CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】夜の公園

2018-03-13 21:31:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
夜の公園  作:川上 弘美

なんといったらいいんだ、
読み終わって、ああ、なんてため息に似た何かを吐いて
面白かったとか、感動したとか、
そういうのとは遠い、なんか読み終えたという
感触は生々しいのに、どうといえない
そういう感じであります

素人、というか、本当に自分なりの感想として
この作者は、男性の心情をよくよくわかっているな、
なんて偉そうに感じたのであります
女性作家なのに、この男が女に対して不可解に思うところと、
女が男に対して理解から遠い何かとを
物凄く的確に描いていたように感じるのであります

内容は、不倫だとか、なんだとかと
そういうお話なんだけども、
それだけともいえないものを包含しつつ、
でも、物語としては男女の、それも、痴情のもつれめいた
どろどろとした、と形容したけど
案外さばさばした内容なのが、これまた、
女性っぽいと思わされたんだが、実際どうなんであろうか
不思議な女二人の独特なルールというか
生き方を見せられたようで、
きっとこれに、女性は物凄く共感するんだろうなとか
あてずっぽうを言い募ったりするのでありました

旦那のことを好きではないと気付いた、
そういうところから、違う男と
なんとなく体の関係を持ってなんていうことが、
つらりつらり、それがまた、友人が旦那に懸想していてとか、
もう、そういうのをわかっていて、
それでいて、どうとでもないと、考えていることと
やっていることと、何か、
男というか、私なんかが呼んでいると不安で仕方ない
この乖離が、不思議な魅力というか、
ああ、女っぽいなぁ
なんて思ってしまう内容だったのでありますけども
どうだっただろうか

女は強いとか、女の友情とか、
そうか、
これが女の友情なのかしら
なんて、また、わからないことを思わされた
そういう一冊だったように思うのであります