CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】神の守り人 帰還編

2017-07-12 22:24:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
神の守り人 帰還編  作:上橋 菜穂子

ちょっと間が空いてしまいましたが、
ようやく、図書館の順番が廻ってきたので読んだと
そんな次第であります、実際には、いつものシリーズではなくて、
文庫本のほうで読んだので、感想が異なる可能性もあるのですが
ともあれ、物語としては、題名のものを間違いなく読んだのであります

このあたりは、今年の初めにやっていたドラマの通りでありまして、
非常に面白く読めたのであります
だいぶ、ドラマのほうとは話が違うともわかっていながらも、
殺戮の神を降ろした少女との付き合いというか、
どうしていくかというところの物語で、
大きな、国の喧騒に巻き込まれながら、そういうことではなく
もっと、人、一人としてどうかと
そこに落とし込もうとしたバルサの活躍が見られて
まぁ、なかなかどうして、凄い楽しかったのでありました

今回も、バルサの鬼のような強さが光っていまして、
殺陣の描写もきわめて充実していて、読んでいてたまらなかったのであります
ナイフのような短剣との戦いや、相手を転がしたと思ったところから、
投げ刀に襲われるだとか、いちいちかっこいい戦いっぷりに
こっちのほうでも大満足だったのであります
忍者っぽいといってはなんでありますが、
物語上、陰の存在と呼ばれていたカシャルという職業人というか、
そういう生業の生き様が、一種卑怯ともいえる戦法で戦うというのが
物凄く面白く読めたのであります
これはなかなか、男の子にたまらない感じであります

とはいえ、このシリーズに共通する、人間の成長について、
バルサとのかかわりで、幼い心に、自分なりの善悪を見出すという
大変な大事をなすところが、物語最大の見せ所でありまして
この説得力というか、そうでありたいということを
強く肯定されるかのような物語に
嘆息を見舞うのでありました

大変楽しく読んで、タルの一族や、ロタの国の話は
決して綺麗に解決したわけではないけども、
バルサを初めとした、人間それぞれの中では
不思議と、一区切りがついたかのような終わりに
なんとも、納得して読み終えたと
そんな按配だったのでありました
大変面白かった、いいシリーズだ