リスペクトコラムです。
ちょうど1年前くらいに。J2岡山が岡山市内のスポーツ施設の指定管理者になったと紹介しましたが、去年に総社市、そして県の施設である岡山総合グラウンドの指定管理者になったと、立て続けに発表がありました。地元のJクラブのいい情報なのでリスペクトしてみたいと思います。1年前の時に「今まで地元J2岡山が携わってきたスポーツ競技(メニュー)といえば、ずっとサッカー、フットサル、チアダンス。もう少し、スポーツ文化で広がりを見せるのではないか、見せて欲しいと期待するのは当ブログだけでしょうか」と書きましたが、どうだったのか。
【岡山県総合グラウンド 指定管理者 受託】
「株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブでは、一般社団法人岡山県総合協力事業団、公益財団法人岡山県スポーツ協会、一般社団法人岡山県レクリエーション協会、株式会社山陽新聞社と岡山県総合グラウンドコンソーシアム『チーム岡山』を構成し、岡山県総合グラウンドの指定管理者として指定を受け、令和4年4月1日より管理運営の一部を担わせていただくこととなりました。
弊社では、岡山県民の皆さまの人生がスポーツを通じてより豊かになれるよう、岡山県内のスポーツ施設の充実を担ってまいりたいと考え、本年4月1日より、岡山市社会体育施設(25施設)の指定管理者として活動を開始しており、令和4年4月からは同指定管理者に加えて、総社市スポーツセンター等体育施設(5施設)の指定管理を受託することも決定しております。
クラブの創設以来、クラブ理念『子どもたちに夢を!』と、Jリーグ百年構想の理念である『あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること。』、『サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること。』、『「観る」「する」「参加する」。スポーツを通して世代を超えた触れ合いの輪を広げること。』を念頭に活動してまいりました。クラブ理念に基づき、コンソーシアム構成5者の力を結集した『オール岡山』体制で、それぞれの能力と強みを最大限に生かすことにより、岡山県総合グラウンドの発展とにぎわいづくり、岡山県のスポーツ・健康づくりの推進、利用者の皆さまへのサービス向上等に一層努めてまいります。
なお、弊社が管理するスポーツ施設は岡山市(政田サッカー場を含む)、総社市を併せて32施設となります。(発表日時点)
【岡山県総合グラウンド 概要】
所在地 : 岡山市北区いずみ町2-1
主な施設 : シティライトスタジアム、補助陸上競技場、野球場、ジップアリーナ岡山、テニスコート、水泳場、弓道場、自由広場、多目的広場」
引用:クラブ公式HP
Cスタ、ZIPアリーナを含む岡山総合グラウンド全体の指定管理者になるのは大きいと思います。たぶん、ファン・サポーターも含めてJ2岡山に関わるどの人もずっと期待していたはず。今回各団体とコンソーシアムを構成とあります。ZIPアリーナに県スポーツ協会が入居しています。どこまでかわかりませんが、今までは県スポーツ協会が指定管理者なのかなというイメージでした。コンソーシアムという形で、その管理業務にJ2岡山や山陽新聞さんが加わるイメージですね。個人的にはZIPアリーナを利用する他の3クラブ(シーガルズ、トライフープ、リベッツ)も加わるのが理想とは思いますが。
スポーツ文化の更なる振興も期待できますが、個人的にはファジフーズの改善を期待します。確か、本来ならば1店ごとに料金がかかるが、ファジフーズは全体で1店とみなした料金にしているらしい。だから実店舗名をほとんど表記していない(店舗のプライスカードの隅にギリギリ読める程度の表記あり)らしいと聞いています。
しかし、他のJクラブを見渡してみると、たぶん岡山以外に公式HP等で実店舗名を表記していないところは皆無ではないかなと。テント番号のみの表記で運営しているスタグルはかなり異色(また全クラブチェックしてみるとしましょう)かなと。もし、その辺りの規制があったとしたら、今回の指定管理者になる事によって緩和され、他の全国のJクラブのように実店舗名を表記し、地域振興、地域の飲食業の振興に貢献できると期待します。今後、当ブログとしてはそういう目線で注視していきたいと思います。
【総社市スポーツセンター等体育施設(5施設) 指定管理者 受託】
「株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブでは、このたび総社市スポーツセンター等体育施設(5施設)の指定管理者として指定を受け、株式会社エヌ・シー・ピーとともに(※1)、令和4年4月1日より管理運営をさせていただくこととなりました。岡山県民の皆さまの人生がスポーツを通じてより豊かになれるよう、岡山県内のスポーツ施設の充実を担ってまいりたいと考え、本年4月1日より、岡山市社会体育施設(25施設)の指定管理者として活動を開始しており、総社市での受託は初めてとなります。
ホームタウン(※2)の一つである総社市が掲げる「乳幼児から高齢者まで、好みや志向、力に応じたスポーツとの豊かなかかわりにより、幸せな暮らし、豊かな人生を拓いていくとともに、誰にも居心地の良いまちづくりに貢献していく」ことに深く共感し、公募に参加いたしました。今後は、施設面の充実、そしてスポーツと総社市民の皆さまのかかわりの場を増やしていけるよう取り組んでまいります。」
■施設一覧
1 総社市スポーツセンター(きびじアリーナ等) 総社市三輪1300番地
2 総社市武道館 総社市真壁423番地1
3 総社市総社北公園陸上競技場 総社市福井1200番地
4 総社市山手スポーツ広場 総社市宿1778番地1
5 総社市高梁川河川敷グラウンド 総社市真壁1000番12地先河川敷」
引用:クラブ公式HP
岡山総合グラウンドの前に、総社市の施設の指定管理を受託しました。総社の施設からコンソーシアムという形になっていっているようです。確かに1クラブだけでは手が回らないでしょう。今までのJ2岡山はアウトソーシングという部分では他県のJクラブに比べて疎い印象があっただけに、いい流れだと思います。これに限らず、どんどんやって欲しいと思います。サポートショップ制度とかぜひやって欲しい。
ただ、J2岡山が岡山市の施設の指定管理を担ったこの1年、サッカー以外のスポーツ振興が何かできたのかと見れば、正直何も見えてきません。岡山市の時にも書きましたが、今後どうなっていくのか。両面から個人的に予想してみたいと思います。
【ポジティブな展開】
①各施設でイベントや大会誘致、教室・講座の開催増加で活性化、利用者の増加
今までは開催されなかったイベントや、大会の誘致で25の施設で開催され、利用者の増大につながる。
②総合型地域スポーツクラブへ向けた進化
まずは教室だと思います。各競技の教室が大きく増加し、各地域で総合型地域スポーツクラブへの機運が盛り上がる。
③どこの施設でもファジアーノ色に溢れる景色
職員の服装、ポスターの掲示、チラシコーナー等の露出でファジアーノ色が強調され、地域住民にPR効果が増す。
④各競技団体との関係強化
岡山市体協、市の協会なり競技ごとに市の組織があります。そことの連携が強化され、市内のスポーツ自体が活性化。
⑤サービス面の改善
J2岡山のネットワークを生かして、経験あるスタッフが管理を行い、サービスが良くなる可能性があります。ただ、前任者が両備さんで、同じく民間なので期待しすぎかもしれませんが。
指定管理者はあくまで運営を委託されるので、そこまで自社の事をPRできないのではないかという見方もあります。ここでイメージされるのは、カシマサッカースタジアムであり、最近では富士通スタジアム川崎です。事例説明は省略します。当ブログではJクラブが公共施設の指定管理者になるという事はこういうものと思い込んできました。期待しすぎも酷なのかもしれませんが、指定管理者になる事自体が画期的で素晴らしい事だと思います。それではネガティブな予想をしてみましょう。
【ネガティブな展開】
①何も変わらない(特にサッカー施設以外)
これでサッカー施設を含む、岡山市と総社市の主要施設、岡山県の岡山総合グラウンドの指定管理者になりました。先日、岡山市のある施設でファジカップが開催されていますが、サッカーイベント。どこかでサッカーを中心に考えているとのコメントを見かけました。そうなればサッカーやフットサル以外は特に活性化させようという動きが出ない恐れがあります。あと、あくまでサッカーに注視するのか、Jリーグ百年構想を思い浮かべて、サッカー以外の競技にもアクションを起こそうと思っているかです。前者であれば何も変わらないのでは。
②効率の優先、経費削減によるサービスの低下
公営であれば、採算よりも公益性を重視しますが、民営になるとどうしても採算や費用対効果を重視する傾向があります。ここは無駄、あれも無駄という方針になり、気が付いたらボロボロになった用具、めくれ上がった人工芝コートなど、サービス面が低下してしまうという可能性があります。手が届かないところはコンソーシアムを組む企業等も頑張ってくれるので、まぁ大丈夫とは思いますが。
【気になる点】
①活動が凍結しているNPO法人岡山ヒューマンスポーツクラブは何も絡まないのか。
J2岡山は2006年に法人化しましたが、その前までは県サッカー協会が設立したNPO法人岡山ヒューマンスポーツクラブがチーム(当ブログも広報委員として当時所属)の運営をしておりました。法人化の後は特に表舞台に出ず、長年凍結化していました。ただ、Jクラブはどこも公益法人を併用し、アカデミー+異競技の活動を実施しています。代表的な例はJ1湘南。今回の動きを起こすなら、そういうところもつい期待してしまいます。
②岡山総合グラウンドは結局ほとんど変化がないかもしれない。
指定管理者で単独でなく、多くの事業者とのコンソーシアムのために発言力が高くないかもしれない。経験が長い事業者のやり方が通り、サッカー競技以外の声は反映されず、何も変わらない可能性もあるなと思っています。つまりファジフーズも改善されないという事かもと思ってみたり。
③サッカー以外のスポーツの部分
「サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること」とありますが、岡山市でのこの1年を見ると、J2岡山得意の「口にしてみるだけ」だったりしてと、結局はサッカー競技しか取り組む気は無かったのではとつい思ってしまいます。なかなかすぐに物事は変わらないので、信じて個人的に期待するしかありません。
では、どういうところを基準に今後の動向を見ればいいのか。よくわかりませんが、当ブログとしては一つ指標があります。「地域スポーツ振興活動および介護予防事業」というJリーグの補助事業があります。長年ここの岡山の名前を観る事はなく、2019年の資料(2020年度は見当たらず)も観ましたが、やはり無かったです。ここに名前を出せるようになって初めて、こういう面でJクラブとしてスタンダードな活動になるのではないでしょうか。
イメージ的には例えば、「ファジアーノ岡山杯弓道大会」「ファジアーノカップ テニス大会」「ファジアーノ杯マラソン大会」「若雉杯相撲教室」とか。本当に実現したら素晴らしいと思います。あと、例えば近々トライフープが総社で試合がありますが、指定管理者として何かコラボはできないものなのかとも。
ファジフーズが改善するかもしれないと期待を込めて記事に起こしましたが、実際はどうなのか。コロナ禍で県内の飲食業は大きな被害を被っています。他のクラブのように公共財として地域の飲食業を応援する事(公式HPでの実店舗名の表記)は当たり前の事。テント番号だけでは自分のところが儲かるだけで、地域に何の役も経ちません。ファジフーズがJ1にふさわしいスタジアムグルメ(例えばの1例)になって欲しいですね。そうなれば当ブログも全面的に応援するのですが。もう少し様子を見たいと思います。
異競技交流(Jリーグ「地域スポーツ振興活動および介護予防事業」)関連:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20190315
岡山市社会体育施設指定管理者受託関連:https://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20210206
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