やっと ひと月がかりで 本を読み終えた。
年をとると 眠れなくなると まわりでいっぱい聞くのに
毎晩 夜になると眠くてたまらない。
朝までぐっすり眠っている。
だから読書も 同じページを行ったり来たり。
諸田玲子 著 「今ひとたびの、和泉式部」。
源氏物語講座や 百人一首講座などで
平安時代の暮らしぶりや男女関係などを 勉強してきて
時代背景の基礎が ぼんやりわかってきたので
とても面白い。
和泉式部は 恋多き女性で 恋愛上手な女流歌人。
この時代、和歌が上手だと モテる。
和泉式部の恋と波乱に満ちた人生を読んでいると
どんなに辛い別れがあっても すぐに次の男性と恋に落ちる
「才能」に感心してしまう。
年齢を重ねて 落ち着いてくると
愛だの 恋だのなんて 無関心で、心が堅くなってしまうけど
「恋多き女」って 純粋でひたむきで きっと心が
とびきり柔軟なんだと思う。
もの おもへば 沢のほたるも わが身より
あくがれいずる たまかぞと見る
白露も 夢も この世も まぼろしも
たとへて いへば ひさしかりけり
ちなみに百人一首にのっている和泉式部のうた
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
今ひとたびの 逢ふこともがな
病床にあるとき 読んだ歌
もう長くはないわ 私の命。あの世へ旅立つ思い出に
もう一度 せめてもう一度 あなたにお逢いしたい。