一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

女流棋士との親睦将棋会2016(5)

2016-03-26 21:32:11 | 将棋イベント
高群佐知子女流三段×塚田恵梨花女流2級は、母娘対決だったのだ。
塚田女流2級は昨年の同イベントで、「公式戦で母娘対決はしたくない」と語っていたが、この場でまんまと仕組まれてしまったわけだった。
とすれば、このツーショットはなかなかに貴重なものだった。
勝利者チームを代表して、山田久美女流四段の弁。「先輩の圧力、目ヂカラで勝たせていただきました…」
早速感想戦に入るが、私はここで退席。本局、後輩チームもよく追い上げたが、先輩チームが終始圧倒していた。清水女流六段、山田女流四段、高群女流三段…。恐ろしいチームだった。
私はほうぼうを見て回る。販売コーナーでは直筆扇子や生写真が売られている。高群・塚田母娘の扇子もあり、「希・塚田女流2級、望・高群女流三段」だった。
生写真は1枚500円。3枚購入だと1,000円となる。この値段設定がよく分からない。
Tag氏がいた。
「千葉先生との指導対局はどうでした?」
「…時間切れでしたよ」
「ほう、形勢は?」
「それは私がよかったけど…」
「1時間じゃあね、そうなりますよね」
「うん」
「……」
「……」
「…ねえ、私の対局の勝敗は聞いてくれないの?」
「…だってあんた、ブログに書くんでしょ?」

私は再びほうぼうを見る。ぐるぐる将棋に室谷由紀女流二段がいた。相変わらず、奇跡的な美しさである。盤上を凝視して、パチリ。私が対局者だったら昇天しているところだ。
やはりぐるぐる将棋を選ばなくてよかった。
北尾まどか女流二段も指している。顔を上げて、私と目が合った。にっこり笑う北尾女流二段が素敵だ。女流棋士とした毎日を送っているひとの貌である。
竹俣紅女流1級の姿が見える。今回も振袖姿で美しいが、個人的には、高校の制服で来てほしかった。
ステージでは感想戦も終わり、山田久美女流四段の計らいで、今回の対局関係者による、ミニトークショーを行うことになった。この臨機応変な指し手がうれしい。
椅子に座り、向かって左から、高橋和女流三段、塚田恵梨花女流2級、和田あき女流初段、山田女流四段、山根ことみ女流初段、北村桂香女流初段、中村真梨花女流三段。これだけ見ても、女流棋士会がキャラクターの宝庫だと分かる。
いろいろなトークをするが、その中に、指導対局を初めて受けた時の先生(女流棋士)は誰? という設問があった。
中村女流三段→斎田晴子女流五段、北村女流初段→岩根忍女流三段、山根女流初段→(忘れた)、和田女流初段→斎田女流五段…
という按配。お姉様方の指導対局はどんなものだったのだろう。
最後に来年度の抱負である。ここで和田女流初段から「私は4月から関西所属になります。大学も関西に行きます」という報告があった。
和田女流初段の関西行きは昨年秋から知っていたが、いざ現実のものとなるとさびしい。しかしこれも和田女流初段自身の成長のためだ。一回りも二回りも大きくなって帰ってくることを楽しみに待ちたい。
時は18時近く。そろそろ閉会の時間である。私は昨年に続いて2度目の参加だったが、今年も楽しいひとときを過ごすことができた。スタッフである女流棋士の皆様も、慣れない仕事で大変だったと思う。お疲れさまでした。厚く御礼を申し上げます。
さて昨年は女流棋士の花道の中を退室したが、こういうのは苦手である。私は一足早く、会場を後にした。また機会があったら、お会いしましょう。
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女流棋士との親睦将棋会2016(4)

2016-03-25 00:07:24 | 将棋イベント
昨日24日のTBSラジオ「赤江珠緒のたまむすび」をたまたま聴いていた時のこと。
「佐賀のパーラーで、マジックを見せてくれるところがあります」
と赤江珠緒が言った。「喫茶店なんですけど、それが予約制なんですよ。お客が10人ぐらいいて。ふつうに注文するんです、喫茶店だから。カレーとかあって、それはそれで美味しいんですけど。その後マジックをやって、それで好きな人の名前とか当てちゃうんですよ」
どこか見たことのある光景だが、これって「佐賀」ではなく、「長崎」のあんでるせんのことだと思う…。
あるいは、私の聞き間違いだったかもしれない。

(23日のつづき)

第2図以下の指し手。高群・塚田▲5五馬△4二飛▲7五歩△4五銀▲5七銀△5四銀▲6六馬△6四歩〔高橋▲6八金上・中村▲7六馬・◎竹俣▲5五歩〕△6三銀引
清水・山根▲8五歩△3三桂▲4六銀△3二飛▲3五銀△4五桂(第3図)

これが「次の一手名人戦」だったら、2問目を間違えた私は脱落。ぐるぐる将棋などで対局している女流棋士を鑑賞するのだが、これは「みんなで選ぼう次の一手」だから、逆に最後まで参加しないともったいないと思った。
高橋和女流三段の解説は歯切れがよく、分かりやすい。こういう場に慣れていると感じる。
ここでまた3択になる。赤、青の候補手が出て、黄色の手は、そばにいる女流棋士に聞く。今回は棋譜読み上げの竹俣紅女流1級が指名された。
彼女は▲5五歩を挙げた。私は中村真梨花女流三段の指し手に乗ったのだが、多数決で竹俣手が採用となった。これも竹俣人気だろうか。
メンバーが変わり、山根ことみ女流初段が元気よく△4五桂と跳ぶ。だが、次の清水市代女流六段の指し手が落ち着いていた。

第3図以下の指し手。▲3六歩〔高橋△3一飛・◎中村△4二金・野田澤△5四歩〕▲4六歩△3三金
山田・北村▲4五歩△4二飛▲4四歩△同金▲4八飛△4五歩〔高橋▲4四銀・◎中村▲5四歩・和田▲3七桂〕△同金▲1一馬△4六歩
高群・塚田▲4四歩△7四歩▲3三馬△4一飛▲6六桂△7五歩▲5四桂△同銀〔高橋▲4二金・◎中村▲5七香・熊倉▲8四歩〕△7四角
清水・山根▲5四香△同歩▲3二馬(第4図)

後方ではピーピーピーピー、ほうぼうで電子音が鳴っている。30秒de二面指しのチェスクロックだ。
▲3六歩が地味ながら好手。指されてみればナルホドとうなるが、なかなか指せないものだ。この辺りに清水女流六段の強さを感じる。
後輩チームはもはや暴れるしかなくなったが、暴れようがない。
先輩チームは▲4六歩~▲4五歩と桂得し、シャレた手筋で香得も果たす。
さらにその桂、香が相手の金、銀と替わり、これは先輩チームが勝勢となった。
中村女流三段は二番手で候補手を答えることが多いが、▲5七香などは鋭く、さすがの強さだ。

第4図以下の指し手。△4五香▲5四馬△4七歩成▲6四馬△7三銀〔◎高橋▲7四馬・中村▲同馬・竹俣▲6五金〕△同銀
山田・北村▲5五角△6四歩▲同角△7三角▲同角成△同桂▲6四金△7六桂▲5五角△7二金
高群・塚田〔◎高橋▲7四金・中村▲7六銀・山口恵▲7三金〕△5八と(第5図)

△4五香はこれしかない反撃。△4一飛には△7四角のヒモがついているから大丈夫だ。
しかし先輩チームの▲5四馬~▲6四馬~▲7四馬がヘンな動きで、あまり得していない。
その間後輩チームは△4七歩成と迫り、△7六桂の楔も打った。ちょっと差が縮まったのではないか。
さらに△5八とと金を取り、これが何と詰めろ。後輩チーム、さすがの肉薄である。

第5図以下の指し手。▲6五桂△7七金(途中図)

▲7七同角△4八香成▲7三桂成△同金▲同金△同玉
清水・山根▲6五桂△6二玉▲7三銀(投了図)
まで、103手で先輩チーム(清水・山田・高群)の勝ち。

高橋女流三段が、
「こう(▲5八同金)は、これ(△4八香成)がありますね。これがこう…(△8八飛以下の詰めろ)」
と解説する。あの将棋がまさかの一手争いになって、私たちは固唾を呑んで見守るばかりだ。もう最終盤、双方秒読みなので、次の一手は選ばない。
先輩チームは、▲6五桂と跳ねた。これが詰めろ逃れの詰めろで、リレー将棋でこんな手が飛び出るとは思わなかった。
対して後輩チームは△7七金(途中図)と放り込む。これがまたすごい。何だか知らないが、白熱した終盤戦だ。
これを▲7七同玉は△8八角▲7八玉△5五角成で逆転する。先輩チームは冷静に▲7七同角。後輩チームは△4八香成と飛車を取る。このあたり私が先手だったらアワを食って、パニックになっているところだ。
しかし先輩チームは勝ちを読み切っていた。ここで▲7三桂成。以下▲6五桂と打って、意外と後手玉が狭い。△6二玉に▲7三銀まで、後輩チームの投了となった。

観客席より、大きな拍手が送られる。リレー将棋とは思えない、息の合った指し手だった。
あっ…! この時私は、今回のメンバーのチョイスの秘密に気が付いた。
(つづく)
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藤田綾女流初段は、グラビアアイドルの篠崎愛と、フェアリーズの藤田みりあに似ている。

2016-03-24 00:05:45 | 似ている
日付変わって今日3月24日は、藤田綾女流初段の29歳のお誕生日。おめでとうございます!!
その藤田女流初段は、グラビアアイドルの篠崎愛に似ていると思う。
篠崎愛は、1992年2月26日、東京都生まれの24歳。2007年、「週刊ヤングジャンプ」のグラビア企画で準グランプリを獲得。翌年、歌手デビューを果たした。
2011年、青年マンガ誌「ヤングアニマル」のミスコンテストでグランプリを獲得。以降も同誌を中心に、グラビアアイドルとして活躍する。DVDの発売が多く、40枚以上を数える。テレビで観ることはあまりないが、類まれなるプロポーションに惚れ込んだ熱狂的なファンも多い。
篠崎愛は歌もうまく、昨年は男性型脱毛症ケアのCMで、美しい歌声を披露した。
篠崎愛はちゃんと「自分」を持っているようで、今後も芸能界をうまく渡っていきそうである。
篠崎愛は多彩な表情を有し、ほかの女流棋士にも何人か似ている。藤田女流初段と篠崎愛は、癒し系の雰囲気とナイスバディが似ていると思う。

藤田女流初段はもう一人、藤田みりあに似ていると思う。
藤田みりあは1998年6月15日、大阪府生まれの17歳。2011年、ライジングプロダクションの新人発掘プロジェクトに合格。6人組の女性アイドルグループ「フェアリーズ」の一員として歌手デビューした。イメージカラーはオレンジ、キャッチコピーは「元気いっぱいパワフル娘」である。
最近では読売テレビ系「マネーの天使~あなたのお金、取り戻します!~」に武蔵川華子役でテレビドラマ初出演を果たした。藤田女流初段と藤田みりあはあまり似ていないのだが、藤田みりあが劇中でメガネをかけた姿が、藤田女流初段の風貌に近いのだ。これが不思議だ。
藤田みりあは17歳とまだ若い。これからの活動に注目したい。

11歳、小学生でデビューした藤田女流初段も、はや29歳である。それで肩書がまだ「女流初段」とは、本人もファンも、歯がゆいところである。現在、女流二段昇段までマジック「1」で、28日には上川香織女流二段との倉敷藤花戦がある。これに藤田女流初段が勝利してくれれば二重の意味でうれしいのだが、さて、どうなるか。
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女流棋士との親睦将棋会2016(3)

2016-03-23 00:13:44 | 将棋イベント

第2図以下の指し手。▲3七銀△3六歩▲同銀△3九飛▲4五銀△1九飛成▲5六銀△5七歩▲同角△7七角成▲同桂△5五歩▲6五銀△5六香▲5九歩△5七香成▲同金△2八竜▲6八香△5六桂
▲5八金引△6八桂成▲同金上△5六香▲6四角(第3図)

私は数年前から植山悦行七段と大野八一雄七段の教室に通っているが、ここで教わったことのひとつに「遊び駒を作らない」がある。
私は第2図で▲3七銀と上がった。このまま敵陣に迫っても2八銀が遊ぶからで、何とか活用したかった。でも、むかしだったら指せたかどうか。
久津知子女流初段は△3六歩と叩いて△3九飛だが、私は手順に▲4五銀~▲5六銀と活用して、やや持ち直したと思った。
ステージではカロリーナ・ステチェンスカ女流3級が話している。来年度の目標を聞かれ、
「女流2級になりたいです」
と答えていた。まあ、そうであろう。最近の高浜愛子女流2級の苦労を見るまでもなく、女流棋士は女流2級にならないと話にならない。
久津女流初段は△5七歩。これに迷いつつ▲同角と取ったが、悪手だった。
ここで△5一香くらいでもイヤだったが、久津女流初段は△7七角成!
要の銀を取られて△5五歩とされ、またこちらが悪くなった。
私はさらに駒損を重ね、△2八竜に▲6八香。泣きたくなるような辛抱だ。
ステージではお楽しみ抽選会が行われているが、私は確かめる余裕がない。△5六香に、受けていてはキリがないので、▲6四角と打った。

第3図以下の指し手。△6三銀打▲7四桂△同銀▲同銀△5八香成▲同歩△3九竜▲7三銀成△同銀▲同角成△同桂▲7四桂△7二玉▲8二飛△6三玉▲6二桂成(第4図)

△6三銀打に▲7四桂△同銀▲同銀。一時は2八にいた銀がここまで活用できたのだから、よしとしよう。本局では劣勢を挽回できなかったが、この指し方が後の将棋で活かされるはずだ。
△5八香成にはいきなり▲7三銀成と殺到したかったが、香1本でも手駒に加えたい。
それで▲5八同歩としたが、久津女流初段は△3九竜。しかしここは△6三金と受けられるのがイヤだった。
私は用意の▲7三銀成。最後のご奉公である。しかし△7三同桂までふつうに応接され、どうにも寄りがない。
▲7四桂には△7一玉でも負けっぽかったが、久津女流初段は△7二玉。私は▲8二飛~▲6二桂成と追ったが、次の手を指されたら投了しようと思った。

第4図以下の指し手。△5四玉▲4五銀△4三玉▲5四銀打△4二玉▲6一成桂△3一玉▲4二金△2一玉▲3二金△同金▲同飛成△同玉▲3三銀(途中図)

△3三同玉▲3四銀△2二玉▲2三歩△3一玉▲3三香△3二桂▲同香成△同玉▲4三銀左成(投了図)
まで、一公の勝ち。

第4図で△5三玉と寄られたら投了するつもりだった。以下▲5二成桂△4四玉で、3五に逃げられるからダメだ。
本譜▲4五銀△4三玉には▲4四香で詰みそうに思ったが、この将棋を私が勝ってはいけないと思った。それで▲5四銀打としたが、ちょっと足りない(もっとも、▲4四香でも△5三玉で上手が勝ちだ)。
しかし▲5一成桂に久津女流初段が△3一玉と引いたので、今度こそ下手が勝ちになってしまった。ここは△4二桂で、下手は本当に投了だった。
私が▲4二金と打つと、久津女流初段はハッとした。金があるの? という表情だが、金はさっき取ったのだ。
以下飛車を切って▲3三銀(途中図)。ここは平凡に▲4三銀打でも詰みだったが、カッコをつけてしまった。
▲4三銀左成まで、久津女流初段が投了。「序盤からボロボロで…」が久津女流初段の投了後第一声だった。

しかしここまでの内容を見ても分かるように、上手が自在に指し回し、終盤まで必勝の態勢だった。最後はもう、指導対局だから緩めてもらったとしかいいようがない。
世間では久津女流初段の評価は低いと思う。しかし今日実際に教えられた感じでは、ほかの女流棋士と全く遜色なく、たいへんな実力者だと思った。やはりプロは強いのだ。

パンフレットを見ると、スタンプ欄があり、ここに実行委員からスタンプを押してもらうと、賞品がもらえるらしい。
今年の実行委員は、長沢千和子女流四段、熊倉紫野女流初段、相川春香女流初段、野田澤彩乃女流1級。順繰りにゲットして、受付で賞品をいただいた。名菓「萩の月」だった。
さてプログラム第2部は、「ぐるぐる将棋」「30秒de二面指し」「次の一手…」である。ここからの司会は山口恵梨子女流初段が務める。
前述の通り、私はステージでの「次の一手…」に参加する。3対3のリレー将棋で、対局者は「先輩チーム 清水市代女流六段、山田久美女流四段、高群佐知子女流三段」と、「後輩チーム 北村桂香女流初段、山根ことみ女流初段、塚田恵梨花女流2級」。
先輩チームのお姉様力がすごく、後輩チームは戦わずして負けている感じだ。百獣の王ライオン対ふるえている仔羊といったところか。
3人混合だと戦型が重要だが、これを観客の多数決で決める。私たちは例の「赤、青、黄」のパンフレットを掲げ、先輩チームの居飛車、後輩チームの振り飛車と決まった。
両チームの得意戦法を考えるに、むしろ逆を持ったらおもしろいとも思ったが、さすがに観客席の判断は冷静だった。
先後とも、5手指して交代。持ち時間は20分、秒読みは一手30秒。記録は和田あき女流初段、記譜読み上げは竹俣紅女流1級。解説は高橋和女流三段、中村真梨花女流三段で、対局が開始された。

第1図までの指し手。
〔 〕内は3人の候補手。◎は採用手。
高群・塚田▲2六歩△3四歩▲7六歩△4二飛▲4八銀△6二玉▲6八玉△8八角成▲同銀△2二銀
清水・山根▲7八玉△3三銀▲9六歩△7二玉▲9五歩△8二玉▲8六歩△7二銀〔◎(赤)高橋▲5八金右・(青)中村▲7七桂・(黄)山口恵▲2五歩〕△4四歩
山田・北村▲5六歩△2四歩▲7七桂△2二飛▲8七銀△3五歩(第1図)

塚田女流2級は四間飛車に振り、△8八角成と換える。事前に組んだ作戦か、個人の判断か。
2組目に代わり、清水女流六段は▲8六歩。△7二銀に次の一手の出題となった。
高橋女流三段の候補は▲5八金右、中村女流三段の候補は▲7七桂。では第3候補がその他の手と思いきや、これを山口恵女流初段に聞いた。彼女は▲2五歩。
清水女流六段なら100%▲8七銀と上がる。ところが候補手の中にそれがないが、どういう進行になるのか。
とりあえず観客に予想を聞くと、▲5八金右が最も多かった。何と、指し手側はその手を指さねばならないらしかった。
おもしろい趣向だが、この方法で「次の一手名人」が決まるのだろうか。

第1図以下の指し手。▲4三角△5二角▲6五角成〔◎高橋△3四銀・中村△5一金左・和田△3二金〕(第2図)

△3五歩がやや軽率で、先輩チームは▲4三角と打って、馬を作った。ここでまた、次の一手。△3四銀、△5一金左の候補手に続いて、今度は和田女流初段が挙げる。さんざん迷って、△3二金とした。
観客の最多は、「△3四銀」。私は和田女流初段に乗ったので、ここで間違えた。
…が、ここで私はすべてを理解した。パンフレットを見ると、このコーナーは「みんなで選ぼう次の一手」。よくある「次の一手名人戦」とは似て非なるもので、名人を決めるのではなく、最後までみんなで楽しみましょう、という趣向だったのだ。
(25日につづく)
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女流棋士との親睦将棋会2016(2)

2016-03-22 01:04:09 | 将棋イベント
加藤桃子女流二冠VS里見香奈女流四冠戦は、里見女流四冠のゴキゲン中飛車になっていた。
谷川浩司九段の解説は分かりやすくてよい。聞き手の伊藤沙恵女流二段は、タイトル戦に登場した時の思い出話を語っている。
それもおもしろいが、私は指導対局中の女流棋士も鑑賞しなければならないから忙しい。
山口恵梨子女流初段は目元のシャドーが強い。ちょっとエキゾチックで、ニューエリコを思わせる。
和田あき女流初段も、静かに指導対局中。今はすっかり上手の貫禄が付いた。
千葉涼子女流四段に対峙している制服の女子高生は、平手戦を戦っている。形もしっかりしており、腕に覚えありと見た。
特選対局は、△6四角と▲4八角の分だけ、後手が指しやすいように見える。しかし勝負はまだまだこれからだ。
ここで解説の谷川九段は御役御免。香川愛生女流三段にバトンタッチした。
サイン会に竹俣紅女流1級が入った。高校から直行したのだろうか。最近はメディアでの露出が著しい竹俣女流1級だが、今は高校を卒業することが急務となっている。
それにしても、竹俣女流1級、室谷由紀女流二段、清水市代女流六段と並ぶ姿は圧倒的だ。その存在感は、もはや男性棋士を凌駕している。
特選対局では香川女流三段が、
「矢倉戦はじわじわしてて、敗因が分からないからイヤです。振り飛車戦は、敗因がハッキリするから好きです」
などと語っている。
局面は加藤女流二冠が攻勢を掛けている。先手が良くなったように見えた。
1回目の指導対局は14時40分までだ。現在14時25分を過ぎたところだが、終わっていない対局も少なくない。
10分前から感想戦を始めよ、のお達しなので、対局は正味50分(3,000秒)。1局が120手かかるとして、女流棋士が1手15秒で指すとすると、下手は残り2,100秒で60手を指さねばならない。1手平均35秒で、実はかなりの早指しを要求されているのだ。
加藤―里見戦はどうなっているのだろう。このままいけば勝敗を見届けぬまま2回戦の指導対局に入ってしまう…という時、里見女流四冠が投了した。
加藤―里見戦は、今後もタイトル戦でまみえる可能性が大。その意味でも、この勝利は大きかった。
時刻は14時40分になり、いよいよ私の指導対局である。
指導の久津知子女流初段は北海道在住で、普及に熱心な棋士のひとりである。20数年前、久津女流初段がプロデュースした将棋大会は現在も続いており、今や北海道に彼女の存在は欠かせない。現在は「おけいこライフ・久津知子の将棋教室」をネット上で開講しており、こちらの展開も楽しみである。
平手で対局開始。

第1図までの指し手。▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩▲4八銀△4二飛▲5六歩△6二玉▲6八玉△7二玉▲7八玉△8二玉▲5八金右△3二銀▲9六歩△9四歩▲6八銀△7二銀▲2五歩△3三角
▲5七銀左△5二金左▲3六歩△5四歩(第1図)

久津女流初段には、2年前の6月に行われた「女流棋士発足40周年記念パーティー」でお話をさせていただいた。でも久津女流初段は忘れているだろうし、私も持ち出さない。
久津女流初段は2年前よりスリムになっている気がした。もちろんこじはるに似ているが、中井広恵女流六段にも似ている。北海道にはこのテの顔が多いのだろうか。中井女流六段を思い出して私はまた血圧が上がりそうだが、冷静を装い、対局の専念に努めた。
私の居飛車明示に、久津女流初段は角道を止めて△4二飛。今や男性棋戦ではこの滑り出しすら珍しい。しかし振り飛車党の一部女流棋士にこの手順は健在である。
左は藤田綾女流初段のゾーンだったが、レイアウトの変更があって、ちょっと遠くに行ってしまった。こちらの久津女流初段は3面指しとなっていた。
久津女流初段は美濃に組み、△5四歩。
こう進めば、私が次に指す手は決まっている。

第1図以下の指し手。▲9七角△4一飛▲7九角△4三銀▲6六銀△4二飛▲3七銀△4五歩▲2四歩△同歩▲同角△2二飛▲2五歩△4四角▲6八角△3三桂▲2四歩△2五歩▲1六歩△6四歩
▲1七桂△2六歩▲同銀△6五歩▲7七銀△5五歩▲3七銀△3二銀▲3五歩△4三金▲2五桂△3五歩▲3六歩△5六歩▲3五歩△5五角▲4六歩△2四飛▲3三桂成△2八飛成
▲同銀△3三金(第2図)

私は▲9七角と上がった。今では誰も指さない山田流で、△4一飛にすぐ▲7九角と引くのが改良版。
むかしLPSA芝浦サロンでこの手をを指したら、観戦していた櫛田陽一六段が「この手を知っているとは…!!」と絶句したことを思い出す。ちなみに従来は▲8六角~▲6八角のルートで、これだと1手遅い。
指導対局者は私の左に1人加わり、4人(定員)になった。
ステージでは「ニューフェース紹介」をやっている。出席女流棋士は、北尾まどか女流二段、室田伊緒女流二段、中澤沙耶女流1級、カロリーナ・ステチェンスカ女流3級。
うしろの2人はいいとして、前の2人はどういう役割か。
北尾女流二段は司会役だろうが、室田女流二段は何だろう。まさか人生をリセットしたからではあるまい。
私は▲2四歩と突き出し、△2五歩に、▲1七桂からその歩を取りに行く。▲3七銀と飛車道を通したところでは、ずいぶんよくなったと思った。
しかし久津女流初段に△3二銀と辛抱され、中央から動かれて、いつの間にかこちらが悪くなっているのに愕然とした。
私はやむなく飛車交換を迫るが、自玉は薄く、△5六歩の存在も大きく、劣勢を認識した。
第2図で私が指した手は。

(つづく)
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