サポティスタを観ていたら、クラブライセンス制度の更に詳しい情報が載っていました。このサイトはサポーター目線のサイトで、旬な情報を早く発信するので実は重宝しています。以下、抜粋して紹介。
【5つの審査基準】
1競技基準 2施設基準 3人事体制、組織運営基準 4法務基準 5財務基準
※施設基準を除く4つはJ1、J2共通。施設に関しては一部、J1、J2で分かれる。
【3つの等級】
A等級(44)
ライセンス申請するクラブは達成することが必須。達成しなかればライセンスは交付されない。
B等級(3)
ライセンス申請するクラブは達成することが必須。達成しなかれば制裁が科された上でライセンスは交付される。
C等級(9)
達成が推奨されるもの。ライセンスの交付には関係ないが、将来的に「A」「B」に引き上げられる可能性がある。
※J基準>AFC基準
J基準をクリアすればAFC基準をクリアしているため、成績さえ満たせばAFCの大会に出場可能。ただしAFCによるスタジアム調査の結果、開催不可(別会場での開催)となる場合も(決定権はAFCにある)。
※財務基準の独自ルール
・3期連続で当期純損失を計上したクラブにはJライセンスを交付しない。
・ライセンス申請日の前期末決算で、純資産がマイナス(債務超過)であるクラブには、Jライセンスを交付しない。
1競技基準(A5・C2)
・承認されたアカデミープログラム(A) ・アカデミーチーム(U-10、U-12、U-15、U-18)(A)
・選手の医療面でのケア(A) ・プロ選手との書面による契約(A) ・レフェリングに関する事項と「FIFA競技規則」(A)
・人種的平等の実践(C) ・女子チーム(C)
2施設基準(A10、B3、C4)
・公認スタジアム(JFA及びJリーグの公認)(A) ・スタジアムの認可(国内法、地域条例を満たす)(A)
・スタジアム入場可能数(J1:1万5千人以上 J2:1万人以上)(A) ・スタジアム:運営本部及び警察消防司令室(A)
・スタジアム:観客エリア(異なるセクターに分離可能に)(A) ・スタジアム:医務室、救護室(A)
・スタジアム:安全性(国内法令に基づき)(A) ・スタジアム:承認された避難計画(A)
・トレーニング施設(常時使用できるピッチ、屋内施設、クラブハウス、メディカルルーム)(A) ・アカデミーのトレーニング施設(同上)(A)
・スタジアム:基本原則(B) ・スタジアム:衛生施設(トイレの数)(B) ・スタジアム:衛生施設(トイレの数)(C)
・スタジアム:屋根(3分の1)(B) ・スタジアム:屋根(全席)(C) ・スタジアム:案内サインと動線(C) ・スタジアム:車椅子席(C)
3人事体制、組織運営基準(A18)
・クラブ事務局(A) ・代表取締役(A) ・財務担当(ファイナンスオフィサー)(A) ・運営担当(オペレーションオフィサー)(A)
・セキュリティ担当(セキュリティオフィサー)(A) ・メディア担当(メディアオフィサー)(A) ・マーケティング担当(A)
・医師(メディカルドクター)(A) ・理学療法士(A) ・トップチーム監督(A)
・トップチームのアシスタントコーチ(A) ・アカデミーダイレクター(A) ・アカデミーチーム監督(A)
・アカデミーチームコーチ(A) ・安全:警備組織、警備員(A) ・権利と義務(A)
・ライセンス申請書類提出後の変更通知義務(10日以内に)(A) ・ライセンス交付シーズンにおける後任の選任義務(7日以内に)(A)
4法務基準(A4、C2)
・AFCクラブ競技会出場への宣誓書(A) ・クラブの登記情報(A) ・他クラブの経営等への関与の禁止(A)
・クラブ内の懲戒手続き(A) ・選手と社員のための行動規範(C) ・顧問弁護士(リーガルオフィサー)(C)
5財務基準(A7、C1)
・年次財務諸表(監査済み)(A) ・中間財務諸表(監査済み)(C)
・選手移籍活動によって生じる他のフットボールクラブに対する期限経過未払金の皆無(A)
・従業員や社会保険当局、税務当局に対する期限経過未払金の皆無(A)
・ライセンス交付の決定に先立つ表明書(A) ・予算及び予算実績、財務状況の見通し(A)
・ライセンス交付後の重要な後発事象の通知義務(A) ・財務状況の見通しの修正義務(A)
まず目に留まるのが「1競技基準」。アカデミーチームの欄にはユース、ジュニアユースの他に「U-10、U-12」ジュニアチームの存在も掲げられています。これって、普及スクールでもOKなのかな。そして「女子チーム」。等級はCですが、岡山みたいになでしこクラブの2つ目ができようかという土地柄はしんどいですね。
具体的に見てもなかなか厳しい基準ですね。個人的に気になるのが、「3 人事体制、組織運営基準」の「クラブ事務局」「運営担当(オペレーションオフィサー)」の部分。あくまで一般的なとらえ方ですが、この辺は運営会社の役員も含まれるのか、どういう基準なのか知りたいですね。更に能力の高い専門的な人材という事に思えますが、J2栃木やJ2山形のようにメジャークラブやJリーグから人材がやってくるのが一番好ましいと思います。
このクラブライセンス制度は最近、あちこちのニュースで、「J2クラブ大丈夫か」という感じで記事が出ます。しかし、見方を変えれば、「こういうライセンスがあるから支援が必要」と、行政やスポンサーにお願いツールになるという事になります。クラブライセンスを使って、うまくクラブ経営を進歩させるか、唯我独尊で自分達のやり方に固執し過ぎて、よそのクラブに抜かれながら低迷、JFLへの降格圏内に顔を出してしまう事態になってしまうか、今シーズンは去年までと違って、ものすごく緊張感のあるシーズンになりそうです。