CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】指輪物語 王の帰還

2017-07-03 21:40:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
指輪物語 王の帰還  作:J.R.R.トールキン

そして、いよいよ解決というか完結篇であります
結構時間かかってしまいましたが、無事、この長編ファンタジー古典を
読み終えたと、まずその満足感に浸りながら
なかなか楽しかったと思える最終でありました

帰ってきたアラゴルン、王とはつまり
アラゴルンのことであったというお話の前半と、
いよいよ目的を達することができるかと、
敵地に深く入り込んでいくフロドたち
この二つの冒険の終わりが描かれていたわけでありますが、
まぁ、正直なところ、アラゴルン側の話が
暗い、重い、絶望的と、読んでいてちっとも楽しくないというか
苦難と苦難と苦難といった具合で
大変、重苦しい読書となったのが印象的でありました
勝ったのか、負けたのかという話にすらならないというか
心弱き者が敵となったり、情けなくなっていったり、
味方と思ったものが絶望に負けていたりとか、
ともかく、本当にもう、苦戦もたいがいという感じで
戦って、なんだかんだ、勝ち進んでいるというか
がんばっているんだけども、彼らのほうでは
この大戦の趨勢を握れないということをわかったうえでの、
陽動戦みたいなことをしているからか
まぁ、なかなか読むのに骨が折れたのでありました

数々の王や仲間が倒れていくという描写のなか、
どうにかなるのか、ならないのかと思っていたところから
フロドたちの冒険に話が合わさると、とたんに面白くなるというか
彼らの苦難の道のほうが、わかりやすく読み進められて
なんとかがんばれと応援したくなるような様相でありました

最終的には、なんというか、それで終わりなのかと
ちょっと不思議に思うような完結だったのでありますけども
それはそれ、旅の目的が終末に届いたところで
なんとか、話は収束していくというのでありました

このあたりから、映画はどうだったか記憶にないことに気付いたんだが
ともかく、サムのおかげでフロドはがんばれたというか
むしろ、サムが立派だったというお話でありまして、
この印象は、映画でもそう思ったなと覚えているんだが
映画のその描き方はとても正しいといっていいのか、
本編では、その後がさらにあって、そこからの物語、
ホビットたちが、自分たちの村へと帰る冒険が
なんというか、あれこれ考えさせられるというか
最後の活劇で面白く読めたのでありました

描写として、すっかり戦争が板についてしまっている
ホビットの冒険者たちが、いく先々で、物騒な人だと思われるというのに
自分たちがすっかり戦争者になっていると気付いたりするシーンだとか
なかなか、印象深いというか、戦争はそういうものだなと
思わされるところがステキだと思ったわけですが
その後、フロドのとった行動と、行く末というのが
寂しいといっていいのか、そこをもってして
これは、次世代、サム、ピピン、メリーたちの物語の嚆矢でもあったんだなと
思わされたりして、なんとも深く感動したのでありました

個人的には、この頃になってしまうと、
ギムリやレゴラスといった初期の仲間があまり活躍しないのが
不満だったりしたのでありますが、
ホビットたちを主人公とした物語として読めば
彼らのいうような冒険譚であり、伝説であり、唄われるであろう物語だったんだなと
満足できたりしたのでありました
名作は読んでおくものだなと、改めて思ったりしつつ
ともかく、これを読み終えたという事業について
満足した次第なのであります