石屋のカミさん日記

仕事に趣味に 好奇心の赴くまま楽しいこと追求します!

本との出合い

2008-12-14 21:25:44 | Weblog
好きな場所は 書店や図書館。
圧倒されそうなほど膨大な書籍を見ると
一生かけても読みきれないと呆然とする。

人との出逢いがあるように
本とも「運命の出逢い」が必ずあると思う。

最近は、出版のサイクルも目まぐるしくて
次から次へと新刊が出版されるし
売れない本は どんどん廃刊となってしまう。

良さそうな本だなあと思っても
次に再び遭えるかどうかわからない
だからとりあえず買うことにしている。

本が、一生懸命 自己主張しているときがある。
「読んでほしい」「買ってほしい」とアピールしているときがある。

何故かその本を手に取ってしまう運命的な出逢い

このあいだ書店に行って、そんな本と出合った。

「どうせ死んでしまうのに、なぜいま死んではいけないのか?」
中島 義道著




中島義道

このタイトルにいきなり心臓を貫かれた感じ。
そんなことを今まで考えたことがなかったから。
「私達は何故生きるのか」という人類普遍の問い
こういう問いかけなら 今までいくらでも目にしてきたが。
「どうせ死んでしまうのに・・」なんて。

著者の中島義道さんは 東大教養学部・法学部を卒業
東大大学院卒業・ウィーン大学卒業
哲学博士であり、大学教授。
専攻は時間論と自我論・・・という秀才だ。

でも、読んでいるとだんだん腹が立ってくるほどの超変人

こんなネガティブな考え方をするような人、
今まで見たことがないくらい
めちゃめちゃ暗くて悲観的ですべての物事に否定的な人。

「半隠遁をめざそう!」が彼のテーマで、
社会のすべてとほとんど縁を切り、自分の好きなことだけをやって
ひきこもろう・・という とんでもない考えを提案している。

この世のすべての仕事に意味などないし
人類が生きている意味なんてない!
どうせすべての人は死んでしまって
この世にあるものもすべてなくなってしまう
という極論。

最初は頭がおかしくなりそうで すごい本だなと思っていたが
読むのを中断できないくらい虜になってしまった。

最近、ポジティブ思考・プラス思考の本ばかりで
こんな対極の考え方の書物を読んだ事がなかったから
目から鱗が落ちた感じがした。
妙に引き込まれて、他の作品も読んでみたいと思った。

書いてある事はかなり哲学的で難しいことなんだろうが
抵抗なく読めるし、あまりのネガティブさに
かえって笑えてくる・・・。
自分が悩んでることがあまりにも小さいようで
ほんとに気が楽になってくるような本だ。

でも、使用方法を間違えると大変な事になるくらい
「猛毒」を含んでいる本なので
子供には読ませたくない。
私みたいに 超が5~6個つくほど楽観的なひとが
読むと丁度よいかもしれない。

強烈な本でした。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする