goo blog サービス終了のお知らせ 

J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

湘南ベルマーレの事例29 【J特】

2012-01-10 00:03:24 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 湘南サポのs_tanaka氏から先日、ある記事を紹介していただきました。読んでみましたが、なかなかいい記事だったので、抜粋して紹介させていただきます。
   

 湘南ベルマーレにはJリーグに加えてもう一つの顔がある。NPO法人湘南ベルマーレスポーツクラブとして、サッカーをはじめとした様々なスポーツの振興、普及、育成活動を行っている。現在は、企業スポーツから脱却し、高い理想と素晴らしい理念に基づいて運営されているスポーツクラブとして活動。
 元々経営が厳しく、どれだけたくさんの人を仲間にできるかというところがポイントになると思っていたので、「Jリーグ百年構想」をもう一度読み直してみた。
・あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること。
・サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること。
・「観る」「する」「参加する」。スポーツを通して世代を超えた触れ合いの場を広げること。


 ヨーロッパ型のスポーツクラブを連想した。いろいろなスポーツを多角的に運営し、それを教えていくことで、子どもや親という仲間をたくさん集めることができそうだと考えた。企業スポーツが限界を見せ始めたため、「市民クラブ」「地域のためのスポーツクラブ」にしていくしかなかった。地元に「何とかベルマーレの存続にお力をお貸し下さい」とお願いして、「市民クラブ」にならざるを得なかった。そういう時に、ビーチバレーを指導していたバレーボール元日本代表の川合俊一氏から、ビーチバレーチームの話をもらった。
   
 現在は、湘南ベルマーレのビーチバレーチーム設立代表を務めてもらっているが、当時は、日本人初のプロビーチバレーボール選手として活躍後、コーチをしていた。その状況の中で、ビーチバレーができそうな砂浜を探していた川合氏がたまたま平塚の海岸にやってきた。行政で散歩や日向ぼっこができるデッキボードを作ることになった。単なるデッキボードだが、人気のスポットになっていった。
 平塚の海は遊泳禁止で余り人が来なくてとてもきれいだった。そこにおしゃれなデッキボードができて、きれいな海が見られると話題にもなり、人が集まるようになった。撤去の時期が来た時に地元が「せっかく貴重な税金を使って作ったのだし、こんなに多くの人でにぎわう人気スポットになったのだから、壊してしまうのはもったいない。地元できちんと管理しますから、ぜひ残してほしい」と行政に訴えた。最後は「せめて、老朽化するまでは残して欲しい」と訴えて、安全管理や修理を青年会議所や地元の人たちが自分たちでしっかりやることを条件に、何とか存続された。

 その流れで、勝手にビーチバレーをはじめてしまった。川合氏は有名人なので、地元の人たちとも仲よくなり、コートが常設されるようになった。ビーチバレーの観客が増えると、地元の青年会議所や地元の人々が行政に交渉して、常設トイレや街灯、シャワー室が次々とできていった。そして、市の予算でデッキボードの上に管理棟も建てられた。気がつくと、何もなかった平塚の海は、いつの間にかビーチバレーのメッカになっていた。まさに、ヨーロッパ型のスポーツクラブと同じになった。市民が自らスポーツクラブを作ってしまった経緯と重なる。

 自分達はJリーグというトップチームの側から地域に広げていったが、ビーチバレーは地域の側からトップのほうへと広がったということで、偶然とはいえ、いい形で一緒になることができた。私たちはとにかく一刻も早く初めて、事業として成り立たせていかなければならなかったので、余り時間はなかった。陸上競技も候補に挙がったが、大きな組織なので難しかった。元サッカー選手だった中島氏からの声掛けでトライアスロンを始めた。新しい競技団体というのは新しい事に積極的で、日本トライアスロン連合(JTU)にも応援してもらったし、フットワークも軽かった。トライアスロンなら、マラソン、自転車、水泳だけの大会に分割することも可能。1つの競技ながら幅広い活動ができるし、自分達の理念に賛同してくれた事が大きかった。

 シドニー五輪のメダリストの安藤美佐子氏が、ソフトボールの提案をしてきたが、正直、ソフトボールで事業化して採算が取れるかどうかわからなかったので、一度は断わった。最初の断り文句として「市民クラブはお金がないので給料は払えない」と言ったが、「いえ、自分たちで働くから、給料はいらない」と言い、「これはどうしますか?」と断る理由を次々に挙げていったが、どれもすぐに解決策を出してきた。こうして湘南ベルマーレのソフトボールチームが誕生した。
 一流のアスリートはプレゼンも上手いだけでなく、事業も進めるのも上手い。目標を設定する力、達成するための考える力、それを実行する力を、スポーツを通じて身につけている。目標を決めて達成するということを繰り返してきたから、その目標が会員数獲得の数字に変わっても、同じようにやれる。

 他のクラブチームではなかなか同様にいかないのはなぜなのかは、他のクラブでもできる事を、ただやらないだけだと思う。ベルマーレの長所は決断までに時間がかからない事。そしてとにかくやらなければ存続できなかったからやるしかなかった。すべてについて自分がチェックせず、すべてその競技のコーチ陣に「数字の面も含めて事業計画さえしっかりしていれば、どんどんやってください」と任せた。判断基準は「大丈夫?」と尋ねて、「大丈夫です!」とすぐに返ってくるかどうかだけだった。アスリートは、案外、数字にも細かい人が多いと思う。

 今後は大企業ではなく、地元の一般市民の方々にサポーターになってもらい、出資してもらっている地元の人達にどのように利益を還元していくかという発想で、これからもやっていく。勝つ事だけがサポーターへの還元ではないと考える。還元する方法が勝つことだけだと、負けてしまったときにサポーターとの関係が難しくなる。だから、勝っても負けてもしっかり還元していく。地元の人達に有益なものを提供していく。そのような意味で、地域貢献活動を、これからも積極的に行っていく。
 勝ち負けを超えたところは、地元の人達を喜ばすしか、自分達が収益をあげる場所はないと思う、そういう意味では社会企業なのかもしれない。自分達はまだまだスポーツクラブの理想型には程遠いと思っている。山で言えば3合目です。さらに頂上を目指してこれからも活動していきたいと思っているし、我々が前例となって、各地に総合型スポーツクラブができて、多くの人たちがスポーツを通して幸せになれるようにと願っている。


 Jリーグの中で一番尊敬している社長が、この眞壁社長。やはり違いますね。阪神のように勝っても負けても応援してくれるようなクラブになりたいという誰かの声をどこかで聞いた事がありますが、それだけでは実はいい加減な意見なのかもしれません。眞壁社長は、そのために地域貢献活動で地元に還元していくと言われています。それに対して、地域に根が張れないクラブが、単に負けても応援してくれというのは実に無責任な話なのかもしれません。
 どこかの誰かが口にした「スポンサードの費用対効果」というのは、こちらのクラブで言っている事とちょっと違う。地元地域へどのように還元するかなのです。そういう面ではレベルが違うと実感します。
 J2松本に反町監督が就任されましたが、ぜひこの辺りを実践して欲しいですね。監督をされた新潟も湘南もスポーツ文化は豊かです。ぜひ、J2湘南を参考にして欲しいと個人的に思います。100年続けたいJクラブは、もう一度「Jリーグ百年構想」を読み直して下さい。この記事では「勝ち負けをこえたリレーションシップが大切になります。本当の意味で地元とのコミュニケーションを追求し、多くの生涯サポーターをつくりだしています。地域とともに未来永劫発展するプロスポーツの姿がそこにあります」と締めくくっています。
ビズオーシャンコラム「眞壁社長インタビュー」①:http://www.bizocean.jp/column/president/presiden135/
    〃                      ②:http://www.bizocean.jp/column/president/presiden136/
    〃                      ③:http://www.bizocean.jp/column/president/presiden137/
NPO法人湘南ベルマーレ公式HP:http://www.bellmare.or.jp/
J2湘南公式HP:http://www.bellmare.co.jp/
湘南ベルマーレ関連:292827262524232221

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする