一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

十九たび大野教室に行く(前編)・緩めていただく

2012-02-19 12:22:57 | 大野教室
きょう19日(日)のNHK杯将棋トーナメントの棋譜読み上げは、藤田綾女流初段だった。綾女流初段、目もとのメイクを少し変えたんじゃないか? ますます綺麗になった。今回の女流棋士ファンランキングでは8位だったが、もう少し上でもよかったと思う。

18日(土)は埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。前回は2週間前だったからいつもの間隔なのだが、ずいぶん久しぶりの感じがする。旅行を挟んだからだろう。
午後1時25分に教室に入る。大人2人、未成年4人が大野八一雄七段に指導対局を受けていた。室内には新たにテーブルが備えられていた。
奥の部屋に入ると、植山悦行七段がW氏、未成年に指導対局を行っていた。W氏が将棋を指しているとは珍しい。
私は植山七段に御礼を言う。もう私は、植山七段に頭が上がらなくなってしまった。早速植山七段に角落ちで指導対局をいただく。
植山七段は、△6二銀~△6四歩~△6三銀。それならと私は▲5五の位を取り、中飛車に構えた。
このあと▲4五歩と仕掛ける手が見えたのだが(△同歩は▲5四歩が、△3三桂取りと▲5三歩成を見て下手勝ち)見送り、持久戦模様となった。
植山七段に1歩を持たれ、△8二飛と戻ったときに私が▲8八飛と受けなかったので、植山七段に△8六歩から△8九飛成と侵入され、具合が悪くなった。
この間、Sai氏、Is氏と相次いで来席。きょうも満員の予感である。
植山七段は△1五歩の端攻めだが、感想戦では、これが早かったらしい。私は▲同歩。△1七歩の垂らしにも▲同玉と取って、動じない。植山七段は香を補充して△9九竜だが、竜が8筋から外れたので、私は▲6五歩(打)。これが植山七段に絶賛された好手だった。もし△6五同歩なら、▲同飛(△6三金取り)△6四歩▲8五飛で、次の飛車成りが約束され、下手勝ち。
これを取れない植山七段は△6一香の辛抱だが、私は▲6二歩から▲8四角と飛び出して、おもしろい形勢になったと思った。
最後は、上手△2一香△2三桂△3二王△3三桂△3四歩△4二金△4三銀△4四歩△5二歩、下手▲2四銀▲5四歩▲5六飛▲6二成桂▲6四馬・持駒金香歩3…の局面で、私は▲4二馬。以下△同王▲5三金△3二王▲4三金△同王▲5三歩成△同歩▲5二銀△3二王▲4三金、まで、私の勝ちとなった。
今年の大野教室ではこれでやっと3勝目。うち2勝は植山七段からである。植山七段にはいつも癒していただいている。
「ほかの人とやるときも、ちゃんと指してくださいよ」
と植山七段。もとよりそのつもりなのだが、どうも結果が伴わない。
ここで3時休み。先ほど来席したHon氏と表へ出て、人生を語り合う。W氏、植山七段も現れ、北海道旅行の土産話などをしているところへ、MizumoちゃんとMinamiちゃんが姿を見せた。大野教室は女子生徒の比率が高い。Mizumoちゃんは将棋に関心がないようだが、場の雰囲気に慣れて、将棋を始めてくれればうれしい。
対局再開。大野七段に角落ちでお願いする。
「下手に所望されちゃ仕方ないな…」
と大野七段。「さっきは(植山先生に)快勝だったじゃないですか」
あれだけの将棋を指したんだから、私と平手でもいいでしょう、というニュアンスである。しかし上手は力の入れ加減をいくらでも調節できる。私が植山七段に勝てたのは、上手が緩めてくれたからにほかならない。植山七段は本当に優しい。
対して厳しいのが大野七段だ。植山七段とはここまで角落ち6勝12敗だが、大野七段とは4勝29敗である。
本局は相居飛車で進む。私は矢倉模様に組み、▲7五歩から▲7六銀。しかし角を7九に引いたので、当初の予定と狂ってしまった。
桂を交換し、私は▲2八飛と、△2六歩を取りに行く。△2五飛と走ってくれば、▲3七桂と△2五飛・△4五銀の両取りに打って下手よし。
そこで大野七段は△3六桂だが、こんな筋悪の桂では下手指せるだろうと思いきや、これが存外しつこい攻めだった。
数手後、私は▲4五歩△同銀▲3五角と暴発する。△4四金右に▲同角△同金だが、次に△3五角の王手飛車があるので私は▲8八玉。この忙しい局面で1手パスするようでは、大勢決した。
終盤は上手に入玉模様にされ、私も2枚竜で迫ったが、上手王を捕まえ切れず、いまはこれまでと投了した。
ドイツ人のフランクさんが見える。フランクさんはアマ四段は優にある強豪で、将棋に対する真摯な姿勢は、見習うところが多い。
私はIi君と指す。私の先手で、Ii君の1手損角換わりに進む。序盤で私がポカをしたが、Ii君がもっといい局面にしようと欲張ったため、私が逆に指し易くなってしまった。
その中盤戦が以下の局面である。

先手・一公:1六歩、1九香、2五歩、3六歩、3七桂、4六歩、4九飛、5六銀、5七歩、6七歩、6八金、7六銀、7八金、8七歩、8八玉、8九桂、9五歩、9九香 持駒:角、歩2
後手・Ii:1一香、1四歩、2一桂、2二玉、2三歩、3二金、3三銀、3四歩、4三歩、5三歩、5四銀、6三金、6四角、6五歩、8二飛、8四歩、8五桂、9一香、9七歩 持駒:なし
(△9七歩まで)
(つづく)
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冬の北海道旅行8・人生最高の1日

2012-02-18 12:07:47 | 旅行記・北海道編
午後6時40分ごろ、再び8丁目に戻る。よさこいの演舞はまだ続いていた。ステージイベントはいろいろあるが、やはり動きがあるものが、こちらも体が温まってよい。以前も書いたが、ある年の雪まつりでは、ステージで能を舞っていたことがあった。しかしあまりの動きのなさに、こちらの寒さが増幅されたものだった。
7時半にイベントは終了した。そのまま4丁目方面に戻ると、7丁目のHBCインド広場で、Natsuki&ブライトサッポロのゴスペル音楽が始まった。彼女らの歌を聴くのも、毎年の恒例行事である。しかし今回は、リーダーのNatsukiがインフルエンザのため欠場。これは残念だった。
総勢19名のメンバーが、インドの文化遺産「タージマハル」の大雪像をバックに、ソウルフルな歌声を披露する。私もそれに合わせて両腕を動かす。こうでもしないと、寒くてやってられない。現在氷点下9度である。
8時、ステージが終了。まさに「ハレルヤ」なひとときだった。
いよいよすすきの会場に向かう。薄野の大交差点のすぐ先が会場だ。ここの氷像は、平べったい氷に、「彫る」感じが特徴だ。ライトアップされて命が吹き込まれたそれらは美しく、時の経つのを忘れた。
これですべての冬まつりが終了した。今年も本当に楽しかった。
さて、これで千歳に向かってもいいのだが、札幌最後の夜をもう少し堪能したい。
私は、自分一人では絶対入らない店に、思い切って入ってみた。
そこはとても幸せで、温かい気分になって、何よりほんわかと気持ちよかった。
総額で5,000円ポッキリ。意外と安かった、という印象である。
地下鉄南北線でさっぽろまで戻り、札幌駅で200円の切符を買い、入場する。23時59分の千歳行き最終電車に乗る。千歳着は翌日の0時39分であった。

今旅行2度目の千歳エアポートホテルに旅装を解く。今回はやむを得ず喫煙室を予約したが、部屋に入った瞬間、タバコの臭いがした。禁煙室と比べるとその差は歴然で、こんなに違うのかと思う。
今回もソフトオンデマンドが無料なので、せっかくなので観る。しかしおもな作品は先日ほとんど観てしまったので、今回新たな興奮はなかった。
何もしないまま、午前2時すぎに就寝。
6時30分、スマホのアラームで叩き起こされた。きょうは東京に帰るのみだ。AIR DOは8時発。ホテルからは無料のシャトルバスが出ているので重宝だ。
部屋備え付けのドリップコーヒーを急いで飲んで、チェックアウト。マイクロバスで新千歳空港に着き、チェックインした。
月曜の朝だが、012便は満席だった。シートに座りゆっくりと目を閉じると、今回の旅の思い出がよみがえってくる。
どの日も楽しかったが、圧巻は10日であろう。我が旅行初の女性とのデートが実現し、夢のような1日だった。
いままでの人生で、こんなに楽しく幸せなひとときがあっただろうか。彼女には指1本触れなかったけれど、人生最高の1日だった。これからの人生で何かバチが当たらないだろうか、誰かに暗殺されないだろうかと、本気で我が身を案じた。
それを言うと彼女は、こんなにいいことがあったんだから、これからもいいことがいっぱい続くって考えればいいじゃない、と言った。
いつも前向きな、いかにも彼女らしい考えだった。
私の未来を冷静に読んでみると、何の望みもなく、待っているのは絶望のみである。それを思うと気が滅入るが、いまは一日一日を一生懸命生きていくしかない。
目を開けると、スッチーがいた。極上の古河彩子女流二段、という感じだ。向こうの通路には、身長を15センチ高くした本田小百合女流二段似のスッチーが歩いていた。ふふっ…。思わずニヤケてしまう。
東京まではあと1時間である。
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冬の北海道旅行7・さっぽろ雪まつり

2012-02-17 22:29:13 | 旅行記・北海道編
音の主は5丁目会場からだった。ミッキーマウスの大雪像の前で、自衛隊が楽器を演奏していた。毎年恒例、陸上自衛隊第11個師団音楽隊の雪まつりコンサートである。
さっぽろ雪まつりでは、雪像の鑑賞とともに、ステージイベントをどう楽しむかがカギである。自衛隊のコンサートは、私が楽しみにしているイベントのひとつであった。
しかし演奏はすぐに終了してしまった。時刻は午後2時28分。例年だと午後2時から2時半までだから、もう終わりだろうか。しかしそこはアンコールがあり、最後にもう1曲だけ、彼らの演奏を聴くことができた。
私は大いに満足して、11丁目方面に向かう。6丁目・食の広場内にある観光案内所で、パンフレットをいただく。スケジュール表を見るが、私が毎年楽しみにしている「雪まつりフィナーレ」は、8丁目会場で午後6時から行われる。
ただしそれはHTBの主催で、さっぽろ雪まつりの公式行事ではない。かつての「フィナーレ」は各会場の代表者が登場したり、新旧ミスさっぽろの交代式があったりして、雪まつりの一大イベントだったが、最近はそれもなくなってしまった。
その8丁目・雪のHTB広場は、会津鶴ヶ城が聳えていた。1月の東北旅行では、会津若松駅の近くに泊まりながら鶴ヶ城は観光しなかったが、ここでそれを補うことができた。
10丁目の大雪像は、テレビアニメ「トリコ」と「ワンピース」のコラボレーション。ワンピースは人気が高い。
11丁目は国際広場で、世界各国の代表が雪像を制作している。ここも名寄に劣らず、見応えのある作品ばかりだ。
12丁目は市民の広場。さまざまな雪像が並んでいる。出口付近に、リラックマの雪像があった。リラックマは口を「ヘ」の字にしているのが人気の秘密と思う。
そしてリラックマといえば、収集家の島井咲緒里女流二段である。島井ちゃんとリラックマは、よく見ると顔がそっくりだ。どちらも癒し系である。
大通会場は右側通行で、ここで雪像も終わりだからUターンするが、私は真っ直ぐ歩き、その先にある札幌市資料館にお邪魔する。これが本筋である。
ここの2階には、市民の手による絵画や織物が展示(販売)されている。早速2階に上がり、それらを鑑賞する。ある一室では、ゆきみどりさんの手による、フォトグラフが展示されている。みどりさんとは毎年ここで会い、雑談をするのが恒例となっている。今年も懐かしい再会を果たし、近況を語り合った。
「ほほえみ地蔵」の展示室にも入る。雪だるま風のお地蔵様が、心に残る一言を「ふふふ」とつぶやいている絵が、あっちこっちに飾られている。ポストカードは1枚150円で売られているから、これはと思うつぶやきを購入するとよい。
傍らにいらっしゃるのは、このお地蔵様の作者か。しかし声を掛けられない。逡巡していると、その人は出て行ってしまった。
記念にハガキを買うが、作者氏の名刺をいただいた。やはり先ほどの人がそうだったらしい。
資料館を出ると、先ほど見かけた、ほほえみ地蔵の生みの親である乞望(こうぼう)こと、斉藤政勝氏が佇んでいたので、思い切って挨拶する。
いままでは一部屋だったが、来年は展示室と販売室と二部屋に分ける予定だという。これは来年が楽しみだ。
ここからは復路である。前方に人だかりがある。近づいてみると、「初音ミク」だった。雪まつり前半に倒壊して新聞記事にもなったが、このたび復元されたのだ。これは極めて珍しいケースで、私も1枚、写真を撮った。
食の広場に、幌加内そば(かけそば)が売られていたので、頼む。ここで幌加内そばが食べられるとは…と楽しみにしていると、出てきたそばは、小麦粉のやたら多い、普通のそばだった。これは看板に偽りありだろう。
しかし寒空の下、温かいそばはこよなく美味く、つゆまで全部飲みほしてしまった。これではもう、文句を言えない。
その先にある北方領土署名コーナーで署名する。これも毎年の恒例行事である。
4丁目は「雪の水族館」。ここで私は大通を外れ、すすきの方面に向かう。といってもすすきの会場へは行かず、私は降雪の避難も兼ね、とあるデパートに入った。ここの5階に「まんだらけ」があるのだ。
旅先での古本屋めぐりは、私の隠れ趣味である。しかし今回は、掘り出し物はなかった。
ちなみに雪まつり会場はほかに「つどーむ会場」というのがあるが、そこは距離的に遠いのでいまだ行ったことがなく、今回も行かない。
時刻は4時40分。再び大通会場に戻り、売店で雪まつりバッジを買う。これも私の定跡である。このおカネが来年の雪像制作資金の一部となるのだ。しかし、やることは毎年同じだ。
5丁目のPRブースに入る。ヒーターを販売しているメーカーがミス・ハワイを招んでいて、彼女が5時からフラダンスを踊ることになっているのだ。
待望の5時。ミス・ハワイの踊りは優雅で、ここが北海道であることを忘れさせてくれた。
またも売店に寄って、今度は雪まつり絵ハガキを買う。16枚セットで500円。
その後もいろいろ周って、1丁目にあるテレビ塔に向かう。空はすっかり暗くなっている。展望塔に上ってもいいのだが、700円はちょっと高い。しかもいまは15分待ち。これではやはり、パスである。
もっとも横に女性がいれば、この限りではない。中井広恵女流六段や中倉宏美女流二段がいたなら、絶対に上る。口説くにはモッテコイの舞台だからである。
テレビ塔のたもとの売店に、キティちゃんのネーム入りハンカチが売られていた。Mizumo、Kokoro、Minamiと探すが、Minamiしかない。Minamiもけっこう珍しい名前だと思うのだが、それがあるのは「タッチ」の影響だろう。というわけで、Minamiちゃんだけに、ハンカチを買う。ほかのふたりには申し訳なかった。今度埋め合わせをするよ。
時刻は6時を過ぎている。8丁目に着いた。HTB広場のフィナーレは、地元民と思しき「よさこい」グループが、熱い演舞を披露していた。しかし…いささか腹が減った。食の広場で食してもいいのだが、11丁目脇にあるオレンジの看板が気になる。「吉野家」である。
また牛丼かよ…と自嘲しつつ、私は吉野家へ入り、牛鍋丼をかっ食らった。ちょっとシラタキの量が多かったが、280円は安い。
だが考えてみたら、3日連続で牛丼である。食の宝庫・北海道に来ながらこの食事とは、我ながら貧しい。
(つづく)
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冬の北海道旅行6・感激の歩道

2012-02-16 23:25:16 | 旅行記・北海道編
とりあえず中央バスターミナルに戻る。各地の高速道路は壊滅状態のようだった。しかし路線バスは動いている。深川市立病院前行き、10時30分のバスがある。本当は函館本線の特急を利用したほうが利口なのだが、私は深川行きのバスに乗った。
乗客は3、4人。まあ、そうであろう。
バスは国道に出たが、吹雪いているから、前方は白一色だ。これはJRバス深名線並みのドライブテクニックが必要になってきた。
定刻より8分遅れの11時32分、バスは深川市立病院前に着いた。きょうは日曜日だから病院は休みの可能性が高い。平日なら、もう少し客が乗っているかもしれない。
しかしこのバス停にまた戻ってくるとは思わなかった。ここから深川駅まではちょっと歩くので、そのまま滝川行きのバスに乗ることにする。
11時45分、深川発。きのう乗ったルートを逆に走る。「旅は一筆書き」が理想で、同じ道を引き返すのは味が悪いが、やむを得ない。
12時50分に、滝川バスターミナルに着いた。滝川バスターミナルは、JRの駅が近い。今度の滝川発普通列車は、13時00分である。これの岩見沢到着が13時51分。そこから快速いしかりライナーに乗り換えて、14時42分に札幌に着く。
さっぽろ雪まつり・大通会場の雪像群は明るいうちに鑑賞したいから、もうこの時間が限度である。
滝川駅に入り、切符を買おうとすると、またもや放送があった。
「13時ちょうど発の普通列車岩見沢行きは、雪の影響で、運休となります」
はあああー??
なんだこれ、なんだこれ! なんだこれ!! どこもかしこも運休になりやがって! オレは本当に怒ったぞ!! もう、特急を利用するしかないのかよっ!!
みどりの窓口に行って、札幌までの乗車券と特急券を買うフリをしたが、念のため愚痴ってみた。
「1時の電車が運休になりましたけど、私、特急は乗らない主義なんですよね。これ、次の普通列車まで待たなければならないんでしょうか」
「そうですねえ…。きょうは皆さまにご迷惑をお掛けしていますし…。では次に来た(ピーーーーーーーーーーーーーーーーーー)ください」
や、やった…!! と、ここで喜びを前面に出しては下品だ。
「ええっ!? そうなんですか? いやそれなら旭川から乗るんだったかなア。 いやボクね、旭川からここまで、バスを乗り継いで来たんですよ。いや無駄ガネ使っちゃったなあ、もう」
と、心とは裏腹に、駅員さんにイヤ味を言う。だが本当に、旭川駅のみどりの窓口で駅員さんに食い下がれば、特急○○○で○○に乗せてくれたかもしれない。
まあそれはないとしても、今回の特別措置は、貧乏旅行の私としてはうれしかった。
今夜は千歳駅前のホテルに泊まる。普通料金は長距離になるほど1キロあたりの料金が安くなるので、私は千歳までの切符を買った。
鉄道ダイヤに則れば、次の特急は13時30分発のスーパーカムイ24号だが、その1時間前のスーパーカムイ22号が37分の遅れで、まだ滝川駅に到着していないという。
これはグッドタイミングだ。いままでの損を取り戻した感じだ。13時07分、22号が滝川に着いた。私は乗車し、デッキに立つ。何となく、シートに座るのは気が引けたからだ。もっとも車内は混んでいて、すべてのシートが塞がっていたが。
岩見沢に着く。放送によると、どうもこのあたりの雪が、列車運休の元凶だったようだが、たしかにムォンノスゴイ雪の量だ。
特急は岩見沢を出た。江別で臨時停車をする。ここから普通電車が出ているのだろうか。デッキ上にある路線図を見る。ちょっとイヤな予感がした。
札幌へは、定刻より52分遅れの14時12分に着いた。改札を抜けようとすると、前方の扉がバタン、と閉じた。「切符の範囲外です」の表示が出ている。駅員に申し出たら、200円を請求された。
やっぱり…と思う。車内で路線図を見たが、札幌から2つ手前の白石までは二重戸籍で、函館本線と千歳線が走っている。私の買った切符は「滝川→千歳」だが、これは厳密に書けば「滝川→白石→千歳」で、札幌まで達していない。だから札幌に下りるためには、はみだし部分の白石→札幌間の普通料金200円を払わなければいけないわけであった。なお札幌から乗るときも、同様に200円を払うのは言うまでもない。
これで損得計算はどうなったのか。

私の払うおカネ…滝川→千歳2,100円、白石→札幌200円、札幌→白石200円
滝川→千歳…滝川→札幌1,600円、札幌→千歳810円

90円の損となった。しかし特急列車に○○○○○○で乗れたのだから、よしとしよう。
大通会場へは徒歩で向かう。しかし表の人通りはまばらである。あ、そうだった…!! チラシを配っているオネーチャンに確認すると、案の定、地下鉄さっぽろ-大通間の地下歩道が全通していたのだ!!
これは推測だが、さっぽろ-すすきの間の地下歩道全通は、札幌市民の悲願だった。これが叶えば、天候に関係なく、すすきのまで行き来できるからだ。
むろん私もそうで、毎年札幌を訪れて道路工事を目にするたび、全通に思いを馳せていた。今回一部区間ながら大通まで開通したことは大いにめでたく、私は半分涙ぐみ、ちょっと誇らしい気分で、地下歩道を闊歩したのだった。
大通に着く。地上に上がると、勇壮な音楽が流れてきた。こ、これはもしや…?
(つづく)
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冬の北海道旅行5・札幌に行けない!

2012-02-15 22:52:29 | 旅行記・北海道編
チャーハンとラーメンはまずまずの味だった。まあ、これでお腹いっぱいなのだが、ちょっと物足りない。きょう食したものといえば、かけそば2杯にたいやき1匹、それに彼女からいただいたチョコだけである。
旭川駅方面に戻ると、牛丼の「松屋」があった。現在キャンペーン中で、並が240円である。これは安い。北海道まで来て牛丼かよ…と思いつつ、ここにも入った。
牛丼をかっ食らって、きょうの宿である「Compa3.7」に入る。ネットカフェである。ナイトパックを所望するが、それは午後10時から。10時までの普通料金を払って入ってしまう手もあるが、釈然としないので、出直すことにした。
すぐ近くにシャレた喫茶店があったので、入る。これからネットカフェでいイヤというほどドリンクを飲めるので味が悪いが、こうでもしないと時間がつぶせない。
コーヒーとケーキのセットを頼む。750円。先ほどの半チャーハンとラーメンのセットと同額だ。まったく、ケチケチ旅行なのか贅沢旅行なのか、よく分からない。
しかし出されたコーヒー、アップルパイとも美味だった。
10時すぎ、ネットカフェに入る。ナイト12時間パックは2,000円である。シャワーは別料金で15分100円。インターネット使い放題、ドリンク飲み放題、マンガ読み放題だから、やはり安いというべきだろう。
フラットブースに入ってブログを書くが、あまり筆が進まない。このネットカフェは天井に蛍光灯が設置されていないので、仰向けになってもまぶしくない。シャワーは明朝浴びることにし、きょうはすぐ横になった。といっても、日時は12日(日)の午前2時を過ぎていた。

12日は朝7時半ごろに目が覚めた。このところ寝不足が続いていたので、短時間ながら熟睡することができた。
シャワーに行く。男子たるもの、身だしなみは整えなければならない。
8時40分ごろ、カフェを出る。きょうのメインは「さっぽろ雪まつり」である。まっすぐ札幌に向かう手もあるが、「明るい」旭川冬まつりも抑えておきたい。けっこう迷ったのだが、旭橋河畔公園に向かうことにした。
きょうも朝から雪である。買物公園の氷像は雪をかぶっていて、鑑賞に堪えない。冬まつりスタッフが強力な噴射機で雪を吹き飛ばしているが、全部やるには時間がかかりそうである。
しかし改めて、旭川も凄い雪の量である。いくら北海道とはいえ、街を歩けば歩道の部分はアスファルトが見えていた。しかし今年は、そこも雪に覆われている。
キュッキュッと新雪を踏んで、旭橋河畔会場に着いた。スノーステージのイベントは、9時30分の空手演舞から始まったが、この雪では見る気がしない。
どうにも腹が減ってきたので、売店のひとつで焼き鳥を買う。6本入り300円は激安だが、シロ(とり皮)がけっこう入っていて、やや期待が外れた。
もう札幌に向かうことにする。河畔会場から旭川駅前行きシャトルバスの第1便は9時50分。乗客は数人だった。
札幌へは高速バスを使うことにする。札幌-旭川はバス、JRともドル箱路線で、両社とも多くの便が発着している。バスを選んだのは、もちろんこちらが安いからだ。2,000円。
中央バスのターミナルビルに入る。
ところが、券売機脇に貼り紙があり、「旭川-札幌間は、吹雪の影響で高速道路が不通のため、運休」と書かれてあったので、ビックリした。マジか!?
この豪雪ならさもありなん、だが、それにしてはここまで私は、滞りなく来られたものだ。よく考えたら、「高速」とは無縁の超ローカル線と超ローカルバスを乗り継いでいた。それが幸いしたのだ。
それはとにかく、札幌まで行かなければならない。札幌-旭川間の特急列車は、私も何度も利用したことがある。これには「自由席往復割引きっぷ・Sきっぷ」が便利で、札幌→旭川→札幌を特急列車利用で4,940円である。
しかし私が利用するのは片道なので、乗車券+特急券をふつうに買うしかないが、その値段は4,500円前後するはずである。
これでは鈍行列車を利用するしかない。函館本線のこの区間に鈍行列車はほとんど走っていないが、私は一応「道内時刻表」を繰る。すると、

旭川10時24分発→滝川11時24分着
滝川11時40分発→岩見沢12時22分着
岩見沢12時35分→札幌13時18分着

と、うまいこと乗り継げることが分かった。
時間もあまりないので、私は旭川駅に走る。構内に入った。きょうは最終的に千歳駅まで行くので、そこまでの切符を買いたいが、券売機では買えないようだ。
私はみどりの窓口を探す。しかしそこは、乗客が列を作っていた。腕時計を見ると10時16分である。おおい、24分の列車に間に合うのか!?
そのとき、駅の放送が入った。
「10時24分発の滝川行き普通列車は、降雪のため運休になります」
はあああ!?
ジェ、JRよ、お前もか!! 特急列車が運休して鈍行列車が走る例はよくあるが、その逆は珍しい。今年は本当に雪に祟られている。
しかしどうしたらいいのだろう…。バスもダメ、JRもダメ。いやJRは特急を利用すればいいのだが、前述のとおり、それは意地でもできないところである。
札幌行きのルートを閉ざされ、私は呆然とした。
(つづく)
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