CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】鄭成功 南海を支配した一族

2017-07-04 21:20:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
鄭成功 南海を支配した一族  著:奈良 修一

台灣に行く前に読んでおくべきだったかも
そう思ったりしましたが、そもそも
台灣に行かないと知ろうと思わなかった人物であります
鄭成功、台南の町にいくと、そこかしこに
彼の銅像が立っていまして、廟まであったり、
神様のように祀られた英雄なのであります

本では、この鄭成功のみならず、父親の鄭芝龍、
そして、息子の鄭経、孫、ひ孫と、鄭一族の辿った運命というか
生き方について、大変簡単に、教科書のごとく教えてくれるものでありました
久しぶりに、真面目に勉強をしたという気分であります
知りたいということに向き合うと、
こういう本を必然的に読むようになるんだなと
改めて、教科書というものについて考えがいたったんだが
それは余談である

さておき、時代としては明の頃、いわゆる倭寇と呼ばれている
海賊集団のひとつとして、長崎の平戸から台灣、金門のあたりを根城に
ぶいぶいいわせていた一族の一人に数えられるらしい
鄭芝龍という男が、日本人の妻をめとって、
この海賊稼業にせいをだしながら、成した子供が鄭成功でありましたと
そういうお話である

まったく知りませんでしたが、あの近松門左衛門の浄瑠璃にも
鄭成功を扱ったものがあるんだそうで、なかなか衝撃的
明の頃なので、徳川幕府がどうしたと、その頃、1600から1700までの間に、
一族の勃興があったようでありました

中国史について、特に近代はさっぱり詳しくないので
よくわかってませんでしたが、明が没落し、清が台頭するといった情勢、
この頃に、鄭一族、とりわけ、鄭成功は明に味方したというか
忠節を尽くして、清に反抗したというのが
英雄として称えられるところなんだそうである
朱子学的に、この主君に忠実であったというところが
物凄く評価されているのだそうでありまして、
敵である清の皇帝ですら、鄭成功の忠勤ぷりに
一目というか、尊敬を抱いていたというので
なかなか衝撃なのでありました

そういう、明の半分役人という地位でありながら、
オランダとあれこれ外交というか
戦争をしたりという中で、台灣をもぎ取り
気付いたら、鄭氏が台灣王としてオランダあたりには認識されていたと
なかなか衝撃的な内容だったようでありまして
歴史を感じたというか、なるほどなと
思わされたのでありました

このあたりが、本来の現地台灣人とは別に
大陸系として、倭寇上がりといっていいのか、海運で実力を示した人間が
台灣、それも台南、高雄といったところに入植して
国を開いていたというか、世界史の記録に現れたというのが
この頃であり、この人であったというのが興味深いところ、
台湾人の中で、鄭成功という人が、今、どのような位置にあるのか
凄い興味がわいてきたのでありますが
ともあれ、台灣のみならず東アジアの英雄の一人に数えてもおかしくない
英雄について物を知った読書でありました