事例紹介コラムです。
最近、2014明治安田生命J3リーグの批評を見る事が増えてきました。まるで、一時期の2ステージ制騒動のように。今回2つのコラムを抜粋して紹介します。
【北川信行のサッカーなんでやねん】
Jリーグはどこへ向かおうとしているのか。今シーズンから発足するJ3の概要を見るとそう思う。サッカーの裾野を広げ、日本各地にプロサッカークラブをつくるという観点からすれば、J3の構想はまっとうなもののように見える。だが、看板リーグのJ1の各クラブが観客数の伸び悩みなどに苦しんでいる中での中途半端な「拡大路線」には首をかしげたくなる。
J1の魅力を高めるための2ステージ制導入と、チーム数増によってJリーグ全体のレベルの低下を招きかねないJ3創設は相反しているように思える。それをあえて同時進行しているのは拙速な感を感じる。
そうでなくても、J3には不透明な部分がある。例えば天皇杯。現行の制度では、J1、J2のチームはシードされて2回戦から出場するが、J3のチームも同様に扱うと、出場チーム数が増え、大会運営自体が難しくなる。都道府県予選から出場させるとすると、既に発表になっているJ3の試合日程との調整はうまくいくのか。
U-22選抜チームの位置づけも不明瞭。毎週のように組まれている試合日程の中で、どの時点で集合し、どれだけ一緒に練習を行って連係を高め、試合に臨めるのか。ただ試合に出場するのが目的というのであれば、あまり効果は得られないのでは。
本当に若手に実戦の舞台を与えたいのならば、スペインリーグなどのように、J1のユースチームやBチームがJ3に参加する道を開くべき。その方が、普段一緒に練習しているチームで試合に臨むことができ、選手のためになるだろう。J3でJ1のBチームの選手が活躍し、話題を集めてトップチームに昇格すれば、J1の観客増につながる可能性もある。
いっそのこと、J3だけ創設するのではなく、J4も含めて一緒に立ち上げ、そちらを新規参入クラブの窓口にすれば良かったのではないか。JFLとの線引きが難しくなるが、そろそろ2つの組織の関係も見直した方がいい時期にきているのではないだろうか。サポーターからの反発も強いとされる2ステージ制の議論も含め、どうも「生煮え」な感は否めない。
iZa!コラムページ:http://www.iza.ne.jp/kiji/sports/news/140119/spo14011908000008-n1.html
【選手は低レベルで低待遇…J3リーグは前途多難】
「2014明治安田生命J3リーグ」は課題を抱えながらの船出となる。JリーグU―22選抜チームだが、Jリーグで出番のない若手選手の寄り合い所帯が参画するが、そもそもマトモに戦えるのか?
「J1、J2の所属選手で週末の試合にベンチ入りしない若手の中から金曜日夜に選抜メンバーを選ぶ。それから個々の選手に連絡を取り、土曜日中に試合会場に集合をかけて2時間ほど全体練習を行う。日曜日に試合をこなし、その日のうちに所属チームに戻るというサイクル。毎試合メンバーが変わるし、過酷な強行日程でチームの体をなすのか、非常に疑問が残る」とサッカー記者のコメント。
J3リーグは選手は大半が「バイトを掛け持ちしながらのアマチュア選手」で低レベル、低待遇の選手が全国リーグをやって日本サッカーの底上げになるのか、これも疑問視されている。問題山積のJ3なのである。
ゲンダイNET該当ページ:http://gendai.net/articles/view/sports/147605
以上、最近見かけたコラムです。なかなか厳しい内容ですね。Jリーグ100クラブ構想のもとに、華やかに「2014明治安田生命J3リーグ」をスタートさせましたが、いろいろと欠陥と見られる部分が出てきました。上の北川さんは2ステージ制の肯定論者のようですが、「生煮え感」とも言っている。2014明治安田生命J3リーグについては厳しい見方です。特に拡大路線を批判していますね。当ブログとしては、拡大するのはいいが、わかりやすく適確にやって欲しかったなと。後で後ろ指を指されるのは良くないと思います。つまり詰めが甘い。
後者ですが、2014明治安田生命J3リーグは南北に広くクラブが分布しており、移動が大変ではないかと思います。東側・西側と多少は召集方針が変わるのかもしれませんが。
あと、利益を追求するのは当然、「プロ」サッカーは商業。どんどん売上を増やしていくのは当然という価値観を耳にしました。100%自己資金で経営している私企業なら当然でしょうが、Jクラブは地域から寄付を受け、行政や財界から出資を受け、スポンサー企業から支援を受ける「公共財」という側面が強いです。三位一体(市民・行政・財界)の支援を受けているので、ただ自分達で儲ければいいという訳にはいかないと思います。市民の署名運動のもとに税金で建設されたスタジアムを使用し、構成役員に地元各分野での名士等が入っているパターン(偏った構成もあるようですが)がほとんどです。そ んな地域の視線と期待を全身に受ける身で、「自分勝手に自分達の利益を追求すればいい」というのは許されないと思います。
ただ、クラブライセンスもあり、運営会社にも経営力が問われています。なので、当ブログでは、100かゼロかの選択ではなく、バランスを取る事だと思います。ライセンスを剥奪されるほど、費用をかけて地域貢献活動をするべきでもないし、「そういう契約をしていない」と選手をガチっと囲い込んで地域に全く目を向けないのもどうかと思います。そこを上手いバランスで運営し、「地域の宝」になっていく事が大事なのではないかと個人的に思います。
プロスポーツは儲けて食べていくだけのものではなく、ビジネスという形で地域に夢を与えていくものだと思います。ただ、商業の基本でもあると思いますが、消費者(サッカーで言うとファン・サポーターですか)を無視して事業を行うのは好ましくないと思うし、消費者不在は長続きしないでしょう。どんな業種の老舗企業も、しっかり顧客の声に耳を傾け、消費者本位で経営されていると思います。
そんな中で、「2014明治安田生命J3リーグ」を後ろ指差す光景が増えてきています。2ステージ制騒動もそうですが、称賛する声ばかりだったら当ブログもこんなネガティブな論調にはなっていないでしょう。今後も情報開示の姿勢で、様々な事に向き合っていきたいと思います。
J3リーグ関連③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130131
〃 ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130107
〃 ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20131121