うみの歳月 作:宮城谷 昌光
どうも自費出版単行本なんだそうで、
氏が若かりし頃に書いた現代小説を集めたもの
純文学めいた、と言っていいかわからないのですが、
どこかうすくらい感じの印象を抱かせる
中篇短編が編まれていました
何がという感想を抱きにくい
男女というか、夫婦についての描写と心情が
とつとつ描かれている小説で、
面白さというのとは別のような、でも、ずいずい読まされた
不思議な読み応えを覚えたのであります
個人的に好きというか、興味もって読めたのは、
私小説めいた内容の「発見者」というもので、
氏が凝っていたカメラの話も含めて、おそらくは、
小説家としてなかなかうまくいってなかった時代を
小説化して読ませてくれたものでないかと
思ったり感じたりしたのであります
条件や、状況はだいぶ違うのだろうけど
逡巡でないが、感じていた鬱屈というか、心の動きのようなものは
こういう作用だったんじゃないかと
思い図れるようで面白かったのでありました
まぁ、何よりも、京都、愛知、岐阜と
個人的にとても馴染み深い場所ばかり出てくるので
情景を想像しやすかったのもあると思うのでありました
西尾のバラ園とか、ああ、行った、行ったと
思わずうなってしまうような地元のマイナー観光地が
結構あれこれ出てきて楽しいのでありました
また、陶器を買いに、多治見、土岐、瀬戸なんかを廻りつつ
途中で市之倉に寄って、誰、と現代作家をあえて挙げないあたりが
なんというか、そこはやっぱり、幸兵衛窯だろうかなと
勝手に思ったりして、楽しいのであったが
完全に自分の趣味だけの話であるな、感想として弱い
と、反省を少々挟みつつであるものの、
現代小説で、夫婦や親子といったものが、煩わしい関係と感じたり
それが必要であったり、様々な角度から見え隠れするものとして
何か考えさせられるところがあると、
そういうのが楽しい一遍であったように思うのでありました
不思議と読めた、そういう感じで
好きな小説だったなと思えたとメモっておくのであります
どうも自費出版単行本なんだそうで、
氏が若かりし頃に書いた現代小説を集めたもの
純文学めいた、と言っていいかわからないのですが、
どこかうすくらい感じの印象を抱かせる
中篇短編が編まれていました
何がという感想を抱きにくい
男女というか、夫婦についての描写と心情が
とつとつ描かれている小説で、
面白さというのとは別のような、でも、ずいずい読まされた
不思議な読み応えを覚えたのであります
個人的に好きというか、興味もって読めたのは、
私小説めいた内容の「発見者」というもので、
氏が凝っていたカメラの話も含めて、おそらくは、
小説家としてなかなかうまくいってなかった時代を
小説化して読ませてくれたものでないかと
思ったり感じたりしたのであります
条件や、状況はだいぶ違うのだろうけど
逡巡でないが、感じていた鬱屈というか、心の動きのようなものは
こういう作用だったんじゃないかと
思い図れるようで面白かったのでありました
まぁ、何よりも、京都、愛知、岐阜と
個人的にとても馴染み深い場所ばかり出てくるので
情景を想像しやすかったのもあると思うのでありました
西尾のバラ園とか、ああ、行った、行ったと
思わずうなってしまうような地元のマイナー観光地が
結構あれこれ出てきて楽しいのでありました
また、陶器を買いに、多治見、土岐、瀬戸なんかを廻りつつ
途中で市之倉に寄って、誰、と現代作家をあえて挙げないあたりが
なんというか、そこはやっぱり、幸兵衛窯だろうかなと
勝手に思ったりして、楽しいのであったが
完全に自分の趣味だけの話であるな、感想として弱い
と、反省を少々挟みつつであるものの、
現代小説で、夫婦や親子といったものが、煩わしい関係と感じたり
それが必要であったり、様々な角度から見え隠れするものとして
何か考えさせられるところがあると、
そういうのが楽しい一遍であったように思うのでありました
不思議と読めた、そういう感じで
好きな小説だったなと思えたとメモっておくのであります