CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】原発ホワイトアウト

2014-02-15 20:58:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
原発ホワイトアウト  作:若杉 冽

話題作ということで読みました
なんか、思ったのと違ったという印象ですが
原発に関する内容を政治や、電力会社という視点を交えつつ
読んでいて、本当のことが書いてあるというか、
山崎豊子的な内容なのかとはらはら読んでいましたが
なんか、もうちょっと俗なというか
ファンタジー色も強いように感じる小説でありました
山崎豊子風を目指そうとしたというよりも、
その形をまねて整えたといいましょうか
そんな印象であります

電力会社が、いかに利権を守るためにあれこれ画策しているか
その様子や方法を描きながら、それにまつわる政治家の姿もあり、
そこに反発しようというジャーナリズムも見えるが、
それらもやがて、電力会社の力の前には…
そんな塩梅で話は進んでいくのでありますが
最終的には、なんか打ち切りにあったかのような具合で、
唐突な展開に、なんというかうやむやと落ちていき
大オチについては、落語を意識していたのでありましょう
くだらない笑話みたいで嫌いではなかったんですが、
なんか、小説全体がふまじめだったように感じて
もうひとつと思ったのであります

さて、結構下品なネタを交えながら、
露骨な収賄や、懐柔といった内容が描かれていますが、
割とステレオな感じというか、ありそうな
そういう具合で書かれていて、はらはらするんだけども
わかり易すぎてもうちょっと引っ張ってほしいということもあり
なんだかんだ、全体的にはもう一歩ほしかったと
そんな風に感じたのでありました

思想や、政治批判めいた内容については
それぞれ考え方、思うところもあるので
なるほどなと思うにとどめるのでありますけども
かなり実名に近い登場人物が
言ったか言わないか、やったかやらないか
わからないものを描かれて
勉強というか、時事についてもちゃんと知ってないと
どこまでが嘘で、もっともらしい内容なのか
それがわからないので注意が必要だとか
いつもの反省を抱くばかりなのでありました

本に、フィクションともノンフィクションとも書いてないのは
いかがなものかなと、首をかしげてしまったのでありますが
とりあえず、読んだのでありましたとさ