棋女子選抜大会(3頁)
(連載記事は3本休み)

●2019年6月号
表紙:佐藤天彦名人、豊島将之二冠
(カラー)「師弟」石田和雄九段×高見泰地叡王 野澤亘伸(14頁)
(カラー)第4期叡王戦第1局は挑戦者戦勝!(2頁)
(カラー)第77期名人戦第1局 佐藤天彦名人VS豊島将之二冠 小暮克洋(13頁)
(カラー)第12期マイナビ女子オープン第1局 西山朋佳女王VS里見香奈女流四冠 田名後健吾(11頁)
(カラー)あつまれ!描く将(2頁)
第44期棋王戦第4局 渡辺明棋王VS広瀬章人竜王 自戦解説・渡辺棋王(11頁)
第4期叡王戦第1局、第2局 高見泰地叡王VS永瀬拓矢七段 泉正樹八段(9頁)
熱局プレイバック プロ棋士が厳選したベストバウト10! 大川慎太郎(25頁)
清廉―八木下征男と八王子将棋クラブの四十一年―(第4回)北野新太(6頁)
第68回NHK杯決勝 羽生善治九段VS郷田真隆九段(8頁)
第45期女流名人就位式(2頁)
第46回将棋大賞選考会(3頁)
平成30年度全棋士成績(2頁)
第25回升田幸三賞・第13回名局賞選考会(8頁)
特集 新時代のミレニアム 三浦弘行九段(12頁)
定跡最前線パトロール「ミレニアム」石田直裕五段(9頁)
強者の視点―棋士たちの藤井将棋理論― 斎藤慎太郎王座(10頁)
第16回詰将棋解答選手権・チャンピオン戦レポート 相崎修司、渡部壮大(7頁)
田中誠の将棋界炎上マーケティング(2頁)
〝将棋めし〟いま、むかし 小笠原輝(1頁)
名人たちの譜跡 田丸昇九段(2頁)
(連載記事は4本休み)

こんなところ。名人戦+叡王戦で、2018年は21頁、2019年は24頁使っている。この不足分をどう補うか。
また棋王戦五番勝負は、今年は決着局を5月号で掲載してしまったので、その穴埋めもある。
さらに、詰将棋解答選手権・チャンピオン戦も中止になった。こうしてみると、かなりの記事の補充が必要となる。

●2020年6月号
表紙:藤井聡太七段
(カラー)「師弟」桐山清澄九段×豊島将之竜王・名人 野澤亘伸(14頁)
(カラー)第13期マイナビ女子オープン第1局(2頁)
(カラー)あつまれ!描く将(2頁)
(カラー)第69期王将戦第7局 渡辺明王将VS広瀬章人八段 小暮克洋(12頁)
第69期王将戦総括 渡辺明王将 広瀬章人八段 小暮克洋(6頁)
第13期マイナビ女子オープン第1局 西山朋佳女王VS加藤桃子女流三段 荒井勝(8頁)
戦国順位戦[番外編] 泉正樹八段(8頁)
第69回NHK杯決勝 深浦康市九段VS稲葉陽八段 雨宮知典(7頁)
追跡!藤井聡太2020(第1回)(15頁)
熱局プレイバック プロ棋士が厳選したベストバウト10+α! 大川慎太郎(32頁)
月刊B級ファン(第1回)美馬和夫(7頁)
我が将棋人生(第22回)中原誠十六世名人(5頁)
特集 力と技の玉頭戦 門倉啓太五段(17頁)
第47回将棋大賞選考会(3頁)
令和元年度全棋士成績(2頁)
第26回升田幸三賞・第14回名局賞選考会(8頁)
エルモ囲いを指してみよう 北島忠雄七段(6頁)
リアルタイムバトル将棋ONLINE(4頁)
田中誠の将棋界なんでもマーケティング(2頁)
〝将棋めし〟いま、むかし 小笠原輝(1頁)
先達たちの譜跡 田丸昇九段(2頁)
「第2回詰将棋創作キッズチャレンジ」作品大募集!(2頁)

2020年6月号は、第69期王将戦が第7局までもつれたため、この記事をたっぷりと書くことができた(前期は4局で終了していた)。総括も含め、実に18頁になった。
ただカラーページは減少し、1折(16頁)なくなった。
あとは、藤井七段モノの短期連載が始まった。困ったときの藤井七段、というべきか。
さらに泉八段の臨時エッセイが入り、分量的にはこれで安全圏であろう。
また「熱局プレイバック」は、番外編を充実させ、例年より増量されていた。
さらに今年は、昨年は休載した中原誠十六世名人「我が将棋人生」が掲載された。
なお別冊付録は3年とも、勝又清和教授の「新手年鑑」だった。
編集長の田名後氏は編集後記で「(コロナ禍を)補って余りあるほど充実した内容にしました」と書いた。実際その通りで、例えば実戦譜は、30局も掲載されていた。つまりこの1冊を精読すれば、かなり勉強になるということだ。

7月号は引き続き厳しく、進行中のタイトル戦はマイナビ女子オープンのみ。ただ特別企画で、勝又教授の「対振り飛車戦法の変遷」がある。久しぶりの講義が楽しみである。
コメント
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