石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

おそめ

2007-07-04 09:53:22 | マイ本棚
「わくわくする本」に紹介してましたが
「おそめ 伝説の銀座マダムの数奇にして華麗な半生」やっと読了
読み応えのある 素敵な本でした。


京都木屋町の木材問屋に生まれた おそめこと上羽秀は
両親の離婚によって 複雑な家庭環境の少女時代をおくる。

東京新町の舞妓から京都祇園の超人気芸妓になり
松竹の会長に 囲われの身となり何不自由ない生活を手に入れるが
その境遇に満足せず そこを飛び出して
木屋町に小さなバー「おそめ」を開店
そして 銀座に支店を出店し
まだ新幹線もない頃、1週間のうち半分を祇園
半分を東京・・・飛行機で移動し「空飛ぶマダム」として
一世を風靡します

はんなりとして上品で それでいて芯の強いおそめを慕い
各界の名士たち
白州次郎 小津安二郎 川端康成 川口松太郎 青山二郎
などなど  が夜な夜な集い
銀座で一番有名で 一番高い超一流のクラブに育てます

「夜の文壇」 「夜の財界」 「夜の政界」ともてはやされ
銀座の女のひとの嫉妬を 一身に受け、商売は大繁盛

でも私生活は複雑で
3人の子供と妻を持つ 映画プロデューサーと
内縁関係になり その男性と妻子、親兄弟まで
おそめの稼ぎで 養うことになります
生涯、その映画プロデューサー 後藤浩慈だけを愛し
支えた おそめ
時代の流れが変わっっていき 飛ぶ鳥落とす勢いの
おそめの店も だんだん周落していきます

当時、誰もが知っていたであろう銀座「おそめ」
でも時代の変わった今では もう人々の口にものぼらなくなって
記憶の片隅に残っているひとも 少ないだろう

このおそめを徹底取材し 5年の歳月をかけて
まとめあげた 作者の石井妙子さんは
私より1歳年下の女性である。
この人のお陰で 「おそめさん」の存在を知ることができた。

晩年、店にきてくれた名士たちが 病床につくと
一日かけてお見舞いに行ったおそめ
元気で勢いのあるときには 蟻のように群がってきた
人々も 老いて病についたときには
誰一人として見向きもしないなか
おそめだけは 栄光のときと同じように
誠意と優しさをもって 接してくれたそうです

この本を読んで 人の一生なんて ほんの一瞬
綺羅星のようであり うたかたのようであり
砂のうえに建てられた もろい城
どんなに栄えて 煌いていても
それには 終わりがくるんだなあとしみじみ感じた。
でも、綺羅星であるうちは 精一杯光を出して
輝きたい

面白くて素敵な本だったので
もう1冊 買おうと思い アマゾンで注文した
ビールに酔って注文したので 
2冊 注文してしまった
読みたい人 申し出てください
お貸しいたします

コメント (7)
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