石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

日日是好日(にちにちこれこうじつ)

2007-11-12 23:33:42 | Weblog
素敵な本を読んだ
森下典子「日日是好日」



作者の森下典子さんは 
週刊朝日の「デキゴトロジー」というコラムの
取材記者だった方で 「典奴」の愛称で親しまれている
エッセイストである

典奴さん、20歳の頃からもう25年以上
茶道を続けているそうで
茶道を通して 自分が成長していった様子を
このエッセイで著している

茶道をしている方はもちろんのこと
茶道をしていない方も 読んでもらいたいような本だった

私は結婚前に花嫁修業で お茶とお花を習った。
まだ20代前半のことである。
お花は 今でもあまり興味が沸かないのだけど
お茶は なんだか自分に合ってるような気がして
もっと深くを知りたいなと思ったの

結婚・出産・育児・・でブランクがあいたあと
35歳で 再びお茶を始めた

主人から言わすと しゃかしゃかお茶を点てるだけのことに
なぜそんなにシャカリキになるのかわからないのだそう
お茶をたてて他人に飲ませるだけのことが
何故そんなに奥が深いと言うのか・・

説明できない想いが たくさんあって
とても言葉で 伝えることができない
この奥の深さ・・というか
日本文化の根源・・みたいなことを
肌では感じるのだが 言葉にできないもどかしさ

でも、典奴さんは 見事、この本のなかで説明してくれている

たかがシャカシャカ・・
されどシャカシャカなのである

最初は 型にはまったお点前を習得するのに
一生懸命で まわりを見渡す余裕など
全くないのだが だんだんと
まず季節感を感じるようになる
そして 日本の文化の集大成のようなことが
全体像としておぼろげながら見えてくる

そして 命に終わりがあること
一期一会という言葉があらわすように
この大切な一瞬一瞬は もう二度と戻ってはこない
刹那感を感じるようになる

季節の繊細な美しさを 自分がいったい
あと何回味わうことができるかな・・という
感情が 胸によぎることがある

だからこそ戦国時代に 
茶道が名のある武将たちのあいだに
嗜みとして広まったのだと思う

若くて、自分に終わりや死がくることが
皆目想像つかないような時分には
わからなかったことが
この年齢になってくるとだんだんわかるようになる
これから年を重ねるごとに もっともっと
刹那さを感じるようになると思う

典奴さんもお父さんを急に亡くされて
愛するひとと 二度と会えない日が来ることを
経験される
人間は ある日を境に 「二度と」会えなくなる時が
必ず来るということを学ばれる
そのことが頭でわかっていても 本当にそうなるまで
心の準備などできずに
失った悲しみに慣れていくしかできない

本のなかで 私が好きになった文章の一節

会いたいと思ったら 会わなければいけない
好きなひとがいたら 好きと言わなければいけない
花が咲いたら祝おう
恋をしたら溺れよう
嬉しかったら分かち合おう
幸せな時は その幸せを抱きしめて
100パーセント噛みしめる
だから 大事な人に会えたら
共に食べ 共に生き だんらんを噛みしめる
一期一会とは そういうことなんだ・・・・

この一節を お風呂のなかで読んでて
涙が止まらなくなってしまいました
人生を噛みしめて 人とのつながりを
大切にしたいと 強く思いました


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする