CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】有頂天家族

2018-03-26 21:01:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
有頂天家族  作:森見 登美彦

京都を舞台にした狸一家の栄光と挫折とを描いた物語
そんな按配でありました、漫画的といったらいいか
のびのびと、京都でしょーもない事件を
いったりきたりという感じなんだが、
じゃぁ、何があったかというと
とりたてて、凄いこれがということもない
なんというか、捕まえがたい小説でありました

狸の跡目争いに、のらりくらりとした四匹の兄弟狸が
それぞれの思いを抱いて、偉大な父親の死の謎を追っかけて
天狗や、人間やと、あれこれいざこざを繰り返していく
そのばかばかしい饗宴を楽しむ
そういう体なんだと思うのでありますが、
軽妙な言い回しと、独特の世界観
それを、ただただ堪能できたら
それで十分という感じにも読めて、好きな人には
たまらんだろうなと、そんな感想を抱いた次第でありました

個人的には、ピンとこなかった、
できれば、ペンギンハイウェイ的なお姉さんが欲しかった、
弁天さんはちょっと違うな、なんて
勝手なことを思ったりしながら読んだのがよくないところで、
とはいえ、赤玉先生なるろくでもない天狗の悲哀が
なんとなしわかったような気分になったり、
キャラクタを楽しむ物語に
みっちり付き合った、そういう感じでありました

京都のあれこれと、言葉遊びのそれこれが
楽しいと思えたら、もっと深く踏み込めるんだろうと
ちょっと、流石にそこまで若くないなと自分を省みた
読書でありました