CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ガール

2014-02-19 20:12:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
ガール  作:奥田 英朗

女性を扱った短編集でありました
女性といっても、初出から換算すると
2004、5年頃に30代だったそれらを描いております
今なら、アラフォーというくくりになるんでしょう
なんとなく、会社でも見かけるあの人やこの人といった
そういう女性たちだと思うと
なんだか、なるほどなと思わされるような
様々な「ガール」が出てくるのであります

この小説については、正直なところ
女性の感想を凄く読んでみたいと思わされる内容でして、
実際にあんな感じなんだろうかとか、
そう思わせる、想像させるような緻密といったらいいか、
機微をとらえた内面描写が素晴らしく、
なんとなし、そういう風に考えていそうだなと
それくらいの妙齢の女性生態について
考えさせられるようでありました
非常に面白かった

様々な女性が出てくるものの
大方が、独立心というか、一人立ったような女性
そういうのをテーマとしているようで、
二世代ほど前の、しなっとなよっとした女性像とは違う
働くの大変だけど嘗められてたまるか、
とまではいかないけど、反骨を抱いているといった
なかなか骨の太い女性が、いきいきしておりまして
読んでいる分には非常に頼もしくもあり、
楽しくもある、そんな具合

特に、題名にもなっている短編「ガール」については、
いつまでも女の子である「ガール」であることを
いろいろな角度というか、そこについて
不安を抱いたものから、そこを通り超えた人を見せることで、
変わらないものというか、根っこにある
その気持ちとか、生き様みたいなのが「ガール」という言葉で
見事に表現されているかのようでありまして
ちょっとこれについては、脱帽というか
いい短編を読んだなぁと素直に感心したのであります

どの話しも明るくたくましいといった様相なので、
読んでいて何かしら、元気というか
少なくとも落ち込むようなことはなく、
清清しく、読後感も非常によろしいということで
さして好きなジャンルではないと想いながらも
あれよあれよと読めたのでありました

非常に楽しく読めるので
こういうのは、春先によい本でありますね