一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

北海道冬まつり2014・9「楽しかった」

2014-08-11 00:07:14 | 旅行記・北海道編
店が移転につき、シャッターが閉まっていた。しかも移転先も休業中らしく、クサッタ。
私は大通方面に戻り、さっき通った蕎麦屋「まる山」に入る。もりそば600円は、まずまずか。しかし私なら、550円というところ。
行ったり来たりだが、私はすすきの会場に向かう。空はもう、すっかり暗い。
「すすきの氷の祭典」は、中氷像が約60基あった。私はゆるゆると鑑賞する。昔ほどの感動はないが、素晴らしい作品群ではある。
また小腹がすいてきたので、さんざん迷ったが、ギョーザの「みよしの」に入り、「みよしのセット」(カレーライス・ぎょうざ6コ・お新香で470円)を頼んだ。北海道最後の晩餐がカレーとぎょうざとはアレだが、これが私流である。
大いに満足して大通公園に戻り、7丁目西・19時からのNatsukiスペシャルステージを聴く。
昨年までは、「サヨナラ」の冠が付いていたのだが、今年はなし。単なるステージとなっていた。
ちなみに昔は「さよなら雪まつり」と題して、「ミスさっぽろ」や「雪の女王」、全会場のスタッフが集まり、テレビアナウンサーが司会もやって、かなり豪華なフィナーレとなっていた。それに感動して、私は雪まつりの最終日に訪れるようになったのだ。しかし近年は予算の都合からかサヨナライベントはなく、私が最終日に拘る意味が薄れている。
Natsukiのバックコーラスは旭川よりはるかに多く、豪華版となった。Natsukiの真紅の衣装、コーラス隊の紫の衣装が鮮やかだ。彼女らが数十人で歌う姿は圧巻で、かなり感動する。やはりNatsukiには最終日がよく似合う。
30分のコンサートが終わり、私はそのまま4丁目方面に歩く。食の広場でラーメンでも食べたいが、ちょっと高めに思えて、手が出ない。
某会場では、地元地下アイドルと思しき少女たちのコンサートをやっていた。私はこの雰囲気、好きである。そして、雪まつりの終わりをしみじみと感じるのである。

これで今年のさっぽろ雪まつりは終わり。私は再び地下街に潜り、札幌からは本日の宿泊地である、千歳に向かった。
千歳線の普通列車に乗り、21時40分、千歳着。今夜は駅から徒歩15分のところにある某ホテルに泊まる。駅前にある「千歳エアポートホテル」もよかったのだが、某ホテルが1泊2,980円と妙に安かったので、そちらを予約したのだった。
ホテルに向かう前に、駅前の本屋で「FRIDAY」を買う。先日買ったのが「実務用」で、今回は「保存用」である。こうやって私は、無駄遣いをする。
ホテルにはけっこう時間がかかった。ネットで、駅からの所要時間を積極的に書いてないところは、駅から遠いと考えて間違いない。少しでも錯覚させようと「繁華街から1分」とか書かれたりすることもある。しかしホテルまでの行程は長く、こんなことなら、駅前に旅装を解くのだった。
某ホテルには午後10時03分に着いた。ここは最終チェックインが午後10時とのことだったが、まあ大丈夫であろう。
が、ロビーが暗い。フロントでベルを押すと、脇の階段からスタッフが降りてきた。
…ものすごくイヤな予感がした。
受付を済ませて、4階の部屋に入る。電気を点けたが、暗い。よく見ると、ベッドのライティングライトがひとつ点いているだけだった。室内を見渡すと、お茶のセットもない。
私はテレビを点けるが、いかんせん室内が暗すぎる。インフォメーションを見ると、電気スタンドの貸し出しをしているとのことだったので、私はフロントに降りる。しかしやはり真っ暗で、スタッフはいない。まるで北朝鮮のホテルのようだ。
私はベルを押すと、数十秒後に、さっきのスタッフが2階から降りてきた。まったくじれったい。この人はふだんどこにいるのだ?
私は呆れて、「もういいです」と自室に戻った。
そして改めて思う。このホテルはハッキリ言って、つぶれかけている。負債が大きくなって、閉鎖寸前なのではないだろうか。
私はクサッテ、シャワールームに入る。バスでシャワーを浴びたら、ゴンと頭に当たった。部屋の梁が、出っ張っていたのだ。
シャワーを浴びて頭にモノが当たるなんて、初めての経験である。まったく、駅前のホテルに泊まってりゃいまごろは、ビデオでも鑑賞していたかもしれないのに…。
このホテルはダメだと思った。

翌12日(水)。きょうはもう、東京に一直線で帰るのみである。
早朝にホテルをチェックアウトし、千歳駅に戻る。JRに乗れば空港まではすぐだが、バスのほうが安いので、そちらを利用する。中央バスの待合室にはけっこう人がいて、私と同じ考えの人は少なくないようだった。
私はコンビニでおにぎりを買い、バスに乗った。
新千歳空港に着く。ANA FESTAでお土産買うと、初音ミク仕様のビニールバッグに、品物を入れてくれた。ANA FESTA、なかなかイキなことをするものである。
これで今年の北海道冬まつりは終わり。今年も楽しかった。
来年また、この地を訪れることができるだろうか。ちょっと難しい気もする。もう、何もかもが、ダメだから…。
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北海道冬まつり2014・8「ついに札幌へ」

2014-08-10 15:13:34 | 旅行記・北海道編
私たちジョナ研メンバーが愛用していたジョナサン駒込店が、今年の2月で閉店することになった。そこで、そこのウエイトレスさんに、餞別を買おうと思ったのだ。
餞別は北一硝子で調達する。北一硝子なら知名度は全国区だし、ここまで足を伸ばして買ってきたという主張にもなるので、一石二鳥である。
北一硝子は午前9時開店なので、まだ時間がある。堺町通りは観光客も見えず、昨夜の喧騒がウソのようだ。私は辺りをぶらぶらするが、空は快晴、地面は白銀の世界で、歩いていて気持ちいい。
9時になったので、煉瓦造りの北一硝子三号館に入る。当然ながら店内にまだ客はおらず、さながらVIPの貸切状態だ。
今回はTakahashiさんとHondaさんに贈る。それと、深夜係のウエイトレスさんにも贈りたい。それぞれイメージがあるから、個別に選ぶ必要がある。これだ、とピンとくる商品に出会うまで、妥協はしないつもりだ。
三号館にいい商品があったが、北一プラザ、別棟の北一硝子クリスタル館も見て回る。
お土産を買うだけで随分な念の入れようだが、私は相手が喜んでくれるなら、このくらいの労は厭わない。
1時間ぐらい迷って、Takahashiさんには「ピルスナ大星空(グラス)」、Hondaさんには「ペンダントトップ雫R・ライトストーンネックレス50R」、深夜さんには「蝦夷山桜唐紅ビール杯」を購入した。けっこう嵩張ったので手荷物になるが、きょう1日の辛抱である。
これで小樽を離れる。その前に、小樽駅前のアーケード街の蕎麦屋に入り、もりそばを手繰った(550円)。北海道の蕎麦屋はどこもうまい。季節が冬、というのもあるかもしれない。
さて、いよいよ札幌に向かう。小樽からは中央バスに乗る。料金が安いということもあるが、大通公園を通るから便利なのである。
11時25分発、北一条西7丁目には定刻5分遅れの12時27分に着いた。7日夜にお邪魔してから、4日ぶりの再訪問だ。
さっぽろ雪まつり大通会場は、最終日ということもあって、人が多かった。ただしきょうは火曜日なので、週末のほうが人出は多かったと思われる。
さっぽろ雪まつりは大雪像がもちろんいいが、付随するイベントがいい。事前の調べでは、今年の自衛隊音楽隊コンサートは、14時から7丁目西で行われるようだった。
これは私が毎年楽しみにしているもので、第11師団の面々が、玄人はだしの演奏で、文字通り聴かせてくれる。
まだ時間があるので、雪像群を鑑賞する。では、今年のテーマを列挙しておこう。

1丁目:J:COMひろば スケートリンク
2丁目:道新 氷の広場 大氷像・ハートの宮殿
3丁目:HTB PARK AIR広場 白い恋人PARK AIRジャンプ台
4丁目:毎日氷の広場 大氷像・台湾統一とモダン
5丁目:STV広場 大雪像・ウインタースポーツ天国、北海道!
6丁目:市民の広場 北海道 食の広場 中雪像・札幌らしい特色ある学校教育キャラクター(ゆっぽろ、ちっきゅん、おっほん)
7丁目:HBCマレーシア広場 大雪像・スルタン・アブドゥル・サマド・ビル 大雪像・すべてにLOVEを
8丁目:雪のHTB広場 大雪像・イティマド・ウッダウラ(インド)
9丁目:市民の広場 中雪像・桃太郎 中雪像・北海道大学工学部旧校舎
10丁目:UHBファミリーランド 大雪像・beポンキッキーズinさっぽろ雪まつり 中雪像・北のどん兵衛滑り台
11丁目:国際広場 国際雪像コンクール
12丁目:市民の広場 小雪像・市民の雪像

…という感じである。私は7日夜に見たのは、4丁目の氷像だったのだろうか。
昔は一基一基を真剣に鑑賞していたが、ここ数年は場の雰囲気を楽しむことにスタンスが変わってきている。
市民の雪像には、滝川クリステルの「お・も・て・な・し」雪像がある。滝川クリステルは顔がシュッとしているので、雪像にしやすそうだ。
12丁目まで見て、みなはぐるっと左に回るが、私は直進して札幌市資料館に入る。今年もミニギャラリーが展示されているだろう。写真家のゆきみどりさんに再会するのが楽しみである。
2階に上がる。…うん? あれ?
いつもの場所に、ゆきみどりさんの写真展示室がない??
スタッフ氏に聞いてみると、今年は9日と11日で出し物が代わっていて、ゆきみどりさんのそれは、9日で終わったという。
なんてことだ…。こんなケースは初めてである。ゆきみどりさんは元女流棋士の藤田麻衣子さんや俳優の八嶋智人にそっくりで、会うと気持ちが癒された。いまの私には特に彼女が必要だったのだが、これも運命と諦めるよりない。
「ほほえみ地蔵蔵」に入り、お約束でハガキを1枚購入する。さらに「懐かしのレコード鑑賞会」では、ちあきなおみの「喝采」をリクエストした。
奥では「雪まつりホワイトコンサート」も開かれているが、いつものごとく満席で、部屋から洩れてくる音色を楽しむしかない。
札幌資料館を出て、復路だ。7丁目西で、自衛隊音楽隊のコンサートが始まった。何曲か演奏する。今年もコンサートが聴けたと思うと、よろこびも一入だ。
水泳の萩原智子に似た自衛官が、ソロで歌謡曲を歌った。女性自衛官は、意外にキュートな人が多い。
続いてコブクロに似たふたりが出て、ヒット曲を熱唱した。なおメンバーの黒田俊介と私は、同じ誕生日である。
最後は、小渕健太郎役と思しき隊員がパッとかつらを外し、坊主頭が現れて、大爆笑のうちに幕となった。
また雪像の鑑賞に戻る。大通会場は時計と反対周りの一方通行なのだが、そこを平気で逆行する素人がいる。これはここ数年顕著に増えていて、日本人のモラルの低下を懸念する。
私はさっぽろ雪まつり缶バッジ(200円)と、絵ハガキ(500円)を買った。
さらに歩くと、最近テレビで盛んにCMを流している、神内和牛あかのブースがあった。同社は北海道に本社があるようで、これは食してみたい。
ブースの中では幾人ものスタッフがその場で調理している。私はメンチカツ(200円)を所望したが、アツアツ、ジューシーでうまかった。
ちょっと中休み。札幌に来ると「まんだらけ」に寄るので、向かう。札幌市電には今年も、初音ミクのラッピング電車が走っているのだろうか。
某デパート内にあるまんだらけで小1時間つぶしたあと、薄野の近くにある、馴染みの蕎麦屋に向かう。ここは蕎麦に黒ゴマが練りこんであるのだが、それがあまり出しゃばらず、うまい。
ところが…。
(つづく)
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北海道冬まつり2014・7「夜の小樽を(ひとりで)歩く」

2014-08-09 20:35:44 | 旅行記・北海道編
「特急はぼろ号」は一応指定席制で、ほかにも空席はたくさんあった。女性はどこでもいいと思って座っていたのだろう。私は彼女が隣でも歓迎だったが、彼女はやっぱり、別の席に移った。
私はローカル線の旅が好きだが、バス旅も好きである。ことに大型バスは景色もよく、快適だ。
「はぼろ号」は定刻19分遅れの18時34分に、札幌駅前バスターミナルに着いた。ずいぶんな遅れだが、冬の北海道ではやむを得ない。運休しないだけいい。
さっぽろ雪まつりの観光はあす11日を予定しているので、まだ札幌市内では泊まらない。冬まつりの観光は、夜がいい。この時間を有効に活用する者が旅の勝者となる。
私は快速エアポートに乗って、小樽方面に向かった。さすがにこの時間では乗客が多く、手稲までは立っていった。
定刻を5分遅れの19時18分、南小樽で下車した。きょうの宿は、駅前にある「角松旅館」を予約している。これといった特色はないが、宿のおばちゃん(たち)が気さくとの話だ。
駅から徒歩1分なのになかなか見つからないのは、街が意外に暗かったから。しかし宿は見つかり、3階の18号室を案内された。私の誕生日で、縁起がいい。
私は荷物を置き、すぐに宿を出る。ここで落ち着いてしまうと、表へ出るのが億劫になる。
急な坂道をそろそろ下りると、小樽オルゴール堂が見えてきた。もちろんもう閉まっていて、あたりは静かだ。道道17号に出て左折し、しばらく歩くと、小樽運河が見えてきた。
現在は「小樽雪あかりの路」を開催中だ。私が冬の小樽を訪れるのはちょうど2年ぶりで、そのときはひょんなことから、女性の同行者がいた。
運河に浮かぶ玉キャンドル、運河沿いのミニ雪像、何もかもが素晴らしく見えた。彼女といることが本当に楽しく、私の半生を顧みて、あの日が最高の1日だった。
今年の私はひとりだが、気を遣わない分、気はラクだ。ちょっとさびしいが。
今年も大勢の観光客が、運河を撮影している。どうってことのない運河になぜこんなに人気があるのか分からぬが、運河の絶妙のカーブ、倉庫群のノスタルジーが、旅人の旅情をかきたてるのだろう。カメラのない私は、肉眼に記憶するしかない。
ハート形のオブジェには人が並んでいる。中にカップルが入って、記念撮影をしているのだ。2年前の私はどうだったか。一応、それらしいことはした。まったく、夢のような1日だった。
運河のキリのいいところで左折して、小樽駅方面へ坂を登っていく。その途中、小樽雪あかりの路の、もうひとつのメーン会場があった。1985年に廃線になった旧手宮線跡地で、線路の敷地内には、アイスキャンドルや雪だるまが飾られている。
同イベントは派手な演出はない。小樽運河にしても、極論すれば、運河に玉キャンドルを浮かべているだけだ。しかし、温かい灯りに、人が集まる。
私は旧手宮線に入る。ここは秋のある日、廃線跡探訪をしたことがある。ここは南小樽から分岐した2.8キロのみなので、全線踏破はラクだった。
そこがいまは、多くの観光客で賑わっている。スノーオブジェ、雪のトンネル、パールキャンドル…。ぶらぶら歩くだけでも、ロマンチックな気分に浸れる。
私はそのまま、寿司屋通りに出た。そろそろ夕食を摂りたいところである。たぶん、この辺の寿司屋が、ガイドブックに出ているのであろう。
しかし私はグズグズして、入らない。そのまま歩くと、函館本線の高架が見えてきて、私は「幸寿司」という寿司屋に入った。ここはガイドブックに載っていない気がする。
中はカウンター席とテーブル席があった。私はカウンター席に座り、にぎりを頼む。傍らのテレビでは「ネプリーグ」をやっていたが、あんまり真剣に観ると、帰宅してからの楽しみがなくなる。
カウンター席の特権で、大将がにぎってくれた寿司が、順番に出てくる。まず、いか、マグロが出てきた。いかを頬張るが、やわらかくて、うまい! 数年前、広島の回転ずし店で食べたいかもうまかったが、こちらも同等かそれ以上だ。
いかがうまければ、あとのネタもうまいのは保障されたようなものだ。さらに4貫でて、とびっこ、イクラで〆。どれもネタが柔らくて、とろけるようだった。
昨年の名寄の寿司屋もそうだったが、家族経営の寿司屋は生活がかかっているから、うまい寿司を出す。8貫1,785円。きょうも大いに満足し、帰り際奥さんに「おいしかったです、感激しました」と述べさせていただいた。
そのまま歩くと、ガード下にやはり寿司屋があり、「寿司処きた屋」は、10貫1,575円だった。しかもこちらは、幸寿司になかったウニがある! がまあこれは、結果論であろう。きた屋は来年以降の楽しみにとしたい。
そろそろ南小樽駅が近くなってきた。と、和菓子屋「新倉屋」がまだ店を開けていたので、入る。和菓子は職人の技術を目にできて、廉価なのがよい。
こごみ餅(105円)、大福餅(126円)を買って、食べ歩き。これが至福の時間である。
宿がまた分からなかったが何とか見つけ、シャワーを浴びると、その晩はぐっすり眠った。

翌11日(火・祝)。きょうはいよいよさっぽろ雪まつりの観光であるが、すぐには戻らない。私は昨夜と同じ坂道をくだって、小樽オルゴール堂のところに出た。
そこを左折すると、小樽観光のメインストリートである、堺町通りとなる。北一硝子各店、北菓楼、LeTAOなどの洋菓子店、寿司屋の数々、趣のある建物など、そぞろ歩きにもってこいだ。
私はここでお土産を買うつもりだ。だが誰に買うのか? 10分で分かれば、三段。
(つづく)
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北海道冬まつり2014・6「苦しい時の髪頼み」

2014-08-08 20:52:19 | 旅行記・北海道編
私は10数分の待ち合わせで、留萌(るもい)行きの留萌本線に乗った。北海道の殆どの路線がそうであるように、留萌本線も大赤字だが、何とか廃線は免れた。
それは線名に「本線」が入っていたからじゃないか、という人もいるが、名寄本線は1989年に廃止になっているから、そうとばかりもいえない。それに留萌から分岐していた羽幌線も、1987年に廃止になっている。留萌本線が生き残ったのは、私には奇跡に思えるのである。
そんな留萌本線ではあるが、線名に「萌」の字が入っているから、回生の道はあると思う。たとえば、列車に萌えキャラをラッピングして、企画列車を走らせるのはどうか。
私はもう広告代理店勤務ではないので深くは考えないが、いろいろ手はあると思う。
定刻の11時23分をやや遅れて、石狩沼田着。私が愛乗している札沼線の「沼」は、ここの沼から取っている。つまりかつては、ここまで鉄道が通じていたのだ。そんな旧札沼線を舞台にした小説に島田荘司の「奇想、天を動かす」があり、これは日本の推理小説で十指に入る名作と信じる。一読をおすすめする。
さらに、恵比島着。昔はここから、留萌鉄道炭砿線が分岐していたが、現在では1999年にNHKで放送された「すずらん」の舞台、というほうが通りがいい。ちなみにテレビでは「明日萌駅」としていた。
同年5月1日から「SLすずらん号」も運行され、私はそのときの一番列車に乗車した。このころの私は、ゴールデンウイークの旅先を固定していなかった。
その列車内はテレビカメラも入り賑やかで、沿線では手を振る住民が続出。主演の遠野なぎこもビデオ出演し、まるで新線が開通したかのごとくだった。
車内の売り子さんの制服はレトロ調で、そのうちのひとりは、顔も私のタイプだった。その1年半後北海道を旅行したとき、別の特急車内でその女性を偶然見かけ、挨拶したら、怪訝な顔をされたものだ。
まあ、そうなるであろう。
「すずらん号」の話を続けるが、恵比島駅で下車するとイベントが開かれており、私は昭和だか大正ルックの方たちと、記念写真を撮らせてもらった。余談だが、そのときの写真が「道内時刻表」に掲載された。
私の半生を振り返れば泣きたいことばかり。このころはそれでも、明るい話題が少しはあったのだ。
留萌着12時04分。時間が許せば北上したいところだが、私は南下する。
12時19分、留萌発。1両の車内は乗客が少ない。しばらく走ると、右手に日本海が見えてきた。羽幌線が廃止になったいま、列車から日本海が見られる区間は貴重だ。
そのままゴトゴト揺られ、12時48分、増毛(ましけ)に着いた。今日の私の目的地である。乗客は私も含めて6人だった。
増毛駅といえば、高倉健が主役を務めた1981年封切りの映画「駅STATION」である。しかしいま、「高倉健と北海道」といえば、根室本線幾寅駅「鉄道員(ぽっぽや)」が真っ先に挙げられ、増毛駅の存在感は薄い。
そこに私がなぜ来たのかといえば、もちろん増毛(ぞうもう)の願掛けをしに来たからにほかならない。苦しいときの髪頼みというわけである。
駅内には売店があり、女性が番をしていたが、残念ながらいま買うものはない。
増毛駅を出て駅舎を眺める。可もなく不可もなくだが、一軒家にも見える。それが逆に素晴らしい。
駅前には「風待食堂」があり、これは映画の忘れ形見と分かる。いまは観光案内所になっていて、中に入ると家人が出てきた。平日の案内はやってないらしい。
駅の看板を頼りに、増毛厳島神社を目指す。道にそれほど雪は積もっておらず、歩きやすい。海鮮料理の店やノスタルジックな建物が林立しているが、まずは神社だ。
小高い丘を登ると、朱塗りの屋根の、小ぶりな神社が見えてきた。これが増毛厳島神社だ。
私はいつもの倍のお賽銭(10円)をほうり、増毛(ぞうもう)その他もろもろのお願いごとをする。もう、中住まいの△5六歩▲同歩△5七歩はイヤだ。神様、どうかお願いします…。
おみくじも引いてみたが、これは大吉だった。
これで今日の主目的は終わりである。あと、今日は旅行貯金をしなければならない。
神社の前でおばちゃんに聞くと、すぐ近くにあった。「味覚の里 増毛郵便局」210円。
その帰り、またもさっきのおばちゃんに会った。
「どこからいらした?」
「東京です」
「増毛はいいところですよ」
地元を自慢できる人は幸せだと思う。
さて、昼めしである。ガイドブックは携行していないのでスマホを繰ると、うまい寿司を食べさせてくれる店が近隣にあった。
何とか探して、入る。屋号を「福よし」といった。
店内はカウンターとテーブルの、いたって普通の内装。しかしこういう店が、うまい食事を提供してくれるのだ。
ランチだろうか、海鮮丼(1,050円)を頼む。これが、ネタが新鮮、豊富でシャリも多く、抜群にうまかった。昨年大晦日に熱海で食べた海鮮丼(1,200円)と比較してしまうが、明らかにこちらに軍配が上がる。
ところで店内にバス時刻表が貼られており、増毛駅前から沿岸バスが出ていた。見ると、次の留萌行きが13時58分である。ちなみにJRは増毛発が15時38分。私は留萌にも寄りたかったので、これはバスを利用したい。
私は若干早く酢飯をかきこむと、バス停に向かった。バスは4分遅れで到着したが、これがさっき私が出た店のすぐ近くを通ったので、クサッタ。
留萌駅ターミナル14時30分着。1時間ばかり時間があるので、駅前をぶらぶらする。
物産館のようなところがあり、ドアの前には、沿岸バスプロデュースの「萌えっ子缶バッジ」のポスターがあった。11種類が掲載されており、1コ200円。なるほど、やっぱりこういうアイテムは、販売するよなあ…。私の「萌え系ラッピング列車」も、誰かが企画していそうである。
館内で120円の大判焼きを買い、買おうか迷っていた缶バッジを1コ所望する。中には売り切れのキャラもあり、私が購入したのは11番「観音崎らいな(これが女の子の名前)+羽幌沿海フェリー」だった。
定刻を4分遅れの15時35分、留萌駅前発旭川行きのバスに乗る。しかしタイム7分、東橋で降りた。
ここに特急バス「はぼろ号」が接続しているのだ。国道の真ン中に下ろされた感じだが、ふと前を見ると、郵便局があった。
私の旅行貯金は原則1日1回なのだが、それは私が勝手に破ることができる。私は郵便局に入り、本日2度目の貯金をした。「留萌南郵便局」210円。
16時02分発の「はぼろ号」が来た。このバスは全席指定だったようで、私が留萌バスターミナルで取った席は「4A」である。
乗り込むと、「4B」に女性が座っていた。??
(つづく)
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北海道冬まつり2014・5「ひし美ゆり子」

2014-08-07 00:13:07 | 旅行記・北海道編
ひし美ゆり子は日本の特撮番組を代表する女優である。代表作はあの「ウルトラセブン」(1967~68年)で、友里アンヌ隊員役として活躍した。私より上の世代はみな、ひし美ゆり子を「憧れのお姉さん」として慕っていた。
しかし、ヒーローモノで活躍した俳優や女優がその後パッとしないように、ひし美ゆり子もその後は、ヒット作に恵まれなかった。後に彼女が、現テレビ東京「プレイガール」に出演していたことを知ったが、当時の私が観られるはずもなかった。
その後私もひし美ゆり子の近況を知るようになったが、ちょっとビックリしたのは、20代後半時のひし美ゆり子が、バンバン脱いでいたことである。
世の男性が、アンヌ隊員の制服の中を見たいと夢想したのも無理からぬことで、私もそれに近い想いはあった。ひし美ゆり子は、それに応えてくれていたのであった。
2000年代に入ってから、そのころのグラビアを再編集した(であろう)セクシー写真集「YURIKO 1967-73」(2003年)が発売された。けっこう値段が高かったこともあるが、私にとってひし美ゆり子はアンヌ隊員であり、セクシー写真は関心の外である。さらにいえば、ひし美ゆり子はもうお歳を召しているし、ここで昔の彼女を鑑賞して興奮しても、虚しくなるだけだと思ったことを告白する。
この心理を将棋に置き換えれば、林葉直子さんのセクシー写真集にあたる。私は林葉さんの将棋が好きなのであって、その肢体に興味はない。だから、「ホレ、見るがいい!!」とばかりにドーンと裸を見せてくれても、私はまったく関心がなかったのである。
話を2003年当時に戻すが、そのころ、アンヌ隊員が表紙になった「アンヌへの手紙。」も目にした。が、タイトルがあまりにもマニアックで、結局私は、ひし美ゆり子のどちらの写真集も購入しなかった。
しかし「YURIKO 1967-73」は好評で、その4年後の2007年に、別の出版社からリクエスト復刊される。どうも、私と同じスタンスを取っていたひし美ゆり子ファンが、我慢できずに写真集を求めた結果に思えた。
もちろん私もそのころ、紀伊國屋書店などで再び同写真集を見ている(はずだ)。それでも私は、買わなかった。それからしばらくして私は将棋にのめりこみ、ひし美ゆり子のことはすっかり忘れていた。
ところが最近、またもやひし美ゆり子ブームが起きている。2012年には、平凡パンチに掲載されたグラビアを再編集する形で、アンソロジー写真集が発行された。ここに至り私は初めて、彼女の単体写真集を買わなかったことを後悔し始めたのである。
しかし、当時の写真集はいずれも絶版。あとはネットで中古本を購入するしかないが、「YURIKO 1967-73」は2バージョンともプレミアが付いており、高額だ。クソ、ヒトの足元を見やがって…。
「アンヌへの手紙。」は最安値1,000円+送料で売られていたが、購入は迷っていた。
そんなところに、7日発売の「FRIDAY」に、ひし美ゆり子未公開ポスターが付録で付いていることを知り、私は例の代償機制として、とりあえずこちらを購入したというわけであった。

私はドキドキしながら本体からポスターを外し、拡げる。ポスターは両面で、表面は上半身がドーンと映っていた。こ、これが、伝説の「ロケット○」か…。
裏面はお尻まで見えて、彼女が腰をひねり、こちらを見てニコッと笑っている。か、神がいた…。
こ、こちらにしよう…。
私はそのポスターを布団の横に並べ、自分も布団に入った。ふふ…。
ちょっと奇怪な行動だが、どうせ一人旅だからいいのである。いや本音をいえば、ポスターは天井に貼りたかったのだが、これは翌朝剥がし忘れることがある。
事実だいぶ昔、私は中沢慶子の等身大ポスターを旅行に携行し、某ビジネスホテルの天井に貼って眠ったのである。
ところが翌朝、剥がすのを忘れてチェックアウトしそうになり、慌てて部屋に戻ったことがある。
夜中に寝ぼけて、真上に裸体の女性がボーッと現れて驚く危険性もあり、そんなわけで、「天井戦法」はお奨めできないのだ。
それはともかく9日は、お陰さまでぐっすり眠ることができた。

翌10日(月)。きょうはちょっと行きたい場所がある。朝は時間があるので、またもや買物公園通りの氷像を鑑賞する。午前10時が過ぎたところでデパートの書店に入り、「道内時刻表」を買った。やっぱり時刻表がないと、旅をしている気にならない。
駅のみどりの窓口で2,100円のJR切符を買い、駅構内にある立ち食いそば屋で、月見うどん(350円)を食べた。あああ…うまい。
旭川10時21分発の函館本線普通列車上りに乗る。10時51分、深川駅に着いた。
今旅行2度目の深川駅であるが、もちろんJRバスには乗らない。さて、私が向かう先は。10分で分かれば初段。
(つづく)
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